ある日、彩玉大学に通う理系大学院生の才女、氷室菖蒲は雪村心夜に告白する。だが、恋愛経験のない二人は、互いが本当に好きなのか不安で仕方ない。そこで、「一般性のある好きの条件」を見つけ、互いの気持ちを判定することにした。同じ研究室の後輩・奏があきれる中、雪村は氷室に「壁ドン」「顎クイ」「袖クル」などをしながら、氷室の心拍数を計ることで、恋のトキメキを定量的に計測しようとするが…。
相手のことを「好き」かどうか証明するため、至近距離から氷室の頭を撫でながら、心拍数を計測する雪村。それを見ていた同じ池田研の先輩・棘田は、「対照実験」の必要性を説く。つまり、雪村がドキドキしているのは、相手が氷室だからなのか、それとも女なら誰でも興奮してしまうのかを証明するため、雪村は奏や棘田の頭も撫でることに…。一方、氷室は愛情を込めた料理の方がおいしいことを証明しようと調理をするが…。
池田研の後輩・虎輔が、最愛の藍香に対して総額22万円以上を費やし、毎晩藍香を抱きしめて寝ていることを知った氷室は、自分が雪村にメモ帳くらいしかプレゼントをあげたことがなく、雪村を抱きしめて寝たこともないと動揺し、客観的には「好き」とは言えないのではと不安になる。延々と「好き」を数値的に議論してばかりの雪村と氷室に、奏は二人でデートに行くことを提案するが…。
理系らしく白衣でデート実験を始めようとする雪村と氷室。デートの観察と記録役で見守っていた奏は、服を買うよう突っ込むしかなかった。二人は、心拍数計兼血圧計、体温計を装備しながら、スマホアプリで随時「相手にドキッとした回数」「嬉しくなった回数」「安らいだ気持ちになった回数」「もやもやした回数」などを記録することに。そこに、氷室をナンパする男が現れ…!?
今日は池田研メンバーが集まり、研究経過を発表する日。藍香を言い訳に論文を読まなかった虎輔に、池田教授は筋肉を膨張させてペンを粉砕する。一方、雪村と氷室は、先日のデートの結果を共同発表することに。どの場面で瞬間最高心拍数を記録したかを発表しながら、恥ずかしさに悶える二人に対し、池田教授は…。さらに、実験データを増やそうと、雪村と虎輔、棘田と虎輔のペアでも、バイタルデータを計ることになったのだが…。
棘田に、恋愛的行為の一般条件は「相手とキスしたいかどうか」が大きな要素ではないかと言われ、氷室にキスをしようとする雪村。しかし、分度器で首の角度を測るような作業的なキスを氷室は嫌がる。観覧車の中のような良いムードだったら、キスをするのもアリかもと気づいた氷室は、雪村とともにムードを数値化した「ムード値」の定義式を見出した。果たして、ムード値が最も高い場所とは?そして二人はキスできるのか…!?
前期課程が終了し、池田研究室では、各自食べ物を持ち込んで打ち上げを行うことに。「素数山手線ゲーム」などで盛り上がる中、酔っ払った氷室は雪村についあることをしてしまう…。そして奏まで酔っ払ってしまい…。一方、前回の総当りのキス実験およびムードの数値化で、研究は大きく前進したが、さらに多くのデータを集めるため、雪村たちはおとぎ話の『白雪姫』『シンデレラ』『鶴の恩返し』などを参考にしようとするが…。
夏休みの勉強会で、沖縄で研究発表を行うことになった雪村たち。夏合宿まで一ヶ月を切ったのに、未だ研究テーマが決まらない虎輔に、池田教授は「恋愛ゲームのトゥルーエンドを一瞬で見つけるアルゴリズムの研究」を提案する。一方、雪村と氷室は、好きな相手と触れ合うことで分泌されるホルモン「オキシトシン」に着目。唾液に含まれる分泌量を調べることで、触れた相手が好きかを判定しようと考え、早速スキンシップを始めることに…。
いよいよ夏合宿当日。しかし機内では、周囲の目も気にせず、氷室と密着しながら、唾液の採取を行う雪村の姿があった。それを、漫画家山本は不気味な笑みを浮かべながら観察していた。沖縄のビーチで、真夏の太陽に照らされた水着姿の雪村と氷室は、早速密着実験を始めようとする。しかし、せっかくなので「二人の人間が密着する時、密着面積が最大となるような体位」を求めることになり…。
リゾートホテルの部屋で、氷室が夕日に染まる海に見とれていると、そこに雪村が「昼間できなかったことを、今やらねばならない」と部屋に入ってきて…。翌日、いよいよ大勢の前で研究発表を行うことに。虎輔は、恋愛ビジュアルノベルゲームに関する発表を堂々と行うが、他の教授から「その研究は誰の役に立つのか」と突っ込まれる。一方、雪村は氷室が見ている事も知らず、発表前にパニック状態の奏を抱き締めるのだった。
無事に発表を終えた奏だったが、戻ってくると雪村と氷室が喧嘩をしていた。発表前の奏の緊張をほぐそうと、雪村は奏を抱き締めたのだが、氷室は「最近雪村と密着実験ができていないのに」との嫉妬心から、つい厳しい言葉で雪村を非難してしまう。それに対し、雪村も「俺達は別に付き合ってる訳でも無いだろうが」と返してしまい、傷心の氷室はその場から走り去ってしまうのだった。それを見た山本は怪しくニヤリと笑っていた…。
氷室が雪村にプレゼントした眼鏡ケースはなぜか粉々に砕けていて、ショックでその場から逃げ出した氷室。棘田は、氷室が階段で転んだ際に壊れた可能性を指摘するが、雪村は眼鏡ケースの質量、材質、落下時の高さなどから衝撃値を推測し、何者かが人為的に破壊したと結論づける。ようやく夜明けの橋で、裸足でひとりうずくまる氷室を見つけた雪村。果たして二人は仲直りできるのか。そして、恋を証明できるのか…!?
沖縄合宿で、朝日のレンブラント光線によってムード値が最高の橋で、理論値的に最高のキスをした雪村と氷室だったが、採取した唾液の量が不十分で再測定することに。唾液測定の専門家を訪ねて、理学部生体制御学科へ向かう一同の前に、花魁のような格好に白衣をまとった妖艶な女・翠雨と、その恋人・クリスが現れる。雪村は翠雨たちに「好きを証明する実験」への協力を要請するが、翠雨たちの圧倒的な愛のオーラを見せつけられ…。
キスまでした雪村と氷室だったが、唾液中のオキシトシン量で、クリス・翠雨ペアに大敗してしまう。焦った雪村は、クリスたちに再度、対照実験を申し出る。しかし、雪村・翠雨ペアでの実験中、翠雨に誘惑され鼻の下を伸ばしてしまった雪村。それを見ていた氷室は、雪村と再び実験するも、すっかり拗ねてしまい、二人は痴話げんかに発展する。そんな雪村をクリスは冷ややかな目で見下ろして「男として失格だよ」と呆れてしまい…。
池田教授に博士課程への進学を勧められるも、進路を決めかねていた棘田だったが、池田教授の筋トレ愛に触れ、ソファーで慣れない腹筋に励んでいた。そんな棘田に虎輔は見惚れてしまう。一方、季節の変わり目に風邪を引いた氷室を心配して、雪村は家まで見舞いに行くが、熱にのぼせて艶っぽい氷室にドキドキしてしまう。そこに奏がやってきて、雪村は咄嗟に氷室の布団に隠れるのだが…。
奏の発案で「池田研究室理系女子会」をファミレスで開催することになったが、群れることが苦手だった氷室と棘田は「ぼっち談義」に盛り上がるばかり。女子っぽい恋バナで場を盛り上げようと、奏は氷室に雪村の好きなところを尋ねるが、氷室は資料を手に淡々と分析を始めてしまう…。一方、藍香役の声優・雛森蓮のライブでペンライトを激しく振っていた虎輔。振り向くとそこには棘田と氷室の姿があって…!?
雪村と氷室は、自分たちのこれまでを山本が漫画化することを認める代わりに、山本に読者から「好きの証拠」を集めてもらうことにした。漫画は好評を博し「アニメ化も夢じゃない」とホクホク顔の山本をよそに、高校時代の恋をひきずったままの奏は、式城からの告白に思い詰めていた。「好きって一体なんだろう」と不安でいっぱいの奏を見て、雪村はアドバイスをしようとホワイトボードに方程式を書き出すのだが…。
いつものようにPC作業に励む雪村に、突然氷室は「私、貴方のことが好きだわ」と告白し、雪村は激しく動揺する。しかし、一度目の告白と違って淡々と想いを告げる氷室に対し、雪村は「いかなる理論を持って俺を好きだと判定した?」と尋ねる。すると、氷室は雪村をデートに連れ出して、心拍数計測、感情カウンター、キス実験、唾液検査など、以前にもやったことのある実験を再び始める…。
式城から遊びに行こうと誘われた奏は、悩んだ挙げ句、デートをしてみることにした。それを聞いた氷室は、思わず身を乗り出して、奏にも好きな人ができるかもしれないと祝福しつつ、奏のデートを遠くから観察・分析して好感度の研究に活かそうと張り切る。そこに雪村もやってきて、今回のデートで新たに考案した高感度の統一単位「奏ラブパワー」を計測すると宣言し、ダブルデートをすることになるのだが…!?
奏たち多くのカップルを間近に見ながら、愛する藍香と一緒に服を選んだり、映画を観たり、デートを楽しんだ虎輔だったが、自分だけ人形遊びをしているのではないかと感じてしまい、涙を流しながら絶叫する…。一方、奏はデート中に式城から「普通じゃない感じだった」と言われ、ショックを引きずっている。それを見た雪村は、「普通」の定義を奏に問いかけ、「『普通』に執着して生きることは、実に下らない」と断定して…。
雪村が家庭教師のバイト先で、女子高生と部屋で二人きりになっていることを知った氷室は、雪村が鼻の下を伸ばしているのではないかと不安を募らせる…。その女子高生・春は、期末試験の平均点が38点で勉強が苦手だった。春の父が娘に対して「出来損ない」と罵倒するのを目の当たりにした雪村は…。一方、むつみ祭が開幕し、池田研が催すコスプレ体験室にはきゃぴきゃぴな双子姉妹レイヤーがやってきて…!?
むつみ祭で「ウェディングドレスと結婚年齢の関係性」について議論する虎輔たち。三十路間近の山本は、親からのプレッシャーもあり、虎輔に執拗に求婚する…。ようやく山本から逃げ切った虎輔が振り返ると、そこにはウェディングドレスに身を包んだ棘田の姿があった。そばにいた子どもから「結婚しないの?」と聞かれた二人は…。一方、式城とむつみ祭を回っていた奏は、式城の前で雪村を「知らない人」と冷たく突き放してしまう。
奏に告白を断られた式城は、「普通じゃない。こんなの君らしくない」と理由を問い詰めながら、奏の腕を掴む。反射的に式城を投げ飛ばしてしまった奏だったが、しびれを切らした式城は逆上しスタンガンを向ける…!ようやく意識を取り戻した奏がいたのは、不良たちが談笑している薄暗い廃倉庫だった。手足を縄で縛られて動けない奏に、式城は「今の奏さんは普通じゃないんだ、僕たちで矯正してあげなきゃ」と近づいてくる…。