全てを錆びつかせる〈錆び風〉が吹き荒れる日本。異形の僧侶がひとり関所を通りがかる。 その背には僧に似合わぬ弓矢があった。 一方、忌浜の街で医院を営むミロは、錆に侵された姉パウーを救うため秘密裏に新薬を研究していた。 そんな彼の前に現れたのは……。
指名手配犯・赤星ビスコの弓矢が咲かす巨大キノコのテロによって、大混乱する忌浜の街。ビスコは重症の師匠ジャビを救うため薬を調剤できる医者を探していた。 医院に乗り込みミロに迫るビスコだったが、そこに騒ぎを聞きつけた黒革知事の親衛隊が駆けつける。
忌浜自警団長のパウーは単身ビスコに猛攻をかける。 そんな中、どんな錆でも浄化する伝説の霊薬キノコ『錆喰い』の存在をジャビより知らされたミロは、姉を救う手がかりだと確信する。 激しい戦いを切り抜け合流したビスコに、ミロは自らの決意をぶつけて……。
伝説のキノコ『錆喰い』を求めてビスコとミロは東北に向かっていた。仲間の大蟹アクタガワと合流するも騎乗訓練では悪戦苦闘するミロだが、その優しさで心を通じ合わせる。 その夜、日光戦弔宮で休もうとしたふたりは忌浜で出会ったクラゲ髪の少女と再会する。
東北に向かってカルベロ貝砂海を進んでいくビスコとミロは、その途上で〈テツジンの街〉にたどり着く。大人のいない、子供だけが暮らす寂れたその町は、凶暴な生物トビフグの脅威に晒されていた。その頃、ふたりを追うパウーは道中で不思議な夫婦に出会う。
〈テツジンの街〉で入手した情報をもとに、さらに北を目指すビスコとミロ。ふたりは雪に閉ざされた霜吹県で、凍えて死にそうになっていたチロルと再会する。 チロルの協力を得たふたりは、『錆喰い』があるという旅の最終目的地・子泣き幽谷の目前へと迫る。
ついに子泣き幽谷にたどり着いたビスコとミロの前に現れたのは、龍ほどの体躯を持つ双頭の神獣『筒蛇』だった。 そこにタイミング悪くふたりを追ってきたパウーが登場。パウーを巻き込んで筒蛇との激戦が始まる。 一方で黒革も彼らに追いつこうとしていた……。
黒革の放った銃弾によって重傷を負ったビスコ。捕らえられたパウーとジャビを助け出すため、ビスコを残して敵地に乗り込むミロだったが、そこには黒革が周到な罠を張って待ち構えていた。そして黒革はミロに、自身の野望とキノコ守り迫害の秘密を語り始める。
黒革の罠により窮地に立たされるミロ。再び捕らえたジャビに黒革は、日本を覆った〈錆び風〉の元凶とされる防衛兵器〈テツジン〉を使った、恐ろしい計画の一端を見せつける。誰もが黒革を止められないと絶望したその時、ある人物が黒革の前に現れる……。
黒革と刺し違え、ビスコは〈テツジン〉の炉へと散った。 暴走する炉、崩壊を始めるドームから間一髪で脱出したミロたちだったが、ビスコを喪った悲しみに暮れる暇もなく次なる試練が襲い掛かる。 ビスコ亡き今、ミロは残された自分には何が出来るかを自問する。
復活した〈テツジン〉はすべてを次々に破壊して進む。このままだと再び日本は錆に呑まれてしまう……。 ビスコの魂を受け継いだミロは果敢にテツジンに立ち向かう。ジャビやパウー、駆けつけたチロルとも協力して、暴走するテツジンを追い詰めていくが……。
忌浜を目指して進む〈テツジン〉。侵攻を阻むべく、ミロはボロボロになりながら幾度も猛攻を受け止める。 しかしついにミロが力尽きようとしたその時、テツジンの中からビスコが復活する。 ビスコとミロのふたりが揃い、ついにテツジンとの最終決戦が始まる!