みんなで騒いだ、あの大晦日から数日後。ARIAカンパニーには、いつも灯里とメールをしているアイちゃんの姿がありました。今日は、ネオ・ヴェネツィアに最も多く観光客が集まるという年明けのカーニヴァル。後輩ウンディーネの灯里、藍華、アリスの三人の修業が終った後、みんなで街に繰り出す約束なんです。
いつものように、灯里、藍華、アリスの三人が修業に励んでいると…。藍華が、見慣れたマリア像の台座に小さな扉を見つけました。いつも通っている水路にある、いつも見ている小さなマリア像にある扉。もしかしたら勝手に開けちゃいけない扉かも。そんな心配をよそに藍華は扉を開け、ほこりまみれの小さな箱を見つけます。
それは、よく晴れた日でした。ゴンドラの修業中、灯里たちは一人で歩いているアルを見つけます。でも、アルはなんだか気分が悪そう。どうやら、久しぶりに太陽の強い光にあたり、めまいを起こしてしまったようです。三人に介抱してもらい元気になったアルは、そのお礼にと「きのこ鍋屋」に誘います。
春も近い夕暮れの中、ちょっとだけ灯里がうとうとしていると…。そこに郵便屋のおじさんがやってきて、ゴンドラを明日一日貸し切りたいと言うんです。どんな日でも郵便を配ってくれるおじさんですが、自分のゴンドラが修理中では何もできません。とはいえ、明日もアリシアさんはお仕事がいっぱい。
「その 雨の日の素敵は…」灯里がアリシアさんと出かけたのは、マンホームの文化が残された月。そこで灯里は不思議な体験するのでした。 「その 春に見つけたものは…」アリシアさんに誘われ、ARIAカンパニーはピクニックに出かけました。巨大な木がいっぱいの島に着くが、そこはまだまだ入り口らしく…。
潮風にも時おり暖かさを感じる様になった春の終わり。いつもの合同練習の後、灯里たちはアリスが所属するオレンジぷらねっとにお邪魔しました。それだけではありません、アテナさんの計らいでその日はお泊まりまでしちゃうことになったんです。大きな食堂に大きなお風呂、綺麗なお庭もあって、大きな会社って凄いんです。
春から夏へ季節が変わる様に、灯里たちウンディーネの制服も変わります。半年ぶりに袖を通した夏服はどことなく懐かしく、でもとっても新鮮。夏服になった藍華やアリスとの合同練習にも何故か気合いが入ります。だから今日はちょっとだけ、いつもは通らない難易度の高い水路へ挑戦です。するとそこに、社長のゴンドラが。
今年もやってきたアクア・アルタの季節。だから、お仕事はお休み。しかし、そこに暁から「超特急で来るように」と電話が入ります。長靴で水浸しの街を急ぐ灯里。その時、すれ違う女性たちの胸に赤い花があるのを見つけ、灯里はふと思い出しました。そう、今日は男性が愛する女性に一輪のバラを贈るボッコロの日。
その日灯里は、自分がネオ・ヴェネツィアの素敵な場所をまだまだ知らないことに気づきました。それは、アリシアさんを指導員に、本当のお客様を乗せて観光案内をした時。お客様が見つけた素敵な庭がきっかけでした。これではいけないと、灯里は街のあちこちで素敵な場所を探します。
ほんのり麦わら帽子の香りも感じるようになった初夏。いつもの合同練習中、アリスはふと気付きました。「灯里先輩って、何気に知り合い多いですよね?」言われてみれば、いろんな場所でいろんな人と気軽に話している灯里ですが、地元出身の藍華とアリスより知り合いが多いというのはちょっと不思議。
澄み切った青空が広がったある日、灯里に初めてお仕事の指名が入りました。依頼したのは暁さんのお兄さん。とってもデリケートなネオ・ヴェネツィアンガラスを運搬するため、灯里のようなのんびりとしたゴンドラが必要なんだそうです。その当日、初めてガラスの工房を見た灯里は、その繊細な仕事ぶりに感激。
「その 逃げ水を追って…」厳しい陽射しに、灯里も少々バテ気味。そんなある日、買い出しに出掛けた灯里はアイスみるくのおいしい不思議な喫茶店を見つけるのでした。 「その 夜光鈴の光は…」「アクア」の夏の風物詩と言われる夜光鈴の屋台が並び出しました。灯里はどんな夜光鈴を選ぶのでしょうか。
本格的な夏の陽射しに、日向と影のコントラストが際立つネオ・ヴェネツィアの街で、今日も三人一緒に練習中する灯里たち。でも、アリスはちょっと不機嫌。どうやら、いつもやっている自分ルールが上手くいってないようです。ちょっとしたことにルールを決め、それが成功すれば良いことがあるはず…。
いつもより早く目覚めた朝。誰もいない水路へとゴンドラを漕ぎ出した灯里は、とあることに気づきました。水路の端にあるゴンドラを繋ぐためのパリーナ。家や会社の看板にもなるパリーナには色が塗られているのですが、ARIAカンパニーにはその彩色パリーナがありません。灯里のそんな質問にアリシアさんは答えます。
夏の陽射しと、日陰を通ってくる風が気持ちの良いある日の午後。灯里は久々に一人きりで、とある広場で昼食をとっていました。するとそこへ、晃さんがたまたま通りがかり…。近くの時計屋さんにお使いに来た暁がたまたま灯里に気づき…。たまたまパーツを買いにきていたアルも…。
練習用のゴンドラが定期点検を終えた日。灯里の表情はいつになく淋しげでした。それは、灯里にとって大切なパートナーだったゴンドラとの別れが迫っているから。アクアにきて初めて漕いだあの日。お客さんを乗せたのも、シングルのテストも、灯里の初めてを一緒に経験したゴンドラでした…。
黒くてちょっとだけ小さいゴンドラと一緒にいられる最後の日。灯里とアリシアさんは、夕食をそのゴンドラの上で取ることにしました。ゴンドラに残された幾つもの傷。その一つは灯里が、でも他の一つはアリシアがつけたもの。灯里だけでなくアリシアさんの思い出もいっぱい乗せたゴンドラとのお別れ会…。
夏の暑さにバテ気味の灯里たちのために、晃さんが開いてくれたバーベキュー大会。コンロの上には、お肉や海産物、野菜もいっぱいです。そんな中、灯里は藍華のある変化に気づきました。夏の陽射しを受けキラキラ輝く黒髪。アリシアさんにも褒められ、藍華は有頂天。なぜならその髪にはある願いが込められていたんです。
「その 泣き虫さんったら…」藍華は夏風邪をひいてしまいました。そんな中、熱が下がったのをいいことに、藍華は一人街を歩き始めるのでした。 「その 乙女心ってば…」灯里たちとの合同練習に復帰した藍華ですが元気がありません。それだけでなく、ヘアピンを褒めるたび、なんだかおかしなリアクションが…。
強い陽射しが毎日のように続く中、「暑い時は怪談で涼むのが一番」という藍華に押し切られ、灯里はサンマルコ広場にまつわる恐い話を聞くことになりました。それはマンホームにあったサンマルコ広場での、とっても昔にあったお話。灯里たちが良く知るネオ・ヴェネツィアのサンマルコ広場とは無縁のはず…なのですが。
何もかもが寝静まった真夜中。灯里は、どこからか列車の走る音が聞こえてくることに気づきました。ネオ・ヴェネツィアにも列車は通っていますが、それは音が聞こえないほど遠く、まして真夜中に列車が走っているわけがありません。アリスはマンホームの有名な小説の名を出しますが、それは架空のお話ですが…。
「その ふしぎワールドで…」パラレルワールドの入り口が、もし身近にあったら…。そんな不思議な世界へアリア社長が迷い込むお話です。 「その アクアを守る者よ…」ARIAカンパニーに浮き島で気候の番人をしている暁さんのお兄さんがやってきました。暁さんは、子供の頃もやっぱり暁さんだったんですね。
夏の強い陽射しが柔らかくなってきたある日。ARIAカンパニーでは、結婚記念日をネオ・ヴェネツィアで迎えようという年輩のご夫婦をお客様として迎えていました。大切な日を素敵に過ごしてもらうため、アリシアさんのお手伝いをする灯里にも余念はありません。でも、肝心のお客様は…。
夏から秋へ変わるこの時期、ネオ・ヴェネツィアでは雨が多く、灯里たちの練習も室内での勉強会が恒例になります。とはいえ、三人の興味は脱線がち。今日もプリマだけに許される“通り名”の話題でもちきりです。アリシアさん、晃さん、アテナさん。みんな素敵な“通り名”があるんです。とその時…。
ネオ・ヴェネツィアに暦の上の“秋”がやってきた日、合同練習から戻った灯里たちを水の3大妖精が待っていました。意味深な笑いを浮かべる偉大な先輩を前に、嫌な予感がする藍華が口を開きます。「もしかして、また特訓ですか?」「…ま、そう言えなくもないな」。アリシアさんたちが灯里たちに用意していたものとは…。
今年もネオ・ヴェネツィアが銀世界に変わる季節がやってきました。そんなある日、アリシアさんと散歩に出かけた灯里は、藍華たちと話していたことをアリシアさんに投げかけます。「どんな大人になりたかったんですか?」しばらくしてアリシアさんは雪玉を転がし始めました。いくつかの路地を通り過ぎ、大きくなる雪玉…。
先輩の灯里に同乗してもらい、今日もゴンドラの練習に励むアイ。そのさなか、灯里は運河を行き交うゴンドラの中に藍華とアリスの姿を見つけます。プリマ・ウンディーネになってからというもの、忙しくてなかなか会うことができないでいた3人。ほんの短い時間とはいえそれが叶った“みらくる”に、灯里は過去のある出来事を思い出し、アイに語り始めます。それは、現役時代に多忙を極めていたアリシアの誕生日にまつわる話で……。 OVA『ARIA The AVVENIRE』収録
ある日のこと、アイは興奮気味に灯里に話し始めました。練習中にとっても“みらくる“な体験をしたというのです。見慣れぬ路地の奥で目撃したケット・シーの影…そして、ゴンドラを降りてその影を追った先で出会ったのは、姫屋支店とオレンジぷらねっとで修業中の二人のシングル・ウンディーネだったのでした。嬉しそうに語るアイの姿を見ながら、灯里はケット・シーとの最後の出逢いに想いをはせるのでした。OVA『ARIA The AVVENIRE』収録
今、再びの未来をご一緒しましょう。OVA『ARIA The AVVENIRE』収録
長い冬を迎えたネオ・ヴェネツィア。 寒空の下、合同練習をしていたアイ、あずさ、アーニャの3人は、 いつもと様子が違う晃の後をつけたのをきっかけに水先案内人ミュージアムを訪れることになりました。 出迎えた館長の明日香は、姫屋の伝説的なウンディーネとして知られる晃の大先輩。 二人は姫屋の創業時から大切に乗り継がれてきた1艘のゴンドラの継承者でもあるのですが、 晃の話によると、次の乗り手として期待される藍華にはその気がないというのです。 納得がいかないあずさは、どうしてなのか理由を探ろうとするのですが……。