さいたま市に盆栽の聖地と呼ばれる場所がある。盆栽園が6つ集まる一帯、通称「大宮盆栽村」。初心者向けの千円ほどのものから、値段のつけられない樹齢数百年の逸品まで、ひとつとして同じ盆栽はない。人々は思い思いにはさみを入れ、枝ぶりを整えていく。桜の鉢を愛おしそうに抱く小学生。亡き義父から譲り受けた盆栽を育てる女性。若くして盆栽園主となった男性。みんな盆栽と向き合いながら、何を見つめているのだろう。