ドイツ国防軍の諜報機関アプヴェアに所属するヘルマン・ヴォルフ大佐は、
副官を務めるヨハン・バウアー中尉とともにベルリン郊外で起きた列車事故の調査に赴く。
そして事故に関係するとみられた男の持ち物から、あるスパイ道具を見つけ出す。
男は〝真木克彦〟という日本人の死体から盗んだと自供する。
かつて、〝魔術師〟と呼ばれた謎の日本人スパイによって右目を奪われたヴォルフは、
〝魔術師〟こそがD機関を設立した結城中佐であり、真木はその部下であると主張する。
ヨハンは、それがヴォルフの妄想に過ぎないのではないかと疑念を抱くが……。