魔界からやって来た“『謎』喰い魔人”脳噛ネウロが開いた探偵事務所は、可愛い女子高生・桂木弥子を所長にしたこともあり、評判は上々だった。弥子は、女子高生探偵としてマスコミに取り上げられるほどの人気で、食べることが大好きな女のコ。『謎』を喰うネウロと大食いの弥子は、協力しながら事件に挑戦していた。 ある日、事務所に、“成功を呼ぶ料理”として人気のレストラン『シュプリーム・シロタ』から、頻繁に届く脅迫状を調査して欲しいとの依頼があった。オーナーシェフ・至郎田正彰の秘書・栗山の案内で、さっそく店に行ったネウロたちは、店側の依頼でやって来た刑事の笹塚、石垣とともに、関係者から事情を聴くことに。 栗山らの話によると、店のシェフは、至郎田とチーフシェフ・海野の2人で、厨房はメーンと個人の2ヶ所、計3ヶ所が使われている。個人厨房で働く海野を湯気越しに見ながら書斎に入ったネウロ、弥子たちは、至郎田から脅迫状の話を聞いていた。 そしてついに、事件が発生してしまう。殺されたのは、それまで個人厨房で働いていた海野で、死因は鈍器で殴られたことによる撲殺。従業員らの証言によると、海野は現場の厨房に入ってから一度も外に出ず、また、誰も現場に立ち入っていない。事件が発生したのは、ネウロたちが海野の姿を見かけてから10分程しか経過していない時であった。 まもなく、現場にあった“成功を呼ぶ”と言われる究極の料理を食べてみた弥子は、何か妙な後味を感じた。これを聞いた至郎田は、怒って弥子をクビにしようとする。だが、ネウロは、魔界から持ってきた“魔界777ツ
弥子はクラスメートの叶絵から、奇妙な事件の調査を依頼された。賑やかな交差点で発生したにもかかわらず目撃者が一人もいない“ゼロ事件"と呼ばれる殺人事件で、最近、3件も連続して発生している。叶絵は、LINKSという携帯のコミュニティーサイトに登録しているのだが、サイト内で仲良くなった友達がその犠牲になった、というのだ。 叶絵の話から美味な『謎』の気配を感じ取ったネウロは、弥子を促して捜査を開始。叶絵と行った殺人現場で、HIMEと呼ばれるサイト内のコミュニティーリーダーと出会った。HIMEの話によると、殺された叶絵の友達は、最近、そのコミュニティーから脱退したとか。HIMEの回りには取り巻きたちがおり、弥子にも熱心にコミュニティーへの入会を勧めた。 ネウロたちが事務所に戻ると、吾代が、殺人が発生当時の交差点の映像を持って現れた。これを詳しく分析したネウロらは、被害者が人の波で見えなくなった直後に倒れたのを確認。人の波をさらに詳しく調べた結果、その中にHIMEの姿があることに気付いた。 笹塚、石垣の情報によると、HIMEの本名は、姫宮瑠璃。そして、一連の“ゼロ事件"の被害者が、姫宮がリーダーを務めるコミュニティーの会員で、みな脱会直後に殺されていることが分かった。だが、姫宮の父親が大物政治家であるため、逮捕は難しい。何としても証拠が欲しいネウロは、弥子をLINKSに登録し、姫宮をおびき出すエサを撒いた。 そして、交差点で人の波に囲まれた弥子は、その中から現れた姫宮に先の尖った傘で突かれるが――。
事務所の壁に塗り込められている死体のあかねがネウロらの新しい仲間になった。一方、弥子は叶絵に誘われ、話題の芸人・満腹太郎のお弁当付きライブに行った。ネウロは、そのライブには何やら『謎』の臭いを感じていた。 ライブ会場の入口では、広告通り、来場者全員に弥子も知っている『まんぷく亭』の弁当が配られた。『まんぷく亭』が満腹太郎の実家だと知った弥子は、すぐさまもらったばかりの弁当を平らげ、叶絵の分までもらう。満腹太郎のネタ作りは、全て、元お笑い芸人で現在太郎の照明スタッフをしている堂々ワタルという男が手掛けていると叶絵が教えてくれた。その堂々の不気味な顔を偶然見た弥子は、思わず身を固くする。 弥子が叶絵の分の弁当を食べ終えると、満腹太郎のお笑いライブが始まった。幕が上がると、色とりどりの照明やレーザー光線が飛び交い、ライブを盛り上げる。弁当を食べながら狂ったように笑う観客たち。ところが、その観客の何人かが突然倒れ込み、あちこちから悲鳴が上がったため、ライブは急きょ中止になった。そして、救急車が到着し、死者が出る騒ぎになった。 現場の調査を行った笹塚と石垣は、死因が配られた弁当による食中毒と発表。関係者から事情を聞いた笹塚たちは、満腹太郎の両親がライブを盛り上げるため、弁当の中にワライダケを入れたことを突き止めた。 だが、ネウロはワライダケに人を死なせる程の毒性がないという。被害者がライブの開演後に毒を盛られたと推理。つまり、犯人は照明ブースから一歩も外に出なかった堂々だト推理したネウロは、その手口を明かして――。
弥子がネウロと組むきっかけとなった惨劇は、半年前の春に発生していた。弥子は、父・桂木誠一郎、母・遥との三人暮らし。その日、弥子や遥がそれぞれ学校や仕事に出かけた後、家政婦は桂木家3階にある書斎に誠一郎を呼びに行った。ノックしても出てこないことを不審に思った家政婦は、ベランダ側の血で染まったガラス窓から書斎内を覗き込み、室内に倒れている首のない死体を目撃したのだ。検証の結果、誠一郎の死体は、チェーンソーで切断されており、全身の血が抜かれている。そして、密室状態だった現場に最初に突入した所轄の巡査・竹田は、その後、なぜか行方不明になっていたのだ――。 そんな記憶を引きずる弥子が、ある日、ネウロと公園で爆破事件に遭遇した。実は、最近都内で、ヒステリアと名乗る犯人が起こした爆破事件が多発しており、弥子らが遭遇した爆破も同じ犯人らしかった。これまで爆破された各現場の頭文字からネウロが推理した次のターゲットは、目の前にそびえる高層ホテル。ネウロの推理を聞いた石垣と笹塚は、直ちにホテルで爆弾探しを開始した。 そんな中、いち早く65階の女子トイレで時限爆弾を発見したネウロは、弥子と呼び出していた吾代に起爆装置の解除を指示した。残り時間は3分。多くの人命を救うため必死になった弥子らは、何とか解除に成功。これを確認したネウロは、次に、爆弾が爆発しないことでチェックに来る犯人を確認すると言い出した。 トイレの奥に隠れているネウロらの近くにやって来るヒステリア。トイレ内には、ヒステリアの興奮する犬のような息づかいが響き渡った。ネウ
ネウロと“下僕2号”と呼ばれる吾代の出会いは、謎解き絡み。夏のある日、弥子と一緒に、探偵事務所の場所探しをしていたネウロは、雑居ビルにある一室に、『謎』の気配を感じて入り込んだ。『早乙女金融』との看板があるその部屋は闇金の事務所で、中では、社員らしき男たちが怪しげな電話を掛けまくっている。そして、吾代もその中にいた。警察にも言えない事件を隠している、とつぶやくネウロに、男たちは急に顔色を変える。まもなく、責任者と見られる鷲尾という男が姿を見せ、3日前に、社長の早乙女がここで殺されたことを明かした。 話を聞いたネウロは、事件をすぐに解決すると宣言。もし、解決したらこの事務所の所有権の譲渡、失敗した場合は弥子を一生タダ働きさせるとの交換条件を出して捜査を開始した。 鷲尾の話によると、早乙女が殺されたのは、社員たちが仕事を終えた深夜のこと。事務所近くの飲み屋にいた鷲尾ら社員5人は、合流するはずだった早乙女が姿を見せないため、事務所に戻った。すると、ドアの鍵は内側から掛かっていたが明かりが点いていたため、吾代がドアを蹴破ると、中で早乙女が殺されていた、というのだ。 死体の状況は、鋭い刃物のような物を使ったと見られる首の切断。飲み屋では、みんながそれぞれ席を外したが、事務所に戻って早乙女を殺すのは不可能。また凶器も見つかってはいなかった。 社員たちから話を聞いたネウロは、魔界777ッ道具、イビルブラインドを取り出して謎を解明。やがて、外でメロンを買って戻ってきたネウロは、みんなの前で、まず殺しのトリックから説明を始め
髪のきれいな女性を殺害して頭部を切断し、髪をセットして放置するという事件が3件連続して発生した。その猟奇的な手口から、犯人に付けられたあだ名は “噛み切り美容師”。事件のあまりの悲惨さに怒るあかねと弥子を見たネウロは、あかねを弥子の頭に合体させ、2人でオトリ捜査をするよう命じた。 さっそく情報収集を始めた弥子が目を付けたのは、百舌貴泰というカリスマ美容師。笹塚と石垣の情報によると、以前、若い女性に暴行し無理矢理髪をセットした百舌が、今回の事件の容疑者の1人になっていた。だが、百舌にアリバイがあったため、捜査対象者からは外されていたのだ。 弥子は、すぐに百舌に接近。あかねを使っての艶やかな髪を見せた結果、ついにその部屋に入り込むことに成功。百舌の部屋には、一般家庭ではありえない巨大な冷蔵庫があった。 その冷蔵庫に近付く弥子の髪を手にとって匂いを嗅ぎ、頬ずりして恍惚の表情を見せる百舌。ついに正体を現した百舌は、抵抗する弥子を散髪台の椅子に縛り付け、なおも動き回るあかねを超強力なハードワックスで固定した。そして、弥子の首筋にハサミを近づけた。 その時、登場したのはネウロだった。被害者の頭部が放置された公園のトイレを調べて、トリックを見破ったネウロは、事件とは無関係だと主張する百舌のアリバイ崩しを始める。開き直った百舌が弥子を殺そうとするのを見たネウロは、ハードワックスを粉砕してあかねを自由にし、反撃するよう命じて――。
盗みを働いた場所の人間を殺害して切り裂き、その遺体を赤い箱に入れて元の場所に戻す、という猟奇殺人事件が連続して発生した。“怪盗サイ”と呼ばれる犯人が起こした事件は、今年で5件目。しかし捜査は、サイが全く証拠を残さなかったことから一向に進まなかった。 そんな折、ネウロと弥子は、堀口雄三という男から、息子・明の素行調査を依頼された。パソコン好きで深夜出歩くことが多いという明は、最近、血だらけで帰宅してくるという。そして、昨夜、堀口と同居している明の祖母が、明の後をつけたまま帰宅していない、というのだ。 ネウロは、笹塚が尾行してきていると気付きながらも、明の後を追った。明は猫を見てナイフを取り出し、廃ビルに入っていった。拳銃を手にとある部屋に突入した笹塚は、筒井と共に明を拘束。現場の状況から判断すると、明がペットなどの動物を殺して、箱詰めにしていたことは明らか。笹塚は、ついにサイの正体を暴いたと思った。だが、明のアリバイが成立したため、保釈せざるを得なくなってしまう。 しかし、アリバイ成立の要因となったコンビニの監視映像が、明によって改造されていたことが判明。例の廃ビルにやって来た明が、再び拘束された。その室内で、祖母の他殺死体を発見した笹塚たちは、明を追及する。これに対し、明は、サイのマネをして動物で実験し、ついに人を殺すことが出来た、と興奮した。 この様子を見ていたネウロは、弥子の指を操り、笹塚と一緒に明を追及していた筒井こそが連続殺人犯のサイだと告げて――。
警官が射殺され拳銃が奪われる事件が3件続けて発生。いずれの現場でも、『コップキラー』と書かれた貼り紙が発見された。弥子は、ネウロと共に興味津々で現場に出動。先乗りしていた笹塚によると、犯人は血だまりを踏んでおり、血痕はバイク置き場まで続いていたという。ネウロは、用心深い犯人がなぜ今回に限って証拠を残したのか、首をひねった。 刑事の笙子と杉田は、署に届いた匿名の手紙のことを笹塚やネウロに明かす。その手紙はいわゆるタレコミで、コップキラーが、改造拳銃の所持で逮捕歴がある拳銃マニアの横井剣次だと書いてあったのだ。 笹塚の了解を得た笙子と杉田は、直ちに横井の住むアパートに出発。ネウロと弥子も2人の後を追った。2人に遅れてネウロたちが到着すると、2発の銃声を聞こえてきた。そこには、射殺された横井と肩を撃たれた杉田が倒れており、笙子がショックでへたり込んでいた。 笙子の証言によると、横井は訪ねた笙子をいきなりスタンガンで倒して逃走。横井と追跡した杉田が相撃ちになったらしいのだ。そして、横井の使用した拳銃が、一連のコップキラー事件で使用された物と判明。また、横井が履いていたスニーカーから、前夜、撃たれた警官の血液が検出された。 警察は、アリバイのない横井が警察官連続殺人事件の真犯人と断定。事件は一件落着かと思われた。だが、ネウロは、意外な人物が、コップキラーだと言い出して――。
歌詞が日本語であるにもかかわらず、世界中の人間を虜にしてしまう歌姫、アヤ・エイジア――弥子や吾代も大ファンのそのアヤが、突然、事務所に姿を見せた。目的は、自分の周辺で発生した2件の変死事件の『謎』の究明。警察は、現場の状況を調べた結果、2件とも自殺として処理していた。 アヤの話によると、2つの事件が発生したのは、3年前と昨年。死亡したのは、アヤが新人の頃から世話になっていたプロデューサーの台島拓郎と、マネージャーの大泉ひばりの2人だった。いずれの事件も、アヤが歌っている最中に事件が発生し、アヤが死体の第一発見者になっていた。話を聞いたネウロは、直ちに調査依頼を了承し、話の続きを聞くためにアヤと一緒に所属事務所に向かった。 途中、アヤは、自分の楽曲のヒットの秘密を明かした。アヤは、どんな環境でも常に孤独を感じている人間の脳が、特定の波長に強く共鳴することを突き止めたという。つまり、その脳と共鳴する波長を含んだメロディー、リズム、音色、歌唱法などを組み合わせて楽曲を作れば、国や人種を越えて、ヒットを生み出すことが可能だというのだ。 アヤの事務所に到着したネウロと弥子は、笹塚と石垣が来ていることに気付いた。マネージャーの三木によると、笹塚の目的は、最近、アヤの周りで頻発している悪質なイヤガラセの捜査だった。 笹塚から入手した資料には、自殺した2人の死亡時刻ははっきりしており、その時から現場には誰も入っていない。そして、不審者もいなかった。捜査資料を見ただけで2つの事件の真相を掴んだネウロは、まずイヤガラセ
イヤガラセ事件を起こした糸田が変死事件とは無関係と判明した。弥子は、アリバイを崩せないながらも、アヤへの疑念をふくらませた。ネウロは、弥子を連れて向かった先は、アヤのライブを生中継で放送するテレビ局の特設スタジオ。 ネウロと弥子が客席の最前列に陣取ったステージ上で、アヤのライブが始まった。観客は感動の渦に包まれ、弥子も目に涙を浮かべる。ネウロは、歌い終えたそのアヤが拍手に包まれるのを見て、行動を開始した。弥子をステージ上に投げ上げたネウロは、そこで犯人を指すよう命令。弥子は、ハッキリと犯人がアヤだと言い放つ。 ハプニング発生に、番組は急きょCMに切り替えられ、スタッフが弥子目掛けて突進する。これを制止するアヤ。すかさずステージに駆け上がったネウロは、観客が見守る中、2つの事件の謎解きを始めた。 ネウロが注目したのは、2つの事件現場の天井のパイプに付いていたフックと、現場の流し台近くに置かれていた大きなポリタンクとホース。ネウロの推理では、アヤは被害者・台島とひばりの首を絞めて気を失わせた後、中間にフックを取り付けたロープでその首を縛り、天井を走るパイプに掛けた。そして、反対にたらしたロープにポリタンクをくくりつけ、その中にホースを差し込んで蛇口をひねったアヤは、そのまま現場から離れてアリバイを作った。タンクに水が溜まるに従って徐々に首吊り状態になって死亡する2人の被害者。しばらくして、第一発見者として現場に入ったアヤは、犯行の後始末をし、事件発生を警察に通報した、というわけだ。 だが、事件のトリックを
ドラマ出演のためテレビ局に来ていた女優の西田芽衣が局内で殺害され、共演者の野間薫子が容疑者として取り調べを受けた。芽衣と薫子は、ライバル同士。今回のドラマも、激しい争いの末に主役になった芽衣が殺されたことで、その座が回ってきた薫子が疑われていた。 薫子のマネージャー・入山芳恵に調査を依頼されたネウロと弥子は、さっそく問題のテレビ局にやって来た。現場で聞き込みをしていた笹塚の話によると、遺体発見現場は、芽衣の楽屋で、死因は絞殺。ロープ状のモノと思しき凶器は、まだ発見されていない。犯人が窓から侵入したことも考えられたが、現場は25階で外壁を下から上がってくるのはまず不可能。現場の上階、26階は収録スタジオと衣装部屋になっていた。監視カメラの映像には、事件の少し前、衣装部屋で着替えた芽衣が、エレベーターを使って楽屋に戻っている様子が映っていた。この後、約30分、遺体第一発見者のマネージャー・内藤麻美が訪れるまで、誰も現場に入っていない。内藤の犯行とも考えられたが、中に入ってものの数秒で飛び出したことから、犯行は無理と判断されていた。 薫子ファンの吾代を監督に、弥子を出演者に仕立てたネウロは、テレビ局の外壁、屋上などの調査を念入りに進め、さらに監視カメラの録画映像を何度もチェックした。弥子は、共演者の幕田が以前芽衣と交際していたと知り、男女関係のもつれの線もあると考えた。 少年時代の淡い思い出がある吾代が薫子の演技を大絶賛。一方入山は、薫子との関係を弥子に明かした。元新体操の選手だった入山は、女優を目指したが結
ネウロと弥子の事務所に、怪盗サイの名前で、『最後の自分像』を盗むとの犯行予告の手紙が舞い込んだ。『最後の自分像』というのは、まだ製作途中と言われている彫刻家・絵石屋塔湖の石膏像のこと。絵石屋自身は、1年前、自分のアトリエで、作品の下敷きになって死亡していた。 さっそく絵石屋の屋敷を訪ねたネウロらは、未亡人の妙から話を聞いた。邸内には、妙の兄で絵石屋のマネージメントをしていた一茂、弟でフォーク歌手をしている泰次、同じく弟で格闘家を目指す利参、そして、妙の娘の由香が同居。弥子は、妙の兄弟たちの自分勝手な強欲ぶりを知り、ア然となった。 アトリエで『最後の自分像』などを見る中、弥子は、自分の作品のバランスの悪さを一番良く知っている絵石屋が、その下敷きになるはずがない、と推理。由香が絵石屋を毛嫌いし、妙にも新しい恋人がいると知ったネウロは、この屋敷で再び事件が起こるとにらんだ。 その夜、ネウロの予想通り、新たな犠牲者が出た。殺されたのは妙。翌日、再び屋敷に出向いたネウロは、犯人を特定したらしく、夜に謎解きをすると告げる。弥子は、それまでの間、屋敷に隠された秘密を探ろうとやっきになった。自分が妙と絵石屋以外の男との間に出来た子供だという由香。つまり、屋敷内には絵石屋と血が繋がった人間は誰もいない。魔界盗聴器で、屋敷内に絵石屋の隠し財産があるらしいと知ったネウロは、ようやく謎解きをする準備を整えた。 そんな中、池の鯉や犬に変身していた怪盗サイは、ネウロの様子をじっと観察していた。実は、以前、刑事に姿を変えていたサイ
弥子の指を操り、犯人が一茂だと告げたネウロは、夜のアトリエに関係者を集めて、謎解きを始めた。ネウロが犯人のトリックの再現に使ったのは、スピーカーとマイク、そして、像の影絵フイルムを仕込んだライト。ネウロの解説によると、一茂は、暗くしたアトリエの中でライトに仕込んだ像の影を映し、その像が実際に倒れるのを絵石屋に分からせないようにして、殺害したのだ。 ネウロの追及に犯行を自供した一茂は、家族を殺して間引けば遺産の取り分が増えると告げ、正体を現す。ネウロは、いつものように怪鳥に変化し、謎オーラが出ている一茂の頭にパクリと食いついた。 犬に化けてこの瞬間を待っていたサイは、人間の姿に戻ると、ライフルでネウロを狙い撃った。ネウロが倒れるのを見た笹塚は、直ちに持っていた拳銃でサイの両肩、両足の関節を打ち抜く。しかし、近寄ってきた利参を使って復活したサイは、発砲する笹塚を倒し、落としたライフルを拾い上げて、倒れているネウロに銃口を向けた。 そんな中、弥子は、サイの出鼻をくじくように、『最後の自分像』を盗もうとした理由を問い質した。これに対し、サイは、憎悪に満ちていた絵石屋の作品に共感したからだ、と説明。その作品は結婚を機に変化し、石膏の『最後の自分像』が生命力に溢れていたからだと回答した。そして、像を壊して中から1億円相当の虹メノウのネックレス取り出したサイは、絵石屋がこれを由香のために残した、と明かした。サイからネックレスを受け取り、自分が絵石屋の本当の娘だったと気付いた由香は呆然。 その間、サイは、ネウロに延長戦を
商店街の福引大会で温泉旅行のチケットを当てた弥子らは、山あいにある旅館にやって来た。宿泊客は、ネウロ、弥子、吾代、あかねの他、宿に向かう途中に顔見知りとなったデイビッド・ライス、露木さくら、池田蘭子、伊原則之の大学生の4人組。蘭子らは、ゼミ仲間で、デイビッドは留学生だという。弥子らは、何かに脅えているようなさくらのことが気になった。 温泉に入り食事をした宿泊者たちが部屋に戻って程なく、弥子やネウロは、デイビッドがさくらの部屋のドアを叩き、大声で叫んでいるのに気付いて駆けつけた。仲居が合鍵でドアを開けた部屋の中では、さくらが倒れていた。ネウロは、部屋の中の臭いから、窒息性の毒ガスが充満していると気付いた。 さくらの死を知った蘭子や伊原は、自殺の可能性を口にした。実は、さくらは最近、何者かに、中傷のビラを撒かれたり、夜道をつけられるなどのストーカー行為を受け、精神的に参っていたようなのだ。 さくらの部屋を検証し、ガスの元が入っていたと考えられるビンを見つけたネウロは、事件が殺人だと断言した。しかし、窓が開かない現場は、鍵が内側から掛けれていたため、密室状態。その上、さくらがなぜドアを開け、ガスが充満している部屋から脱出しなかったのか、という疑問が残った。 弥子は、現場の机の上にあった電卓に、“911333”と打ってあるのを発見した。これを見たネウロは、弥子の指を操り、ある人物を犯人だと告げて――。
温泉旅行の帰り、霧が深い霧神湖の近くを通りかかったネウロら4人が、交通死亡事故現場で巨大な竜を見たという運転手と会った。地元の老人は、湖畔に恐竜博物館が出来たことを怒る竜神様の祟りだと言う。この事故に謎の臭いを感じたネウロは、さっそく恐竜博物館に立ち寄ってみた。 霧神湖に“キッシー”と呼ばれる恐竜が生息しているとの噂があったことから、博物館の駐車場にはその像が設置されていた。館内には首長竜の骨格標本や化石などがあり、偶然キッシーファンの石垣に出会ったネウロらはそのハシャギぶりにビックリ。 館長・霧原の案内で、ガラス越しに湖の中を覗くことができる湖底水族館に行ったネウロらは、水中を漂う男の上半身の死体を発見した。すぐさま、博物館周辺を調べたネウロらは、犯行現場を屋上と特定し、建物の壁に死体が滑り落ちたような血の跡を見つけた。死体は、何かによって引き裂かれた感じで、下半身部分は湖の沖で見つかった。 警察の捜査によると、被害者は、霧原の幼なじみで、博物館に展示されているキッシーの模型や骨格標本のレプリカの制作や修理を行っている溝口という男。館内にいる溝口を見かけたとの目撃証言を元に考えると、犯人は、霧原を含めた博物館の職員と2人の観光客の中にいると思われた。傷口の状況から、屋上で死体を切断した犯人が相当量の返り血を浴びている可能性があったが、誰にもその様子がない。館内からは、それらしき凶器が発見されていなかった。 そんな中、ネウロは、事件が発生した頃、館内のエレベーターが動かなくなったと知り、思わずニヤリ。
雑居ビル内にあるネットカフェで火災が発生。鎮火直後の現場に行ったネウロと弥子は、捜査中の刑事・管野の話から、この火災が最近世間を騒がせている連続放火魔の仕業によるものだと知った。消防の発表によると、犯人は無臭で液体状の可燃物をばら撒いて火を付けたらしく、焼け方が一番ひどい場所は非常階段付近で、店内の個室にいた8人が重体。管野は、その周辺の通路に火をつけた犯人が、そのまま非常口から逃げたと推理した。 この火事の際に運よく逃げ出したのは、通常の出入り口から脱出した塗装工の穂村、予備校生の比田、会社員の厚木の3人。この生存者たちから話を聞いたネウロは、事件当時にいた個室に入ってもらいたい、と依頼。さらに燃えた現場を検証したネウロは、犯人が可燃性の液体と不燃性の石綿を使って炎の道を作り、それを上手に回避して通常の出口から逃げ出していたことを突き止めた。 店の廊下にアミダくじの線のように伸びる焦げ跡の、スタート地点の個室にいた人物は、穂村。ネウロは、火炎放射器を持ち出して暴れる穂村に、地獄の魔術を使って反撃。まもなく、逆に火傷をした穂村が、管野によって逮捕された。 そんな中、それまで比田を名乗っていた男が、自分が警視庁情報犯罪課の刑事・ヒグチだと正体を明かした。ヒグチは、人間がパソコンに操られている〈電子ドラッグ〉について調査中。その説明によると、連続放火魔として逮捕された穂村も、パソコン内で作り出された犯罪者制作プログラムの影響を受けているらしい。 吾代の情報網を使って調べた結果、ネウロが目を付けたのは、脳研
電人HALの謎を喰おうとして失敗したネウロは、その原因が3ヶ所のスーパーコンピューターにあると分析した。その3台のスパコンは、電人HALを守るガード役。電人HALに近付いた時、ネウロは、その3ヶ所から大量の妨害データを叩き込まれたのだ。 一方、笛吹や石垣は、電子ドラッグのプログラムに人々が犯された場合、日本が凶悪犯罪大国になると見て、危機感を募らせていた。だが、ひぐちは、完璧な電子ドラッグが完成する前に、発信源を特定するか、特効薬のプログラムと作ればいい、と言う。笛吹らは、不敵に微笑むひぐちに頼るしかなかった。 ネウロは、電人HALを倒すため、まずHAL本体よりガードが薄いと思われるその3台のスパコンを先に駆除しようと考えた。だが、ガードが薄いとはいえ、その3ヶ所には電子ドラッグに犯された人間がガードしているのは確実だった。 最初のガード役がある未来物理研究所に行ったネウロは、予想とおり電人HALに脳をコントロールされている兵隊たちの反撃を受けた。ネウロは、銃撃を受けながらも、『魔界777ツ道具』のイビルリフレクターを使って兵隊たちを撃破し、最初のスパコンの破壊に成功した。 ところが、電人HALは、意外な反撃に出た。電人HALは、なんと電子ドラッグのワクチン開発に着手していたひぐちを逆に襲って取り込み、より強力な電子ドラッグを作るよう命じたのだ。まもなく、何も知らずに2番目のスパコンがある企業にやって来たネウロは、ひぐちが開発した新電子ドラッグに犯された人たちに襲われて――。
橋の下に転落したネウロが無数の電子ドラッグ中毒者に襲われた。一方、弥子は、子供の頃、両親を殺したというヒグチの話を聞いていた。 ヒグチの両親はネットゲームにどっぷり浸かり、仮想の世界でしか生きられなくなっていた。そんな両親に反発し、ネットゲームのサーバーに侵入して10年分のデータを全て破壊。生きる世界を失くした両親は、絶望して自殺したらしいのだ。 そして弥子は、HALをガードするスパコン“2体目のスフィンクス”がヒグチの操縦していた大型のトレーラーの中に設置されていることに気付いた。 リモコンで第2スフィンクスを操り、さらに奇妙な騒音で電子ドラッグ中毒者をコントロールするヒグチ。弥子は、リモコンの奪取を試みるが、上手くいかない。 だが、ヒグチは、弥子の意外なひと言でフリーズしてしまい――。
ネウロ、弥子らが搭乗するヘリは、電人HALの居座る原子力空母から発射されたミサイルを受けて大爆発。だが、弥子と吾代を抱えたまま別のミサイルに掴まったネウロは、レーダー妨害装置を使い、無事空母の甲板に着地することに成功した。 ネウロは、すぐに吾代に、船内地下にある第3のスフィンクスであるスパコンを破壊するよう命令。自らは、スフィンクスの電脳空間に侵入した。そして、吾代がスパコン本体にダメージを与えると同時に、ネウロは、3番目のスフィンクスを倒した。 連絡を受けた弥子は、直ちにパスワード画面と向き合い、自分が解いたパスワードを入力した。HAL本体にアクセスすることに成功したネウロは、電脳空間で電人HALと激しいバトルを開始。HALを作動不可能の状態にし、良質のナゾをたらふく食ったネウロは、パワー全開で、電子ドラッグ中毒の兵士たちをなぎ倒した。 そんな中、弥子は、瀕死の状態となったHALに対し、自分が調べた刹那という女性の名前を告げた。すると、HALは、自分と春川教授との係わりを、静かに明かし始めた。 刹那は、尊敬していた本城博士の娘で、春川が愛してしまった相手。その刹那が脳の病気で死亡したことから、春川は、脳科学とコンピューターサイエンスの融合で、デジタル世界に生き返らせようと考えた。その目的で作ったのが、HALだったのだ。しかし、思い出だけを頼りに刹那をゼロから作り出すことが無駄な挑戦だと気付いたHALは、春川を殺害。それ以降、HALの暴走が始まったというわけだ。まもなく、HALは、電子ドラッグのワクチン
神経毒によるものとみられる変死事件が発生。事件の第一発見者の弥子と共に現場に行ったネウロは、被害者が赤い机の引き出しに首を突っ込んで死亡している状況を見て、捜査に乗り出した。 ネウロが興味を抱いたのは、サイの犯行と見まちがうほどの赤い机。あかねに調べさせた結果、その机を作ったのが池谷という家具職人だと知り、さっそくその店を訪ねた。 トロイの木馬にちなんで“トロイ”と命名された現場の赤い机の素材は、精密な加工が可能なエボニー材。池谷の話によると、トロイの前の持ち主も同じように変死していたらしい。家具を女性のように考える風変わりな池谷は、情熱を込めた自分の作品が持ち主を殺してもおかしくない、と言い切った。 そんな折、池谷を訪ねてきた後輩職人・大塚の話から、トロイの内部に秘密が隠されていることが明らかになった。それは、引き出しを開閉する際の空気圧を巧みに利用した隠し扉。池谷の店の机の隠し扉からカードを発見したネウロは、書かれている文字の翻訳をあかねに指示。笹塚ら捜査陣は、隠し扉を利用すれば殺人が可能と見て、取り調べを開始した。 そして、池谷の店から、殺人に使われた神経毒が発見されたことから、池谷が犯人の可能性が高まった。しかし、ネウロが知ったカードの文字の内容は―――。
都内の公園で女性の刺殺事件が発生。被害者の顔が硫酸で焼かれていたことから、笹塚らは、顔を復元して捜査をすることになった。 その頃、弥子は、整形手術を受けるという同級生・絵梨の付き添いで、黒尾形整病院に来ていた。受付をしている院長・黒尾独太の妻・美野に話しかけられた弥子は、その美しさに思わず見とれる。絵梨の話によると、この病院で手術を受ける患者は、全員が黒尾の理想の女性である美野に似てしまうとか。絵梨の手術中、弥子は、美野から様々な話を聞きながら、終了するのを待った。 まもなく、笹塚に会った弥子は、硫酸で顔を焼かれた女性被害者の顔の復元写真が、美野とそっくりだと知り、ア然。さらに、顔を焼かれた別の女性被害者もやはり美野に似ていることに気付いた。笹塚の調査によると、最初の被害者は、都内在住の専業主婦・飯島玲子、2番目の被害者は、黒尾の病院で手術を受けた女子大生・徳那賀香。玲子に関しては、整形手術をした形跡は皆無であったが、黒尾の高校時代の同級生であることが分かった。 話を聞いていたネウロは、美野が玲子に似せて黒尾に整形されたと推理し、弥子に病院で潜入捜査をするよう命令。患者になりすまして病院のカルテを調べた弥子は、黒尾が美野を実験台にしてさまざまな整形手術を繰り返し、最後に玲子と同じ顔にしていたことを突き止めた。 吾代の調査で、美野が浮気性の黒尾の素行調査を興信所に依頼していたと知ったネウロは、ようやく、事件の真相を掴んだ。ネウロに操られた弥子の指は、「お前が犯人だ」と叫ぶや、黒尾の方を指し示すが――。
雑誌記者をしている母・遥が南米で逮捕されたと知った弥子は、ネウロに内緒でその国に乗り込み、捜査を開始。遥が収容されている刑務所近くで取材中の女性記者・筧美央から事件の異様な状況を聞かされる。 魔女の写真を手に入れるためにこの国にやって来た遥は、遺跡調査に同行し偶然その写真を撮ったという男・ラリッタとコンタクトを取った。ところが、カフェで写真の買い取りを交渉中、ラリッタが毒殺されたため、遥は殺人容疑で逮捕されてしまったというのだ。 魔女と言われている女とは、20年前、村人たちに惨殺されたとの噂と共に姿を消した役場の若い職員・セレンのこと。その1年後、セレンの遺体は 、遺跡の中の石室内で白骨化して発見されていた。弥子は、刑務所内を移動中の遥から、ラリッタが撮ったらしい折り畳まれた魔女の写真を受け取るが、肝心の顔の部分が潰れていてよく分からなかった。 そんな中、弥子と未央は、反政府ゲリラに拘束されてしまい、銃口を向けられて絶体絶命。だが、アカネの連絡でやって来たネウロと吾代に救出された。そんな折、問題の遺跡に天然ガスのパイプラインを通す計画があり、反対運動が起きていることが分かった。反対派のリーダーは、遺跡調査団の一員で考古学者の鎌田。殺されたラリッタが鎌田の付き人だと知ったネウロらは、事件解決の糸口があるのではないかと考えた。 鎌田によると、20年前の魔女騒動は、遺跡近くのシャラート村の若い司祭が、セレンにフラれた腹いせに「魔女だ」と言いふらしたのが発端。セレンは、流言飛語による集団ヒステリーの被害者だっ
魔女の秘密を解き明かしたい弥子、吾代、美央がシャラート村に向かう中、ネウロは、遅れて到着した笹塚、石垣の情報を元に、事件現場となったカフェで捜査を進めていた。被害者のラリッタが席の予約をしていたと知ったネウロは、そのテーブルの下でトカゲの尻尾を発見。カフェに来る常連客の顔を知るウエートレスから話を聞いたネウロは、ある人物に容疑の的を絞った。 その人物は、事件当時のアリバイがあった考古学者の鎌田。ウエートレスの話によると、鎌田は、事件の前日まで1週間、毎日カフェに現れ、いつも事件があったテーブルに座っていた。そして、帰った後、テーブルの下には、必ずトカゲの尻尾があったとか。 ウエートレスの証言を聞いたネウロは、ラリッタ殺しの犯人が鎌田だと断定し、カフェに呼んで謎解きを始めた。鎌田が使った凶器は、自宅で飼育している毒ガエル。この毒ガエルをトカゲで餌付けして調教した鎌田は、事件当日、ラリッタを問題のテーブルに座らせ、噛み付かせていたのだ。 鎌田がラリッタを殺した動機は、パイプライン推進派から受け取る多額の裏金。表向き、声高らかに工事中止を訴えていた鎌田は、魔女の写真を撮ったと騒いだラリッタがジャマになり、口を封じていたのだ。 その頃、シャラート村に到着した弥子らは、村長のペドロ、司祭のチャランゴらから、20年前の話を聞いていた。セレアの死因は、噂どおり、村民らによる拷問。日本人の建築家は、セレアの死を知り、肩を落として日本に帰ったらしい。ところが、出された飲み物に口を付けて昏倒した美央が、突然、チャランゴに
遺跡内の広場で、チャランゴと仮面をかぶった村人たちに捕まり、それぞれ箱の中に押し込められる弥子と美央。まもなく、美央を一方的に魔女と断定したチャランゴは、巨大な落し蓋をその箱の中に置いた。 絶叫と共に、箱のすき間から流れ出る美央の血。これを見て失神する弥子の箱の上にも、同じような蓋が運ばれて来た。 その時、突然、美央が入れられた箱の蓋が吹っ飛び、血の雨の中から思わぬ人影が現れた。 箱のそばで縛られていた吾代は、それがサイだと分かり、ア然。サイは、村人たちを次々と倒し、最後に残ったチャランゴを例の箱の中に押し込め、そこに蓋を置いて殺害する。 そして、箱の中から弥子を担ぎ出したサイは、吾代を蹴り倒し、そのまま遺跡中央にある螺旋階段を降り始めたが―――。
人間の形を留めない怪物に変身したサイの攻撃で、串刺しにされたネウロ。その顔にヒビが入るのを見た弥子は、止めを刺そうとするサイの注意を引き、反撃の時間稼ぎをしようと、これまでの謎の解明を始めた。 サイが弥子の父親・誠一を殺した犯人だということ、鎌田教授が20年前に見た日本人建築家が誠一だったということ、ラリッタが見た魔女がセレンに変身したサイだったこと… そして、サイがセレンの子供だったということ――。さらに弥子は、サイの精神分析までして見せた。 まもなく、笹塚と一緒に到着した吾代が、サイに向けてバズーカ砲を発射したことから、遺跡がさらに崩れ、内部に地獄から上ってきた瘴気が洩れ始めた。この瘴気が、人間にとっての酸素と同じだったため、瀕死の状態だったネウロが完全に復活し、サイに反撃を始めた。 慌てて必殺の爪攻撃でネウロへの攻撃を再開するサイだったが―――。