4月、津波被害のさら地が目立つ岩手の小さな港町に、巨大コンテナが運び込まれた。娯楽の少ない地元で愛される即席の移動カラオケボックスだ。仮設住宅では大声を出せないと子どもを連れてやってくるお母さん。仲間と長渕剛を歌いあげる職人の若者。海の歌ばかり歌う元漁師…。さまざまな事情で故郷を離れた人たちが、久しぶりに帰ってくる5月の連休。6室のコンテナボックスで、人々は歌にどんな思いを託すのか。