寂れた地方のカサマツトレセン学園。 そこでトレーナーを務める北原穣は、活気を失いつつある地方レースの現状に対してどうにもできない日々を送っていた。 そんなある日、1人のウマ娘と出会う。 芦毛の髪をなびかせて走るその姿を見た時、彼は長年待ちわびていた『スター』が現れたと直感する——。
新入生のオグリキャップは、ベルノライトと共に北原のチームに勧誘される。 レースに出走するためにはチームへの所属が必須条件であった。 チームに入ることを決め、『デビューレース』に向けてトレーニングを開始するオグリであったが、 その前に新入生一の実力と評される特待生フジマサマーチが立ちはだかる。
フジマサマーチとの壮絶なレースを終えたオグリキャップ。 『走ること』だけを考えてきたオグリに、初めてのレースを通じてこれまで感じたことの無い感情が沸き起こる。 次のレースに向けて準備を進めるが、対戦相手にはノルンエースがいた。 以前からオグリのことが気に食わないノルンたちは、彼女に対してある策を思いつく。
金華山の山頂で勝負の約束を交わしたオグリキャップとフジマサマーチは、ついに対決の日を迎える。 準重賞レースの『ジュニアクラウン』。 マーチから目標について問われた時、答えることができなかったオグリ。 ライバルとの対決の中で、オグリは自分が目指すべき『頂上』を見出す。
『中京盃』に出走するため、中京レース場を訪れたオグリキャップたち。 だが北原は、六平の忠告が心に引っ掛かっていた。 言い知れぬ不安を拭ってレース場に入る北原。 そこには中央からレースを観戦しに来たシンボリルドルフとマルゼンスキーの姿があった。
シンボリルドルフから『中央』へスカウトされたオグリ。 北原は、次の『ゴールドジュニア』に勝てば中央に移籍、負ければ東海ダービーを目指せ、と条件を突きつける。 ライバルであるマーチとの再戦も果たされるレースであったが、オグリは自分がどうすべきなのか、その答えを見出せぬままレースに臨む。
中央のトレセン学園に転入したオグリとベルノは、出迎えた六平の案内で広大な学園内を見て回る。 新しい教室で、同級生であり新たな強敵となるウマ娘たちと顔を合わせるオグリ。 次なる目標としてトゥインクル・シリーズのGⅠ『クラシック三冠レース』を目指すことになるが、そこで大問題が発覚する。
クラシックレースの登録期限が、カサマツからの移籍時期と重なっていたことで登録手続きができていなかったオグリは、クラシックレースに出走できなくなってしまう。 出走に相応しい実力があることをシンボリルドルフに示すべく、中央のレースに挑む。 初戦はGⅢ『ペガサスステークス』。だが、その対戦相手は現在4連勝中の強敵ブラッキーエールだった。
シンボリルドルフは望んでいた——トゥインクル・シリーズをけん引する新たなスターの誕生を。 彼女はその眼で見た——地方から現れたウマ娘が中央の強敵たちをその剛脚でねじ伏せていく姿を。 本当に大切なのは『規定(ルール)』か、それとも——。 その想いを胸に、『日本ダービー』に奇跡を起こすべく、皇帝は立ち上がる。
『日本ダービー』に出走できなかったオグリ。 これからのレースを戦っていく為にも『次の目標』を見つけることが重要と考えた六平は、オグリとベルノをGⅠ『宝塚記念』の観戦に連れていく。 ファン投票で選出された実力者たちが揃うグランプリレース。 そこでオグリは『最強』を目撃する。
『毎日王冠』に挑むオグリ。 これに勝利しなければ、タマモクロスも出走する『天皇賞(秋)』には出さないと六平に条件を出されるが、今回のレースは今までとは違っていた。 連勝し続けたオグリは、もはや周囲にとって一番の要注意選手であり、対戦相手全員から標的とされる。 『10対1』という圧倒的不利の中、レースが始まる。
ついに迎えた『天皇賞(秋)』の開催日。 奇しくも同じ芦毛のウマ娘、タマモクロスとの直接対決。 オグリは『最強』に勝ち、日本一となるべくターフヘ向かう。 タマモもまた日本一を目指して、レースに臨む。 その胸に、大切な人への想いを秘めて——。
『天皇賞(秋)』で繰り広げられた熾烈な戦いは、ついに最後の直線を迎える。 ラスト400Mに向けて全員が残った力を振り絞る中、タマモを追う『怪物』オグリキャップ。 体力が尽きかけたタマモは、オグリに迫られる中、自らの過去を思い出す。 そのかけがえのない光景と想いを胸に、ついに『限界の壁』を超える。