修道院で暮らす15歳の少年・奥村燐は、双子の弟・雪男が名門高校・正十字学園への進学を決める一方、進路が決まらない自分に焦りを募らせていた。 翌日、養父・獅郎に送り出されてバイトの面接に向かった燐は、店内で暴れる悪魔の姿を発見! 結局この騒ぎで面接は失敗し、またしても落ち込む燐。そんな中、昨夜の喧嘩相手・白鳥が仕返しに訪れる! 悪魔のような形相で襲い掛かる白鳥の脅威に、燐の体から青い炎が噴き出した…!!
獅郎に自分が魔神の落胤であることを知らされ、燐はひどく混乱! しかし燐の動揺など構わず、激しく襲い掛かってくる悪魔たち。獅郎に「決して抜いてはならない」と降魔剣を渡され、修道院地下室に隠される燐。外では、巨大な悪魔と化した白鳥と祓魔師たちとの熾烈な戦いが展開される!…戦いを終えた獅郎に、燐は怒りを向け「父親ぶるな」と激昂! 愛する息子の言葉に衝撃を受ける獅郎。その隙に、強大な存在が彼に憑依する!!
祓魔師への道を決意した燐は、獅郎の友人と名乗る謎の男・メフィストに連れられて、雪男とともに正十字学園へ入学。要塞のように巨大な校舎、雪男の主席入学…と、燐にとって新たな環境は驚きの連続であった! その後、燐は「魔神の落胤であることは秘密」とメフィストに厳しく釘を刺されつつ、祓魔師の養成所・祓魔塾へ向かう。
任務を受けた雪男に同行し、燐は祓魔師の用品店・祓魔屋へ向かう。そこで燐は、庭の草木を世話する足の不自由な少女・しえみと出会う。しえみが世話する庭は、亡き祖母から受け継いだ大切なものらしい。その時雪男が現れ、しえみの足を診察。彼女の足に悪魔の痕跡を発見し、雪男は庭が原因と推察する。しかし祖母への思いに執着するしえみは、庭から離れられない! 燐は彼女に、獅郎を亡くした己と通じるものを感じた…。
祓魔塾の授業では、居眠りをしてばかりの燐。そんな燐の不真面目な態度を見て、努力家の優等生・勝呂は苛立ってばかり。祓魔師になって京都の実家の寺を再興しようとする彼にとって、意識の低い燐が同じ境遇にいることが我慢ならないのだ。短気で喧嘩っ早い、ある意味似たもの同士の燐と勝呂は、当然ながらことあるごとに衝突してしまう! 体育の授業では、ついには悪魔を使っての危険な度胸試しまで行ってしまうのだが…!?
学園生活を送る燐の目下の最大の悩み、それは毎日の食生活! メフィストから支給される生活費は、なぜか二千円札たった1枚!? これでは、セレブ御用達で高額な学食メニューなど手が届かない。燐は雪男の助言で寮の厨房を使い、自炊生活を始めることに。しかし夜に下ごしらえした料理が、朝になると消えているという事件が発生! そこには人知れず料理番として働く、ある使い魔の姿が…。燐と悪魔の熾烈な料理対決が始まる!?
人見知りを克服するため、密かに「友達を作る!」と決心を固めるしえみ。さっそく出雲に声をかけようとするが、ドジな性格が災いして、なかなか上手くいかない。その後、授業で手騎士の才能を見せたしえみは、同じく手騎士志望の出雲に友達になって欲しいと告白! しかししえみを小馬鹿にする出雲は、適当にあしらって彼女をパシリにしてしまった。そんな中、燐たちの寮で祓魔塾の合宿が行われる。そこに予期せぬ悪魔の襲撃が…!!
親友の朴を助けられずに落ち込む出雲は、イラ立ちのあまり勝呂と衝突! 二人の喧嘩は燐たちも巻き込み、結局、塾生そろっての反省会になってしまう。下級悪魔を膝に乗せ、長時間の正座に耐える燐たち。 その最中、突如部屋の電気が消え、先日燐が撃退した悪魔・屍(グール)が襲い掛かってきた!!
仲間との共闘で辛うじて苦難を乗り越えた燐たち。その場に突如、メフィストや塾の講師たちが登場する! 実は今回の強化合宿は悪魔の襲撃を含め、全て祓魔塾が仕組んだ祓魔師候補生(エクスワイア)への認定試験だったのだ!! 予期せぬ展開に戸惑う塾生たち。彼らをよそに雪男は、襲撃役を務めた講師・ネイガウスの様子に疑問を感じていた。ネイガウスが燐に向ける敵意の意味は? そして燐たちは無事に候補生へ昇格できるのか!?
仲間と共に候補生(エクスワイア)に昇格できたものの、大量の課題を前に、燐はすでにうんざり気味。 そんな中、雪男に緊急の祓魔任務が入る! 今回の任務は、凶暴化した騎士團の使い魔の処分である。クロと呼ばれるこの猫又(ケットシー)は、かつての獅郎の使い魔で、主の死を知ったショックで混乱してしまったらしい。クロの姿に、同じく獅郎を失った己を重ねた燐は、雪男に頼みこんでクロの説得に向かうのだったが…。
夏の海岸へ出張を命じられた燐・志摩・出雲は、なぜか海の家で働くことに…。 そこで彼らは地元の少年・洋平と出会い、「海の悪魔」という怪物の存在を聞かされる。しかも洋平は「海の悪魔」の襲撃で父親を奪われたことで、怪物への復讐まで計画しているらしい。悪魔に関わろうとする洋平を案じた燐たちは、彼の行動を見守ることを決める。 そんな矢先、海に異変が発生! 燐たちの前に巨大なイカの悪魔・クラーケンが姿を現す!!
今回の燐たちの任務は、遊園地で目撃された幽霊(ゴースト)の捜索。燐はしえみとコンビで行動することになり、デート気分で落ち着かない様子だ。やがて二人は子供の幽霊を発見するが、幽霊は二人をからかって逃げるばかりで、いつしか事態は鬼ごっこへと展開してしまう。そしてしえみとはぐれた燐の前に、地の王・アマイモンと名乗る悪魔が登場! アマイモンに降魔剣を奪われた燐は、徐々に魔神の力に飲み込まれていく…!
燐とアマイモンの戦いを制止した上一級祓魔師・霧隠シュラ。彼女はヴァチカン本部より派遣された監査役で、塾生に紛れ込み騎士團を内偵していたのだ。地下基地へと連行された燐は、シュラが獅郎の弟子だったことを知り、さらには「師匠の不始末をつける」と排除対象と認識されてしまった。圧倒的なシュラの魔剣技を前に、燐の命は絶体絶命! そんな中、自分と獅郎を否定する彼女に反発し、燐の胸にはある決意が生まれる!!
一学期の授業が終了し、正十字学園は夏休みに突入。しかし燐たち祓魔師候補生(エクスワイア)には、林間合宿という名目での三日間の実戦訓練が課せられることに。シュラの引率で学園森林区域へ向かった燐たちは、半ばキャンプ気分で大盛り上がり!特にこれまで学校行事に溶け込めなかった燐にとって、それは初めて体験する楽しい時間だった。やがて陽は落ち、いよいよ実戦訓練が始まる!そのルールとは…塾生同士による争奪戦!?
勝呂が提案した共同作戦が功を奏し、実戦訓練は成功目前!しかし巨大な蛾の悪魔・虫豸(チューチ)が出現し、油断した燐に襲い掛かった!!仲間たちを逃がそうとする燐だが、勝呂はこれを無視。危険を冒して燐を助け、「仲間を忘れるな!」と彼を叱り飛ばすのだった。自分を支えてくれる仲間の存在に、燐の心に暖かい気持ちが広がっていく…。その後、何とか帰還を果たす燐たち。そこに、燐を監視していたアマイモンが急襲を掛ける!!
アマイモンとの戦いで炎の力に飲み込まれ、凶暴化してしまう燐!力を使い果たして暴走は収まるが、燐はその場で現・聖騎士(パラディン)のエンジェルに捕らえられてしまった!!燐の存在を騎士團に隠してきたメフィストは懲戒審問にかけられ、燐も一緒に正十字騎士團最高顧問・グリゴリの前に引き立てられる。正体がばれてしまった以上、燐の身は絶体絶命…。その頃学園では、雪男が預かる降魔剣を見た勝呂が、あることに気づく!
長引く懲戒審問の中、騎士團は燐の処分を決めかねていた。メフィストが燐を「魔神に対抗し得る武器」と主張したためである。そこに燐との再戦を果たそうと、アマイモンが乱入!シュラとエンジェルが対抗するものの、強力な地の王の攻撃を前に苦戦。メフィストは危機に動揺するグリゴリの胸中を見透かし、燐を解放してアマイモンを撃退するよう進言。グリゴリがそれを了承した直後、修復した降魔剣を手にした勝呂たちが駆けつける!!
魔神の炎を使いこなすべく修行中の燐。そこに巨大な怪鳥の悪魔・颶風が現れた! 雪男の助けで撃退したものの、颶風の進入経路を洗い出すため、祓魔塾メンバーは調査に借り出されることに…。調査を続ける勝呂たちだったが、そこに燐に追われる子猫丸が助けを求めてきた。燐いわく子猫丸に悪魔が取り憑いているとのことだが、勝呂たちに悪魔の姿は見えない。燐の行動を子猫丸への攻撃と勘違いした勝呂は、燐に敵意を向けてしまう…!
志摩の誕生日占いで盛り上がる祓魔塾メンバーたち。その際、出雲の誕生日が近いことを知った一同は、彼女に内緒でサプライズパーティーを開くことを思いつく! 仕切り上手の勝呂の指示により、燐と子猫丸はケーキ作り、しえみと勝呂は飾りつけ、そして志摩はプレゼントのリサーチ…と、パーティーの準備は着々と進んでいく。そんな仲間の思惑を知らない出雲は、皆が自分を避けているように感じて苛立ちを募らせていくのだった!
燐と雪男の育った大切な場所・南十字男子修道院が謎の襲撃者に襲われた! 仮面を被った襲撃者は、「魔神に関わる者は許さぬ」と謎めいた言葉を残して去っていく。襲われた修道士たちは燐にとって家族同然…。怒りに駆られた燐は、敵を追撃するため飛び出していった! やがて燐は襲撃者を発見するが、蜘蛛の糸のような敵の技に苦戦。そこに雪男が追いついて加勢する。逃亡する敵を雪男は単身で追跡し…たどり着いた先で見た者とは!?
襲撃者を取り逃がしたものの、修道院襲撃事件は一段落。その時、雪男の前にエルンストと名乗る老人が現れる。エルンストは雪男と燐の出生の秘密、そしてヴァチカンが彼らの母親に下した所業について語りだす。驚きとともに、雪男の中に騎士團への疑念が生まれ始めた。一方、祓魔屋のしえみの庭に傷ついた襲撃者が迷い込み…
修道院襲撃からの一連の事件を受け、理事長を解任されるメフィスト。さらには騎士團最高位の三賢者(グリゴリ)も更迭され、エルンストが教皇に就任することに。そして新たに日本支部長として現れたのは、聖騎士(パラディン)を拝命した雪男だった!? この新体制を率い、エルンストは悪魔を一掃する一大作戦を発動! 祓魔塾メンバーも召集され、最大規模の悪魔狩りが展開されていく。だがこの作戦の裏には、ある真の目的が…
魔神の息子である燐の血を使い、虚無界への門・ゲヘナゲートを出現させようと目論むエルンスト。傷ついた兄を守るため、雪男は身代わりを申し出る。そして燐と雪男の二人の血の力で、ついにゲヘナゲートが開いてしまう…! この成果に狂喜するエルンスト。彼の真の狙いは、ゲートから究極兵器・メサイアを突入させ、虚無界ごと悪魔を滅亡させることだった!! 雪男の眼前でメサイアは投下され、虚無界が閃光に包まれていく…
ゲヘナゲートから膨大な数の悪魔が出現! 虚無界より侵攻してきた悪魔は正十字学園町の人々に無差別で襲い掛かってきた! その頃学園最上部では、燐が勝呂としえみに助け起こされていた。目覚めた燐が見たものは、ゲートの前に佇む魔神の青い炎をまとった雪男の姿だった! 驚きながら歩み寄る燐は、雪男の様子に違和感を感じる。それは養父を奪った、あの仇敵を思わせる邪悪な雰囲気…。一体、雪男の身に何が!?
巨大なゲヘナゲートと化した魔神は、次元の裂け目を広げて物質界を飲み込もうとする。燐と雪男は合流したシュラ、エンジェルらとともにゲートに立ち向かうが、圧倒的な強さを前に苦戦を続ける。一方で学園の祓魔師たちも、無数の悪魔に追い詰められつつあった。そんな中、勝呂が起死回生の策を発案! 果たしてその成果は… そして燐と雪男は最後の気力を振り絞ってゲートに立ち向かう。愛する仲間と世界を守るために!!
11年に一度の祝祭を前に、高揚感と喧騒で溢れかえる正十字学園町。悪魔の侵入を防ぐため、祓魔師たちが結界張り替えに勤しむ一方、暴走する幽霊列車(ファントムトレイン)の退治にあたった奥村 燐は、任務の途中、少年の姿をした幼き悪魔に出会う。
アマイモンの襲撃により魔神の落胤である事が露見した奥村燐は、祓魔対象として正十字騎士團の監視下に置かれることとなり、監視役である霧隠シュラの指導のもと、魔神から継いだ「青い炎」を操る為の修業をしていた。そんな中、シュラのもとへ学園最深部に封印されていた「不浄王の左目」が何者かに盗まれたとの連絡が入る。現場に駆け付けた燐たちは、犯人を追跡するが……。
「不浄王の右目」を守る京都出張所へ増援部隊として派遣された燐たちが案内された逗留先は、勝呂竜士の実家である旅館だった。襲撃に耐えたものの、多くの被害を受けた明陀宗。そして、そんな状況でも姿を現さない明陀宗の現頭首である父に、勝呂は複雑な思いを募らせる。一方、塾生たちとの溝が埋められないままの燐。そんな燐に声をかけてきたのは、勝呂の父・達磨だった。
父への憤りが日々増していく勝呂。明陀宗のことを案じる三輪子猫丸は、魔神の落胤である燐を恐れ拒絶する。また、杜山しえみも友人である燐の出生を知り、動揺を隠せずにいた。各々が惑い悩む中、八百造の招集により明陀宗の当主総会が開かれる。それは右目襲撃における内通者を探すための詮議の場だった。謎の多い達磨の行動に、明陀宗の面々は疑心を抱きはじめ……。
明陀宗を裏切っている者は誰なのか。頭首不在のまま紛糾した総会は、結論が出ないまま中断された。父のもとを訪ねすべてを問い質そうと決意した勝呂は、人目を避けるように京都出張所深部へと向かう志摩柔造の姿を目撃する。不審に思った勝呂は後を追うことにするが……。そして燐もまた、シュラとともに深部へ向かうことに。そこで彼らを襲った騒動、対峙した事態とは――。
藤堂三郎太と宝生蝮の共謀により、「不浄王の右目」が奪われてしまった。京都出張所には別働隊の奥村雪男たちも到着し、奪われた右目と左目を取り戻すための会議が開かれる。一方、勝呂と衝突し、大勢の前で青い炎を出してしまった燐は、独房に捕らえられてしまう。燐の正体を知り動揺する祓魔師たち。その騒ぎに紛れて、シュラは達磨から燐に宛てた手紙を託されていた。
降魔剣「倶利伽羅」をめぐる燐・雪男の養父である藤本獅郎と達磨の出会い。明陀宗の本尊として祀られていた降魔剣が燐の手に渡るまでの経緯が手紙によって明かされていく。そして、寺の本尊を手放した達磨に疑念を抱き、明陀宗を救おうと右目を奪い逃走した蝮は、藤堂とともに向かった明陀宗の元拠点・降魔堂で、連綿と受け継がれてきた不浄王の秘密を知ることになり……。
藤堂の策略により、ついに復活を果たした不浄王。達磨から使い魔・伽樓羅を奪った藤堂は更なる力を手に入れる。達磨の願いを託された燐だったが、己の悪魔の力と向き合うなかで降魔剣を抜くことができなくなっていた。狼狽する燐に追い打ちをかけるように、突如現れたメフィストから燐の処刑決定が告げられる。不浄王の復活、燐の処刑を知った勝呂たちが取った行動は……。
不浄王の瘴気が街中に降り注ぐ。不浄王に対抗するため行動を始める祓魔師たち。仲間の想いを知った燐もまた、独房を脱し洛北・金剛深山に向かい、山中で倒れた達磨を発見する。一方、燐が独房を出たことを知らずにいる雪男は藤堂と遭遇。圧倒的な力を前に苦戦を強いられる雪男を甚振るように攻撃をつづける藤堂は、燐のことを話題に上げ雪男の心理に揺さぶりをかける。
本当は兄のことが嫌いなのではないか。心の奥を暴くように問いかけてくる藤堂の言葉に雪男は激しく動揺する。幼い頃から抱えてきた自身の思いに向き合う雪男。達磨から打倒不浄王の切り札・劫波焔を受け継ぎ、胞子嚢を目指して進む勝呂と燐。救援を呼ぶため山を駆ける志摩と子猫丸。達磨を守るしえみと神木出雲。それぞれが不安を抱え、目の前の事態に立ち向かっていた。
遂に胞子嚢が破裂し、全貌を露わにした不浄王。瘴気の暴風に襲われるなかで、勝呂は結界を維持しようと懸命に耐え忍ぶ。しかし、限界は刻刻と近づいていた。自分が助けられた意味は何なのか。窮地に立たされても未だ抜けずにいる降魔剣を手に燐は問う。一方、間一髪のところを柔造に救われた雪男。藤堂に対し怒りが頂点に達する柔造に、雪男はある作戦を持ちかけ……。
降魔剣を抜くことができた燐。「自分の居場所は自分で勝ち取れ」と、シュラは燐を送り出す。だが、圧倒的な力を持ち増殖をつづける不浄王を食い止める術は見つけられない。遂には勝呂の体力も尽き、結界が崩れてしまう。街に瘴気が到達すれば甚大な被害をもたらす。絶望的な状況の中、燐の前に烏枢沙摩が現れる。そして倒したはずの藤堂が、再び雪男の前に立ちはだかり――
青い炎が不浄王の瘴気を浄化する――。青い炎が夜空を焼き尽くす光景は「青い夜」を彷彿とさせつつも、まったく違う結果をもたらした。不浄王に纏わる事件によってさまざまに揺れ動いた人々は、騒動が解決したことで新たな局面を迎える。燐が魔神の落胤であり、それでも祓魔師を目指すということ。燐と雪男にも、兄弟にとって逃れられない事実に向き合う時間が訪れ……。
スパイ生活も楽じゃない!! 志摩廉造のハラハラな一日!! スパイ祓魔塾塾生 志摩廉造が主役を飾る!! 最新小説版エピソードがはやくもアニメに!! 2017年3月に発売したJUMP j BOOKS『青の祓魔師 スパイ・ゲーム』より、表題作がいち早く映像化!大人気キャラクター・志摩廉造の、笑いあり涙あり(?)のスパイ訓練へと迫る!!
魔神の落胤として生まれ、祓魔師を目指す少年・奥村燐は、悪魔が見えることに苦しむクラスメイト・醐醍院誠の相談に乗ることに。燐と同じく祓魔塾に通う候補生・勝呂竜士たちに悪魔を見えなくする方法を尋ねてみるも、解決方法は見つからない。そんな中、正十字学園の理事長であり、正十字騎士團の日本支部長であるメフィスト・フェレスに晩餐へと招かれるが……。
燐の双子の弟で中一級祓魔師である奥村雪男は、正十字騎士團の上級会議に召集され、「不浄王」復活の首謀者である藤堂三郎太について聴取を受けていた。物々しい雰囲気に疑念を抱いた雪男は、亡き養父・藤本獅郎の言葉を思い出す。一方、候補生たちは「トイレの繭子さん」退治の任務に当たることになるが、神木出雲は杜山しえみに対し、あるわだかまりを持っていた。
学園祭の準備で賑わう正十字学園。志摩廉造と燐は、音楽フェスとダンスパーティーに参加するためパートナー探しに奔走するが、ことごとく断られてしまう。諦めきれない燐は出雲を誘おうとするも、年に一度の祓魔師認定試験が迫っていることを理由にすげなく断られる。すっかり意気消沈する志摩と燐の前に、学園の編入試験に合格し、同級生となったしえみが現れ……。
アーサー・A・エンジェルとライトニングは、騎士團内に潜むスパイを捕らえ、啓明結社イルミナティがとある計画に必要とする人物の拉致を企てていることを知る。しかし、その実行時間は差し迫っていた。一報を聞いた霧隠シュラは、候補生たちを招集する。その頃、出雲は宝ねむと対峙していた。古びたマスコットを手にした宝に、怒りをあらわにした出雲だったが……。
光の王・ルシフェルの宣戦布告により、正十字騎士團各支部は混乱に見舞われる。そんな中、雪男と燐たち候補生は、出雲と志摩を取り戻すため、出雲の故郷である島根県へと出発する。拉致された出雲はイルミナティの極東研究所に監禁されていた。目を覚ました出雲の前に、イルミナティの制服を身にまとった志摩が姿を現す。そして、そこには出雲に関わりの深い人物の姿もあった。
宝によって召喚された出雲の使い魔・ミケ狐神により、稲生の地と神木家にまつわる過去が語られる……。古くから続く巫女の血統で、九尾の狐を鎮めるつとめを負う神木家の当主・玉雲。その娘である出雲と月雲。巫女として強力な神通力を持ちながらも、私生活は頼りなく奔放な母と、幼い妹と過ごす出雲の日常は、ある日この土地に現れた「いなり光明財団」の活動によって狂い出していく。
稲生観光都市化計画の裏で、イルミナティは徐々にこの地を蝕んでいった。ミケから出雲の過去を聞いた燐たちは、イルミナティの地下研究所の入口と思われる稲生へいわタウンへと向かう。一方、研究所では出雲が精密検査のために、外道院ミハエルの待つ部屋へと連行されていた。自ら騒ぎを起こした隙に、ウケ・ミケを召喚して脱走を試みる出雲。地上を目指して走るも、その行く手を志摩が阻む。
ルシフェルに心酔する外道院は、エリクサー研究の成果をあげようと更なる行動に出る。外道院の策略により、一人ひとり分断されてしまった燐たち。地下施設のコンテナで巨大な異形屍人と対峙することになるが、屍人が悪魔に寄生された人間だと知った燐は、刀を振るうことを躊躇してしまう。雪男、勝呂、しえみ、子猫丸もまた、独力での戦いに挑むことになり……。
コンテナを破壊し、合流することができた燐たち。しかし、外道院が差し向けた肥大化した膨張屍人が襲いかかる。極東研究所をエリクサー実験の聖域だと語る外道院によって明かされる稲生へいわタウンの真実に憤る一同だったが、そこに九尾の移植手術に向かう出雲が現れる。出雲を助けるべく降魔剣を手に飛び出す燐。阻もうとする志摩を殴り飛ばし、出雲に手を差し伸べるが……。
九尾を強制的に憑依させられ、圧倒的な力にさらされる中で振り絞った、助けを求める出雲の声に応え、膨張屍人を祓い、外道院の前に立ちはだかった燐。計算外の事態に混乱し焦りを滲ませた外道院は、時間稼ぎに大量の屍人を差し向けてくる。雪男たちも駆け付け応戦する一方で、出雲は従わせることも寄り添うこともできない九尾という狂気に飲み込まれようとしていた。
玉雲によって救われ、イルミナティの脅威を押しのけることに成功した出雲たち。稲生の地は正十字騎士團による制圧がなされ、一連の騒動は落ち着いた。だが、志摩はイルミナティの一員として去ってしまった。京都出張所から応援に駆け付けた志摩の兄である柔造と金造に、志摩がイルミナティのスパイであったことを説明しようとする勝呂だったが、逆に柔造から驚くべき事実が明かされる。
袂を分かったと思われた志摩の帰還。ライトニングによる尋問。ルシフェルと対抗するメフィストの思惑。さまざまに事態が動く中、イルミナティの地下施設でルシフェルと対面したことを隠していた雪男だが、志摩にはその事実を知られていた。志摩に「誰かに相談すべき」と忠告され、胸の内に不安を募らせていく。そんな折、メフィストの計らいで燐たちは慰労としてスパリゾートへ向かうことに。
島根において極東研究所を制圧することに成功したが、依然として大きな脅威であるイルミナティ。正十字騎士團は対抗策を講ずるべく上層部による議論を重ねていた。一方、燐たち塾生に、祓魔師認定試験の実施が早まることが告げられる。島根での出来事を機に、祓魔師になる理由を見失い悩む勝呂だったが、四大騎士・ライトニングが祓魔塾講師の助っ人として新たに赴任し……。
自らの目に異変が起きて以来、事実を周囲に隠し恐れを抱いてきた雪男だったが、その目に発現した力が一体何なのか、検証することを決意する。力が発現した状況には、「死を前にした恐怖」という共通点があった。雪男は、生死をかけた危険な修行に傾倒していく……。一方、燐としえみは二人きりでの任務に臨むことに。古民家に発生した魍魎を祓魔するという、簡単な任務に思われたが……。
突如として姿を消したシュラ。行動履歴から、シュラが出身地である青森にいる可能性が高いと推測したメフィストは、燐と雪男に現地での捜索を命じる。二人は聞き込みの末、青森・永久蛇湖に辿り着くが……。シュラは、湖を中心に広い縄張りを持つ強力な八岐大蛇・八郎太郎大神と対峙していた。八郎は眷属の蛇たちとともに、シュラへ「俺たちとの約束を果たしてもらう」と迫る。
八郎とシュラの先祖・霧隠辰子の契約により、力を得る代わりに先祖代々三十路に死ぬことが決まっている。シュラは、自身の背負う運命を燐と雪男に語った。未練は何もないと語るシュラだったが、納得できない燐は八郎を倒そうと提案。しかし、シュラが八郎に連れ去られてしまう。救出のため燐と雪男は八郎のもとに向かうが、そこには八郎の催眠能力によって操られたシュラがいた。
雪男の機転によって八郎を欺き、シュラとの契約を破棄させることに成功した燐たち。しかし、怒り狂い暴走した八郎は再びシュラを捕らえ、凍てついた湖へと向かっていく。不死である八郎からこぼれる「死にたい」という願いに、シュラは湖の底深く、永遠に一緒に眠ろうと伝え寄り添う。湖に沈んでいく中、シュラの脳裏に浮かんだのは、かつて藤本獅郎と過ごした日々の記憶だった。
青森での一件が終わり、落ち着きを取り戻しつつある正十字騎士團日本支部。ライトニングは勝呂と共にイルミナティに関する調査を開始する。ライトニングはイルミナティ、そして「青い夜」に繋がる何かが日本支部内にあると睨んでいた。一方、燐からの告白を受けたしえみは「恋愛の好き」と「友達の好き」の違いが分からないと悩んでいた。その様子を見かねた出雲は、ある提案をする。
青い夜についての調査を進める中で、ライトニングはある三人の名前に着目する。青い夜以降に正十字騎士團日本支部から離職したその三人は修道士となり、南十字男子修道院──奥村兄弟が育った場所でともに暮らしていた。当時の話を直接聞くため、修道院を訪ねるライトニングと勝呂。口をつぐむ彼等に強硬な手段も厭わないライトニングは、徐々に青い夜の謎へと迫っていく……。
青い夜直後の十三號セクションの姿を目の当たりにし、メフィストからそこで行われていた研究の真相を明かされたライトニングと勝呂。ライトニングは、正十字騎士團ヴァチカン本部のとある場所へ向かう。一方、手騎士を目指していたしえみが、突如として認定試験辞退と退塾の意思を示す。驚く燐や出雲たちをよそに、しえみはクリスマス兼誕生日パーティーに向けて意気込みを見せるのだった。
自らの出生の秘密を知りたいという想いを募らせる雪男と、知る必要はないと考える燐。互いの考えがすれ違う中、燐たちは志摩柔造と宝生蝮の結婚式に参列するため京都へ向かう。周囲に対し通常通りの態度を見せる雪男だが、違和感をおぼえる燐。一方、調査を再開したライトニングは十三號セクションの真相に近づくため、当時の関係者として名前が浮上したドラク・ドラグレスクに接触する。
都市部に上級悪魔が出現し、対応に追われる祓魔師たち。池袋ではシュラが陣頭指揮をとっていた。魔障を受けたことにより悪魔を見ることができる人間も増えていき、世界は混乱に陥っていく。時を同じくして、勝呂を銃で脅し、ライトニングとの調査内容を聞き出そうとした雪男。志摩の忠告にも耳を傾けず孤立を深めていく雪男は、任務のため東京へ戻り、ライトニングと遭遇する。
さまざまな感情に押し潰された雪男がとった手段を阻止したのは魔神だった。しえみから雪男のことを聞いた燐は、雪男を探すため寮を飛び出していく。そして、悪魔の動きが活性化したことにより混乱を極める物質界。首相官邸に招集されたメフィストは、内閣総理大臣・全人とともに、これまで公に認知されてこなかった悪魔の存在を公表する記者会見に臨むが、そこに現れたのは……。
雪男がメフィストを銃撃した容疑で拘束された。雪男の目のことも知った燐は、兄弟で騎士團から逃亡する決意を固め、塾生やアマイモンの力も借りて雪男の救出に向かう。銃撃により大きなダメージを負ったメフィストは、憑依体を維持するため人工虚無界の門に施した結界を捨てる決断をする。それにより門は完全に開き、大量の悪魔が出現。物質界は虚無界の空気に覆いつくされていく……。