地上げ屋が立ち退きを迫って日之出食堂にやって来た。地主の永田は一帯を取り壊して超豪華なレストランビルを建てるつもりだった。単身抗議に行った陽一は、そこで永田お抱えの天才少年料理人・堺一馬と対峙する。
陽一特製のカレー作りが急ピッチで進んでいた。ニンジンを入れたライス、香辛料にマスタード、コーヒーを隠し味にしたルー。そしてついに硬い軍鶏の肉を柔らかくする秘策を思いついた陽一は、決戦の日を迎える。
野球部のエース・仲田が家のラーメン屋を手伝うために練習を休んだ。陽一が中華なかだを訪ねると、近所にオープンした甲来軒の影響で店の危機だという。町内ラーメン祭りで勝負だと、陽一は助っ人を買って出るが…。
町内ラーメン祭りの日。熊五郎ラーメン、玉川飯店、甲来軒、そして陽一が助っ人の中華なかだが味を競う。陽一の作るラーメンは豚骨たっぷりのギトギトスープで、とても食べられる代物には見えず…。
優勝賞品が牛肉1年分と聞いて、輸入牛肉のステーキコンテストに参加する陽一。かつて味皇料理会に所属していた肉料理の天才・小西和也の姿もあり、負けたくないと思う陽一だったが輸入牛肉の硬さに驚かされる。
ステーキに冷たい大根おろしソースを掛けるための、いつまでも冷めない特別な皿を用意してコンテストに挑む陽一。五分に渡り合う陽一と小西の戦いは、最も重要な肉の焼き方で勝負が決まろうとしていた。
陽一の同級生・たけしの母はテレビでもお馴染みの料理研究家・江川洋子。しかし、多忙な陽子に代わってお手伝いさんの作る食事は美味しくないようで、陽一は彼に美味しい料理を食べさせようと日之出食堂に招待する。
日本の料理界を二分する味皇料理会と味将軍グループ。全国の料理店を支配下に置くことを狙う味将軍は老舗の洋食店・トロイメライを潰そうと画策。そんなトロイメライを救おうと陽一はハンバーグで真っ向勝負を挑む。
味将軍グループのシェフ・阿部の新しいハンバーグに対して、陽一は肉汁を逃がさないための工夫を施して七輪で焼く串焼きハンバーグを考案。一般客の数で判定が行われる勝負の日がいよいよ訪れる。
初詣で神社を訪れた陽一は、父の代に日之出食堂も新年祭に出店を出していたことを知る。そこで自分も出店しようとするがすでにスペースは埋まっていた。しかし、あるお好み焼き屋が2店分のスペースを取っていて…。
半年間熟成させたソースを武器にする岡田屋とのお好み焼き勝負。岡田屋の思惑通りソース作りに頭を抱える陽一は、深いコクのあるソースを作るアイデアを思いつく。一方、岡田屋は審査員に買収を仕掛けており…。
陽一の父が全国修業時代に味付けを手伝った青森の駅弁屋“菊地屋”の主人が上京してきた。ところが、駅の同じホームに開店した駅弁屋“及川”の人気に、このままでは店を畳むしかないと嘆き…。
一馬がくれたヒントから、いつでも温かく鮭のホイル焼きを食べられるようにした陽一。ところが、一馬の言葉が気になっていた陽一は、乗り込んだ青森で北国の寒さを肌身に感じ、急いで弁当箱を作り変える。
老舗の“天星”に天丼を食べに行き、その素晴らしい味に驚く陽一。そこで客にお茶をこぼした従業員・高太郎が、昔気質の主人からクビだと怒鳴られたのを見た陽一は、思わず中に割って入り主人と対峙してしまう。
もうすぐバレンタインデー。同級生のれい子たちから「手作りチョコの調理法を教えてほしい」と頼まれた陽一は、さらにチョココンテストの審査員を務めることに。コンテストにはみつ子も参加することになり…。
オムレツ専門店“リトルエッグ”の里山シェフは、俵三四郎の万能調理マシーンとの勝負に負けて店をクビになったという。「料理人などこの世に必要ない」と吠える俵にカッとなった陽一は、マシーンとの勝負に挑む。
味皇が引退するという噂が流れた。味将軍グループによる嫌がらせだったが、味皇料理会の一部に「後継者は誰なのか」と動揺が生じる。引退する気は全くない味皇だが、陽一を後継者にとの考えを垂目に話し…。
味皇料理会を混乱させ、味皇の失脚を目論む味将軍グループが流した味皇引退の噂。これに対し味皇は料理会の結束を高め、料理人たちの精進を促すために「味皇料理会・料理人グランプリ」を開催する。
いよいよ「味皇料理会・料理人グランプリ」の決勝戦が始まった。陽一は課題料理のシーフードカレーに合う具を求めて魚市場へ出掛ける。小西たちが貝、金目鯛、伊勢エビを選んだことを知った陽一は、イカを選ぶ。
「味皇料理会・料理人グランプリ」決勝1回戦の課題料理はシーフードカレー。小西の貝のカレー・バターライス添え、一馬の伊勢エビカレーなど強敵ぞろいの中、陽一は父の包丁を手にイカを使ったカレーで挑む。
「味皇料理会・料理人グランプリ」もいよいよ大詰めを迎え、陽一と一馬はピザパイで対決することに。一馬の意気込みは凄まじく、助力を惜しまぬ永田は助手を用意するだけでなく、巨大なかまどを建設する。
「味皇料理会・料理人グランプリ」優勝決定戦の日。大阪代表は一馬、東京代表は陽一。数日前から行方不明になっていた陽一だったが、優勝決定戦に間に合い、少年料理人2人のピザ対決の火蓋が切って落とされた。
味皇から料理持参の花見に招待された陽一は、永田が持って来た一馬の料理の素晴らしさに大阪行きを決意する。大阪では一馬が「浪速のどんぶり兄弟」と呼ばれる双子の少年料理人の挑戦を受けていた。
「浪速のどんぶり兄弟」の挑戦を受ける一馬に、相棒となることを申し出た陽一だったが、一馬に拒否される。双子のカレー丼の味にがくぜんとした陽一は、ほかの店を手伝いながらカレー丼の研究を始める。
陽一と一馬のカレー丼は、カレーは一馬の黄金配合、とろみは陽一の芽かぶとろろを使うことで一致する。しかし、コンビネーションが合わない彼らを案じた永田は、2人だけにして互いの心を開かせようとするが…。
味皇を唸らせた野菜作りの天才で凄腕の少年料理人・中江兵太を訪ねるため、陽一は博多に向かう。兵太の野菜を使った料理に感激した陽一は、野菜を分けてほしいと頼む。すると、兵太は陽一にある条件を出す。
野菜作りの天才少年・中江兵太の野菜を分けてもらうため、陽一は鍋物で勝負することに。兵太の鍋は、まさに神秘的な素晴らしさ。それに対して工夫をこらす陽一だが、野菜だけは兵太の物に勝てそうになかった。
陽一と味皇は博多の老舗・初音寿司で小西和也と再会する。肉料理の道を捨てた小西は、ここで新たな修行に励んでいた。そこへ味将軍グループの毛利が現れ、初音の親方に店を売るか、さもなくば小西を返せと迫る。
味将軍グループの毛利が仕掛けた回転寿司勝負を陽一と小西は受けて立つ。小西の指導でシャリを握ることから始めた陽一だが、思うように進まない。小西は一人で何とかしようとするが、陽一も必死に工夫を考えていた。
日之出食堂の前に弁当屋、ザ・おいかわが出店。以前勝負に敗れた阿部と及川が、味将軍の命を受けて挑戦してきたのだ。例年、日之出食堂が作る町内カラオケ大会用の弁当を、今年はザ・おいかわが引き受けるという。
日之出食堂発展のルーツである弁当を守るため、ザ・おいかわに弁当勝負を挑んだ典子と陽一。しかし、おかずで意見の合わない二人は別々に準備を始める。陽一はおこぜの唐揚げを思いつくが、その先が進まず…。
料理人グランプリに敗れて失踪していた下仲が、ウィーン少年料理団を伴い帰国した。少年たちは次々と陽一の料理の工夫を解き明かす。彼らの熱心さに感動した陽一は、デザートオムレツ勝負を受けて立つ。
弟子のウィーン少年料理団が陽一との勝負に負けたと知り、フランス料理会の重鎮、ジャン・ピエール・ド・ムスタキが日之出食堂に乗り込んできた。陽一とムスタキは、しげるの誕生会でお子様ランチ対決をすることに。
味皇料理会名古屋支部の創立記念講習会に招かれた陽一は、謎の少年・章吉にきしめん冷やし中華の勝負を挑まれた。「包丁老人」こと日本一の刀鍛冶・滝沢が審査員を申し出る。章吉が陽一に勝負を挑んだ理由とは…。
包丁老人・滝沢を訪ねた陽一は、滝沢邸で斎戒沐浴する少女を見る。彼女こそ修行のため少年のように振る舞っていた章吉だった。包丁をめぐって章吉と再び対立した陽一は、再度冷やし中華を作ることを滝沢に申し出る。
滝沢老人に包丁を打ってもらうにはどうすればよいか悩む陽一に、章吉から挑戦状が届く。滝沢を審判とし、茶碗蒸し勝負で負けたほうが包丁から手を引くという条件だ。陽一は章吉を超える茶碗蒸しを作ろうとするが…。
夏休みのある日、客からメニューにないうな丼を注文された陽一は、うな丼への挑戦を始める。良質のうなぎを手に入れるために老舗の「鰻浜」を訪ねるが、頑固親父の永吉と言い争いになってしまう。
夏祭りの夜、陽一たちはタコ焼き屋を出していた堺一馬とコオロギに再会する。そこへ味将軍グループの杉本が巨大トレーラーで乱入し、タコ焼きを売り始めた。陽一は杉本を追い払おうとタコ焼き勝負を挑むが…。
中国から来た漢菜という男が突然勝負を申し込んできた。料理人の頂点を目指し味仙人に認めてもらうための「味仙人トーナメント」に、米本が自分の代わりに陽一を推薦したのだ。陽一は漢菜との餃子勝負に挑む。
陽一の下に味皇から島の別荘への招待状が届くが、島で待っていたのは陽一に呼ばれたという困惑した味皇たちだった。やがて現れた男は海の張飛と名乗り、陽一に焼き魚での荒磯勝負を挑んでくる。
味仙人トーナメントの青札を賭けて、海の料理人・張飛との荒磯勝負に挑む陽一。焼き魚の研究を始めた陽一は、熱した石を使うことを思いつく。そして勝負の日がやってくるが、張飛はさらなる条件を出してくる。
父・隆男の師匠であり、緑札を持つ山の料理人・関羽を訪ねた陽一。しかし関羽は陽一との勝負に応じず、関羽に挑戦してきたもう1人の料理人に札を持って行けという。その料理人とはミスター鍋っ子・中江兵太だった。
味仙人トーナメントの緑札を賭けて料理サバイバル勝負を繰り広げる陽一と兵太の前に、黄札を持った一馬が現れた。一馬は山の料理人・関羽の代わりに審判をするという。だが、勝負は雨のため一時中断してしまう。
宿命のライバル・一馬との黄札を賭けての勝負は、丸井の提案により日之出食堂でのサンマ定食勝負に。しかし、その日は日之出食堂の感謝デーで、店は大賑わい。次々と料理を作る陽一の姿に一馬も手伝い始める。
4枚の札を手にして味仙人の住む味わい寺を訪ねた陽一。味仙人は、料理の供養をしながらトーナメントに勝者の料理を待っていた。厨房に米しかないと知って驚く陽一だが、自らの手で材料を用意することの意味を知る。
丸井がイタリア政府に招かれ、祝賀パーティーで丸井自身が腕を振るうことに。手伝おうとした陽一はソースを味見しただけで大きなショックを受ける。一方、丸井も料理人として陽一と区切りをつけたいと考えていた。
陽一と丸井の勝負「味探し」の時が来た。だが、会場に乱入した味将軍が丸井は味将軍グループの一員だと宣言し会場はどよめく。丸井の疑いを晴らそうと陽一は七包丁との勝負を受けるが、味将軍により追い込まれる。
香港から来た李小亀と名乗る人物が、日之出食堂を訪れた。陽一の父・隆男の良きライバルであり親友だった李の店が、「海外にまで魔の手を伸ばそうとしている味将軍グループに狙われている」と李は言う。
父が残した料理ノートに書かれた幻のメニュー「冬虫夏草鶏湯」の完成を目指す陽一は、ついに冬虫夏草の正体を突き止めた。しかし、スープの具となる鶏肉について記されていた部分は失われていた。
香港に来た陽一親子と甲山たちは、みつ子やしげると合流して李小亀の店「小亀楼」を訪れた。そこで働く少年料理人・劉虎峰が陽一に挑戦し、4千年の歴史を持つ中華料理に日本の料理がかなうわけがないと豪語する。
餃子の具を探しに出かけた海鮮市場で、陽一たちは虎峰としげるに出会う。自信満々の虎峰に対し、陽一も強力な材料を見つけた。陽一のアイデアは、トマト、しいたけ、赤唐辛子、かにの卵の4種を具にした餃子だった。
中華4千年の歴史のすごさを見せてやると言い、虎峰は陽一を「料林寺」という島に連れてきた。そこは全てが料理の修行のためにある島だった。虎峰は豚肉の赤身から幻の「燕皮麺」を作って力を見せつける。
ラーメンのスープは肉や貝ばかりではないと、魚のイシモチの骨から取ったスープを作った陽一だが、虎峰が田園地帯で捕まえた田ウナギを具にすることを知る。自分の具は何を使えばいいかと悩む陽一だが…。
虎峰が師事していたカモンは味将軍グループの1人で、料林寺三十六房総師範の筆頭候補。料林寺に乗り込んだ陽一たちに満漢全席が振る舞われるが、最後のデザートだけがない。それを作るのは陽一とカモンなのだった。
ビー玉からヒントを得て七色の花びらを封じ込めた杏仁豆腐。陽一はそれを入れる器に悩むがスイカを使うことを思いつき、虎峰は彫刻家の楊子忠に器の作成を頼み込む。楊は2人の情熱に打たれ、器作りを引き受けた。
帰国する陽一は、虎峰から別れ際に劉家秘伝のひとつを土産にもらった。香港での素晴らしい友との出会いを胸に日本に到着すると、陽一はすぐに味皇のもとへ向かうが、何と味皇ビルは半分取り壊されていた。
今にも取り壊されようとしている味皇ビルを守るため、陽一と丼兄弟は味将軍七包丁人候補3人との餃子勝負に挑む。新しいアイデアを考える時間がない陽一は、これまでに作った餃子を作るが苦戦を強いられる。
冬至の日。味将軍七包丁の1人である武智村正の店「村正庵」では、おいしくて安い蕎麦を目当てに行列ができていた。武智は味将軍グループに加盟しない店や商店街を潰すため、まずは金蕎麦の金さんに味勝負を挑む。
つなぎに豆腐を使い、青そばの花を入れた陽一の蕎麦が完成。味将軍ショッピングセンターの攻勢に奮起した商店街の人々が、陽一と金さんに出前を手伝うと申し出るが、肝心のつゆがまだできていなかった。
金沢に来た陽一と味皇たち一行は、法子の兄・源一の寿司屋「寿司源」を訪れる。兄嫁の良子は、この街の6軒の寿司屋は毎年コンテストで味を競うも寿司源は昨年最下位で、源一はすっかり弱気になってしまったと言う。
今回のコンテストには味将軍七包丁人の1人であるゴッドハンド・大虎がいるジェネスシが加わり、大虎は大トロと海苔を買い占めてしまった。各寿司店は、トロも海苔もない寿司でコンテストに参加するしかない。
雪まつりの中継を見ていた陽一と味皇は、行方不明の味皇料理会ドイツ料理部主任・関場の姿を見つけ、真偽を確かめるため北海道へ行く。雪まつり会場では、「北の悪魔」率いる屋台にだけ長蛇の列ができていた。
関場とのフランクフルト勝負を受けた陽一は、寒い北海道で食べた人がずっと身体の芯から暖まる工夫を考える。その頃、陽一との勝負を最後のチャンスと待ち望んでいた関場のもとに、ある品物が届いていた。
陽一たちは俵三四郎に招かれグルメ列車・ロイヤルアレックス号に乗車。札幌から上野に向かうその車中に七包丁の1人・ロボコックが現れ、列車攻略のため陽一と俵の料理マシーン「アレックス2号」に勝負を挑む。
ロボコックとの対決は2対2のまま、翌朝デザートでの再勝負となった。豪雪により列車が止まった間に陽一は材料を探しに出かける。そして町で助けた老婆と一緒に神社に参拝した陽一は、そこである工夫をひらめいた。
七包丁の1人で瀬戸内少年料理団を指導する大石老師に、味将軍から打倒陽一の指令書が届く。大石は高齢ゆえに断ろうとするが、教え子のユウタが独断で味皇と陽一をおびき寄せる。そして陽一は瀬戸内へ向かうが…。
陽一たちと瀬戸内少年料理団、5人対5人の島巡り磯鍋勝負が始まる。瀬戸内の海で生まれ育ったユウタたち5人は次々と新鮮な材料を集める。地の利のない陽一たちはうまく材料を集められず、さらなる窮地に立たされる。
倒れてしまった味皇。みんなの心配をよそに味皇は軽い貧血だと言うが、垂目は早く療養して味皇ビルに戻ってほしいと頼んだ。その頃、味将軍は七包丁人のリーダー・阿部一郎を呼び寄せることを決意する。
ハンバーガー味勝負を受けた陽一と吉村は、陽一流ハンバーガーを完成させた。試食した入院中の味皇が元気になるほどの出来栄えで、味皇は同じ病室の少女・ゆかりにも陽一のハンバーガーを食べてもらおうとするが…。
阿部一郎のハンバーガーを食べた陽一は、あまりのうまさに自信を無くしてしまった。そんな時、味皇のもとに外務省から、国賓のコバイア国王の晩餐会で味将軍グループと3対3のスキヤキ勝負を行うという知らせが届く。
味将軍は何と味皇の弟・村田源三郎だった。敗戦直後、長兄・源一郎と無事復員した三兄弟は、村田食堂を再建しようと誓いあうが、源一郎の死により袂を分かった2人はそれぞれ料理に求める道を歩んだのだった。
スキヤキ勝負の日。最高級の松阪牛をまるで医師のように調理する阿部一郎に脅威を感じ、再び自信を喪失する陽一。だが、味勝負を戦った仲間からの応援やみつ子の励まし、手作りエプロンのプレゼントにより復活する。
味将軍グループとの戦いも終わったある日、陽一のクラスに堺一馬が転校してきた。日之出食堂の前にカレー専門店「一馬屋」をオープンし、今度は店で勝負すると息巻く。翌日、恒例の花見の宴に味皇の姿はなかった。
陽一と一馬が大門屋のおからと勘平夫妻に食べさせられたのは、高野山伝統の味「ゴマ豆腐」だった。そのあまりのおいしさに打ちのめされた2人の前に、ひじり屋という豆腐屋の娘である絹子が現れた。
完成した陽一の豆腐ステーキには欠点があった。大門屋夫婦に不完全な豆腐ステーキをばかにされ焦る陽一と一馬だが、2人の工夫で欠点を克服した。味皇グランプリ当日、ほかの豆腐屋が棄権をするなか、勝負が始まる。
突然現れた「2年花組料理隊」の挑戦を受け、江川女史が子供の日にちまきと柏餅で勝負をすることになった。陽一は、料理隊が元味将軍グループ七包丁人たちの娘であることを知り、江川女史に協力する。
いよいよ子供の日を迎えた。しかし、作った柏餅を料理隊にけなされた一馬の行方はわからず、ちまきの工夫も決め手に欠けたまま。そんな時、丸井からの差し入れのケーキを見て、陽一はある工夫を思いつくが…。
味皇が松本市で味皇料理同盟なる集団を作って悪どいことをやっていると聞き、真相を確かめるため現地に赴く陽一と一馬。市内の大半が味皇料理同盟に支配されるなか、同盟への加入を拒む旅館の娘・亮子と知りあう。
陽一のサフランライスと一馬のニュースペシャルブレンドカレーにより、カモンと毛利に対抗する新しいカレーがついに完成。だが、カモンと毛利は、勝負品目をカレーに別の国の料理を加えるという条件を出す。
陽一たちの学校に転校してきた又三郎は流しの料理人で、自分は味皇の弟子であり、陽一と対決するためにやってきたのだと言う。そして勝負品目は、学食から学長室まで運ぶ、うどん出前競争に決まった。
陽一は冷めないうどんの工夫に苦戦する。又三郎の正体を確かめようとする一馬は、又三郎の落とした一枚の写真を手に入れた。迎えた勝負の日、みつ子からうどんのヒントをもらった陽一は、又三郎と激突する。
陽一たちは垂目の婚約パーティに招待された。垂目と婚約者の白川理恵の家は、代々どちらが本家かを争っている横浜のコロッケ屋だが、2人の結婚をきっかけに両家とも仲直りすることになったという。
垂目・陽一対理恵・一馬のコロッケ勝負が決まった。コロッケの工夫に関して自信満々の一馬だが、理恵は垂目のことを侮ってはいけないと言う。しかし、垂目と陽一はコロッケ作りに悪戦苦闘していた。
となり町にある老舗の焼き鳥屋「鳥舟」の主人・冬彦には、日本中を放浪する長男・秋彦と、店で修行に打ち込む次男・夏彦がいた。秋彦より夏彦に信頼を寄せていた冬彦だったが、夏彦は父に突然引退を告げた。
焼き鳥勝負の日が近づくが、タレの工夫は解決できず、秋彦の行方も不明のままだった。陽一たちは秋彦が本当に逃げたのではと疑うが、法子は「自分の父親を見捨てる子供はいない、秋彦を信じよう」と言う。
法子の不注意から日之出食堂ののれんが無くなってしまった。この際新調しようという陽一に、丸井と法子はのれんの大切さを説く。陽一は、法子にとって隆男との思い出の品でもあるのれんを探しにいく。
陽一の作った料理を食べ、包丁に問題があると見抜いた滝沢老人は、「包丁を研いでほしくば伊豆へ来い」と告げて去った。陽一らは伊豆に行き、「包丁を使わず、心の包丁の切れ味を見せてほしい」と滝沢に言われる。
アイスは料理じゃないと言い、みつ子とコオロギのこともなめてかかる陽一と一馬に、章吉は厳しい目を向けた。勝負前夜、3人の料理合戦を見てさらに自信を失うみつ子とコオロギに、章吉は心強い応援をする。
味皇が帰ってくると滝沢から聞いた陽一たちは東京に向かい、そこで味皇の居場所を知っていると言うウエッキーひとしに迎えられ案内される。すると、一帯の店は彼と同じ顔をした男たちが経営していた。
味っ子ファミリーは、ウエッキーひとしとのおにぎり勝負に心のこもったシンプルさで挑む。味っ子ファミリーが勝利し、ウエッキーたちは逃げていくが、そこへ丸井が駆けつけ「急いで味皇ビルに来るように」と言う。
味皇からの電話を受け、陽一と一馬は味将軍の城へ向かった。出迎えた毛利に案内されて王の間にやってきた2人の前に現れたのは、スキヤキ勝負で陽一たちに敗れたドクターシェフ・阿部一郎だった。
阿部一郎とのサンドイッチ勝負が始まった。料理は1人で作るものだと言う阿部に対し、陽一たちは料理は食べる人のことを考えるのが本当だと説くが、「そんな考えの結果がこうだ」と阿部は2人を味皇に会わせる。
料理会に帰還したものの、味皇の記憶は依然として戻らなかった。そんな味皇に甘える一馬の姿を陽一は不審に思う。そこへ料理会の主任たちと小西和也、味船敏八が、味皇の記憶を取り戻させるべくやってきた。
味頭巾の正体を知ってしまった一馬は、店に閉じこもったまま出てこない。心配する陽一たちの所に永田社長がやってきて、何とか味皇の記憶を取り戻してくれと頼み、一馬の驚くべき過去を語り始める。
料理会の主任たちや一馬でさえも、味皇の記憶を蘇らせることができない。陽一は全精力を注ぎ込んだカツ丼を食べさせるが、その記憶は戻らなかった。今度は自分の番だと言う丸井に陽一は期待するが…。
風に飛ばされたチケットを拾おうとして、しげるは交通事故に遭ってしまった。命に別状はなかったが、陽一は自分の責任だと苦悩する。やがてしげるの意識は戻り、みつ子が作った卵焼きをおいしいと喜ぶ。
味将軍グループの城中で、味将軍とマネージャー・毛利が、それまで登場した「味将軍七包丁」5名(カモン・武智・大虎・関場・ロボコック)の行動を拝見する総集編で、最後には残りの2名の大石老師(&瀬戸内少年料理団)と阿部一郎を紹介する。第68話「アレックス急行グルメ事件! デザートでゴールを目指せ」と合わせて、19:00 - 19:55の枠で『ミスター味っ子 ワイド版』と銘打って放送された。