東京のど真ん中で行われた「神宮外苑花火大会」。大都会でバラバラに暮らす人々が、ひととき動きを止めて同じ花火を見上げる瞬間。どんな思いがそれぞれの心をよぎるのか。大会の準備から再びいつもの日常が始まるまでの72時間を見つめる。
労働者の街として知られた“山谷”が今、外国人旅行者の拠点に変わろうとしている。一泊2500円という簡易宿泊所の安さが口コミで広がり、今や外国人の 利用が9割という宿まで現れた。日本の若者ファッションに夢中のフランス人。秋葉原が自分の聖地だというイギリス人…。わずか2畳の部屋に寝起きしなが ら、東京を見て回る外国人旅行者に同行しながら、日本人には見えていないニッポンの魅力や不思議さを探っていく。
東京と地方都市を最も安い料金で結ぶ高速バス。東京駅八重洲南口は、北は青森から南は下関まで、70以上の路線が発着する日本最大の高速バスターミナル だ。利用客の目的はさまざま。単身赴任の夫に会いに来た妻子。人生最後の思い出に日本中を旅してまわる老夫婦。そして、遠距離恋愛の別れを惜しむカップル たち…。週末3日間、高速バスターミナルにカメラを据え、利用客それぞれの切実な「旅の理由」を探っていく。
1日250人が訪れる日本最大の新宿東口献血ルーム。献血から作る血液製剤の有効期限はわずか3週間。血小板は72時間しかもたない。そのため献血ルーム では、無料のハンバーガーやアイスクリーム、手相占いやマッサージまで提供し、ドナーを募っているが、在庫は常にひっ迫しているのが実態だ。新宿東口献血 ルームを主な舞台に、血液が医療機関に届けられるまでを72時間追い、医療に欠かせない「血液」流通の現実に迫る。
小さな密室空間・タクシー。ビジネスや暮らしの慌ただしさから一瞬離れた車内で、運転手とついつい交わしてしまうのが本音の会話だ。一向に感じられない景 気回復、家族の悩み、そして政治の不満まで…。そうした会話をつなぎ合わせてみたら、どんな世相が浮かび上がってくるだろう。安倍新内閣発足のニュースが 流れる72時間を舞台に、東京のタクシー車内の会話を追い、庶民の本音と世相を描く。
札幌のタクシー車内の会話を追う。バブル崩壊による金融破たんで、深刻な打撃を受けた札幌。景気回復はまだ実感できず、歓楽街・すすきのの落ち込みも続い ている。一方で、2006年は地元の日本ハムファイターズが25年ぶりに優勝したという明るいニュースもあった。安倍新政権が発足した9月下旬、札幌のタ クシーの会話を72時間に渡って追い、東京とはひと味違った庶民の本音を描く。
日本最大の華僑タウン、横浜中華街。週末は全国からの観光客で満員電車のようなにぎわいだ。10月、街は最大のお祭りの一つ、双十節にむけての準備に追わ れる。一番の見せ物は、伝統のアクロバティックな獅子舞。街のど真ん中にある中華学院を卒業した若者たちが、深夜まで練習を繰り返す。中華料理店を継いだ 者、街を出て日本社会で生きる選択をした者…。華僑とは何か、祭りまでの3日間を通して中華街のきずなをかいま見る。
勝ち組の象徴となった六本木ヒルズ。そのすぐ近くに不思議なビルがある。中には、机と電話だけがある、一坪ほどのブースがびっしりと並んでいる。そのひと つひとつが明日のヒルズ族を目指す「会社」の卵なのだ。大学生の起業組から、元OL、再出発を図る中高年まで。IT全盛のこの時代、朝から晩まで足を棒に して営業に走り回る彼らを3日間にわたって追い、不夜城・六本木の知られざる一断面を切り取る。
東京から東名高速を西へ1時間半。そこにあるのが足柄サービスエリアだ。富士山を一望でき、風呂まである人気の休憩所には、さまざまな人が立ち寄る。ビジ ネスに追われるサラリーマン、ペットを連れた旅行客、そして日本中を走り回るトラックドライバー…。多様な人生が休憩所を通り過ぎていく。24時間営業し ているサービスエリアに3日間カメラを据え、立ち寄る人々のそれぞれの旅の目的と心に抱えた思いを追っていく。
埼玉県戸田市周辺には3000人のイスラム教徒が暮らしている。同時多発テロ以降、マイナスの先入観を持たれがちだが、素顔のイスラム教徒は人なつこく、 つつましやかだ。中古車の輸出や工場での労働に携わる彼らは、手作りのモスクに集まり、毎日礼拝を欠かさない。10月は1か月にわたり日中の断食を行う 「ラマダン」の期間。最後の3日間、彼らの暮らしに密着し、仕事や家族、そして信仰について、率直な声を聞いていく。
いつ見舞われるかわからない大けがや病気。関西の巨大病院・大阪医療センターには、突然の手術や入院で途方に暮れる患者に手を差し伸べてくれる場所があ る。3人の若いスタッフが勤める「医療相談室」だ。寄せられる相談は実にさまざま。治療や支払いの不安、家族問題や退院後の生活のやりくりまで。患者たち の相談室に3日間密着し、入院生活にとまどいながらも、一歩一歩生きていこうとする患者と家族の姿を描く。
一獲千金を夢見て、多くの人が購入する「年末ジャンボ宝くじ」。その最も有名な売り場のひとつが西銀座にある。「一番よく当たる」とうわさされるこの売り場、2006年に行われた5回のジャンボ宝くじでは16人の億万長者を生み出した。毎年最多の購入者を集める年末ジャンボでは、1000人を超える長蛇の列ができる。人々は3億円にどんな夢を託すのか。発売初日からの3日間に訪れた購入者のそれぞれのドラマを拾っていく。
ゲームセンターやまんが喫茶などに押され、人気にかげりのあるバッティングセンター。しかし、そこの「ホームラン王」になることを目指して、連日バットを振る常連たちがいる。大阪・心斎橋のバッティングセンターでは、24歳と70歳がトップの座を競い合ってきた。自己満足と言われかねない「名誉」のため に、なぜ彼らは打ち続けるのか? 年の瀬のバッティングセンターの人間模様を72時間にわたって追う。
クリスマスの家族の団らんに欠かせないケーキ。その売り上げを急速に伸ばしているのがコンビニエンスストアだ。食料品から日用雑貨まで何でもそろう便利さで、日本全国に広がったコンビニ。今や、年に一度の家族のイベントまで支えるようになった。その変化は何を映し出しているのか。大手チェーンで、関東一のクリスマスケーキの売り上げを誇る茨城・笠間市のコンビニに密着し、訪れる人々の暮らしに迫る。
安売りで知られる上野アメヤ横町に、街のイメージとはちょっと違った店が増えている。「まんが喫茶」だ。店の中は普通の喫茶店とずいぶん違う。まるで箱のような小さなスペースに区切られ、お客さんはその中でまんがやインターネットを楽しむ。ホテル代わりに泊まる人も少なくない。年末年始でも大盛況だという。人々は何を求めて訪れるのか? 72時間、上野アメヤ横町のまんが喫茶に密着し、その不思議な魅力の秘密に迫る。
毎日吐き出される膨大な量のゴミ。東京23区で発生するゴミは、実に1年間で東京ドーム9杯分にもなるという。中でも世田谷区の収集量は都内最大。年末年始のゴミがまとめて出される年明け最初の収集週は、1年で最も多忙な1週間となる。ふだんの2倍近い量を時間内に集めるだけでなく、使い残しのガスボンベ による火災などの危険にも対処しなければならない。収集職員たちの大忙しの3日間に密着し、暮らしの裏側の格闘を追う。
冬の休日を楽しもうと人々が押し寄せるスキー場。それを陰で支えているのが、リゾートバイトと呼ばれる若者たちだ。夏は別の仕事をしながら、冬になると全国から集まってくる彼ら。スキーやスノーボードが大好きな仲間同士で共同生活をしながら、バイトと遊びに没頭する。しかし、心のどこかで、将来への不安を抱えているようだ。新潟・湯沢町のスキー場にカメラを据え、夢と現実のはざまで揺れるリゾートバイトの若者たちを追う。
ネットオークションの流行などで、当たり前になりつつある中古品の「売買」。名古屋市には、地上7階建ての巨大リサイクルショップがある。扱うものは、時計・貴金属・ブランドバッグから、衣類や楽器、電化製品まで。人気商品を手ごろな価格で買えるだけでなく、不要になったモノを手軽に売れる場所として人気 を集めている。訪れる人々の「売る理由」と「買う理由」を追いながら、消費社会・日本の人とモノの関係を見つめる。
全国で最も屋台が多い福岡市。中でも、ビジネスの中心街である天神地区には、70軒が集中している。2坪あまりの狭い店内で肩を並べただけで、知らないもの同士でもすぐに打ち解ける。屋台には、誰もが訪ねてみたくなる懐かしい人情があふれている。30年以上も地元サラリーマンの憩いの場になっている店や、若い芸術家の卵が集まる店を3日間にわたって追い、屋台独特の魅力と、店主と客それぞれのドラマを見つめる。
名古屋と仙台、苫小牧を結ぶ片道1200キロのフェリー航路に密着する。気の置けない友人たちと団体旅行をする人。夢破れて故郷に帰る人。そして、新入社員として新たなスタートを切る人。飛行機なら1時間ほどなのに、あえて2泊3日の旅を選ぶ理由は何なのか。一隻の船の中ですれ違う、さまざまな人生を切り取る。
震災から1年以上が経過した東北の玄関口・あだたらサービスエリアに密着。被災地を目指すボランティア、旅人、週末レーサー、数十年ぶりに帰国した家族など。偶然通りかかる人々が、それぞれ胸に抱える思いとは。そしてどこへ向かう?
韓流の聖地・新大久保が舞台。イケメンカフェなどに囲まれた一画には、外国から移住した人々が24時間利用する青果店がある。アジア、アフリカ、中東、あらゆる場所から集まった人々。将来の夢、大切な家族、抱えるものはさまざまだ。そこには、日本人が忘れかけた下町の人情が。
舞台は北海道随一の繁華街・札幌ススキノにある、おにぎり店。24時間、新鮮なお米の味とほっとするぬくもりを求めてやって来る人々。いまだ地方を覆う不況のなか、ボーナスをカットされたサラリーマンや、将来に思いを巡らす水商売の若者たちが、本音を語り合い、笑顔を取り戻す。
舞台は福岡博多港。史上最大級の客船が上海から続々入港し、6000人もの中国人客が博多に上陸。食事やショッピング、観光などのスケジュールを分刻み秒刻みでこなし、一行を無事船まで送り帰さねばならない。次々起こるハプニング。季節外れの巨大台風も接近。騒動記のてんまつは。
舞台は東京・新宿歌舞伎町にある24時間営業の生花店。深夜に、誰が、どんな事情で花を買いに来るのか?片思いの人へのかなわぬ思い。定年を迎える恩師への感謝。新しい命を宿した妻へのサプライズ。独学で勉強を続けてきた母の卒業式や、ともに夢を目指して頑張ってきた仲間との別れなど、人々がそれぞれに迎えた「特別なとき」に思いがけず立ち会う。言葉だけでは伝えきれない思いを花に託し、人は今日を生きてい く。
毎日300万人が利用する東京・渋谷駅。私鉄東横線のホームが、一晩にして地上2階から地下5階へ移動する大工事が行われた。前日からマスコミをはじめ、歴史的な瞬間に立ち会いたいと多くの人々が駅に集まる。85年の歴史を持つ駅ホームにはさまざまな思い出が。最後の終電が出て行く様子を、歓声とともに見送る人々。中には、そのまま新たな始発電車を迎えるために夜を明かす人も。2度と戻らないときへのオマージュだ。
大阪梅田駅の地下道の壁に張り付くように営業する、立ち食いの串カツ店。10人あまりでギュウギュウの小さな店だが、いつも満員で、ときには行列もできる。徹夜明けのガードマンや同僚に連れられてきたサラリーマンに外国人観光客。お互い関わりのない者同士だった客が、カウンターで肩を寄せ合ううち、いつしかうち解けていく。仕事の悩み、家族のこと、明日への不安と希望。気分が変われば、不思議と明日への力も湧いてくる。
海上自衛隊根拠地、横須賀が迎える特別な3日間に密着する。春、年に一度の昇級試験のため、艦艇のほとんどが集結した横須賀基地。隊員8000人は、久しぶりの再会と陸上生活に喜びを隠さない。潜水艦乗員からカレー作り名人の調理員まで、気持ちが浮き立つ理由は、ほかにある。試験翌日は300人規模の「出会いパーティ」が予定されているのだ。異性と知り合う数少ないチャンス。果たして運命の人と出会うことはできるのか。
北海道の新千歳空港は利用者数世界一の「羽田/千歳」路線を抱え、地方空港ダントツの年間1600万人が訪れる。春は北の大地と大都会・東京とを行き来する人々の「出会いと別れのドラマ」が繰り返される。就学、転勤など人生の節目を迎える時期、出発ロビーにカメラを据える。東京に進学する友人に仲間が準備したサプライズ。20年越しの再会を果たした大家族の涙。深夜に出会った異国人留学生が語る夢。それぞれの思いを描く。
岐阜県の大手家電メーカーの工場が33年の歴史を閉じた。最盛期には4000人の従業員を抱え、ゲーム機など数十種類に及ぶ商品を送り出してきたが、グローバル化の中で役割を終えた。かつての熱気を惜しむ熟練技術者、明日からの仕事を探す派遣社員、出稼ぎに来たブラジル人たち。巨大工場の終了は、地域全体の雰囲気も一変させる。最後の日々、工場の門前を行き交う人は何を思い、どんな一歩を踏み出そうとするのか。
ひとりでカラオケを歌う「ひとカラ」。最近では、専門店も登場。東京・新宿の24時間営業の店は48の個室に、週末は順番待ちが出る人気ぶりだ。一心不乱にマイクを握り、歌うことで何を解消しようとするのか。他人を気にせずに熱唱したい若者。子育てやパートに追われる主婦。就活中の大学生や新たな仕事を探す人。ひとり安らげる居場所を求め、歌うことで明日への一歩を踏みだそうとする人々の「格闘」が繰り返される小宇宙。
京都・祇園の繁華街のほど近く。全国から人間関係に悩む人が訪れる場所がある。“縁切り神社”で知られる安井金比羅宮だ。悪縁を断ち、新しい一歩を踏み出したいと願う人が、絵馬やお札に自らの思いを書き込む。男女関係、親子兄弟などの家族の縁、地域や職場、学校の人間関係。病気やケガ、事故、災害、パソコンやアルコール依存症まで、現代を生きる上でふりかかる課題は、実にさまざまだ。悪縁と対じする人々が願う未来とは。
最近も、たらい回しによる死亡患者が出た埼玉県。川越に週末夜間専門の救急クリニックが立ち上げられた。医療の現状を改善しようと集まった、有志の医師や看護師たち。ほかの医療施設で受け入れを断られた急患が次々と運び込まれる。撮影期間は5月の大型連休。患者たちにとって、頼れる場所はほかにない。スタッフは交代で休憩をとりながら、嵐のような日々を持ちこたえようとする。使命感と限界点との間で葛藤する医療の現実。
パソコンがあれば、誰でもどこからでも世界に中継できるインターネット生放送。「ひとり放送局」で自分を中継する番組は1日なんと10万、見ている人も10万人に達するという。人々はどんな思いで放送をつむぐのか? 1年に1回、生放送のファンが顔をそろえるイベント会場に出向き、そこで会ったさまざまな「放送主」についていく。ネットを介してつながった「仲間」。顔は互いに知らなくても、そこには新しい社会が見える。
都心から電車で1時間ほどのベッドタウン、埼玉県上尾市。その片隅にある24時間営業のファミレスには、早朝から深夜まで客足が途絶えることがない。毎日独りで食事をするため通うお年寄り。不況のためか資格取得に熱心なサラリーマン。少しでも子どもに楽しい思い出を作ってやりたいと願うシングルマザー。背中合わせのテーブルで様々な人生が交錯する不思議な空間、ファミリーレストランの魅力をじっくりと掘り下げていく。
今や世界に名だたるオタクの聖地、東京・秋葉原。ここでは、成功を夢見る少女グループのステージが、いくつも上演される。熱心に通い詰めるファンも多く、新しい名所ともなった。しかし、彼女たちを取り巻く環境は厳しい。乏しい収入。ライバルグループとのしれつな攻防。若さが武器となるアイドル業界で迫る年齢のリミット。決して挫けることなく夢に向かってハングリーに挑む少女たちと、それを支える人々の青春グラフティー。
かつて100以上の連敗を記録しながらもひたむきな姿で共感を呼んだ競走馬・ハルウララを輩出した高知競馬場。今も全国の競馬場から放出された馬たちが最後に流れ着くいわば「負け組の聖地」だ。観戦に来る人も無名の馬たちにそれぞれの人生を重ね合わせる。がんで闘病生活を送るなか自らを鼓舞するために足を運び続ける人、夢破れてたどり着いた土地で再起を期す人。競馬場で出会った敗れざる人びとの声に耳を傾ける。
巨大な体に不釣り合いな、丸くつぶらな瞳。水槽内をユーモラスにゆったりと漂う姿。見つめていると非現実的な感覚にとらわれる不思議な生き物、マンボウ。 横浜・八景島では、現時点で日本最大級1.8mのマンボウが飼育・展示されている。それを目当てに、多くの見物客が、せわしない浮き世のことをいっときでも忘れたいと全国から押し寄せる。巨大なマンボウを前に人は何を思い、語るのか。マンボウ越しに見た現代ニッポンの姿。
埼玉県加須市。その一角にある廃校に今も東日本大震災の被災者100人以上が暮らす。深刻な事故を起こした福島第一原発のある福島県双葉町から、2年前に役場とともに移り住んできた。放射能の影響で町そのものには戻れないものの、役場は福島のほかの場所への移転が決定。ついて行くか、残るか。いま大きな岐路に立たされている。高齢者が中心の町民たちは苦悩する。故郷から遠く離れながら、生きる希望を模索する人々の記録。
夏になると、日本中から多くの人が押し寄せる富士山。今年は、世界遺産登録の影響もあり、すでに“ラッシュ”ともいえるほどの混雑ぶりを見せている。これから登る人と下ってくる人の双方がすれ違うポイントが、吉田登山口。通り過ぎる人たちに声をかけると、それぞれの背負う人生が浮かび上がる。何も自分で達成したことがない人生を悔やむ会社員。就職活動の成功を祈願する大学の留年学生…。富士山のふもとに交錯する人間模様。
夏の象徴ともいえる神奈川県湘南地方・茅ヶ崎。「青春」「オシャレ」といったイメージで語られがちな地域の片隅に、生活感あふれる24時間営業のコインランドリーがある。6月の梅雨空の下、大量の洗濯物を抱えた人たちが次々に訪れ、乾くまでの間、ぼんやりと時間を過ごす。日々の仕事に疲れ切ったビジネスマン。最愛の伴侶を失って孤独のなかに暮らす人…。それぞれがいつか自分の人生に訪れるはずの“晴れ間”を待ち続ける。
低料金で、広々としたお風呂とマッサージルーム、さらには食事や仮眠をする場所まで、心ゆくまで堪能できる千葉県船橋市の健康ランド。昼間はお年寄りたちの社交場。夜は仕事を終えた労働者の宿泊所代わり。休日には、手頃なレジャーにと家族連れが朝から入り口に列をなす。利用者は、どんな未来に期待しながら日々を送っているのか。参院選に国がわいた7月下旬。24時間営業の健康ランドで日本人の「幸せ」について考えた。
大阪・あいりん地区。毎日、数千の人たちが日雇い労働をしながら暮らす土地で、欠かせないものが「月貸しロッカー」。寝泊まりするのがやっとという狭い簡易宿泊所で暮らす人が多く、貴重品を置く場所がないためだ。一つひとつのロッカーにそれぞれの人生が詰まっている。日本中で帰省ラッシュが始まる8月。荷物を預けたり、引き取るために利用者が訪れる老舗ロッカー店に密着し、労働者の街が迎えるお盆を見つめる。
東京で最も古い歴史を持つ墓地のひとつ谷中霊園。お盆休みの数日間は多くの墓参者で、静かな下町は、いつもと違う光景を見せる。亡き人を悼むスタイルは人それぞれ。忙しい合間を縫い、ようやくお墓に手を合わせられた人。連れ合いの墓に語りかけながら水を絶やさぬ老人。恋人の墓の前でじっくり思い出を語る人。生と死が不思議に交流する空間、お墓の3日間にカメラを据え、亡き人と今を生きる人、それぞれの“人生”を切り取る
8月、鹿児島の半島の外れにある小さな町が世界から注目された。惑星観測衛星を搭載した最新鋭ロケット「イプシロン」の打ち上げ。町には早くから見学希望の問い合わせが殺到。発射場が見える丘に設けられた駐車場には、収容台数の20倍以上の申し込みが舞い込んだ。そして当日。ロマンを求めて全国から駆けつけた人。町おこしの夢を託す地元住民。さまざまな思いが交錯するなか人々が見たものは・・・。
全国からお笑い志願の若者たちが集まる吉本興業。「自分こそが一番おもしろい」と信じて疑わない彼らが、最初にふるいにかけられる場がある。毎年9月に行 われる2泊3日の“山籠もり合宿”。バスに分乗した300人が静岡にある宿泊所に集結。“お笑い漬け”ともいえるカリキュラムをこなしながら最終日に選ばれる優秀者を目指す。ここで頭角を現す者いれば、自分の限界を感じる者もいる。笑いに賭けた人々の青春グラフィティ。
急速に利用者を増やす24時間営業のスポーツジム。比較的安価で、いつでも好きなだけ利用できる手軽さが忙しい現代人にうけている。利用者をじっくり観察すると、体を鍛えるさまざまな理由が見えてくる。今の体型を維持し続けなければ仕事が成り立たない人、親の介護のために体力作りに励む人、悩みを抱えて自分自身と向き合うため走る人。筋肉の向こうにあるそれぞれの人生。早朝から深夜までジムに行き交う人間模様を見つめた。
横浜駅西口にある6階建てのゲームセンター。最新ゲームが次々と登場するなかにあって、昔から変わらぬドル箱が「クレーンゲーム」。店全体の4割の売り上げを占める。早朝から店が閉まる深夜まで、お金を投入し景品をつかもうとクレーンと悪戦苦闘する人は後を絶たない。ストレス解消に訪れるビジネスマン。就職活動中の学生。受験勉強の息抜きに通う浪人生。目の前の景品の向こうにある「本当につかみたいもの」とは?
関西を代表する巨大ターミナル・大阪駅。この一角で、いつも女性たちでにぎわっているのがパウダールーム、つまり化粧室。長旅ですっぴんのまま降り立った人や、仕事やプライベートでこれから大切な用事のある人がここでメークをしてそれぞれの目的地へと向かっていく。仕事、恋、将来のこと…。女性たちは、どんな現実のなかで生き、何を考えながら自らの顔に化粧を施すのか。男子禁制の「女の園」で3日間、耳を傾けてみた。
広島の中心街で知らない人はいないとさえいわれる一人の路上生活者がいる。その名は「広島太郎」。神出鬼没。派手な衣装を身にまといさっそうと自転車で街を駆け抜けてゆく。その不思議なたたずまいや言動によって多くの人が「癒やし」や「励まし」を与えられているともいう。広島太郎とはどんな人物なのか。なぜ広島の人たちは彼に惹かれるのか。一人の人物の足跡を追いながら地方都市に暮らす人々の胸の内に耳を傾けてみた。
船だけを乗り継いで瀬戸内海をゆく“海上ヒッチハイク”。スタートは小豆島。72時間ひたすら西を目指す。ルールはそれだけ。行き先はただ風任せ。港で会う人に声をかけ、必死に船を探す旅から見えてくるのは、海とともに生きる人々の多様で豊かな生き方だ。定年後の人生をヨットで過ごすビジネスマン。誇りをもって漁業に取り組む親子。人口減少が続く離島から決して離れようとしない夫婦。海を行き交う人生と出会う3日間。
見渡す限り砂また砂。広大な「無」の世界が広がる鳥取砂丘。その非日常性にひかれ、年間なんと200万もの人が訪れる。目的はさまざま。悠久の時の流れを感じたいという高齢者。狭いオフィスで細かな数字と向き合う日々から一瞬でも抜け出したいと駆けつけたビジネスマン。深夜、暗闇の中で自分自身を見つめ直したいと遠方から来る人も。幻想的な砂丘の風景とともに、そこを訪れる人たちの「内なる風景」をみつめる。
新宿副都心のあるビルのワンフロアー。毎日たくさんの人でにぎわう、海外格安航空券を扱う旅行カウンターがある。ネットでチケットを買う人が増えるなか、自分が夢見る旅のプランを実現するため、とにかく細かく相談したい人で100m連なる相談窓口は常に混み合う。じっくり質問して入念に準備を進める人もいれば、駆け込んできて「明日旅立てる場所」をリクエストする人もいる。それぞれの旅立つ理由に72時間、耳を傾けた。
ネットやメール全盛の時代。あえて郵便にこだわる人たちが、早朝から深夜まで駆け込んでくる新宿郵便局。日本有数の規模を誇り、24時間休まずに郵便を受けつける場所として知られている。窓口でじっと観察していると、いろんな光景を目にすることができる。締め切り日の消印が押されるギリギリまで履歴書を推こうし続ける人。離れて住む大切な人に小包を送りに立ち寄る人。大都会の片隅にある郵便局に交差する人生を記録した。
古くから縁結びの御利益で知られる島根・出雲大社。ことしは60年ぶりに遷宮が行われ、例年以上に多くの観光客を集めている。この出雲を目指す東京発の夜行列車が「サンライズ出雲」。11月、神々が集う“神在月(旧暦10月)”を迎えると満席になる。婚活に執念を燃やす適齢期の男女や、仕事などの悪縁を絶ちきって新たに良縁を結びたいと願う人びとが同じ車両に乗り合わせて夜を過ごす。旅人たちの切なる願いに耳を傾けた。
雑誌や小説、画集に専門書。さまざまな世界が、1か所にギュッと凝縮された書店。ネットでの売買が盛んになっても、本との偶然の出会いを求めて書店に足を運ぶ人は後を絶たない。店頭に並ぶ売れ筋商品からは今の日本が見えてくる。「自分を変える」。そんな言葉で次々売り出される啓発本に仕事帰りの人たちが群がり、日々の暮らしに疲れた人たちが「スピリチュアル関係」の本を手に取る。活字の森で出会った人々の人生を見つめた。
長引く不況に苦しむ北海道。それを活気づけようと孤軍奮闘を続ける小さなプロレス団体がある。10年前、ふるさとの疲弊ぶりを目の当たりにした営業マンが、好きだったプロレスの団体を旗揚げした。以来、苦しい経営ながらも北海道中を巡回する興業を続けている。12月、冬興業が行われる。期間は3日。場所は、自治体が破綻した夕張など3か所。巡業に同行し、地方で支え合いながら生きる人びとの姿を見つめる。
去年、日本最大規模のシェアハウスが東京・蒲田にオープンした。収容人数は、なんと260人。男女問わず入居者を募集したところ、あっという間に全て埋まってしまった。短期の仕事や留学で日本にやってきた外国人。アーチストを目指す人…。目指す道は、みなバラバラ。共有スペースでは深夜になると他人どうし互いの悩みに耳を傾ける光景がみられる。さまざまな人生が隣り合わせる巨大シェアハウスに3日間カメラを置いてみた。
斬新なアイデアをより早く形にする才能を発掘しようと、去年、世界的IT企業の後援で開催された「起業家コンテスト」。期間は2泊3日。参加者は複数のチームに分かれて必死でアイデアをひねり出し、不眠不休で最終日のプレゼンに向けてブラッシュアップする。問われるのは発想力のみならず、チームの調整能力や実行力。優勝すれば世界大会に進み、スポンサーから出資も期待できる。成功をつかもうともがく若者たちの青春群像。
遠くサハリンをのぞむ、北海道の北の果て。厳しい吹雪が吹き荒れる宗谷岬に「日本最北のバス停」がある。冬には訪れる人も少なくオホーツク海が広がるだけのバス停に、年末年始の数日間だけ、たくさんの人が集まって来る。人生を見つめなおす会社員、出稼ぎから戻って来たタクシー運転手、雪のなか数百kmの道のりを越えて集うバイク乗り…。ふだんの肩書を捨て「旅人」として肩を寄せ合う3日間。人は何を求めて北を目指すのか?
那覇市の繁華街に、全国でも珍しい24時間営業の床屋がある。訪れる客は坊主刈りの子供をはじめ、周辺の飲食店の店員、仕事が忙しく夜しか髪を切れない会社員などさまざま。中でも成人式に向けた3日間は、1日限りのヘアスタイルを楽しもうとする新成人たちが押し寄せる。県外に就職するも夢破れ戻って来た者、ヤンチャした10代に別れを告げるべくそり込みを入れる者…観光旅行では触れることが出来ない沖縄男の本音とは?
福島県いわき市。原発に向かう街道沿いに、「あの日」以来、売り上げを大幅に伸ばしているスーパーがある。主力商品は弁当や総菜。夕方になると、仕事帰りの原発作業員や除染作業員たちが大勢押し寄せる。同市は、事故以降、復興のために人が集まり、逆ににぎわっているという。「夕食の材料を買う地元主婦」「原発近くの村から避難してきた人たち」「復興を手助けする作業員」が行きかうスーパーで、福島の今を見つめる。
デジカメやスマホが普及し、誰もが気軽に写真を撮る時代。撮りためた写真データを手軽に印刷できるのが、家電量販店に置かれたプリント機だ。毎日、作った料理を撮影し続ける人。互いの写真を交換し合う遠距離恋愛中の2人。亡くなった肉親の写真を手元に置いておきたいと訪れる人…。「大事な人と過ごした時間」「二度と訪れない、かけがえのない思い出」をプリントし、手元に置いておこうとする人々の思いに耳を傾ける。
海に囲まれた日本で、時間はかかるが安く移動できるのがフェリー。中でも名古屋~仙台~北海道を結ぶ航路は年間20万の利用者を誇る。人々が新生活を始める春、船には、好景気に沸く名古屋へ引っ越す労働者や、安く手軽な国内で卒業旅行を済ませる大学生、さらに「まったりとした時間」を求めて乗り込んだ派遣社員のグループなど実にさまざまな「事情」が乗り合わせる。3日間、船上の出会いから浮かび上がる日本の今とは?
4万点の品ぞろえを誇る大手ディスカウントストアの新宿店。近隣の繁華街の店員や住民など、24時間ひっきりなしに客が押し寄せる。番組では3月最終週、増税前の「駆け込み需要」で大にぎわいの店舗に密着。消耗品を大量に買い込む人、勢いに流され不要なモノをつかんでしまう人。そして迎えた増税前夜、店に一人の男が駆け込んできた…。増税に揺れた都会の片隅で、私たちにとって買い物とは何か、消費とは何かを考える。
2年前に開業した日本で最も高い建造物・東京スカイツリー。一日に10万人が訪れるというツリーのふもとでは、巨大な塔をカメラに収めようと人々がさまざ まな体勢でシャッターを押している。「いつかはお金を貯めて登ってみたい」とツリーを見上げる苦学生、金婚式で日本を訪れたという外国人。そして夜になると、なぜか関東中から若者たちが集まって来る…。人々をひきつけてやまない東京の新名所、巨大電波塔のふもとの3日間。
景気が上向き、大学生の就職内定率が8割を超えた今春。しかし渋谷にある東京わかものハローワーク=通称”わかハロ”には、職を求める若者が毎日200人以上押し寄せる。人気は「派遣ではなく、やりがいがある正社員」。さらには好景気を追い風に転職を試みる氷河期世代の30代も…。大卒者の3割が入社3年以内に辞めてしまうと言われる中、全国でも珍しい35歳未満専門の相談窓口に密着。現代の若者の仕事観を見つめた。
東京を代表する巨大公園・上野公園。オフィスや繁華街、住宅街に囲まれた広大な敷地では、人々が思い思いの時間を過ごしている。中でも桜の時期には、全国 から200万の人が押し寄せるという。番組では、公園が最もにぎわう週末の3日間に密着。毎朝桜を見ながら体操する地元の人、会社の花見に全力をかけるサ ラリーマン、花の向こうに在りし日の別れの光景を思い返す人…。桜吹雪の舞う中で、さまざまな人生が交錯する。
JR山手線で一番乗降客が少ない「鶯谷駅」。昼間は人通りもまばらだが、夜になると雰囲気が一変、無数のラブホテルや風俗店のネオンが輝き出す。今回の舞 台はその鶯谷で、30年以上営業を続ける大衆食堂。24時間いつでも温かい定食が食べられる店には、さまざまな事情を抱えた男と女が小腹を満たし人情を味 わうためにやって来る。人々の欲望をひっそりと受け止めてきたこの街で、オトナのドラマをみつめる。
「自宅に置ききれない物を保管しておける」と日本全国で急増中のトランクルーム。今回は新大阪駅近くにある関西最大級の店舗に3日間密着する。大小さまざ まな部屋がびっしりと並ぶ店舗には、“大事な思い出の品”を預ける人、“誰にもいえない秘密のモノ”をこっそり預ける人が24時間ひっきりなしに訪れる。しかし秘められた世界だけに取材は難航。ようやくカメラを入れることが許された扉の向こうにあったものは…
人は死んだら“お山”に行く―。昔から東北の人々の信仰を集めて来た青森県・恐山が今回の舞台。5月の大型連休、恐山が半年間の冬場閉鎖を経て開山すると、巨大霊場を目指して全国から様々な人が訪れる。亡くした娘のため毎年訪ねてくる夫婦、ご朱印目当ての“霊場ガール”。岩場が続く独特の雰囲気に、突然亡き人の名前を叫ぶ人も…。訪れる人すべてを巻き込み、不思議な気持ちにさせるパワースポット。生と死のはざまの3日間。
横須賀~町田~八王子~春日部と、関東郊外をつなぐ「国道16号線」。大型ショッピングモー ルやチェーン店ばかり続く街並みは「現代日本を象徴する風景」と注目を集めている。番組は、250キロ続く環状道路を3日間かけて走破。道沿いで偶然出会った人々が何に幸せを感じているかじっくり耳を傾ける。居心地のいい地元から出たくないという若者、深夜の道を黙々と歩くホームレス…。16号線から見 えるニッポンの幸福とは?
鹿児島の西の端。広大な森や畑が広がり高齢者率が4割超の阿久根市に、豊富な品ぞろえで全国に名をとどろかせる巨大スーパーがある。食料品はもちろん、車から墓石、「牛の爪切り」まで39万点。24時間営業を続ける店には毎日、市の人口の8割の人が訪れる。過疎の町で話し相手を求めてたたずむ高齢者、深夜に集まり「いい仕事はないか」と話す若者たち…。都会の好景気の裏側で、ささやかな娯楽を求めて集まる地方の人々の日常。
6月、江の島をのぞむ湘南海岸。よく晴れた日には、夏を待ちきれない人たちが海を見に訪れる。波打ち際で水とたわむれる家族、肩を寄せ合うカップル。幸せそうな人たちに交じって目立つのは、一人でじっと海を見つめる人の姿だ。仕事に疲れたサラリーマン、恋に悩む女性たち。夜になっても、静まり返った海岸にさまざまな事情を抱えた人がポツリポツリと現れる…。海と空しかない砂浜で、人は何を思うのか?夏を待つ3日間の物語。
6月、梅雨入りとともに関東が大雨に襲われた週末。神奈川県にある24時間営業のガソリンスタンドには、そぼ濡れた人々が次々と駆け込んで来ていた。雨のため仕事が休みになった建設作業員、離れて暮らす子どもに会いに行く人、家族を養うため深夜の仕事に向かう男性…。打ちつける雨の中、人々はどこに向けて車を走らせるのか? ガソリンスタンドでほっと一息つきながら、雨が上がるのを待つ人々の物語。
埼玉郊外の国道沿い。男たちが深夜まで釣り糸を垂れる屋内釣堀がある。長さ20メートルのプールで泳ぐのは、こいやハクレンなど20種類。さおもレンタルできるが、魚も慣れたもので釣り上げるのは簡単ではない。訪れるのは転職活動中のサラリーマン、将来を語り合う若者、そして深夜に現れるサングラス姿の謎の男たち…。浮きが沈むのをじっと待つ男達の脳裏に浮かぶ思いとは? 釣り糸の向こうに人生が見える3日間。
東京・初台に24時間急患が駆け込んでくる老舗の動物病院がある。開業は今から46年前。野良猫に襲われた犬、骨折したハムスター、交通事故にあった猫など首都圏全域から毎日100匹前後が運び込まれる。ペットブームと言われて久しい現在、目立つのは1匹の動物とじっくり寄り添う人の姿だという。認知症の犬を世話する主婦、23年間1匹の猫と暮らしてきた老人…。家族以上に強い絆で結ばれる、人と動物の物語。
歌舞伎町のビルの一室に広がる、華やかな女の世界。朝8時まで夜通し営業するネイルサロンだ。「客が喜ぶ」と通うキャバクラ嬢、「爪を夏っぽくしたい」と海やヒマワリの絵を描く女性…。彼女たちの目的は、ネイルに加えて「ここでしか話せないガールズトーク」を楽しむこと。仕上がりまでの3時間、仕事のグチから恋愛相談まで、男の前では口に出せないおしゃべりを楽しむのだ。美しい爪の向こうに、女たちの素顔が透ける3日間。
事故を起こした原発から20キロ圏内にある福島・楢葉町。震災以来ずっと鉄道が不通だったが、今年6月にようやく再開。電車で都市とつながった。まだ1日わずか9便。町に宿泊することも許されず多くの住民は他の地域に避難したまま。それでも中心にある竜田駅には様々な人が通り過ぎるようになった。一時帰宅の元住民、近隣の福島第二原発で働く作業員。そして被災地を一目見たいと遠方から訪れる人。小さな駅の3日間の物語。
広島に原爆が落とされた8月6日。テレビからは毎年おなじみの厳粛な平和式典の中継が流れる一方で、会場の周辺には世界中からさまざまな人が押し寄せ、思い思いの主張やパフォーマンスを繰り広げる。原爆をテーマにした歌を歌う若者たち、祈りをささげる宗教団体、観光気分の外国人旅行者、過激な思想を叫ぶ人々…。終戦から69年。川向こうに原爆ドームを臨む公園の片隅で、それぞれの平和の形を見つめる3日間。
房総半島・鴨川。深夜から早朝まで急患が運び込まれる巨大総合病院に3年前、24時間営業のコンビニが誕生した。入院グッズや糖分制限食も充実し、1日中客足が絶えない。交通事故で九死に一生を得た若者。夜眠れず、早朝から新聞を買いに来る入院患者。深夜になると夜勤の医師が手術の合間に駆け込み、カップ麺をかきこんでいく。日常生活と隔離され、生と死が交錯する病院で“オアシス”と愛されるコンビニの人間模様。
夏休み最後の週末、旅行客や帰省する人たちで大にぎわいとなる羽田空港。その出発カウンターと到着カウンター前で3日間カメラを構える。夏休みを利用した初めての一人旅に胸震わせる女の子。故郷を離れた息子と久しぶりに再会する老夫婦。さらには9月からの新生活に向け、遠い地へ飛び立つ人の姿も。新たな一歩を踏み出す人と、旅立ちを見送る人。年間6800万人が利用する世界屈指の巨大空港で切り取る、出会いと別れの物語。
世界に知られる観光名所・浅草。浅草寺の北、ガイドブックには載らないディープな“裏浅草”エリアに、40年以上営業を続ける喫茶店がある。名物料理はナポリタン。朝9時に店を開け、そのまま早朝5時まで営業する。店に集うのは、近所に住む浅草芸人や旅館の元女将、人力車の車夫など地元の人ばかり。そして深夜には、店は休憩するタクシードライバーたちの貸し切りに…。飾りっ気なしの本音が飛び交う、江戸っ子たちの物語。
上野・アメ横の地下に知られざる「多国籍マーケット」がある。階段を降りると漂ってくる、スパイスの香り。中国語・タガログ語・アフリカなまりの英語が飛び交い、売り場には上海ガニや食用ガエル、見たこともない野菜や魚介が並ぶ…。30年ほど前に1軒の中国食材店ができたのをきっかけに各国食材店が増え始め、今では客の9割が外国人。遠く故郷を離れて暮らす人々の胃袋を支える市場で、在日外国人たちの本音をのぞいてみた。
オフィスや飲み屋が軒を連ねるJR五反田駅前。雑居ビルの一室から、サンドバックを叩く音が聞こえてくる。朝6時半から深夜12時まで開いている、老舗ボクシングジムだ。世界チャンピオンを何人も輩出した名門だが、通って来る人の動機はさまざま。仕事のストレスを発散に来る会社員。元プロボクサーの父に憧れて通う中学生。一攫千金を狙うと意気込む元不良少年…。都会の片隅で、人々は何と闘っているのか?
東京・高円寺。純情商店街を抜けた路地に、古めかしい木造の建物がたたずむ。深夜2時まで開く老舗の銭湯だ。お湯につかるのは工事現場帰りの労働者や、安アパートに暮らし夢を追う若者。60年間通い続ける親子に、謎の長髪男子まで…たまたま居合わせた老若男女が同じ湯で汗を流し、たわいもないことを話し、 コーヒー牛乳を一気飲み。意気投合したら、向かいの居酒屋でちょっと一杯。都会から消えつつある昔ながらの銭湯の物語。
日本で最も有名な環状線・山手線。電車に乗ればあっという間だが、街はひと駅ごとに全く違う表情を見せる。最近はそれを味わおうと徒歩や自転車で沿線を歩く人も増えている。今回、番組スタッフも3日間かけて1周35キロの道のりを踏破。「若者の渋谷」「大人の新宿」という街のイメージはどう変わろうとして いるのか。そして人々は何を楽しみに日々を暮らしているのか…。線路沿いを歩きながら東京のリアルな今を記録した。
「おい!こっちの弁当はまだか」「ごはん大盛りで!」男たちが威勢よく声をあげるのは、千葉・木更津港にある24時間営業の弁当屋。港湾や製鉄所の労働者で早朝から深夜までにぎわう店では、現場帰りの労働者がカツ弁をかきこみ、地元出身バンド氣志團コスプレのカップルがチャ―弁(チャーシュー弁当)を注文。毎日来店し、ずっと店で過ごす老人には特製のやわらかいおにぎりが…。東京湾の片隅、人々の心を満たす弁当屋の3日間。
いてつく風が吹きすさぶ、北海道・標津町。毎年秋のサケ漁の時期になると、どこからともなく集まって来る若者たちがいる。ドレッドヘアに、大きなピアス。一風変わった外見の彼らは通称「シャケバイ」。人手不足の漁協の呼びかけに応じた、シャケ加工場のアルバイトだ。シャケバイで稼いだ資金で世界を旅するバックパッカーや、沖縄から北海道まで日本中を旅して働く季節労働者。さすらいながら働く彼らの、新しい生き方とは?
大阪ミナミに、関西の人なら誰でも知っているレジャービルがある。かつて日本一とうたわれた巨大キャバレーがあり、ダンスホールではブレイク前のピンク・レディーが毎夜舞台に立っていたという伝説もある「味園ビル」。長引く不況でキャバレーは閉店したが、かわりに若者たちが小さな居酒屋を次々開店。お笑いやコスプレなど、大阪アングラカルチャーの発信地となっている。古くて新しい「夜遊びの聖地」のディープな3日間。
日本屈指のディープスポット・新宿二丁目。その片隅に、深夜だけ開店するちょっと変わった定食屋がある。人気のメニューはハンバーグに焼き魚。それをおかずに白いご飯をほおばるゲイやレズビアンのお客さん。お腹を満たし、69歳になる名物ママ・りっちゃんに、ここでしか話せない胸の内をはき出せば、ちょっぴり元気も湧いてくる。深夜の食堂で繰り広げられるどこか不思議で温かい人間模様をみつめた。
1年間に3400人。くまモンでおなじみの熊本県に、日本一の出産数を誇る産婦人科がある。昼夜を問わず襲う陣痛と闘い、こん身の力で新しい命を産み落とす母親たち。番組はそんな病院の待合室にカメラを設置、誕生を待ちわびる家族たちの声に耳を傾ける。緊張と感動のあまり廊下で涙を流す若い父親。新しい家族の出現に戸惑う小さなお兄ちゃん。母親を見守ることしかできない、しかし、懸命に誕生を祈るそれぞれの家族の物語。
昨年末、新宿コマ劇場前にある老舗ボウリング場「ミラノボウル」が47年の歴史に幕を閉じた。朝6時までのオールナイト営業で人気を博したが、ボーリング人口の減少に歯止めがかからずついに閉鎖が決まった。最後の日々を惜しむように人が集う。飲み会帰りに別れがたくて立ち寄る若者たち。朝一番に通って来る年配の男性。閉店を初めて知り、涙ぐむ人…。そして、ボウリング場で偶然知り合った者同士が「ラストゲーム」に臨んだ。
今回の舞台はクリスマスの名古屋・栄。好景気に沸く繁華街のにぎわいを横目に、人々が慌てて駆け込む場所がある。名古屋市内のバスや地下鉄に忘れられた遺失物を扱う「忘れ物窓口」だ。年間取扱数は10万点以上。定番は傘や手袋だが、中には入れ歯やそとばなどの意外な物も。忘年会やクリスマスシーズンで忘れ物倉庫があふれかえる年末。一体誰が、どんな事情で忘れ物を取りに来るのか?一つひとつに込められた思いに耳を傾けた。
「醒(さ)めよ 迷いの夢 さめよ」。ふんどし姿で歌い上げるのは、北海道大学にある学生寮の住人たち。100年以上の歴史を持ち400人が暮らす「恵迪寮」は全ての運営を学生自身が行う、全国でも数少ない自治寮だ。家賃は月1万円ほど。仲間と深夜まで酒を酌み交わす者、勉強に打ち込む者…。最近は経済的理由で入る学生も多いが、次第に魅力にはまり留年に至る者も。北の大地に今も息づくバンカラたちの青春物語。
バブル崩壊以降、すっかり定着した節約ブーム。少しでも出費を抑えたい人々が押し寄せるのが金券ショップ。年明けの池袋、3坪程の店を訪れる人は毎日400人以上。10円を節約するため、地下鉄の回数券を買いに来る派遣社員。36円安い商品券で、デパートの外食を楽しむ女性。一方で高額な商品券をまとめ買いする外国人の姿も。人々は節約の先にどんな幸せを夢見るのか? 小さな店先で考える、人とお金の物語。
「風呂場にナメクジが」「明日までにプラモデルを組み立てて!」助けを求める電話が夜通し鳴り響く、都内の便利屋。1日300件の依頼の多くは、以前なら家族や友達に頼めたような、ちょっとした事柄だ。「少しだけ話し相手になって」「思い出の店のケーキを買って来て」…。一人世帯の増加や近所付き合いの希薄化から、全国で急増中の便利屋稼業。一見とっぴな相談の下に隠された、現代日本人のリアルな願いとは?
気取らない居酒屋が建ち並びのん兵衛の聖地と呼ばれる赤羽。その一角に朝から行列の絶えない「立ち飲みおでん屋」がある。ひとり朝酒を楽しむ夜勤明けの警備員から、家族におでんを買って帰る母親、居酒屋をハシゴして赤羽の夜を楽しむサラリーマンまで。自慢のはんぺんを頬張り、カップ酒に熱々の出汁を注いだ「ダシ割り」を飲み干せば、心も体もポカポカに。寒風吹きすさぶ空の下、肩を寄せ合っておでんを頬張る男女たちの物語。
神戸の中心・三宮の駅前にある通称「パイ山」。広場の中心にあるおっぱいに似たオブジェが、待ち合わせをする人たちの目印になっている。阪神・淡路大震災から20年目の今年1月、その広場の雰囲気が一変した。まだ薄暗いうちから追悼集会に向かう無数の人々。カメラの前でせきを切ったように自らの震災体験を話し始める若者…。復興を遂げたこの街で人々は何を思いながら暮らしているのか。パイ山の前で3日間耳を傾けた。
突風が吹き荒れる1月の秋田港。その片隅に、古びた1台の自販機がある。お金を入れて待つこと25秒、出てくるのは熱々のそば・うどんだ。設置は40年前。元祖ファストフードとして大人気だったが、最近は老朽化で機械が故障し味は薄めに。しかし、そのぬくもりを求めて24時間客が絶えない。吹雪の中で麺をすする謎の親子。深夜に星空を見上げる運転代行業の男性。極寒の中で食べるうどんから、数々の人生が浮かび上がる。
トラック、バス、ショベルカー…。千葉郊外にある、あらゆる車の免許が取れる自動車教習所。毎年春には新生活に向け運転免許を求める人々が殺到する。卒業前に連日通う高校生。転職のため大型免許取得を目指す元美容師。介護の仕事に使おうと、オートマ免許を取りに来たフィリピン人女性。給料アップのためフォークリフトなどの資格を取る人も急増中という。人生の節目、免許を取ることで何かをつかもうとする人々の物語。
青い光に包まれて、全裸で寝転ぶ男たち…。寒風が吹き付ける2月の池袋。雑居ビル内の日焼けサロンでは小麦色の男たちが汗を流し、南国さながらの雰囲気だ。「日焼けは活力」「社会に反抗したかった」と、マシーンの中でじっと目を閉じる男たち。脳裏に浮かぶのは、うまくいかない仕事のこと、別れた妻のこと、先が見えない将来のこと…。ここで黒い肌を手に入れることで、人々は何をつかもうとするのか?
最近にわかに人気のカプセルホテル。なかでも目立つのは「格安」「穴ぐらのような部屋がクール」といった口コミを通じて世界中から集まった旅行者。宿には夜な夜な世界各国の言葉が飛び交う。それを横目に勉強に打ち込む日本の受験人。さらに、未来の夢を語る若者もいれば、ワケあって家に帰れない人の姿もある。小さな部屋一つ一つに全く別の人生が詰まった都会のワンダーランドに、3日間カメラを据えた。
「あの日」から4年を迎える福島県いわき市。今回はタクシーのなかで繰り広げられる乗客とドライバーの飾らない会話に耳を傾ける。過酷な仕事の合間に飲みに行く原発関係者。震災の影響で漁に出られずスナックに集う漁師たち…。復興が進み、周辺地域から移住者も急増するいわき。刻々と姿を変える街を走るタクシーの内部では、どんな会話が繰り広げられているのか。車内のつぶやきから、リアルな日常を浮かび上がらせる。
書斎に儀式の間、学校の保健室…。様々な設定に合わせ、アニメやゲームのコスプレをした人々がポーズを決め、互いにシャッターを切り合う。江東区にあるコスプレ専用ビルの会員は8万人。20以上のスタジオを目当てに、連日ひっきりなしに女性が訪れ、普段と全く違う自分を写真に残していく。「キャラになるため、自分を消したい」「亡くなった恋人を思いコスプレしている」。華やかな衣装に身を包んだ彼女たちの思いとは。
春。新たな生活を前に、多くの人がマイカーを求めて殺到する場所がある。国道沿いに自動車ディーラーが密集する、浜松市の通称“自動車街通り”。国産や外国車など30の販売店が並ぶ中で、一番客の出入りが多いのが中古車売り場。就職する息子に車を贈る男性、ローンでスポーツカーを買う若者。「家族が増えるので、思い出が詰まった車を売る」と涙ぐむ女性まで。中古車1台1台から見える、それぞれの人生模様。
関東が花吹雪に酔った4月。中でも「ひそかな桜の名所が多い」と言われるのが、羽田から奥多摩まで138キロを流れる多摩川だ。番組では自転車にカメラを積み、地元の人がめでる桜を求めて川べりを走破。羽田の漁師が見上げる桜。子どもとの思い出が詰まっているという、世田谷の桜。福生の2キロ続く桜並木で深夜出会った若者たち。皆に知られた名所ではないけれど、それぞれにとっての大切な桜を探し歩く、3日間の花の旅。
世界遺産・屋久島の森にそびえ立つ、樹齢数千年の巨木。東京から南へ1000キロ、さらに山道を半日登らないと出会えない“縄文杉”を目指して、いま全国からたくさんの人が訪れている。人生に迷うたび訪れるという若者。大人になりかけの息子と一緒に旅をする父親…。高さ30メートルの巨木は、時に霧雨にけむり、時に朝日を浴びて赤く輝き、刻々と表情を変える。あおぎみるような縄文杉を前に、人々は何を思うのか?
「ガム当たった!」「クラス替えどうだった?」子どもたちのにぎやかな声が響くのは、神戸の下町・兵庫区にある駄菓子屋。10円玉を握りしめて、何を買うか考える女の子。共働きの親が帰ってくるまで店先で過ごす男の子。夜になると、かつて常連だった若者たちが、懐かしい時間に浸りにやってくる。駄菓子を食べて、ケンカして、また仲直りして成長していく。小さなようで奥深い「子どもの世界」にカメラを据えた。
東京タワーの足もと。六本木交差点近くに、24時間いろんな国の人が出入りするケバブ屋がある。店員は全員トルコ人。安くてすぐ食べられる手軽さもあり、昼間は外資系のビジネスマン、夕方には夜の街で働く各国人たちが腹ごしらえに訪れる。そして終電が無くなる頃、街のにぎわいはピークに…。故郷を遠く離れ東京の夜の街をさまよう外国人たちの知られざる胸の内に3日間、耳を傾けてみた。
東京の都心から1時間で行ける“お手軽な山”高尾山の3日間。新緑の季節、山頂は都会のけんそうから逃れてきた人で大にぎわい。都心を遠くに眺めてビールを飲む人、遠足の子どもたち、じっとめい想する人…。しかし夜になると雰囲気が一変。ムササビが飛び交う暗闇に、ぽつりぽつりと人が訪れる。深夜に山頂を目指すカップル。暗い山道を一人歩く男性。「世界一登山客が多い」と言われる高尾山で、都会人たちの胸の内に耳を傾ける
4月、津波被害のさら地が目立つ岩手の小さな港町に、巨大コンテナが運び込まれた。娯楽の少ない地元で愛される即席の移動カラオケボックスだ。仮設住宅では大声を出せないと子どもを連れてやってくるお母さん。仲間と長渕剛を歌いあげる職人の若者。海の歌ばかり歌う元漁師…。さまざまな事情で故郷を離れた人たちが、久しぶりに帰ってくる5月の連休。6室のコンテナボックスで、人々は歌にどんな思いを託すのか。
海外旅行に帰省にと、日本中が浮き足立った5月の大型連休。人の減った都心の住宅街でひそかににぎわった場所がある。24時間のレンタルビデオ店だ。あえてこの時期は都心でのびのび過ごすカップル。帰省せず家でホラー映画を鑑賞する女性。離れて暮らす妻子のため休まず働く男性は、海外が舞台のドラマで息抜きする。ここではないどこかへ…。フィクションが誘う「もう一つの世界」を求め連休のビデオ店を訪れる人びとを見つめた
ジュークボックスから流れるオールディーズ。おばあがステーキを頬張り、米兵がフライライスをかきこむ。ここは沖縄本島を縦に貫く国道58号線沿いにある古びたドライブイン。占領時代に米兵相手に始まった店では、今も60年代アメリカそのままの懐かしい風景が繰り広げられる。ベトナム戦争時に台湾から渡ってきた人や、恋人を追いかけアメリカへ渡った女性。時代のうねりとともに生きてきた沖縄の人々のソウルフードとは?
水戸駅近くに、ちょっと変わった看板猫がいる商店街がある。名前はハチ。額にある“八の字”模様から「末広がりで縁起がいい」「情けない顔がかわいい」と人気が沸騰。店番をするタバコ店には、宝くじを買う人や願い事をしに来る人が殺到している。そんな思いを知ってか知らずか、ハチはマイペースに寝ていたり、店の奥に引っ込んだり…。“福を招くネコ”に願いを託し一喜一憂する、商店街の人々の3日間。
巨大企業の城下町、日立市の国道沿いに昭和にタイムスリップしたかのような不思議なレトロ空間がある。未舗装の細い路地にトタン作りの居酒屋などが並ぶ通称“塙山キャバレー”だ。高度成長期に生まれておよそ50年。十数軒が看板を掲げ、工場の社員や地元の人たちの癒やしの場となってきた。楽しく騒げる店、ぼやきを受け止めてくれる店、親戚の家のような店。“はなキャバ”の雰囲気にひかれて集まる客とママたちの3日間の物語
とんこつラーメン発祥の地・久留米。国道沿いに毎日1000人以上が訪れるラーメン店がある。休日には必ず一緒に“朝ラーメン”をすする夫婦。青森から鹿児島へのドライブ中に立ち寄るトラック運転手。15歳の頃から夜勤明けに通い続け、まもなく定年を迎える工員も。東京タワーができた昭和33年に創業。全国でもいち早く24時間営業に乗り出し久留米人の胃袋を温め続けてきた店で、それぞれのラーメン人生に耳を傾ける。
生バンドが奏でる官能的なメロディーにあわせ、優雅に舞う紳士と淑女。昭和の熱気が残る東京・下町のダンスホールが今回の舞台。都内に2軒しか残っていない本格的ホールだけあって週末には1日500人が訪れる。仕事終わりのご褒美としてお姫様気分を満喫する女性。競技会に向けてステップに磨きをかける若者。レッスン後、サロンで女性教師と会話と酒を楽しむ男性。大人の社交場に集まる人々、それぞれの胸の内に耳を傾ける。
人々の生活の足として今も活躍し、利用者数日本一を誇る広島の路面電車が今回の舞台。平均時速10キロでゆったり走る車内にはさまざまなドラマを抱える人々が乗り合わせる。孫を授かり病院に向かう祖母、就職活動に行き詰まって悩む学生、勝利の余韻に浸るカープファン。電車は原爆投下の3日後に再開し復興の第一歩を刻んだ歴史も持つ。開業から100年以上、市民と共に歩んできた路面電車の車内で繰り広げられる3日間の物語。
新潟平野の田んぼの真ん中に古めかしいけれど男たちに大人気のホテルがある。魅力は安さだけではない。1階はトーストサンドなどのレトロ自販機が並ぶ24時間営業のドライブインで全国からマニアが集う。ゲームコーナーもあり“百円でたっぷり楽しめる”と様々な人がやって来る。宿泊費を節約する行商の人。仕事や介護を終え息抜きする人。缶コーヒー片手に人生相談をする仲間たち。男たちを引きよせる不思議なホテルの3日間。
「72時間」初の海外特集!舞台はニューヨークの片隅にある24時間営業のコインランドリー。住宅事情から多くの人が洗濯機を持たずに暮らすNY。人種も国籍も異なるさまざまな人がやって来る。豊かな暮らしを求めて中米からやって来た移民。服をたたむところまで係にお任せのエリート弁護士。日本のアニメが大好きだというオタク男性。ランドリーの3日間から見えてくるリアルなアメリカの姿。
番組初の海外特集!第二弾の舞台は中国・大連にある日本食材スーパー。日本語学習熱が高い大連には日本企業が数多く進出しており、コールセンターなどで働く駐在員など、邦人6千人が暮らしている。彼らがこぞって利用するのが、日本の駄菓子から空輸の鮮魚まで、祖国の味がそろうスーパー。話のタネに日本の味を楽しもうと中国人の富裕層もやって来る。3日間カメラをすえて、中国・大連で暮らす人々の今を見つめる。
茨城県牛久市にある高さ120mの大仏。その足元に広がる関東最大級の霊園が舞台。お盆には多くの人が大切な人への思いを抱えて墓参りにやって来る。ガンで先立った息子との思い出を語る親、事故で亡くなった友人の墓に足繁く通う若者、一人で育ててくれた母親の墓を感謝の気持ちを込めて磨く子ども。供養の花火が打ち上げられるまでの真夏の3日間、大仏を見上げる墓地に密着。生きる人と亡き人との不思議な対話に耳を傾ける。
舞台は、真夏の3日間、あるチェーンの中で日本一多くの客が押し寄せるコンビニ店だ。近くで開かれるサブカルチャーの祭典・コミックマーケット(コミケ)に向かう人々がやってくる。飲み物などを買う前線基地となるこの店。アニメのコスプレで夢の世界に没頭する若者や、ゲームを愛する同志と会うことを生きがいにしている会社員などが行き交う。“夏コミ”にもえるコンビニの人間模様。
舞台は、国の行く末を決める国会の前の路上。首相官邸や議員会館、中央官庁なども集まる日本の真ん中には、さまざまな人が行き交う。人気の観光スポットでもある国会議事堂を見学する観光客や修学旅行生。緑豊かな通りで犬の散歩やランニングを楽しむ住民。安保関連法案や原発をめぐるデモに参加し思いを表明する人々。法案の審議が進められていた9月、国会周辺に早朝から深夜まで三日三晩密着。一体、何が見えてくるのか。
内外の賓客に愛されてきた東京の老舗ホテル本館が建て替えのために閉鎖された。半世紀以上“日本の顔”の役割を担ってきたホテルオークラだ(別館で営業中)。最後の3日間、大切な思い出を抱える多くの人がやってきた。親孝行しようと背伸びして部屋を予約した家族。結婚式の記憶を温める老夫婦。和の伝統と西洋のモダンが融合した内装を目に焼きつける建築家。次の東京五輪を前に生まれ変わる本館で繰り広げられた人生のドラマ。
最高級のイカを追って全国から漁師たちが集まる港がある。山口県の特牛(こっとい)港。沖でとれるケンサキイカは透明に輝く美しさとうまさで知られ、料亭では1匹数千円で供される。故郷を離れ、狭い船内で寝泊まりしながら、一獲千金を狙う漁師たち。この道40年のベテランもいれば、漁の技を学びに来たインドネシアの若者の姿もある。いさり火が輝く夏、イカ漁に沸く小さな港で繰り広げられる男たちの3日間のドラマを追った。
東京都内に“リトルマニラ”と呼ばれる街がある。約50軒のフィリピンパブが密集する足立区竹の塚の一角だ。そこに早朝から深夜まで19時間も営業する名物店がある。朝は夜勤明けの運転手などをサケ定食で迎える食堂、昼は店での会話を楽しみにする年金世代の憩いの場、夜は都心より安いと飲みに来る大人たちのパラダイスに。老若男女、さまざまな人が集まる不思議な店に密着。彼らが織りなす人間模様を3日間みつめてみた。
再生できなくなった昔の映像や音声が持ち込まれる街角のダビング店が今回の舞台。フィルムやVHS、カセットテープなどが、DVDやCDに形を変え、次々とよみがえっていく。夢を語り合った仲間に学生時代の映像を送るOL。娘が赤ん坊だった頃の思い出にひたる父親。若くして亡くなった家族の姿を見つめる女性。都内のダビング店に3日間密着。二度と戻らない時が刻まれた宝物をよみがえらせようとする人々の思いに耳を傾ける。
舞台は24時間眠らない空の玄関口、関西国際空港。格安航空会社(LCC)16社が就航する国内最大級の拠点だ。格安チケットを手に国内外のさまざまな人が行き交う。真夜中に到着後、始発電車を待って夜を明かす外国人の若者。早朝と深夜の便で慌ただしく日帰り出張するサラリーマン。遠距離介護で故郷に向かう年配の女性の姿もある。LCCの旅路につく事情は人それぞれ。3日間、ターミナルに交錯する人間模様を見つめた。
東京・歌舞伎町に夜間限定で営業している調剤薬局がある。栄養ドリンクから医師の処方箋が必要な避妊薬までそろえている店には次々と人が駆け込んでくる。肝臓に効くというドリンクを飲み干す水商売の女性。深夜残業中に頭痛に襲われたという若者。そして世間話をするだけで職場に戻る飲食店の主人。店は薬剤師との会話を楽しみにする街の“保健室”のような場にもなっている。深夜の薬局に3日間密着、不夜城の人間模様を描く。
舞台は、東京・神田の世界最大といわれる古書店街。160軒以上ある店からは1千万円の値がつく中世の書物や文豪の未発表原稿など、驚くようなお宝が発見される。街には全国からさまざまな人がやってくる。大好きだった少年漫画を大人買いする会社員、我が子のために絶版の名作絵本を探す母親、よすがとなるものを求めて哲学書を手に取る就活生。彼らと古書の迷宮にタイムスリップ。その奥深い世界を3日間のぞいてみた。
不安の多い時代には長い列ができるといわれる占い屋さん。手相や生年月日などから自分の未来を予言してもらおうと都心の店にはさまざまな人がやってくる。恋に破れ、運命の人との出会いを待つOL。仕事と育児に追われるシングルマザー。連日残業が続き、転職を考え始めた男性。ひとり抱え込んできた悩みを占い店で打ち明ける人々の姿から何が見えてくるのか。3日間、占い師の言葉に道しるべを探す人たちの声に耳を傾けた。
犬の気持ちに合わせて色が変わる首輪。サックスの音が出る鍵盤楽器。そんな奇想天外なものが次々と生み出されている場所が秋葉原にある。月1万5千円を払えば3Dプリンターなどを自由に使えるという会員制の工房。アマチュア無線マニアからジョブスをめざす発明家までさまざまな人がやってくる。なかには投資家も注目する斬新な品を作り上げた若者も。オタク文化の聖地に誕生した不思議な工房。そこに3日間、潜入してみた。
横浜の歓楽街にある24時間営業のとんかつ屋が舞台。早朝から深夜まで、さまざまな人が肉をほおばりにやってくる。精をつけてネオン街に向かうという男性。飲みの締めにきたキャバクラ嬢。徹夜仕事を終え、明け方ひと息つく男性の姿もある。マンションの高騰や大企業の利益増加など派手なニュースも飛び交った2015年。人々はどんな年の瀬を迎えているのか。不夜城のとんかつ屋で3日間、悲喜こもごもの人間模様を見つめた。
東京の下町、合羽橋にある「道具街」が舞台。和洋中の調理器具から漆器、食品サンプルまで、食に関する道具が何でもそろう世界でも珍しい専門店街だ。包丁を吟味するプロの料理人や、独立して開業するための器具一式を買いそろえる若者の目は真剣そのもの。結婚や上京などの転機を迎えた人たちが手に取る道具の向こう側には、それぞれの人生が見えてくる。170店が並ぶ日本一の道具の街で3日間、みんなの買い物をのぞいてみた。
クリスマスを迎えた大都市、札幌。その玄関口となっている高速バスターミナルが今回の舞台。北海道に点在する町と札幌を結ぶ長距離バス。料金が割安なこともあり早朝から深夜まで多くの人が利用する。彼女とイブを過ごすため5時間バスに揺られてきた若者。年老いた親の面倒をみるため数百キロ離れた実家に通う女性。夜行バスで出張する忙しいサラリーマンの姿もある。真冬のターミナルで3日間、それぞれの旅の事情に耳を傾けた。
年越しのときを迎えた東京タワーが今回の舞台。初日の出をおがみ、展望台にある神社に願い事をする人たちが数多くやってくる。今年こそフィアンセに出会いたいと祈るOL。子どものすこやかな成長を望む家族連れ。世界の平和を願う外国人。そして屋外では、仕事での飛躍を期す若者が北風に耐えながら非常階段を上る。大みそかから正月にかけての3日間、天空のタワーに交錯するそれぞれの新年の夢。人々にその胸の内を聞いてみた。
日本一長いといわれる一本筋の商店街、天神橋筋商店街。今回の舞台は、その片隅にあるベンチだ。座る人が絶えないこのベンチで3日間、訪れる人の話に耳を傾けると、実にさまざまな人間ドラマが浮かび上がってくる。ドキドキして待ち合わせする人、仕事場代わりに使う人、道行く人をながめ、人間観察する人…。皆、このベンチで一息入れ、笑い、そしてまた立ち上がって歩み始める。人々が羽を休める不思議なベンチの72時間。
東京・吉祥寺の小さな動物園に、日本最高齢のゾウがいる。名は“はな子”。戦後まもなくタイからやってきた。69歳のはな子の前には、実にさまざまな人がやってくる。皆、はな子の巨体に思いを重ね、口々に呼びかける。人々をひきつけてやまない不思議なゾウ。孤独を受け入れ、歯が1本になるまで年老いても毎日広場に立ち続ける。はな子から、少しの元気をもらって一歩を踏み出す人々。真冬の動物園で3日間、その声に耳を傾ける
雪深い津軽平野の田んぼのまん中に、わずか100円で入ることができる源泉かけ流しの銭湯「100円温泉」がある。ここでは、先に湯につかっている人に硬貨を見せて料金箱に入れるのがルール。朝5時から湯につかる高齢者や、夕方仕事帰りに一風呂浴びる若者、よもやま話に花を咲かせる主婦たちなどさまざまな人たちが集う。身も心も温めてくれる小さな温泉を舞台に、厳しい寒さの中で支え合い生きていく津軽の人間模様をみつめる
全国でも珍しい、恋の神様をまつる神社が福岡にある。参道や鳥居もハートであふれるこの神社には、恋愛成就、結婚祈願、夫婦円満を願う人々が全国各地からやってくる。バレンタインデーには、千人を超える参拝客が押し寄せる。ここで最近目立つのは「異性に恋をしたことがない」という人たち。理想の出会いを願って「恋に恋する」人々が祈りをささげる。バレンタインデーまでの3日間、恋の神様に託すさまざまな思いに耳を傾ける。
韓国に、日本の「ドキュメント72時間」と同じ定点観測番組がある。その名も「ドキュメンタリー3日間」。今回はその「3日間」とのコラボ企画。日韓のクルーがそれぞれ海外に飛び出し、世界の3日間をロケ。韓国KBSは中国にある「世界最大の中国料理店」の3日間を撮影、NHKは昨年放送した「ニューヨークコインランドリー劇場」を特別編集で紹介。番組ウォッチャーの鈴木おさむさんと鈴木杏さんが日韓72時間を熱く語る。
東京・新宿にある昭和歌謡の専門店が舞台。アイドルの曲に人生を重ねる中高年、明快な曲や歌詞に新たな魅力を発見する若者、昭和のリズムに夢中となる外国人など実にさまざまな人々が訪れる。店に並ぶレコードやCDは3万曲。レアな曲には数万円の値段がつくことも。新作CDの売り上げが伸び悩む中、再び注目を集める昭和歌謡。人々はそこにどんな思いを託すのか?懐かしの名曲とともに歌に投影された人間模様を72時間見つめる
東京・代々木の小さなビルに、保健所にいた犬や猫などを引き取って保護する「動物シェルター」がある。これまで1300匹の動物を保護してきた。ここにやってくるのは訳ありの犬や猫たち。高齢で飼えなくなった人や、引っ越しで手放さざるを得ない人など、事情はさまざま。一方で月に一度開かれる「譲渡会」には、ペットを引き取りたいという人が押し寄せる。人とペットが映し出す社会の今を3日間見つめる。
時速150キロでバイクが疾走する競技、オートレース。今回の舞台は生誕の地「船橋オート」。この伝統のレース場が先月、65年の歴史に幕を下ろした。最後のレースが開かれた3日間に密着。あの有名レーサーの登場に観客騒然。白熱のレースに空前の盛り上がりを見せる。親子2代で通う強者からイケメンレーサーの追っかけ、名物モツ煮込み目当ての客など、様々な人々が押し寄せる。ラスト72時間、想像を絶するドラマが起こる!
秋田港の商店にある一杯200円のうどん自販機。去年3月、そこに集う人々の様々な人間模様を追った72時間を放送したところ、予想を超える反響が寄せられ視聴者の人気投票でも年間1位となった。この自販機が商店の営業終了に伴って撤去されることに。すると地元だけでなく、全国各地から多くの人々が自販機のもとへ殺到した。そこで今回は、撤去までのドキュメントや前回出会った人たちのその後を交え、30分の拡大版で放送!
仙台にある24時間営業の大衆食堂が今回の舞台。キャッチフレーズは「生まれたときからどんぶり飯」。コメ好きの人たちにとっての楽園だ。どんぶり飯は普通のご飯茶碗の4杯分という豪快さで、長年地元の人たちの胃袋を満たしてきた。震災以降は、故郷に家族を残し復興工事に携わる人たちの食卓代わりともなっている。震災から5年、生活の再建もままならない現実の中で、人々はどんぶり飯を前に何を思うのか。3日間耳を傾けた。
コリアンタウン新大久保の老舗ハンコ店が舞台。やってくる客のほとんどが外国人だ。日本で暮らす上で利用する場面の多いハンコ。新生活が始まる4月、このハンコ店には多くの外国人が駆け込んでくる。日本の「ハンコ文化」に戸惑いながらも、夢を追い新たな一歩を踏み出そうとする外国人たち。一本のハンコから、じわりと国際化が進む日本の現実を見つめる72時間。
だだっ広い平野がどこまでも続く群馬、伊勢崎。その畑の中に突如、宇宙船のような巨大ショッピングモールが現れた。今回の舞台は、その中で最もにぎわう場所“フードコート”。値段が安く、いつまでもくつろげるとあって、多くの人たちにとって貴重な空間となっている。ここに集まる人たちの声に耳を傾けると想像を絶する人生のドラマがあった。いつものフードコートで、さまざまな人間模様を映し出す72時間。
徳島から四国山地を横断し高知に至る国道439号。山間部では幅2メートルほどしかなく、国道ならぬ“酷道ヨサク”とも称される。平家の落人伝説が伝わる険しい山道を目指して、全国から酷道ファンも訪れる。全長340キロの“ヨサク”沿いには、山菜や川魚、さらにはマムシを食料に自給自足で暮らす人たちの姿も。豊かな自然を満喫し、何にも縛られることなく自由に生きる人々。3日間で酷道ヨサクを走破、日本の原風景に出会う
5月26日、日本最高齢のゾウ“はな子”が69年の生涯を閉じた。番組では今年2月、はな子に人生を重ねる人たちの姿を追い、大きな反響が寄せられた。長い間多くの人々から愛され、生きる力を与えてきた不思議なゾウ、はな子。今回は「あの姿をもう一度」との声に応え、アンコール放送。
今回は、鹿児島・桜島フェリー。今も活発な活動が続く桜島と鹿児島市街を24時間運航で結ぶ。片道およそ15分、朝は桜島からの通学や通勤客でにぎわい、夜は仕事帰りの人たちでごった返す。利用者は一日1万人以上、日常生活の足として、緊急時の移動手段として島の人たちの暮らしを支えている。自然の脅威に向き合いながらたくましく生きる人たち。24時間フェリーを舞台に、日常と非日常が混ざり合うちょっと不思議な72時間
今回の舞台は東京、浅草にある老舗遊園地「花やしき」のジェットコースター。最高時速は42キロ、ガタガタきしみながら走り続けて62年、独特のスリルが味わえると人気を集めている。とりわけ目立つのがオトナの客たち。スローなアトラクションに身を委ね、過ぎ去った青春を取り戻すかのように歓声を上げる。古びたジェットコースターに人はなぜ引き寄せられるのか?ちょっと不思議な空間でさまざまな人間模様を見つめる72時間
京都・鴨川の上流にある憩いのスポット、通称「鴨川デルタ」が舞台。観光地から離れ、数多くの小説や映画の舞台ともなった水辺。飛び石を渡れば、なぜか心が解放される。青春時代を満喫する学生、若き日に思いをはせる人…。春の美しい風景とともに、京都人たちの心模様に触れる72時間。
日本最大の歓楽街、新宿歌舞伎町に全国でも珍しい24時間営業の「碁会所」がある。創業34年、深夜から早朝まで碁石の音が鳴り響く。仕事帰りに立ち寄る人や囲碁の魅力にとりつかれた外国人など、さまざまな人たちが碁盤を囲む。24時間営業とあって食事や酒も供される。豊富なメニューはまるで居酒屋。週末には仕事を終えた人々が、泊まり込みで碁を打ち続ける。囲碁の魔力にとらわれた人たちが繰り広げる3日間のドラマとは。
5月、現職として初めて広島を訪れたオバマ米大統領。日本中が注目したこの日を、広島の人たちはどんな気持ちで迎えたのか?番組では、人々が行き交う平和記念公園近くの広場に密着。まったく興味が無いという若者、この日のためにデンマークから来たというカップル。深夜の広場で始まった議論とは…?歴史的な日に、それぞれが胸に秘めていた思いが浮かび上がる。
あんこたっぷりの小倉トーストに、お値打ちなモーニング。今回の舞台は、ディープな“名古屋喫茶”。昔から茶の湯文化が盛んで、全飲食店の4割が喫茶店だという名古屋。早朝から一家団らんを過ごす人や、一日に何度も訪れる人も珍しくないという。深紅のソファにゆったりと腰を下ろせば、心はもう名古屋人。名古屋屈指の人気商店街にある老舗喫茶店で、古き良きレトロ感に身をゆだねる3日間。
中古の救急車やお墓参りの代行まで、あらゆるモノやサービスが売り買いされるインターネットオークション。日本に登場しておよそ20年、今や年に1億件以上が取り引きされる巨大市場だ。小遣い稼ぎの人もいれば、オークションで生計を立てる人など目的はさまざま。ネットの向こうでどんな人が利用しているのか?今回は、全国の出品者たちを取材チームが突撃取材!ぶっつけ本番、ネットの裏側のリアルな世界を旅する3日間。
現代資本主義の象徴・オリンピック開催に沸くブラジル。発展を遂げる社会の裏で、人々は伝統の「黒魔術」にさまざまな願いを託しているという。今回番組では、日本のテレビ局として初めて、サンパウロ郊外にある「魔術の聖地」に完全密着。恋愛、嫁しゅうと、雇用問題…。社会がいくら発展しても解決できない悩みを前に、人々は何を祈るのか? オリンピック直前のブラジルを舞台にお届けする、スペシャル版。
覚醒剤に手を染めた女性、故あって人をあやめた女性…。罪を犯し、刑務所に入る女性はこの20年間で倍増しているという。彼女たちは毎日をどう過ごし、何を考えているのか? 番組では、日本最大級の485人を収容する和歌山女子刑務所に密着。「作業」と呼ばれる工場勤務、テレビも見られるという余暇時間。模範囚対象の「仮出所式」で彼女たちが語る言葉とは? 高い塀に隔てられた、女子刑務所の3日間。
年に一度親族が集まり、故人を迎える“お盆”。しかし長崎のお盆は、とにかく派手。「音で邪気を払う」という中国の風習にならって、参拝客が墓前でロケット花火を打ち上げ、爆竹を打ち鳴らすのだ。かわいがってくれた祖母のため、1本だけ花火を買う子供。今年亡くなった父親を送ろうと、40万円分の爆竹を買う男性…。番組では、長崎市内の老舗花火屋に密着。爆音と涙で語られる、故人への思いとは?
福井にある、全国でも珍しい24時間営業の氷屋さん。巨大な板氷からクズ氷まで、じっくり凍らせた氷は「おいしくて、ゆっくりとける」と評判だ。早朝には海に向かう釣り人、昼は夏祭り用に大量購入する人で大にぎわい。夜になると近くの繁華街から、バーや飲み屋の店員が…。「離婚して自立するため、この氷で水割りを作る」と話すスナックの新米ママの姿も。夏、氷の先に生まれる「それぞれの幸せ」に触れる3日間。
この夏一大ブームとなった、スマホでモンスターを捕まえる、あのゲーム。中でもたくさんの珍しいモンスターが出現するという東京・錦糸町の公園は“聖地”と呼ばれ、昼夜を問わずたくさんの人が押しかけていた。遊具で遊ぶ子供たちを脇目に、ひたすらスマホを眺める大人たち。徹夜で10時間以上プレイする人や、デートさながらの老夫婦、中にはナンパを始める人まで…。大都会の片隅、不思議な公園で過ごした3日間。
神奈川・平塚にある精肉店。一見普通の店構えながら、並んでいるのは「牛の腎臓」から「豚の血」まで、めったに見かけない肉ばかり。多彩な品ぞろえを目当てに訪れるのは、数万円の肉をまとめ買いするペルー人や、大家族のために腕をふるうフィリピン女性などさまざま。大量に買われた肉は、それぞれのキッチンで各国料理に早変わりする。おなかいっぱい肉料理を食べて、異国で生きていく人々の物語。
四国・松山から、小さな列車に揺られて1時間。瀬戸内海沿いの小さな無人駅・下灘(しもなだ)駅が静かな人気を呼んでいる。きっかけは観光客がネットに投稿した写真。どこまでも広がる海に、屋根とベンチだけが佇(たたず)む絶景に身を置きたいと、老若男女が押し掛ける。夕日バックにたそがれる自身をセルフタイマーで撮影する学生。落ち込んだとき仕事帰りに寄るという男性。誰もがじっと海を見つめる駅で、人は何を思うのか?
足立区にある、都内最大級の“ゴルフの打ちっぱなし”。オールナイトで年中無休、1日1000人が訪れるという客の姿は「金持ちのスポーツ」というイメージとは異なり、実にさまざま。子供が寝静まった深夜に打ちに来る母親、早朝に集まって来る老人たち。中でも目立つのが、一人黙々とクラブを振る男性たちの姿だ。「家に居場所が無い」と話す彼らは、ボールにどんな思いを込めるのか?
日本一の品揃えを誇る、巨大画材店が舞台。1本50円の鉛筆から絵の具、コミック用品、彫刻まで。あらゆる画材がビルの5フロアを埋め尽くす店を、毎日4000人が訪れる。コミケで同人誌を売るのが夢というフランス人、デビューしたばかりの漫画家の卵、「家族には邪魔と言われるけど、描かずにはいられない」と話す男性…。なぜ人は何かを表現したくなるのか、頭の中の小宇宙を旅する3日間。
暗闇にきらめく色とりどりの無数の光ー。長野・北アルプスの山あいに、紅葉の時期だけ出現する巨大テント村の風景だ。山頂を目指さず、ただ景色を眺める人。「幼いわが子とテントに泊まるのが夢だった」と話す男性。標高2300メートルの岩場に張られたテント一つ一つには、それぞれの物語が詰まっていた…。天空に流れる“いつもとは違う時間”にひたる3日間。
全国有数の歓楽街、福岡・中洲。2600軒の店が立ち並ぶ街の片隅に、朝7時から深夜2時まで開いている保育園がある。昼間は近くのオフィス街で働く親たちが子供を預け、夜になると中洲で働く男女がひっきりなしに訪れる。深夜のお迎えラッシュは、午前0時。着物姿で迎えに来る割烹(かっぽう)の女将(おかみ)や、子供のため懸命に働くシングルの親たち。小さな保育園に支えられながら生きる、親と子供たちの物語。
10月、ちょっと変わった村長選挙が行われた。原発事故をきっかけに、多くの村民が避難生活を送る福島・飯舘村。各地に散らばって暮らす人のため、期日前に投票箱が各地の仮設住宅などを旅して回るのだ。争点は早期に避難解除し、帰村を目指すかどうか。「安全かどうか分からず、戻る気になれない」と票を投じる人、「自分の代で村を終わらせたくない」と悩む高齢者。旅する投票箱に込められた、有権者5200人の思いとは?
世界を沸かせたトランプ米次期大統領から、国民的アニメキャラまで。10月末、ハロウィーンの六本木交差点では、国籍も年齢も異なる2万人がさまよい歩いていた…。仮面を付けてナンパを繰り返す若者。「ハローワークに通いながらコスチュームを作った」と話す元パブ経営者。外国人が多い六本木で、十数年前に自然発生したというハロウィーン。仮装の下に隠された彼らの素顔とは?
サンバに熱狂するおじぃ、フラダンスを踊るおばぁ…。沖縄から世界に飛び出した“移民”7300人が一斉に里帰りする催し「世界のウチナーンチュ大会」。期間中、那覇の街にはさまざまな国の言葉が飛び交う。南米に渡り一攫千金を目指した男性、戦後米軍に土地を追われた老人、若いのに流暢(ちょう)なウチナー口を話す移民3世の女性まで。大会中最もにぎわう那覇の中心・国際通りにカメラをすえて、移民たちの声に耳を傾ける。
クリスマスの成田空港。日本に降り立った外国人のパスポートや渡航目的を審査する“入国審査場”に3日間密着する。休暇で恋人に会いに来た若者、言葉が分からず右往左往するネパール人。中には入国を拒まれ、とんぼ返りする人も…。空港の人出がピークを迎え、密入国やテロ対策にも力が入る聖夜。数万人が行き交う巨大な人間交差点から、世界の今が浮かび上がる。
都会と北を結ぶ電車が行き交う埼玉・大宮。賑わう繁華街の裏に、ちょっと変わった喫茶店がある。店内には所狭しと不思議な骨董(とう)品が並び、300のメニューはすべてデカ盛り。24時間営業の店を訪れるのは、名物のナポリタンを楽しむ友人同士に、地元埼玉をこよなく愛する会社員。さらには仕事帰りのスナック店員まで…。東北人にとっては都会の入口であり、都心で働く人にとってはほっと一休み出来る、不思議な店の3日間
南国・宮崎。賑わう街の一角に、1台の不思議なピアノが置かれている。いつでも誰でも自由に弾ける「ストリートピアノ」。バス待ちの老人が指1本で童謡を弾き、若者はドラマの主題歌を演奏。街を元気にしたいと4年前に置かれて以来、密かな人気となっているこの場所。「ピアノの設置から毎日通い、独学で練習した」男性が奏でる音に、集まった人々が拍手喝さいすることも。街角に響くピアノの旋律に込められた、人々の思いとは?
温泉天国・別府。中でも街の顔と言われる、創業138年の老舗温泉が舞台。昔ながらの古びた湯船が一つあるだけの温泉に浸かるのは、出勤前の“風呂端会議”に興じる人、湯治に来てそのまま住みついた人、旅の途中で立ち寄る人…。自宅に風呂を持たない人も多い別府では、1日に何度も訪れる人も多いと言う。いつも変わらぬお湯を求めて、世界中から集まって来る人たちの3日間。
横須賀にある、巨大な軍艦を間近にのぞむ公園が舞台。通り過ぎるのは散歩する地元住民に、子どもを遊ばせる米軍関係者の家族、アメリカ軍のイージス艦や自衛隊の護衛艦めあてのマニアなどさまざま。海の向こうでトランプ新大統領が就任した1月下旬の3日間、“日常”と“非日常”が混じりあう場所を行き交う人の声に耳を傾ける。
東京・北区。昔ながらの商店街で毎日1000人の客を集める、激安肌着店の3日間。靴下やパンツ、寝巻きなどが60円、80円からと破格の値段。日々変わる品ぞろえを楽しみに訪れるのは地元の主婦をはじめ、「やっぱり下着には気を使わないと」と話すスナックのママ、節約に励む地下アイドルなどさまざま。大きなカートを手に浮き浮きと買い物し、店員との会話を楽しむ女性たち。手に取る肌着から、女の生きざまを考える3日間。
岐阜県にある商売の神様・千代保稲荷(通称おちょぼさん)。多くの人でにぎわう参道に黄金に輝く串カツ店がある。ゲン担ぎのため壁やテーブルまで金の内装でそろえ、90円のカツが4万本売れる日もあるという超人気店。月に1度のオールナイト営業の日には、商売繁盛を願うキャバクラ店員から豊漁を祈るしじみ漁師、再婚を願うシングルマザーまでさまざまな人が訪れる。“おちょぼさん”にお参りしてカツを頬張る人々の願いとは?
昨年4月の熊本地震以来、休園が続いていた動物園。動物たちの公開が中止されている間、「日向(ひなた)ぼっこするキリンやゾウを園外から間近に見られる」と人気スポットになった散歩道がある。ジョギングがてらフェンス越しにのぞいて行く住民、震災後に生まれたキリンの成長を楽しみに通う人、離れて暮らす家族に動物の写真を送る人…。ゆったり過ごすキリンやゾウを眺めながら、日常を取り戻そうとする人々の3日間。
大田区にある、全国でも珍しい“七差路”が舞台。7つの道が集まり、自転車や車、歩行者がひっきりなしに通るこの道路。道の数が多すぎて信号機もつけられないが、自然と人が譲り合うためか不思議と交通事故は少ないという。7つの角には青果店からスナックまで各種の店が建ち並び、早朝から深夜までたくさんの人が通り過ぎていく。大正時代に行われた耕地整理により出現した、その名も“七辻”。分かれ道の先にはどんな人生が?
東京・アメ横にある老舗かばん店の3日間。期待に胸を膨らませながら通学かばんを買う親子に、サバイバルゲームグッズを入れる巨大バッグを選ぶ男性。お彼岸帰りの女性は「終活で、人生最後のかばんを探している」と語る…。節目の季節、かばんに人生を詰め込んで歩き出す人々の物語。
新横浜駅近くにある、葬儀屋さんの3日間。取り扱うのは、少人数で行うシンプルでこじんまりした葬儀。「大がかりな式で残された家族に手間をかけたくない」との遺言に従う人、ビル内の一室で家族水入らずの一夜を過ごす人…。葬儀までの数日間、家族たちはご遺体との面会を繰り返し、少しずつ気持ちを整理していく。大切な人との、最後の時間に立ち会った。
大阪駅から車で1時間。ロープウェーも完備し、気軽なハイキングに最適な“金剛山”。中でも人気なのが、山頂に設置されたライブカメラだ。1時間に1回シャッターが切られ、ネット上に登山客の姿が残される。毎日決まった時間に写るのを日課にする人、離れた家族に元気な姿を見せたいと訪れる人。中にはカメラ前で偶然隣り合い、仲良くなる人も…。さまざまな人が行きかう山頂で、一瞬の姿を残そうとする人々の3日間。
2.4キロにわたって古木が並ぶ桜の名所、福島・夜の森地区。原発事故以降は訪れる人も少ないが、春になると元住民たちが集い、つかの間のにぎわいを見せる。中でも今年の桜は、ちょっと特別。4月、“桜のトンネル”の一部の避難指示が解除されたのだ。桜に合わせて村へ戻り生活を再スタートさせる人もいるが、トンネルの残りの8割は、依然住むことを許されない帰還困難区域。満開の花の下、故郷を思いながら集う人々の3日間。
色とりどりの布からお洒落(しゃれ)なボタン、コスプレ用のかつらまで。50万点にも及ぶ手芸・服飾用品がそろう新宿の大型手芸店が舞台。花見のためゴブラン織りの敷物を買う人、“シンプルな白い布”を探して何時間も見て回る女性、人形服の素材を探すイギリス人男性…。小さなボタンや生地を手に、想像を膨らませる人々の3日間。
手軽に修行をしたい人々が年に1000人以上やってくる、京都の禅寺。人気の秘密は参加の気軽さ。1泊数千円から好きな泊数で申し込め、インターネット検索で上位に表示されるとあって、プチリセットしたい現代人が後を絶たない。修行生活は朝5時から夜10時まで、食事作法に始まり座禅、作務(清掃)などカルチャーショックの連続。ちょっと過酷な修行で自らを見つめなおそうとする人々の心境とは?
新宿にあるビルの1フロア。ネットカフェのように仕切られたブースから、ぎこちない男女の会話が聞こえてくる…。10年ほど前から人気の“個室型婚活パーティー”。「ぽっちゃり女子専門」「3年以内にママになりたい女性」「オタク婚活」など、細かいニーズに合わせたパーティーが次々と開かれる。「他人に会話を聞かれずに婚活したい」「仕事も私生活も充実したい」と訪れる男女の本音に迫る。
東京・渋谷の住宅街。真っ白なドームから不思議な音色が聞こえてくる。日本最大級のモスク“東京ジャーミイ”。訪れるのは寿司職人のバングラデシュ人やケバブ屋を営むトルコ人、独特の文化に憧れる“日本人イスラム女子”などさまざま。中でも金曜は聖なる日。関東全域から500人以上が集まり、礼拝後は無料の食事を食べながら井戸端会議に花を咲かせる。都会の片隅、数十カ国の人々が肩を寄せ合う不思議なモスクの3日間。
山形県の日本海沿いに、世界有数のクラゲの展示数で知られる水族館がある。中でも人気なのが5千匹のミズクラゲが漂う直径5Mの大水槽だ。宇宙に浮かぶ星のようなクラゲを見ながら、ロケットを作る将来を夢見る高校生。赤ちゃんクラゲを30分見つめ続ける人。夜には、水族館内で一晩を過ごす“お泊り水族館”に参加する人も…。脳も心臓もなく漂うだけのクラゲに、人々はどんな思いを寄せるのか?
大型トラックが行きかう九州・鳥栖。大型倉庫が立ち並ぶ街に、運転手たちが集う場所がある。大型車を停められる駐車場と食事処、風呂も完備の“トラックステーション”。聞こえてくるのは、意外な声だ。「ブラック業界と思われがちだが、4時間走ると30分休憩が必須」「昔は寝ずに走り続けたが、今は会社が許さないので手取りは減る一方」。流通の要所で、働き方と仕事のやりがいについて考える3日間。
愛媛・松山にあるデパートの屋上。ここに、市民なら誰もが知っている観覧車がある。1周15分、ゆっくり時間をかけて頂上までたどり着くと、町全体を見渡すことができる。訪れるのは、テスト期間中だという高校生。県外で就職することが決まった若者。買い物ついでに必ず寄るという、一人暮らしのおばあさん。のぼっては降りるだけの不思議な密室に、なぜ人々は引き寄せられるのか。思い思いに過ごす15分間のドラマ。
製鉄の町として栄えてきた北九州市。歓楽街の路地を入った、ちょっとレトロでちょっとあやしげな通りに、その酒場はある。店の中心に陣取るのは、自動でお酒を注ぐマシン。なんと、一杯100円。安くてよく冷えたお酒を目当てに、24時間営業の店は個性的な客であふれている。将来を語り合う節約カップル。裏の世界を抜け出し、普通の幸せを噛みしめる男性―。小銭が積み上げられたテーブルから聞こえる、それぞれのブルース。
東京の郊外、20万人以上が暮らす多摩ニュータウン。その中心にそびえ立つ、売り場面積1500坪の巨大中古ショップが舞台。フロアを埋めつくす60万点の商品のほとんどが、不用になって持ち込まれたモノだ。新品同様の流行りモノから、父親の遺品、青春時代の思い出が詰まった音楽機材、かつて子ども一緒に楽しんだ「たこ焼き器」まで。ひとつひとつのモノに込められたストーリー。それらを手放す時、人は何を思うのか?
神奈川県の海を見下ろす高台に、その老人ホームはある。平均年齢84歳、450人を超える入居者が静かな日々を送っている。中には、30年ここで過ごす人も。「こんなに長く生きるつもりはなかった」と語る90代の元技術者。「いい人とめぐり合えた」伴侶を亡くした後に知り合った90代のカップル。仕事一筋に生きてきた80代の女性は、ひとりソファで行き交う人を眺める日々。人生100年時代に問う、“幸せって何ですか?”
中国山地を走る国道沿い。深夜、七色の輝きを放つ不思議なファミリーレストランがある。「山賊の砦」をイメージしたという外観、豪快な料理にド派手な飾り付け。あの手この手でお客さんを楽しませている。日中は家族連れで賑(にぎ)わう店も夜になると一変。若者たちが灯(あか)りに引き寄せられるように次々集まる。地元では、免許を取ったらまずこの店を目指すと言われるレストラン。わざわざ山を越えて訪れる理由は何なのか?
夏の甲子園。強豪がひしめく福岡で、21年ぶりに代表の座をつかんだ県立東筑高校。さぞ盛り上がっているだろうと、初戦にあわせて学校のある町へ乗り込んだ。30年以上、球児たちを散髪してきた理髪店。練習風景を眺めたいとグランドを一望できるマンションを購入した夫妻。地元の銀行に就職し、吹き出す汗をぬぐいながら取引先をまわる野球部OB。球児たちの戦いは、町になにをもたらすのか。決戦の日、もう一つのドラマ。
夏真っ盛りの秋田。スーパーの駐車場や国道沿い、観光スポットから誰も来ないような岩場まで。県内のあちこちで派手なパラソルの露店が突如出現する。売っているのは、「ババ」と呼ばれる女性たちがヘラを使って盛りつけるアイス、通称“ババヘラ”。50年以上の歴史があるというババヘラは、秋田の夏の風物詩だ。お盆に帰省した人々は、懐かしいふるさとの味に何を思うのか?神出鬼没のババに密着する3日間。
ビジネスマンが行き交う東京・有楽町。ここに、今では珍しい「路上の靴磨き」店がある。熟練の職人たちの手にかかれば、どんなにくたびれた靴もわずか10分でピカピカ。男たちが靴の輝きにこだわる理由はさまざまだ。少しでも取引先に覚えてもらいたいとお洒落に気を遣う営業マン、妻からプレゼントされた思い出の靴を持ち込む男性、靴は“男のプライドを映す鏡”という人まで。今を生きる男の事情を足元から見つめる3日間。
米軍の横田基地がある東京・福生。音楽やファッションなど、アメリカ文化が根づいたこの地で、30年以上続くロックフェスティバルがある。他のフェスと違うのは、ステージで歌うミュージシャンの年齢がちょっと高めなこと。多くは地元で働く40代から60代。「ラブ&ピース」を叫んでいたかつての若者たちは今、何を叫ぶのか。その歌は観客に何をもたらすのか。夏の終わり、手作りのロックフェスに密着する3日間。
首都高の中継地・東京湾岸エリア。ここに、都内のバイク好きなら知らない人はいないという、大型バイク用品店がある。品揃えが豊富で洗車やメンテナンスもできるとあって、ひっきりなしに客が訪れる。広い駐車場は、さながらバイクの見本市。キャラクターのペイントをあしらう若い女性、徹底した節約生活の末、イタリア車を手に入れた若者。「夏は暑くて、冬は寒い」、それでもバイクを愛してやまない人たちの声に耳を傾ける。
舞台は東京・渋谷にあるスマホ修理店。ここには、画面のひび割れや水没が原因で動かなくなったスマホが次々と持ち込まれる。友人と過ごした夏の思い出を取り戻したいと駆け込んできたフリーター。恋人と連絡が取れず、不安を募らせる女子大生。交友関係や日々の記録の全てが詰まったスマホ。人は何を守り、どんなつながりを大事にしているのか。修理店のカウンターにカメラを据え、スマホの中身をのぞかせてもらう。
秋の連休を迎えた京都。観光エリアの一角にある、私語厳禁の図書館が舞台。ただひたすら静寂を守り、ブースに向かう人々。その事情はさまざまだ。変化が激しい業界で生き抜こうとする人。再就職を夢見る人。明確に将来の目標を掲げる小学生も…。10年以上通う常連は、見知らぬ者同士なのに不思議な連帯感があると語る。独りになりたいけど、孤独はイヤだ。番組史上最も静かな場所から見えてくる、“現代人の孤独との距離感”とは
日本から1万キロ離れたスペイン・カナリア諸島。9月、島の港に日本籍のマグロ漁船が寄港する。北大西洋での漁を控え、船の修理や給油を行うのだ。漁師たちが心待ちにしているのは、数か月ぶりに降り立つ地上でのバカンス。島には深夜まで楽しめる飲食店も充実。ハードな海上生活を送る漁師たちにとって、旅の疲れを癒やせる貴重な時間となっている。日本や世界の漁師たちが寄港してから再び海に出るまでの3日間に密着する。
大阪梅田にある“マンツーマン指導”がウリの英会話教室。ずらりと並んだブースからはさまざまな目標を持った人たちの、ちょっとぎこちない英語が聞こえてくる。海外転勤を命じられ、慌てて通い出したサラリーマン。英語を身につけることが、自分や人生を変えることにつながると信じる人も。グローバル化、英語教育の改革、東京オリンピック…。英語との距離がますます近くなる中で、自分らしい生き方を模索する人たちの3日間。
1泊3千円。“ゲストハウス”と呼ばれる格安の宿泊施設が舞台。都心へのアクセスが良く、200人が宿泊できる川崎のゲストハウスでは旅行客だけでなく、働く人たちの利用が絶えない。開発が進む都内の現場を渡り歩く工事関係者。正社員を目指してゲストハウスを拠点に就職活動する人。飲み会で終電を逃し、家があるのに帰らない人も。カーテンで仕切られた2畳ほどのスペース。さまざまな人生がとなり合うゲストハウスに密着する
人口130万人のベッドタウン・さいたま市。住宅街にある“もみほぐし店”には、昼夜を問わず身体に疲れをまとった客が駆け込んでくる。そのコリの原因はさまざまだ。孫の世話に追われる年配の女性。日々、スピードと効率化を求められる運送ドライバー。誰かに触れてもらえるだけで、前へ進む元気が出ると語る常連さん。体だけでなく心のコリの原因は何なのか。心地良さから思わずこぼれる本音のつぶやきに、3日間、耳を傾けた。
デジタル化が進む現代において、1日1万枚以上の紙を消費する場所がある。池袋にある24時間営業の印刷店だ。ポスター・製本など、個人では難しい複雑な印刷を“大量に美しく”できるとあって、大勢の客が昼夜を問わずやってくる。大事なプレゼン資料を印刷しようと駆け込んでくる会社員、エンディングノートを書き足すのが趣味だという常連客。伝えたいこと・残したいことは何なのか。印刷物に込められた、それぞれの思い。
京から船に揺られて24時間、小笠原諸島・父島が舞台。およそ2000人の島民が楽しみにしているのが、週に1度の宅配便だ。ネット通販の急速な拡大によって、本土から1000キロ離れたこの島にもありとあらゆるものが届けられる。最近では、都会からの移住者も増えている父島。誰に、どんなモノが届けられるのか。荷物が配り終わるまでのおよそ3日間、配送車に密着。小さな荷物の先にある、それぞれの人生を見つめる。
ニシン漁が始まり、冬の足音が聞こえる北海道・根室。港からほど近い24時間営業のコンビニは、昼夜を問わず客足が絶えない。人気の秘密はずらりと並んだ手作りの弁当や焼きたてのパン。名物の「やきとり弁当」は、1日150食も売れるという。今年、日本一の水揚げを誇るサンマ漁が記録的不漁に見舞われた根室。人々はどんな思いであたたかい弁当を手にするのか。漁師町に生きる人々を励ましてきた、小さなコンビニの物語。
新宿・歌舞伎町にほど近い花園神社。師走を前にした11月下旬、境内は1年で最も賑わいを見せる。毎年60万人もの人が訪れる「酉(とり)の市」だ。商売繁盛、開運招福を願う熊手を買い求める人たち。事業規模が拡大するにつれ、毎年大きな熊手を買い続ける企業。「心の平安だ」と語るたたき上げの経営者。小さな熊手にささやかな夢を託す家族。景気の荒波を見つめてきた新宿の神社で、商売人たちの願いに耳を傾ける3日間。
東京・江東区の住宅街に24時間営業のパン屋がある。バターと生クリームをふんだんに使った「デニッシュ食パン」は、1日1000本以上を売りあげる。自分で食べるだけでなく、「プレゼント」目的で買っていく人も多いという。高級なお歳暮よりも、ちょっと気が利いた贈り物が今の気分なのだ。常連客のために大量のパンを買いつけるクラブのママ。親の介護を任せている兄弟への手土産など。甘くておいしいパンの行方を探る3日間
真冬の津軽海峡。青森・函館間およそ120キロを結ぶ巨大フェリーが今回の舞台。600人が乗れる広い船内にはシャワーやゲームコーナー、ベッドつきのスイートルームまで完備されている。昨年の暮れ、ふるさとに帰省する大勢の人たちがこの船に乗り合わせていた。わけあって普段は家族と離れて暮らす人。新生活に胸躍らせるカップル。人々はどんな思いで海を渡るのか。津軽海峡を北へ、南へ、3日間。海を渡るドラマを見つめる。
東京・高田馬場に「ゲーマーの聖地」と呼ばれるゲームセンターがある。平日で500人、休日には1000人ものゲーム好きが訪れる。目を引くのが、ずらりと並んだ格闘ゲーム。見ず知らずの者同士が熱いバトルを繰り広げ、店内には不思議な連帯感も生まれている。「勝った・負けた」を実感したいというサラリーマン。「年齢・性別を超えた真剣勝負がたまらない」と語る女性。ゲーマーたちの知られざる戦いを追う3日間。
浅草・雷門からほど近い路地裏に、ここ数年お客さんが急増中の新名所がある。巨大なグローブのオブジェが目印のバッティングセンター。外国人にもなぜか人気で、5打席しかない空間に1日数百人がやって来る。健康目的に通っている男性は、「空振りでもいい」と左右の打席でバットを振り、その隣では初めて打席に立つという外国人グループが一球一球に歓声を上げる。意外な場所で見つけたクールジャパン、その魅力を探る。
1本の花を手に町へ出て、偶然出会う人たちと「物々交換」を3日間続けたら、どんな人やモノに出会えるか。今回は「72時間・物々交換の旅」にチャレンジ。 ※3月16日放送時に梅と紹介した花は桜の一種でした 。確認が不十分で大変失礼しました。
都内にある「ねずみ駆除」の業者に密着。春先には月に1000件もの依頼が舞い込み、24時間体制で駆除に走り回る。繁華街の飲食店にアパート、学校や病院もあれば、お寺・大使館からのSOSも。深刻なケースではねずみがコードをかじったせいで、電話やネットが不通になることもあるという。再開発の工事や空き家問題などが拍車をかけていると言われる「ねずみ騒動」。駆除に密着し、“東京の今”をルポする。
東北の太平洋沿岸を走る「国道45号線」が舞台。震災から7年、3月11日に仙台を出発し、道行く人々に声をかけながら北上する。道ばたの桜を眺めるのが日課だという男性。かつて自宅があった場所でひなたぼっこをする年配の女性。東北の自然に魅せられ、東京から移り住んだ研究者。復興格差も見える沿岸部の町を行き、それぞれが待ちわびる春とは何かを探る3日間。
今回は「法律相談所」が舞台。東京・新宿の相談所には、ひとりでは解決できないトラブルを抱えた人たちが駆け込んでくる。「ネットの高額請求に悩んでいるが家族に話せない」「騒音トラブルで隣人との関係が悪化している」など、金銭がからむ深刻なお悩みから、家庭内のゴタゴタまで。弁護士に訴える相談内容からは、日常の落とし穴や人間関係のもろさも浮かび上がる。都会にあふれる相談事から、現代社会を見つめる3日間。
“美容室の宅配”が急速に拡大している。介護福祉施設など、外出が難しい人々の元へ出張し、カット・パーマなどを行う「訪問美容」。「美容室の時間だけはワガママが言える」という母親や、若い頃の写真を手にこだわりの髪型をオーダーする高齢者。きれいに髪が整った自分と対面すると、表情がやわらいでくる。老いゆく体や日々の疲労に悩みながらも、「美しくありたい」と願う人たち。“美”の先にある希望を見つめる。
およそ2800冊の本を積んで松山市内を走るトラック。40年以上の歴史がある「移動図書館」だ。過疎が進む山間部から、フェリーに乗って島へと渡り、人々に本を届ける。全国的には少なくなった移動図書館だが、なぜか松山では利用者が増えている。定年後、趣味を見つけようと通い始めた夫婦。「いつまでも学びたい」とやってくるお年寄り。どんな人が、どんな本を借りていくのか。移動図書館に密着し、本をめぐるドラマを探る。
普段は静かな富山の漁師町。春の数日間、全国から人が集まり、お祭り騒ぎのような賑(にぎ)わいを見せる。お目当ては、“ホタルイカ”。この時期、新月の前後で湾内に大量発生するのだ。ホタルイカが放つ青白い光で、浜一帯は幻想的な光景に包まれる。大きなバケツを手にイカを探す人々の表情は真剣そのもの。スマホで掲示板をチェックし、出没情報が入ればすぐさま移動する。静かな浜辺が、不思議な熱狂に包まれる3日間。
再開発が進む大阪・西成。町の一角に、40年以上続く24時間営業の食堂がある。店の売りは大盛りのメニューと聞き上手なマスターとママ。2人にグチや悩みを聞いてもらおうと、絶えることなくお客さんがやってくる。仕事を求めて西成にたどり着いたという派遣社員の男性。子育てに悩むシングルマザー。かつて、この店でバイトをしていた男性は、いつか子どもにも働いて欲しいと語る。小さなカウンター越しに交錯する人間劇場。
宮城県石巻周辺の国道沿いに、パチンコ店が密集するエリアがある。店内には「1円パチンコ」など低貸玉の台がずらりと並ぶ。震災後、息子夫婦のもとに身を寄せたが、家にいづらくてパチンコを始めたという70代の女性。「パチンコは人と話さなくて良い」と語る就職活動中の男性。台に向かうことなく、休憩コーナーで1日を過ごす人も。知らない人には分からない、パチンコの世界。ごう音の中のつぶやきに耳を傾ける。
業績が低迷する百貨店業界で、唯一売り上げを伸ばしているのが「化粧品」部門だ。昨年は前年比17%増、5000億円を突破した。有名ブランドがそろう名古屋の老舗デパートでは、1日2000人の客がこだわりの化粧品を購入する。「自分と向き合える唯一の時間」と語る30代の主婦。「化粧は戦闘服」と語る経営者。女性たちは「どうありたい・どう見られたい」と考えているのか。静かな熱気であふれる化粧品フロアに密着する。
さまざまな病を癒やすと言われる秋田の秘湯・玉川温泉。一歩足を踏み入れると、岩だらけの荒涼とした風景が広がり、あちこちから湯煙や硫化水素ガスが噴き出している。ここを訪れる人の多くは、がんを発症し、闘病中の人々。全国各地から岩盤浴のために1週間ほど過ごしていく。彼らの表情や会話はどこか明るい。病を癒やすためにこの地を訪れ、何度も通ううちに「何のため、誰のために生きるのか」という問いと向き合うようになる
後ろにくるりと一回転。なぜか今、通い始める人が増えているという「バク転教室」が舞台。子どもたちに混じって、会社帰りのサラリーマンや主婦がマットの上で悪戦苦闘している。ジャッキー・チェンにずっと憧れていたという40代の男性。娘にかっこいいところを見せたいお父さん。仕事で役に立つのではないかと通い始めた若い女性の姿も。くるりと回れば、人生も好転する!?ちょっと変わった習い事教室の3日間。
10万人以上の観客が詰めかける、年に1度の競馬の祭典「日本ダービー」。舞台となる東京競馬場では、開門を待ちきれない大勢のファンで長蛇の列ができる。その先頭は1週間以上前から並ぶという。亡き妻との思い出を語る人。職場の人間関係に疲れた人。決戦の日が近づくにつれ、行列では不思議な連帯感も生まれる。わずか2分半のレースのために、とてつもなく長い時間を過ごす人々。どんな思いで、どんな過ごし方をするのか。
東京オリンピックの年に建てられた、歴史ある総合病院の引っ越しに密着。新しい病院までは、わずか250メートル。ただし、医療行為がストップしないよう、たった1日で全ての入院患者を移送しなければならない。さらに、ベッドや医療機器など2tトラック250台分の荷物も分刻みのスケジュールで運び出す。この日のために、半年以上前から打ち合わせを重ねてきた医師や看護師たち。一体何が起きるのか、大プロジェクトを追う。
6月、地元・名古屋で愛されてきた老舗百貨店が75年の歴史に幕を下ろした。かつては、中部以西で最大の売り場面積を誇った店も、バブル崩壊後は苦境に陥っていた。慣れ親しんだ店との別れを惜しむ常連たち。一方、従業員の中には次の仕事が決まっていない人も多く、複雑な思いを抱えていた。客のほとんどが「親しみやすい」と答え、市民にとっては「当たり前にあった場所」。最後の時をどう迎えるのか、閉店までの3日間を追う。
東京湾に広がる京浜工業地帯。工場や物流センターが密集する一角に、24時間いつでも釣りができる公園がある。アジやスズキなど20種類以上の魚が釣れるとあって、昼夜を問わず、ひっきりなしに人々が訪れる。造船所で働くフィリピン人の男性。買ったばかりのさおで大物をねらうフリーランスの女性。家計を支えるために10代から働いてきた若者は、深夜に友人と夢を語る。記録的な猛暑が続いた7月、海釣り公園の3日間。
下関と北九州を隔てる関門海峡。その数十メートル地下深くに、人が歩いて渡れる「海底トンネル」がある。全長780メートルの、ただまっすぐな道。でもなぜか、通行目的ではない人たちが集まってくる。かつて父親と歩いた道を、彼氏とともに訪れた20代女性。仕事と子育てを両立する女性は、どんなに疲れていても毎週ここに足を運ぶ。景色が変わらないトンネルの、どこに惹(ひ)かれるのか。行き交う人々の声に耳を傾ける3日間
日本の海の治安を守る「海上保安官」。密漁船の取り締まりや時には人命救助を行う「海の警察」。そんな彼らを養成する学校が今回の舞台。京都・舞鶴にある校舎では、18歳から25歳までの500人を超える男女が集団生活を送っている。日夜、厳しい訓練に励む若者たち。小さい頃から、海上保安官に憧れていたという10代。苦手な水泳を克服するため練習に励む女性。遠泳訓練が行われる7月末、“海猿”候補生たちの素顔に迫る。
サラリーマンの町、東京・新橋。ここに、働く人たちが憩いを求めてやってくる老舗のジューススタンドがある。桃やスイカ、ゴーヤにウコンにアロエまで。季節の果物や野菜から生まれる色とりどりのジュースを求めて、1日150人を超える客が訪れる。商談前に駆け込む会社員。美肌効果を求める30代の女性。現役時代からの習慣で通い続ける70代。一息ついて、こぼれる本音。サラリーマンたちのオアシスに密着する。
住民の4割が外国人という、新宿区大久保の「海外送金所」が舞台。およそ150か国へ送金可能、手数料は1000円程度とあって、日本で働く外国人たちの入店が絶えない。母国で暮らす妹から、生活費の催促がきたインドネシア人の女性。親戚に預けた息子を日本に呼び寄せるため、渡航費の送金にきたアフリカ人男性。カウンターで対応するスタッフも外国人であるため、手続きを進めるうち、カウンター越しの人生相談が始まる。
9月16日、平成の歌姫・安室奈美恵さんが引退した。かつて、“アムラーの聖地”と呼ばれた渋谷のファッションビルでは特設ショップがオープン、連日大勢のファンが詰めかけた。その多くは、30代・40代の女性客。厚底ブーツを履いていた彼女たちも、今は仕事や子育てに忙しい日々を送る。元アムラーの看護師、2人の子どもを育てるシングルマザー。「安室ちゃんに励まされた」と語る彼女たちは、どんな人生を歩んできたのか。
年間500万人の観光客が訪れる北海道・函館。ここで最近、新たな名所として人が集まるハンバーガーショップがある。特徴は「デカ盛り」。唐揚げやトンカツがそのまま挟まれた特大バーガー。お昼にほおばれば、夕食はいらないという客も少なくない。「町の魅力度ナンバーワン」と言われながらも、人口減少や高い失業率という問題を抱える函館。長年、地元で愛されてきたハンバーガーショップを舞台に「幸せとは何か」を考える。
1日180万を超える人々が利用する東京駅。ここで、半世紀もの間、定番の待ち合わせスポットとして親しまれてきた「銀の鈴」が舞台。大きな鈴の前で繰り返される、出会いと別れ。それぞれの誕生日に待ち合わせるという年配の男性グループ。ネットで知り合った、アイドルのファン仲間。広い構内で銀の鈴にたどり着けず、簡単には出会えないケースも…。どんな人が、誰を待っているのか?
先月、83年の長い歴史に幕を下ろした築地市場。場外の通りにある、立ち食いそば屋が舞台。まだ薄暗い早朝にもかかわらず、人がいっぱいの店内。これから始まる競りに備え、市場で働く男たちがそばをかきこみ、仕事に向かうのだ。長年築地で生きてきた人もいれば、さまざまな事情を抱え流れ着いた人も。働く人たちにとって、築地市場とはどんな場所だったのか。最後の3日間、ちょっと離れたそば屋で耳を傾ける。
熊本の静かな山間に、全長2.1キロ、頂上まで3333段、日本一の段数を誇る石段がある。大人がふつうに上って1時間半。さまざまな理由から、あえて苦しいことにチャレンジしようという人たちが集まってくる。店長を任されることになった美容師。卒業後、別々の道を歩む大学生グループ。1日に何往復もするという常連の男性…。苦しい表情を浮かべながら、限界に挑戦する人たち。3333段の石段と向き合う3日間。
大阪から名古屋・東京方面に向かって、車で1時間。西日本最大の駐車スペースを誇る、滋賀・草津パーキングエリアが舞台。24時間営業のフードコートやガソリンスタンド、コインシャワーといった充実した設備。1日およそ1万人が、ここで一息ついてく。”何か”を求めて、ヒッチハイクを繰り返す若者たち。30年ぶりに故郷を訪れた帰りだという男性…。道の半ば、さまざまな事情を抱えた人たち。どこから来て、どこへ向かう?
千葉県のニュータウンにある、日本最大級の売り場面積を誇るホームセンターが舞台。ここでは、日用品から建築資材、園芸用品まで、ありとあらゆる商品がそろう。ベランダ菜園を作ろうと都心から木材を調達しにやってきたサラリーマン。母親を家で介護するため、手すりやスロープを自力で作りたいという女性。DIY(Do It Yourself)で、“今日より、少し良い生活”を手にしようとやってくる人々の声に耳を傾ける。
さまざまな業種の職人が訪れる広島の作業服店が舞台。頑丈で使い勝手の良い工具や最近流行だというデニム素材の作業服がそろう。内装会社を営む男性は、社名や名前の刺しゅうが施された作業服を注文。「胸の刺しゅうは名刺代わり」と語る。建設現場の人材難に頭を抱えるベテランがいる一方、全く違う業界から大工の道に進んだ若者も。「働き方」が問われる今、時には危険と向き合いながら働く人たちに「働くとは何か」を聞いてみた
新宿にある「24時間営業の音楽スタジオ」が舞台。アマチュアミュージシャンだけでなく、さまざまな年代のさまざまな職業の人たちがやってくる。同僚の結婚式の余興のために集まる、会社帰りのサラリーマン。かつて「ガールズ・バンド」を組んでいたという主婦友グループ。人と接するのが苦手だけど、歌うのは好きだという若者たち。誰が、どんな思いで、どんな曲を奏でるのか。爆音のスタジオに3日間密着する。
さまざまな年齢や職種の男女が出会いを求めて訪れる、仙台の“相席ラウンジ”が舞台。「つき合ったことはあるけど、長続きしない」ことが悩みの30代会社員。男性と話すのが苦手で、会話の練習に来ているという女子大生。SNSの普及によって、簡単に人とつながれる現代に「出会いがない」と嘆く彼ら。一体、どんな出会いを求めているのか。クリスマス前後の3日間、男と女のラブゲーム。
年の瀬の成田国際空港。2015年に開業した格安航空会社(LCC)専用の「第3ターミナル」に密着する。最寄り駅がある第2ターミナルからの距離は、およそ600メートル。荷物が多いと移動が大変だが、通常の半額ほどの安さが受け、利用者は年々増加している。フードコートも併設された出発ロビーは24時間利用可能で、1日2万人が行き交う。平成最後の年越し。格安チケットを手に、みんなどこへ向かう?
新年最初の週末、富士山のふもとにあるキャンプ場に密着。気温は氷点下にもかかわらず、次々と人がやってきてはテントを張る。「空気が澄んで景色がいい」「虫がいない」という理由から、冬のキャンプも人気なのだ。たった一人で「ソロキャンプ」に来た会社員。こだわりのグッズを披露する50代のベテランキャンパー。20数年ぶりというブームに沸くキャンプ場。みんな、どんな思いを抱えながら、富士山を眺めるのか。
駅前の再開発が進む東京・四谷。通りを入った路地に、創業60年の小さな「たい焼き屋」がある。連日数十人が列を作り、寒くなればなるほどその列は長くなるという。味は「粒あん」のみ。創業以来使い続けている鋳型で焼くたい焼きは、1個150円、1日2500個を売り上げる。平成の終わり、日々変貌する東京の片隅で、スタイルを変えず営業を続ける老舗たい焼き屋。どんな人たちが、どんな思いで、ほお張るのか。
大阪・道頓堀。「幸運の神様」の人形を手に、道行く人たちと「物々交換」を3日間続けたら、どんな人やモノに出会えるか。大阪の人情が気に入り、住み着いてしまったフランス人。卒業旅行で大阪に来たという大学女子サッカー部。空手の全国大会に出場するという小学生とその父親…。モノからモノへ、つながるはずのなかった人がつながっていく。72時間後に、「幸運の神様」はどこへたどり着くのか。
北海道・旭川にある宝くじ売り場。気温氷点下にもかかわらず、続々と人がやってくる。ここは、高額当選がよく出る「伝説の売り場」なのだ。およそ70年の歴史で生まれた億万長者は38人。当選総額100億円を超えるという。過去には、ハズレくじの中に5000万円の当選くじが入っていたり、倒産寸前で1000万円を当てた中小企業の経営者もいた。みんな、どんな夢を宝くじに託すのか。一攫千金を夢見る人たちの物語。
九州最大の歓楽街、福岡・中洲のほど近くにある小さな不動産屋が舞台。雑居ビルの3階にひっそりと店を構えており、看板は出していない。それでも、ネットで情報を見つけた人が続々とやってくる。家賃1万円台の格安アパートから、商業テナントまで。人口が増え続ける福岡市とあって、この店で扱う物件の幅は年々広がっている。新しい部屋から始まる、新しい人生。どんな人々が、どんなワケで、部屋を借りに来るのか。
2月、東京で開催された「巨大転職フェア」に密着。3日間の期間中に300社以上が参加。転職を希望する人が全国から1万人以上集まった。思い描いていた仕事と現実とのギャップから転職を考える人、ブラック企業を辞めた人。家庭の事情で、働く時間を変えざるを得ない人など、抱える事情は様々。企業にとっては、優秀な人材の争奪戦。自社の可能性を必死にアピールする。人生の岐路に立つ人々の「新たな一歩」に寄り添う3日間。
川や運河に囲まれた大阪市のベイエリア。市が運営する「渡し船」に密着する。運賃は無料、地元の学生や工場勤めの人たちにとって、欠かせない足となっている。「茶飲み友達に会いに行く」という女性。親の介護に行くため、毎日渡し船を利用する人。「これから夜勤に行く」と語る外国人。十人十色の日常の中で、この船を利用する時間は「気持ちのスイッチ」を入れ替える貴重なひととき。片道わずか1分、どんな物語に出会えるか。
「なんもしない私を貸し出します」。そんな不思議なサービスを提供する男性がいる。「何もせず、ただそこにいるだけ」にも関わらず、貸し出しを求める依頼が後を絶たず、ツイッターのフォロワーは10万人を超える。離婚届の提出に付き添ってほしい、自分の民事裁判を傍聴してほしい、結婚式を眺めに来てほしい…家族や友人には頼めない、でも、誰かに「いてほしい」-そんな依頼をするのは、一体、どんな人たちなんだろう?
春、別れの季節。長崎県・五島列島の玄関口、福江島では、毎年風物詩となっている光景がある。島中の人々が集まって、島を出る人との別れを惜しむ、見送りの風景だ。就職・進学・結婚、様々な理由で島を離れる人たち。ターミナルのロビーで家族や同僚、同級生、教え子らと別れを惜しんで抱き合い、涙ながらに言葉を交わしてフェリーへ乗り込む。3月の終わり、新たな土地で新たな一歩を踏み出す人々を見つめる3日間。
数十もの大学や予備校、専門学校がひしめく東京有数の学生街・高田馬場。活気溢れる街の中心にある駅前ロータリー広場が、今回の舞台。サークルや飲み会に向かう若者たちの集合・解散場所として、昼夜問わず賑わっている。最後の飲み会のため集まった大学四年生たち。久しぶりに集まった、かつてこの街で若き日々を過ごした同窓会グループ。新年度をはさんだ72時間。「それぞれの青春」を見つめる。
東京郊外にある大型霊園が舞台。ここには石のお墓に混じって、桜の樹木葬が点在している。「自然に還りたい」という故人の思いを受け、全国に広がる樹木葬。春、桜が咲く季節に大勢の人がお参りにやってくる。長年、苦労をともにした妻に会いに、毎週のように足を運ぶ男性。桜の咲く時期、父親の墓参りに顔を合わせるという兄弟。若くして夫を亡くした女性は、夫が大好きだったビールを片手に桜に語りかける。
今回の舞台は、東京貨物ターミナル駅。日本全国から集まる膨大な貨物を積み替えては、送り出す、日本最大の物流拠点だ。ネット通販の拡大やトラックドライバーの不足によって、鉄道が扱う貨物量は年々増加している。運転士、整備士、フォークリフトオペレーター、ドライバー、施設内に泊まり込む新入社員まで。さまざまな人が働き、物流を支えている。豊かさや便利さの裏で、24時間汗を流す人々の知られざる仕事ぶりを追う。
舞台は、東京・渋谷にある郵便局。ここ数年、フリマアプリの世代を超えた人気もあって、この郵便局で扱われる荷物の配送量は増えているという。ほとんど新品の洋服を売却する女性。SNS上の仲間とアイドルグッズを送り合う若者。一方、局内の机で熱心にはがきを書く人たちの姿も…。誰がどんなものを送るのか。“平成”から“令和”へ、新時代の幕開けに湧く大都会の郵便局で、はがきや荷物に込められた思いを探る。
千葉県の農道を抜けると、突如現れる不思議なスポット。迷彩服に身を包んだ人たちがエアガンを手に、だだっ広いフィールドを走り回る。今、競技人口が増えているというサバイバルゲーム、通称「サバゲー」だ。夢中になっているのは、子どもや若者だけではない。「定年後の趣味を見つけに来た」という年配の男性。家事や育児を離れ、ひとりで参加した女性も。大人たちを夢中にさせる理由は何なのか。
健康ブームのなか、ダイエットや体質改善として注目を集める「プチ断食」。静岡伊豆高原にある施設には、「健康になりたい」だけでなく、心にひっかかる「もやもや」を取り除こうと訪れる人も多い。心の疲れを癒やすため、定期的に訪れる銀座のママ。娘が引きこもりで、親子関係に悩みを抱える男性。朝晩のスムージーと具なしの味噌汁を口にしながら、「何かを変えたい」と願う人たち。空腹の先に何が見えるのか?
東京・阿佐ヶ谷。ビルやマンションが立ち並ぶ駅前に、ちょっと変わった場所がある。大正時代から90年以上続く、“金魚専門”の釣り堀だ。釣り竿とエサ付きで1時間600円。手ぶらで気軽に立ち寄れるため、1日中、人は絶えない。50年以上通っているという常連さん。働き方改革で時間をもてあましているサラリーマン。1日で100匹近く釣り上げる女性の姿も。たくさんの金魚が泳ぐ池を眺めながら、みんな何を思うのか?
新宿・歌舞伎町。地下街の一角にある「ウイッグ(かつら)専門店」が舞台。40年以上、さまざまな事情でウイッグを必要とする老若男女の要望に応じてきた。最近、生え際が気になるという40代の女性は部分ウイッグ。ダンスの舞台衣装のために訪れた女性は、腰まで伸びるロングヘアのウイッグと、それぞれの事情に合わせて選んでいく。見た目も気持ちもがらりと変わる、「秘密のアイテム」。みんな、どんな自分になりたいのか。
神戸市の郊外にある、「巨大な靴店」が今回の舞台。広さ1000坪の売り場には、およそ10万足が並ぶ。驚くのはその値段。サンダル499円、パンプス980円、ビジネス革靴は2足で5000円…と激安商品がずらり。リーズナブルな靴を求めて連日客が押し寄せる。夏のはじめ、新しい靴を履いて歩み出す人々を見つめる。
川崎市にあるクライミングジムが舞台。ここでは、4メートルほどの壁をのぼる「ボルダリング」、命綱で体を支え、10メートル以上の高所をのぼる「ロープクライミング」ができる。初心者から日本代表選手まで、老若男女が汗を流す。利用者の多くは、「普段の生活では、限界に挑戦することがない。ここでは、限界に挑戦し、成長を実感できる」と語る。どんな人たちが訪れるのか。ストイックに壁に挑む人たちの声に耳を傾けた。
観光客が年々増加している沖縄。町のあちこちで、ホテルやデパートの建設ラッシュが進んでいる。その裏で賑わっているのが、トラックやバスの免許が取れる自動車学校だ。転職し、大型トラックのドライバーを目指す20代の女性。定年退職後、憧れの沖縄に移り住み、バスの運転手になりたいと語る男性。バイトで稼いだお金で自動車学校に通う大学生は、将来は公務員になりたいと夢を語る。免許の先に思い描く夢は何なのか。
東京圏への人口集中が続く中、地方に移住したいと考える人々が集まる場所がある。有楽町にある移住相談窓口だ。全国39の道府県の相談員が、仕事や住まいなど、移住に伴う全ての相談に無料で応じてくれる。相談者の7割が40代以下の、若い世代。離婚をきっかけに新しい住まいを探しに来た×(バツ)ターンの男性、カープ好きが高じて広島に移り住みたいという女性。みんな、どんな理想を持って、ここを訪れるのか。
東京・品川の行列ができるセルフ洗車場が舞台。水や洗剤が出るスプレーを使い、時間をかけて愛車を磨きあげる人たち。仕事で必要になり車を購入したが、いつの間にか休日のドライブが欠かせないほど車に魅せられた女性。デート代わりに車を洗うカップル。そろそろ免許を返納しようか迷っている70代の男性。それぞれ事情を抱えながら、みな黙々と車を洗う。梅雨が明けた7月末、車の汚れと一緒に、洗い落としたいものは何なのか。
高齢化が進み、病床が慢性的に不足している現代。一方で、「人生の最後を自宅で迎えたい」「大切な家族を自宅で看取りたい」と考える人も増えているという。そうした在宅医療を選択する人たちを支えているのが、「訪問看護師」だ。今回は、東京・東久留米市で180人以上の患者を受け持つ訪問看護ステーションに密着。急速に高齢化が進む町で、様々(さまざま)な事情を抱えながら、訪問看護師を待つ人たちの3日間。
8月の終わり。熊本・阿蘇の草千里に2000人を超えるバイク愛好家たちが集結した。イベントの目的はレースや交流ではなく、「1冊の写真集をつくりあげる」こと。日本中から集まったライダーとその愛車をボランティアスタッフが写真に収めていく。イベントが開かれるのは10年に1度。1979年にひとりのカメラマンがはじめ、今年で5回目だ。就職、結婚、病気…。かつての写真集を手に、この10年の物語に思いをはせる。
北海道各地をめぐる「献血バス」に密着する。慢性的に不足が指摘されている献血者。実は北海道は献血をする人の割合が全国一。人口密度が低い土地で、このバスが血液の収集を支えているのだ。100回近く献血をしてきた農家の男性。人助けをすれば、自分にも運がまわってくるはずと語る若者。血を抜くと、なぜかリフレッシュできるというサラリーマン。北海道の小さな町をめぐりながら、“ささやかな思いやり”と出会う3日間。
官公庁やオフィスビルが集まる東京永田町の一角にある「シェアオフィス」が舞台。お洒落なカフェのようなフロアには、コワーキングスペースとレンタルオフィスがあり、様々な働き方をする人たちが黙々と仕事をしている。フリーランスはもちろん、新規事業を立ち上げた企業のサテライトオフィス。大企業を辞めて、新しいビジネスを始める人も多い。「自分らしい働き方」を模索しながら、それぞれの夢に向かう人々の3日間。
今回の舞台は、大阪市のど真ん中にある大阪城公園。100ヘクタールを越える広大な敷地には、大阪城天守閣をはじめ、西の丸庭園、大阪城ホールなどの施設が備わり、年間270万を越える人々が訪れる。天守閣を取り巻く公園は24時間利用することができ、昼夜を問わず、さまざまな人々が思い思いに時間を過ごしている。どんな事情を抱えた人たちがここを訪れるのか。24時間眠らない大阪城公園に、3日間カメラを据える。
今回は中国の制作会社によって作られた「中国版ドキュメント72時間」。舞台は雲南省・昆明(こんめい)。1年中温暖な気候に恵まれ、秋になるとシベリアからユリカモメの群れがこの地にやってくる。市の中心部にある公園には大きな池があり、春までの数か月間、数千羽のカモメたちがここで羽を休めるのだ。カモメが飛び去っていく春。みんなどんな思いで鳥たちを見送るのか
福岡市にある「24時間診療の歯医者」が舞台。昼も夜も痛みをこらえた患者がひっきりなしにやってくる。不摂生がたたり、虫歯が増えたという営業マン。歯がきれいになったおかげで笑顔が増え、性格も明るくなったという女子大生。若い頃、殴り合いのケンカで歯をなくした男性は「過去をなげいても歯は戻らない」と反省する。11月8日(いい歯の日)に、「歯」にまつわるドラマを見つめる。
東京・銀座にある酒屋が舞台。ワインやウイスキーを中心に、世界中から取りそろえたお酒はなんと3000種類以上。中には200万円を超える超高級なお酒も。それでも1000種類ほどが1杯100円から試飲できるとあって、20代の若者や仕事帰りのサラリーマンで店内は賑わっている。部下と飲む機会が減り、ひとりで立ち寄る経営者。念願の店を構えたクラブのママ。自分に合うお酒を追い求める男性。銀座の酒屋の物語。
今回は、数万円台から結婚式を挙げられる式場が舞台。格安・小規模・短期間がウリで、毎日3,40組のカップルが相談にやってくる。「2度目はシンプルに」と語る再婚同士の40代カップル。若い頃に式を挙げられず、子どもたちからプレゼントされたという60代の夫婦。病気がちな父親にドレス姿を見せるため、1か月で式を挙げたいというカップル。さまざまな人生の小さなウエディングストーリーを見つめる。
長野県南部にある阿智村が舞台。秋から冬に変わる時期、標高1600mの展望台を目指して、全国から大勢の人がつめかける。お目当ては、空一面に広がる星空と、この時期にしか見られない巨大な雲海だ。遠く南アルプスまで、見渡す限り真っ白な雲が広がる光景に人々は絶句する。遠く向こうから昇る朝日を見つめながら、願い事をする人も多いという。11月、「天空の絶景」と呼ぶにふさわしい光景を前に、人々は何を思うのか。
兵庫県・尼崎市にある知る人ぞ知るアミューズメント施設が舞台。ビリヤードや卓球は30分100円から遊べるとあって、昼夜を問わず、多くの客で賑わっている。日中は買い物帰りの高齢者、卓球に汗を流す中高年のグループ、夜になると黙々とゲームを楽しむ若者たちの姿が。ある人は青春を思い出し、ある人はさみしさをまぎらわし、ある人は家族と過ごす時間を愛おしむ…。様々な人生が交錯する、アミューズメント施設に密着する。
12月の青森・下北半島。人口5万あまりのむつ市の中心部に、ちょっと変わった歓楽街がある。200軒以上のスナックや飲食店が並び、長年、地元の人たちに愛されてきた「神社横丁」だ。80代の女性が切り盛りする一杯飲み屋、漁師の息子がとってきた魚をさばいてくれる居酒屋、都会から移住してきた若者が開いたお洒落なバー。個性豊かな店主たちが店を構える歓楽街。厳しい冬を前に、小さな町でたくましく生きる人たちの物語
最近、各地の商店街や駅などで見かけるようになった「ストリートピアノ」。神戸駅の地下街に設置されたピアノには、多い日で100人以上が演奏しに訪れるという。実はこのピアノ、阪神・淡路大震災の時、市内の幼稚園で使われていたもの。その時のキズが今も残っている。そのことを知ってか知らずか、ピアノを弾こうと多くの人がやってくる。震災から25年。何が変わり、変わっていないのか。神戸に生きる人々の今を見つめる。
東京の下町にある24時間営業の焼き肉店が舞台。ランチはなんと500円から。手頃な価格でボリューム満点の肉を求めて、昼夜を問わず、大勢のお客さんがやってくる。夜勤明けに立ち寄った警備員のグループ、週に1度のぜいたくだという同棲カップル。七輪を囲めば、普段は口にできない本音がこぼれる。一方で黙々と肉を焼く「ひとり焼き肉」のお客さんも。東京の下町、24時間おいしそうな匂いがたちこめる焼き肉店に密着する。
東京・井の頭公園が舞台。緊急事態宣言の解除から1か月経った6月末。大きな池と豊かな緑に囲まれた公園に、少しずつ人が戻ってきた。久しぶりの再会を喜ぶ友人同士。夢に向かって稽古を続ける漫才コンビ。自粛疲れを癒そうと何時間もベンチに腰掛けるサラリーマン。どんな人がどんな思いを抱えて、公園にやってくるのか。3日間、池のほとりをぐるぐるまわって、出会った人たちの声に耳を傾けた。
今回の舞台は、東京・原宿にある24時間営業の巨大スポーツジム。彼女から「細い男はイヤ」と言われたのがきっかけで、ボディビルダーにまでなった男性。ケガでサッカー生命を絶たれ、その悔しさを筋トレでまぎわらす青年。見た目のコンプレックスを克服するため、一念発起して通い始めた主婦。長くて険しい筋トレ道。どんな人がやってくるのか。※撮影は2月中旬に行いました。
年に一度、短冊に願い事を託す、七夕。今回の舞台は、東京タワーのすぐそばにあるお寺の七夕祭り。訪れる人たちは、思い思いに秘めた願いを短冊につづっていく。10年片思い中の相手との再会を願う女性や、新型コロナの影響で会社のボーナスを気にするカップル、亡き父とつながるために毎年やってくる外国人もいる。七夕までの3日間、ささやかな願いを短冊にしたためる人たちに耳を傾ける。
波打ち際を車で走れる、国内でも珍しい砂浜の道路。石川県にある「なぎさドライブウェイ」が今回の舞台。砂の粒が細かく、海水がしみ込んで押し固められると車が走れるほどかたくなるという。この不思議な砂浜にはさまざまな人が訪れる。爽快感を楽しみに来る若者や、毎年この砂浜で誕生日を祝う夫婦。特別な思い出を懐かしみに来る家族もいる。みんなこの砂浜にどんな思い出を刻んでいるのか。夏の3日間、波打ち際で耳を傾ける。
大都会の片隅にある、タクシーだけに休憩が許された道路が舞台。仮眠をとったり、食事をしたり、ここでは羽を休めるドライバーたちの素顔が見える。新型コロナで大きな影響を受ける中、彼らはどんな思いで街を走っているのか?コロナの拡大以降にドライバーになった人、売り上げが落ち込み転職を考える人。家族のために走らなければならない人。さまざまな事情を背負って走る、タクシードライバーたちに3日間、耳を傾ける。
東京の夏を彩る隅田川花火大会が中止。この静かな夏に、あえて隅田川沿いの遊歩道をぐるっと1周歩いて旅する3日間。初対面でも赤裸々に話し込む人たちや、新型コロナのあおりで、夢が立ちゆかなくなった若者。浅草が気に入り、川べりでギターを奏でる男性や、毎日、亡き妻との思い出を振り返りに来るご年配。川べりで出会うさまざまな人たちの人生を通して、新型コロナに揺れながらも移ろっていく今を記録する。
国内屈指の品ぞろえを誇る管楽器専門店が舞台。サックスやトランペットなどが1000点以上並び、修理も対応できると愛好家たちが集う。念願だった自分の楽器を買いにきた人や、演奏の練習が再開でき、吹ける喜びを感じる人。自閉症の生徒のためにクラリネットを修理する盲目の音楽講師。新型コロナの影響で静まりかえっている音楽の世界。みんな、どんな思いで楽器に向き合い、吹いているのか?3日間、耳をすませる。
8月末、長い歴史に幕を下ろした「としまえん」。そのシンボルといえる日本最古の回転木馬「カルーセル エルドラド」が舞台。アールヌーボー様式の木製の装飾が作り出す幻想的な世界。結婚前からデートのたびに乗ってきたという熟年夫婦。家族の仲がよかったころを思い出そうとする青年。ここで、亡き母に立ち直った自分の姿を見せたいという女性。回転木馬はどんな思い出を乗せてきたのか?閉園間際の3日間を見つめる。
都内最大級の広さを誇る園芸専門店が舞台。花や観葉植物、野菜や盆栽など、品ぞろえはおよそ10万種類。新型コロナ以降、自宅で過ごす時間が増え、植物で生活を彩ろうと多くの人がやってくる。サボテンのたくましい生命力にひかれる男性。あえて弱った植物を育てることにやりがいを感じる親子。植物の世話をしているときは心穏やかな自分に気づく女性。みんな植物に何を求めて、ここを訪れるのか?3日間、耳をすませる。
今回の舞台は、今年2月、惜しまれつつ閉店した新宿・歌舞伎町の老舗大衆キャバレー。昭和の雰囲気を色濃く残すお店には、いろいろな客がやってくる。なじみのホステスさんとの最後の会話を楽しみに来る男性。ここで、以前、ホステスとして働き、同僚をねぎらいに来た女性。ここで人生を学んだという歌手は、最後のステージにのぞむ。さまざまな人生が交錯したキャバレー。閉店までの3日間を見つめる。※撮影は2月に行いました。
飲食店向けの厨(ちゅう)房機器の専門店が舞台。冷蔵庫や調理器具、食器など9000種類をこえる。多くは中古品で求めやすく、新型コロナが続く中でも、店主たちがやってくる。デリバリーに活路を求める居酒屋の店主。夢だったカフェレストランに挑む夫婦。一方、閉店する店から調理器具の買い取り依頼も絶えない。困難に見舞われている飲食業界。店主たちは今どんな思いで、何を買いにやってくるのか。3日間、耳を傾ける。
川崎市の丘の上にある動物公園が舞台。大型動物は少ないけれど、60種類ほどの動物が楽しめる。無料で出入りも自由とあって、長年、地元の人たちに愛されてきた。新型コロナで遠出しにくい中、家族サービスとして訪れる人や、人生の節目のたびにここに来るという女性。園の動物ではなく、自然豊かな丘の野生の生き物を楽しみにくる若者もいる。地元の人たちにとって、普通でありながら特別な場所で3日間、耳を傾ける。
札幌市にある24時間営業のサンドイッチ店が舞台。タマゴ、メンチカツ、フルーツなど、手作りで40種類以上も楽しめると長年、地元の人たちに愛されてきた。すすきののスナックで働く女性や、午前4時に家族の朝ご飯用に買いにくる人。出勤前のホストも腹ごしらえにやってくる。新型コロナ以降、営業時間を短縮する店が増える中、眠らないサンドイッチ店には、どんな人たちが何を求めてくるのか?3日間、夜通し聞いてみる。
千葉にある日本最大級の広さを誇るアウトレット家具店が舞台。ベッドやソファ、テーブルなど、1400点もの家具が並ぶ。新型コロナ以降、自宅を快適にしようと多くの客がやってくる。家族団らんの時間を増やそうと、入念に食卓を探す男性。家具を総取っ替えし、気に入ったものだけを置くという女性。家具選びからは、暮らしの変化や人生の岐路が浮かび上がる。みんな、どんな暮らしを望んでいるのか?。3日間、耳を傾ける。
東京・府中市にある大正時代から続く動物霊園が舞台。犬や猫などペットの墓地や納骨堂があり、元飼い主たちが連日お参りにやってくる。愛犬が家族の仲を取り持ってくれたという女性。さみしさを埋めてくれたモルモットを供養するため、毎週末訪れるという男性。霊園では葬儀も行われ、火葬に立ち会う飼い主もいる。ペットの家族化がいっそう進んだ今、みんな、どんな思いでここを訪れるのか?3日間、その声に耳を傾ける。
東京・町田市にある小さなクリーニング店が舞台。団地やマンションが並ぶベッドタウンに暮らす人たちが、いろんな事情で洗濯物を持ち込む。新型コロナの影響で、春先に冬物を出せなかったという女性や、月に一度、スーツを出すという夜の店で働く男性。大切な家族のために、シミ抜きの依頼にやってくる人もいる。みんな、何を、どんな理由でキレイにしたいのか?3日間、洗濯物を通して、人々の暮らしを見つめる。
“サイクリングの聖地”と言われる瀬戸内海の「しまなみ海道サイクリングロード」が舞台。広島県から愛媛県までおよそ70キロ。6つの島を巡るこの道には、いろんな人がやってくる。子供の成長を楽しみながら、毎年走る親子。仕事を息子に引き継ぎ、久しぶりに自転車を満喫する農家の男性。夫の単身赴任が長かった夫婦は、雨の中でも2人旅を楽しむ。3日間、サイクリングの旅をしながら、自転車で走る人たちに耳を傾ける。
冬の風物詩・焼きいも。サツマイモの産地・茨城にある昔ながらの焼きいも店が舞台。じっくりと焼き上げ、蜜があふれ出た、ホクホクの焼きいもを目当てに多くの人がやってくる。お歳暮のお返しに焼きいもを送る人。娘のやる気を高めるご褒美に買う母親。普通の暮らしが楽しいという新婚夫婦は、1つの焼きいもを仲良く分け合う。日常が大きく変わったこの冬、みんな、ぬくもりの先に何を求めているんだろう。3日間、耳を傾ける。
舞台は大正時代から続く「旦過市場」。肉や魚、野菜などの店が120軒も並び“北九州の台所”と呼ばれる。建物が老朽化し来年度から再整備事業が始まるとあって昔と変わらぬ雰囲気を名残惜しむ人たちで日々賑(にぎ)わう。何も買わなくてもここが落ち着くという男性。息子との2人暮らしを店主に愚痴る年配女性。都会にないものがこの市場にはあるというカップル。みんな、どんな思いでやってくるのか。師走の3日間、耳を傾ける
舞台は、東京湾に浮かぶ「海ほたるパーキングエリア」の展望台。360度、大海原が見渡せる開放的な空間。2020年の最後の3日間、みんな、どんな思いでここを訪れるのか。正月休みのふるさとへの帰省を諦め、ここに来たという夫婦。1日中、デッキに立ち、航空無線を聞いて過ごす男性。付き合ってまだ1週間というカップルは、強風の中でも笑顔で前を向く。新型コロナに翻弄された年の暮れ、それぞれの声に耳を傾ける。
ベトナム・カンボジア・中国など、住民の2割が外国にルーツを持つという、国内屈指の“多国籍団地”が舞台。彼らは異国での年末年始をどのように過ごすのか。正月用の食材を買うカンボジア出身の2人組。近隣への新年のあいさつを欠かさないラオス出身の夫婦。ベトナム出身の両親を持つ女の子は、団地で優しさを学んだという。新型コロナの影響で、いつになく静かな年越し。団地で共生する人たちの声に、3日間、耳を傾ける。
福島県浪江町にある、小さなお弁当屋が舞台。安くてうまい手作り弁当を目当てに、復興の現場で働く作業員やドライバー、避難指示が解除されて戻った地元の人たちが連日やってくる。除染の仕事を10年続けている男性作業員。町に生活感が見えないというダンプカーの運転手。近所に誰もいなくても、この町で暮らしたいと語る老女。原発事故から10年。小さな弁当屋に行き交う人たちの声に3日間、耳を傾ける。
72時間スピンオフ企画。緊急事態宣言下のある1日を多地点同時ドキュメント。横浜市内の保健所や特殊清掃業者、PCR検査の自販機、ハローワーク前にカメラを据える。陽性患者のサポートを懸命にこなす保健師。感染者の出た企業からの依頼で、消毒を請け負う清掃業者。コロナの影響で失業中でも、前を向いて生きる人たち。普通が変わってしまった社会。みんなどんな思いで、今と向き合っているのだろう。ある1日の記録。
鎌倉市にある病床600以上の大病院。その院内にある24時間営業のコンビニが舞台。お客の多くが医師や看護師、入院中の患者など。手術を終えた自分へのご褒美にとアイスを買う看護師。入院中、時間をもてあまし10冊以上の本を買ったという男性。深夜にも、当直の医師が、栄養ドリンクを求めて夜な夜な足を運ぶ。緊急事態宣言中でも動き続ける大病院。どんな人が、どんな事情でコンビニにやってくるのか。3日間、耳を傾ける。
舞台は、大阪・難波にある高速バスのターミナル。全国各地に手頃な値段で行けるとあって、春はいろんな人が利用する。緊急事態宣言が解除され、久しぶりに帰省する人。高速バスで遠距離恋愛を育み、結婚するという女性。福岡に就職が決まり、離ればなれの生活が始まる親子もいる。コロナ禍にあっても、就職や進学などで旅立ちを迎える人たち。今、どんな一歩を踏み出そうとしているのか。3日間、耳を傾ける。
白衣や調理服、作業着などがそろうユニフォーム専門店が舞台。新年度を迎える春、仕事着を新調しようと、多くの人がやってくる。白衣を増やしたいという2年目の歯科医師や、厨房用の靴を買う飲食店バイトの女性。コロナ禍を乗り切ろうとする日本料理の板前は、黒ズボンを3本購入。4月から娘が医師になる親子は、白衣選びに時間をかける。真新しい仕事着に、みんなどんな思いで袖を通すのだろう。3日間、耳を傾ける。
鹿児島・奄美群島の島を行き来する海上タクシーが舞台。毎日の通勤や買い物など、島の人たちの生活の足であり、人生の節目にも立ち会ってきた。日用品のまとめ買いするために船に乗る女性。この島が気に入り、東京から移住してきたという親子。3月末は、島の学校から転勤する先生も、海上タクシーで島の人たちと別れていく。どこかゆったりとした島の時間。海上タクシーのある暮らしはどんなものなのか。3日間、耳を傾ける。
銀座にある老舗のおつまみ専門店が舞台。界わいのバーやクラブの御用達で、おかきやナッツ、チョコレートなど約300種類も扱っている。博多・中洲にクラブをオープンさせると、わざわざ買いにきた女性。ここのグリーンピースを20年以上、注文し続けているバーのマスター。最近は、その品ぞろえから飲食店だけでなく、一般客もよく買いにくるという。コロナの影響を大きく受ける銀座。おつまみから見える人生ドラマとは。
能登半島を走るローカル線の無人駅が舞台。春、ホーム沿いに植えられた100本近い桜が満開を迎えると、ふだん、人けのない駅に多くの人がやってくる。桜と海と列車がそろう絶景を楽しみにやってくる親子。夜桜を見て、高校時代の恩師を思い出す男性。毎年変わらぬ桜から、1年の自分の変化を感じる人もいる。地域が衰退していく中でも、地元の人たちが守り続けてきた桜。訪れる人たちは何を感じるのか。3日間、耳を傾ける。
下町の町並みとタワーマンションが共にある東京・佃。細い路地の奥にある“お地蔵さま”が舞台。気づかず素通りしそうな場所だけど、ふらりふらりと人がやってくる。体の健康、商売の繁盛、夫婦の仲直りなど、願い事は人それぞれ。願いはないけど、毎日ここで気持ちをリセットする人もいる。300年近い歴史があり、社会がどんなに変わっても、そこに居続けるお地蔵さま。大都会の異空間を訪れる人たちに、3日間、耳を傾ける。
舞台は、スカイツリーのそばにある、献血ルーム。緊急事態宣言の影響で展望台は休みだけど、1日60人ほどが献血にやってくる。外出自粛で集まる血液が少ないと聞き、訪れる会社員。忙しい生活の合間、ここに来るとホッとするというパートの女性。休職中だけど、献血ができることで自信を感じる人もいる。コロナ禍でゆとりが減った世の中、誰かのために血液を提供する人たち。どんな事情でここに来るのか。3日間、耳を傾ける。
舞台は京都の町なかにあるスタンド形式のコーヒー豆専門店。和のイメージの強い京都は、実はコーヒーの消費量が日本一で、自家ばい煎された豆を求めて多くの人がやってくる。勉強のスイッチとして欠かせないという大学の助教。生豆を自らばい煎するときが冷静になれるという男性。店ではコーヒーも売っていて、この1杯が慌ただしい毎日の支えという人もいる。このご時世、みんなどんな一息をついているのか。3日間、耳を傾ける。
銀座にある大型文房具店。その手紙用品売り場が舞台。鮮やかなポストカードや、高級和紙の便せんなど、その数5000点以上。結婚記念日に妻に初めて手紙を書こうとメッセージカードを買う男性。コロナ禍で会えない顧客に手紙を送るという会社員の女性。ふるさとの祖母との文通の手紙から、元気をもらうという人もいる。人と会うことがはばかられるご時世、みんな、誰に、どんな思いをつづるのだろう。3日間、耳を傾ける。
国内屈指の巨大熱帯魚店が舞台。水槽にはベタやディスカス、メダカやアロワナなどが400種類と、まるで水族館のよう。じっと見てるのがいいと語る80代の常連男性。ブームのメダカを飼い始め、家族の会話が増えたという一家。コロナの影響で、人とつながれなかったという看護師の女性は、小さな魚を支えに働いてきた。自宅で過ごす時間が増えた今、みんな、どんな思いで小さな命をめでているのか。3日間、耳を傾ける。
国立競技場を出て、浅草や東京タワーなどを巡って戻ってくる42.195km。東京オリンピックのマラソンが、札幌開催になる前に予定されていたコース。この幻のコースを大会期間中にゆけば、いったい、どんな出会いがあるだろう。コロナを気にしながら、アイドルのコンサートに出かける女性。観戦ポイントだったことを惜しむ神保町の書店の店主。夜通し歩き、道すがら偶然出会う人の声に耳を傾け、東京の今を見つめる3日間。
カツオ漁がピークを迎える夏。宮城・気仙沼港のそばにある1軒の酒屋。食料品はもちろん、手袋や長靴などもそろい、全国からきた漁師たちがコンビニがわりに訪れる。これから1年の航海に出るという遠洋マグロ船の漁師。漁船用の細長い布団を選ぶのは、20代のサンマ漁師たち。乗組員23名を束ねる船頭は、若い衆のためにと大量のお菓子を購入していく。海に生きる男たちのさまざまな人生ドラマが、小さな酒屋で交差する。
手持ち花火・打ち上げタイプ・線香花火など、400種類もそろう山梨の小さな花火専門店が舞台。地域の伝統的な打ち上げ花火大会のないこの夏、身近な人と花火をしようと多くの人が訪れる。カレーの香りがするユニークな花火を選ぶ家族や、孫のためにまとめ買いをする老夫婦。高齢者施設の入居者に楽しんでもらおうという地元の介護士など。それぞれ大切な人と、静かな夏を過ごそうとする人たち。どんな思いで花火を見つめるのか。
あらゆるものが激安。野菜30円。ビール1本33円、お肉200g100円。今回の舞台は、都内にあるワケあり食品店。賞味期限切れや在庫余剰品を目当てに多くの客が訪れる。9人家族で少しでも食費を切り詰めたいという女性。お得な肉を求めて、はるばる車で1時間かけて来る親子。入荷に偏りがある食品に宝探し感覚を感じる人もいる。食品ロスの現状も見えるお店。ワケありを求めるワケはなんなのか?3日間、耳を傾ける。
江戸川区・葛西駅の地下にある巨大な駐輪場が舞台。1万台近い自転車が収容でき、その数、日本一という。ここには毎日、早朝から深夜まで、通勤や通学などで大勢の人が行き交う。始発で都心のビル清掃に出勤する女性や、家族の感染リスクを減らそうと遊ぶことを控えている高校生。家計を支えるためのダブルワークの勤めを終えて、帰宅中という人もいる。夏の終わりの3日間、自転車を走らせるそれぞれの事情に耳を傾ける。
日本屈指の電器店街・秋葉原。イヤホンやヘッドホンなど約5000種類のオーディオ機器を扱う専門店が舞台。オンラインの会議や授業などが増えた今、イヤホンの需要が高まっている。流行のワイヤレスイヤホンを買いにきたビジネスマン。ゲーム用のヘッドホンを試聴する親子。冬のボーナスで買おうと、毎週通って十万円以上のイヤホンを吟味する男性など。求めるイヤホンの先にどんな世界を描いているのか、3日間、耳を傾ける。
空撮や災害調査など、さまざまな現場で活躍する無人航空機・ドローン。東京オリンピックの開会式でも注目を集めた。舞台は千葉の郊外にあるドローンの練習場。小型ドローンのレースに熱中する親子。鳥の目線になれると空撮の練習をする男性。これから伸びる産業だと、始めたばかりの人もいる。アマチュア無線の免許や申請など、一手間かかるドローン。みんな、何を求めて飛ばしているのか。秋空の下、3日間、耳を傾ける。
大阪・なんばにあるヘアメイク店。客の8割が頼むのが「眉毛カット」。顔の大半が覆われるマスク社会の今、眉毛が注目されている。パソコン画面に映る自分のゲジ眉が気になったという会社員。濃い眉毛がコンプレックスだったという女性は眉毛をスッキリさせて笑顔で帰っていく。客の3割が男性客で、ここでの時間が心を整えるために必要というビジネスマンもいる。3日間、眉毛を見つめながら、それぞれの事情に耳を傾ける。
新宿区大久保にある24時間営業の弁当店。から揚げや焼き肉、マーボー豆腐など、すべての弁当が1つ290円と格安。衆院選の投票日やハロウィーンをまたいだ3日間、いろんな事情のお客がやってくる。安さにひかれてくる大学生、売れていない芸人やホスト。アジア風味の総菜にふるさとを懐かしむ中国出身者。夜間の仕事を続ける男性は決まって深夜4時に訪れる。みんなここで何を満たしているのか。大都会の今を見つめる。
愛知県の工業地帯にある巨大なスケートボードパークが舞台。24時間開放され、無料で使えるとあって、いろいろな人が滑りにやってくる。仕事休みの週末に来るという還暦のスケーター。慌ただしい子育ての息抜きにスケボーに乗るというお母さん。近くに自動車関連の工場が多く、海外から働きに来ている人たちも、ここでスケボー仲間を増やしていく。みんな、どんな思いでスケボーに乗っているのか。3日間、夜通し聞いてみる。
天然の地下水が出る、地域の「水くみ場」が舞台。東京・小金井市のマンションの合間、目立たぬ場所だけど、次から次へと水をくむ人が来る。ペットボトルを大量に持参する地元の女性。母親から頼まれたと片手にやかんを持つ近所の大学生。近くの八百屋は、大鍋での総菜作りにここの水を使っている。良質な地下水がわくというこの地域。わざわざ水をくみに来るそれぞれの事情は何なのか。3日間、街角の水くみ場で耳を傾ける。
神奈川・厚木の郊外にある大型古着店。ジャケットやジャージ、ジーンズなど10万点の品ぞろえ。オーバーサイズで着たいとメンズ服を買う女性や、家ではお気に入りの古着を眺めながら、お酒を飲むという男性。父親と服をシェアするという女子高校生もいる。古着選びや着こなしには、人それぞれの生き方が浮かび上がる。コロナの落ち着いているこの秋、みんな、どんな装いで毎日を彩ろうとしているのか。3日間、耳を傾ける。
2021年の年の瀬。舞台はビジネス街・新橋の駅前にある、老舗の洋菓子店。お手頃なシュークリームやケーキを求めて、多くのお客が訪れる。仕事納めの日に、会社の部下への差し入れを買いに来たという上司。肉体労働のあとの自分へのご褒美という建設業者。1年の感謝を込めて家族のために買う人もいる。さまざまな出来事があった2021年は、働く人たちにとってどんな年だったのか?甘い物を求める事情から、見つめてみる。
福岡市にある遊園地・かしいかえん。2021年の年末、65年の歴史に幕を下ろした。閉園の発表以来、古びた遊園地にもかかわらず、大勢のお客が押し寄せる。近所の人を連れ立ってくる地元の女性。娘家族の帰省にあわせて、思い出の遊具に乗りにきた3世代家族。園の外から見るのが好きだったと、営業時間外に訪れる人もいる。足を運ばざるをえない理由はなんなのか?閉園までの3日間、それぞれの思いに耳を傾ける。
出会いと別れの季節、そして、あの日から11年を迎える3月。舞台は宮城県名取市にある生花店。お店のある商業施設ができたのは2年前。ここ閖上(ゆりあげ)地区は震災の被害が大きく、長い時間をかけて町の再建を進めてきた。春、花を求めて多くのお客がやってくる。学校を卒業する人へ贈る花、3.11に故人を弔うための花、新しい暮らしを彩ろうとする花。みんな誰のために、どんな花を選ぶのか。3日間、耳を傾ける。
今や暮らしになくてはならない“スマートフォン=スマホ”。今回の舞台は、新宿にある大型の携帯ショップ。機種の買い替えや端末の修理など、多くの人が訪れる。スマホで動画をよく見るという高齢夫婦や、1日中スマホに縛られているとため息をつくビジネスマン。進学や就職のある春、新生活を前にスマホを新調する人も。みんな、どんなスマホライフを思い描いているのか。携帯ショップで3日間、現代社会を見つめてみる。
「盛れてカワイイ」と多くの高校生や中学生が集うプリントシール機。舞台は東京・町田にあるゲームセンターのプリ機のコーナー。卒業を迎える高校3年生の2人組。なりたい自分になれるとメイクにいそしむ高校2年生。学校は違うけど、意気投合したという友達連れ。大学生や20代のカップルの姿も。平成に生まれ、今なお進化し続ける機種。みんなここで、何を写そうとしているのか。春の3日間、若者たちの声に耳を傾ける。
トマトや山芋、島バナナ。コインや切手といった骨董品。さらに米軍払い下げの軍用品など。舞台は沖縄本島の東海岸沿いにある「いしじゃゆんたく市場」。「ゆんたく」とは、「おしゃべり」の意味で、市場のあちこちで「ゆんたく」の花が咲く。本土復帰時はバスの運転手だったという古着店の男性。カラオケ喫茶を営む女性客は、出稼ぎや米兵との結婚など、激動の人生を語る。小さな市場にカメラを据え、沖縄の歩みを見つめる。
ひと文字ひと文字、お経を書き写す「写経」。今回の舞台は東京・五反田にある、奈良の薬師寺の東京別院。誰でも写経ができると多くの人が訪れる。初めての人もいれば、10年以上通う人も。親子連れや外国出身の方もいる。仕事のストレスからの解放を求める女性、毎年プチ修行をしている仕事仲間の3人組。母親の健康を願って続ける男性もいる。みんな写経に何を求めているのか。大型連休の3日間、その胸のうちに耳を傾ける。
大玉のキャベツや、水がしたたるレタス、採れたてのラディッシュなど。今回の舞台は、東京・練馬区の住宅街にある、野菜の自動販売機。コインロッカー式でお客はお金を入れて取り出していく。自宅前の畑で育ったレタスを目当てにきた親子。日課のランニング帰りに立ち寄る男性は、妻が喜ぶと買っていく。東京23区で最も農地が広く、野菜の自販機がたくさんある練馬区。ちょっと不思議な自販機に3日間、カメラをすえる。
11位 京都・青春の鴨川デルタ (16年7月1日放送) 鈴木おさむ「大名作じゃないですか。(歴代ランキングだとトップ10から漏れる)この残酷さ。笑」 舞台は鴨川の中州・鴨川デルタ。思い思いに鴨川で時間を過ごす人々が主人公。 早朝から深夜に至るまで鴨川デルタに引き寄せられる理由は十人十色。 ちなみに鴨川デルタに通って時間を記録していた学生は今は東京の大学院で古典文学を研究しているとか。 最終的に鴨川滞在時間は7万時間を越えたそうで。
10位 恐山 死者たちの場所 (14年6月6日放送) 人々が恐山を訪ねる理由は供養、霊場めぐり、温泉など様々。 死者が集うとされる場所は今を生きる者も集う場所。 これからを生きる為に死者と会う。
9位 夏コミ!”日本一”のコンビニで (15年9月18日放送) 日本最大級のイベント規模を誇るコミケ。 その会場に近いコンビニはもう一つのコミケ会場。
8位 北の大地の学生寮 (2015年1月30日放送) 舞台は北海道大学の学生寮・恵迪寮。 学生の手によって運営される全国的にも珍しい自治寮(自治領?)。 寮長選挙を控えたタイミングで青春カオスなドキュメント。 ルールは自分たちで作る。青春も自分たちで作る。
7位 樹木葬 桜の下のあなたへ (19年5月24日放送) 舞台は東京町田にある大型霊園。 石のお墓に交じって墓石の代わりに木々を墓標にする樹木葬が点在。 自然に還り、大地を通してみんなと繋がる。 故人はここら辺に埋まってる。
6位 長崎 お盆はド派手に花火屋で (16年9月23日放送) お盆時期の長崎の老舗花火屋が舞台。 ド派手に花火をぶっ放しまくる長崎お盆文化のおかげで店は大賑わい。 線香?いや花火でしょ。
5位 日本ダービー大行列 (18年7月20日放送) 東京・府中。駅から競馬場への連絡通路が舞台。 同じ趣味を持つ人々が集う、年に一度の大行列。 これは馬のレースか?人のレースか? ファンファーレは二度鳴る。
4位 阿蘇・ライダーたちの夏 10年に一度の撮影会 (19年9月27日放送) 79年から10年おきに開催される”草千里”。 バイカーたちが集まって写真を撮り一冊の写真集を作り上げるというただそれだけ。 ただそれだけのイベントは最高のイベント。
3位 海が見える老人ホーム (17年7月28日放送) 神奈川県・三浦半島。静かな港を見下ろす巨大老人ホームが舞台。 「80代は長生きしたうちに入らないから。笑」「80歳でも30歳と同じように悩む。」 姥捨て山なんてまっぴら。ここはオーシャンビューリゾート。
2位 大病院の小さなコンビニ (14年9月19日) 千葉県鴨川にある亀田総合病院は毎日3000人が勤務する巨大病院。 その院内にあるコンビニはやっぱり異質。 でも患者も医療スタッフもここでは一人のお客さん。 ちなみにあのエナジードリンクを飲んでいた産婦人科の女医さんが書かれた性教育に関する絵本がコチラ。
1位 秋田 真冬の自販機の前で (15年3月6日放送) 港の片隅に佇む自販機。 どうしてこの自販機に人が引き寄せられるのか? 理由はただ一つ。そこに自販機があるから。 40年で40万食を売り上げる無人の繁盛店は年中無休。 人が集まればドキュメントが生まれる。 ちなみに2022年現在は近くの道の駅に場所を移して自販機管理の方も一緒に今も営業中との事。
ハンバーグやピザ、から揚げ定食やパフェ。東京・足立区の住宅街にあるファミレスが今回の舞台。全国チェーンのお店で、タブレット端末での注文やネコ型の配膳ロボットなど、今どきのシステム。毎日1人で朝食をとる年配の男性。地域の盆踊りの打ち上げをする女性グループ。夢を追って上京した若者や、共働きで外食が多いという家族などなど。一見どこにでもある、ありふれた日常だけど、耳を澄ませば小さなドラマが聞こえてくる。