青い海の広がる千葉県・鴨川市。 青い海に、カモメの舞う千葉県・鴨川市。京乃まどかは、鴨川女子高等学校・ジャージ部ただ一人の部員として、人命救助から部活の助っ人まで、今日も朝から大忙し!明るい人柄でみんなから頼りにされるけど、部員が一向に増えないのが悩みのタネだ。 そんなまどかの前に現れた、謎の美少女ラン。ジャージ部に興味を示し、あっさり入部したランは、同志ができたと感激するまどかに問いかけた。「あなた、ロボットに乗れる?」 ランとまどかが向かった先は洋上プラント“ファロス”。そして、その奥には、光り輝く翼を持つ機体“ウォクス・アウラ”があった。さすがに戸惑うまどかだが、ついにウォクスに乗り込む。ランに鴨川の名所を案内したいという、まっすぐな一心で! その時、衛星軌道上からファロスに接近する物体があった。ウォクスに乗り込み、大空へ飛び立つまどか。ジャージ部魂で戦うまどかはウォクスに秘められた力を引き出し、鴨川を守ることが出来るのか!?
「勝ったよお!」ぶっつけ本番の大勝利にノリノリでファロスへ帰還したまどか。しかし、彼女を優しく迎えたのはランぐらいで、ファロス司令官の田所、そしてランと共に地球へ派遣されたモイドは、次なる戦いに備えるよう、まどかに通達までする始末。騙されたとむくれるまどかだったが、秘かにファロスに潜入していた少女、ムギナミと別れた直後、ひとりで悩むランの姿に胸をうたれ、再びウォクスに乗る決意をかためる。 迎えた二度目の戦い。「君の肩に、地球の未来がかかっている」と田所司令にプレッシャーをかけられたまどかは、どこか本調子をだせず、イゾが乗る敵機「ウォルンタス」から逃げ回ることしかできない。あげくにウォクス・アウラは機能を停止、まどかは機体ともども鴨川の海に沈んでしまう。「どうすればいいんだろう?」意気消沈するまどかのもとに届いたのは、まどかを誰よりも知る、従姉妹のようこからのメッセージだった……!
ようこの言葉で元気を取り戻し、再び戦いへ戻るまどか。彼女の前に現れたのは、デ・メトリオ恒星系から来た3人のリーダー格、キリウスの搭乗するオービッド、リベルタスだった。卓越した操縦技術でウォクス・アウラを圧倒するキリウスは、自分たちの星へアウラと共に来てほしいとまどかに迫る。だが、鴨川に突然現れて自分の要求ばっかり!とまどかはカンカン。交渉は決裂し、まどかは鴨川市街を守りながら、キリウスの攻撃をかわしつづける。 まどかの必死の戦いぶりを苦渋の思いで見つめていたランは、まどかを巻き込んだ自責の念にかられてウォクス・リンファで発進する。イゾが操るオービッド、ウォルンタスの追撃をかいくぐってでも、まどかに伝えたい言葉が、ランにはあったのだ。まどかの想いに応え、ついにウォクスに対する恐怖心を克服したランは、まどかに「同志」と呼びかける。その時、ウォクス・リンファに奇跡が起こる!
まどかのクラスに、ピンクの髪のふわふわ少女、ムギナミが転入してきた。以前ファロスの格納庫に潜入していたムギナミからまどかを守るため、ランは独自にムギナミの監視を始める。 一方、ファロスの田所司令は鴨川女子高校に出向き、担任のまちこらを交えて、まどかに引き続きウォクスの操縦を任せるかどうか、話し合いがもたれた。従姉妹のようこの「ジャージ部、宇宙デビュー」という言葉に背中を押されるまどか。 翌日は、鴨女恒例の遠泳大会。思わぬトラブルに巻き込まれたまどかを助けたのはムギナミだった。抜群のプロポーションを見せつけるだけでなく、まどかに迫る勢いの水泳技術で人命救助までやってのけるムギナミ。感心したまどかは「あなたみたいな人を待ってたの!」とジャージ部に勧誘する。ジャージ部入部を快諾するムギナミとまどかの距離は急接近!置き去りにされ、思わずライバル心をむき出しにしたランのとった行動とは…。
ランとムギナミとまどか、3人のジャージ部活動がスタート!念願の部室も与えられ、大喜びのまどか。その楽しい学園生活の裏で、ムギナミの調査を進めていたランは、わざとムギナミと2人きりの状況を作り、彼女に詰め寄った。シリアスに迫るランに対し、いつも通りの口調で答えるムギナミ。ウォクスのメモリアを得て、操縦者の資格を得たこと。そして、彼女の「お兄ちゃん」が来ると、鴨川が大きな災いに見舞われてしまうことも……。 そんな2人の会話をつゆ知らず、まどかは海岸で浩と飲んだくれる男と知り合う。男の名はヴィラジュリオ。海岸のゴミ掃除を手伝ってくれたヴィラジュリオをまどかは浩の店に案内するが、彼こそがムギナミの「お兄ちゃん」であり、居合わせたランにとっては因縁めいた「敵」だった。あっけにとられるまどかを尻目に、ムギナミは悪びれた様子も無く秘密を明かし始めるが、事態は、ムギナミの思い通りには行かなかった……。
「ムギナミの仇討ちだよ!」ムギナミの気持ちを踏みにじったヴィラジュリオに一泡吹かせようとファロスに向かうまどか。ファロスはウォクスを破壊しようとするヴィラジュリオからの攻撃を迎撃する態勢を備える。最初はヴィラジュリオと戦うことに躊躇していたランも、まどかの覇気に押されて、「ぶっ倒そう!」と誓いあう。 夜明けとともに、ヴィラジュリオは無数のオービッドを鴨川に降下させる。まどかとランはウォクスで出撃、敵を次々となぎ払うが、あまりにも敵の数が多すぎる。そこへ飛び込んできたのは、ムギナミの乗ったウォクス・イグニスだった。ヴィラジュリオに裏切られた悲しみにまかせて、片っ端からオービッド群を蹴散らしていくイグニスだったが、ヴィラジュリオの操るオービッドにはどうしても立ち向かえない。激しい戦闘の中、またしてもすれ違うまどかとムギナミの気持ち。その瞬間、ウォクスに予想しえない異変が起きる――。
激しい戦いから一転、病室でムギナミは幼い頃の夢を見ていた。それは、故郷の惑星でのヴィラジュリオとの思い出……彼はムギナミに「微笑み方を教えてくれた」。冷たく突き放された今でも、ムギナミにとってヴィラジュリオはかけがえのない存在なのだ。 かたや、ムギナミの胸のうちを汲み取れないまどか。ランはヴィラジュリオの意外な過去を語ってきかせるが、まどかは首をひねるばかり。 そんなまどかは、プールに放たれた大量のウナギを捕まえる仕事をまちこから頼まれる。まどかはムギナミなしで、ランと2人で片づけようと息巻くが、まちこの「どこに置いてきちまったのかな……ジャージ部魂」という一言にハッとさせられてしまう。自分が間違っていることに気づいたまどかは、すぐに謝ろうとムギナミを探し、ジャージ部の部室でばったり再会する。気まずい空気が流れつつも、一緒にお風呂に入る二人。そのとき、ムギナミがおもむろに口を開き始めた……。
すっかり心を通わせたまどか、ラン、ムギナミの三人は絶好調!今日もじゃれ合う様にウォクスの飛行訓練をこなしていると、急いで基地にもどれと指示される。ファロスの上部組織・ノウムンドゥス財団の会長代理アステリアが、突然訪ねて来たからだ。どう見ても十歳ぐらいの少女にしか見えないアステリアは、その強烈なキャラを存分に発揮する一方で「あんな子が、伝説を現実にするとはね……」と謎めいた言葉をつぶやく。 会長の発言を聞いてから、ひとり浮かない顔をしていたランは、鴨川に戻る船の上で、鴨川シーワールドに遊びに行こうと言いだす。ランは、ウォクスにまつわる伝説をまどかとムギナミに伝えたかったのだ。一体、ウォクスの正体とは…? そんな翌日、アステリアはウォクス・アウラの凍結を言い渡す。その決定に納得のいかない、ランとムギナミは格納庫に立てこもるのだが、まどかはある想いを胸に2人を説得することを決意する。
鴨女では伝統の文化祭「おらが祭り」の開催が目前!「雑用上等!引き受けたからには楽しんで元をとるのが、ジャージ部だよ!」と校内の催しの物の手伝いに張り切るまどか。そんなまどかをランとムギナミは気づかう。何しろ、まどかの愛機、ウォクス・アウラは封印されたままなのだから。 一方、ヴィラジュリオのペースに抗えず、勝浦にアジトを構えることになったキリウスたち。なかなかウォクスを奪うことができず、苛立ちを隠せないイゾは、敵である京乃まどかに直接会おうと決意して鴨川へ向かい、アレイとキリウスもその後を追う。鴨川の人々と思いがけず交流を深めてしまうなど、どこかのんびりとした道中に調子を狂わされながら、イゾはなんとか鴨女にたどり着く。そして、まどかにおこった過去の悲しい出来事と、ジャージ部設立の経緯を鴨女生たちから聞かされたイゾの前に現れるまどか。果たして、イゾはどのような行動を採るのか……?
鴨女の文化祭「おらが祭」が開催! まどかはラン、ムギナミにもジャージを着せて、ジャージ部が手伝った展示の見学に向かう。しかし、文化祭を楽しむうちに、ランはサーフィン部に、ムギナミは天文部に助っ人を頼まれ、まどかだけ一人残されてしまう。そんなまどかの前に現れたのは、アステリア。彼女はまどかの孤独感を見抜いていた。「あなたは失うことの怖さを思い出してしまったのよ」。 一方、キリウスたちを仲間に取り込んだヴィラジリュオは、再び本格的な攻撃準備を開始した。ランとムギナミに出撃命令が下り、2人はまどかに黙ってファロスへ向かう。焦るまどかに「あなたに出来ることは何もないわ」と言い放つアステリア。まどかのアウラは凍結されたままなのだ。ついにウォクスに乗り込むランとムギナミ。すべては、まどかと鴨川の街を守るため――。それでも、まどかはファロスへ急ぐ。 「ラン! ムギナミ! 私も……私も行くよ!」
「ジャージ部は、いつだって3人一緒だって言ったのに!」――ひとり、漁船でファロスへ急ぐまどかの叫びが、なぜか出撃したランとムギナミの耳に届く。二人はまどかの思いを田所司令に託すと、キッスのオービッド部隊との戦いに入った。 田所の要請にもかかわらず、ウォクス・アウラの封印を解こうとしないアステリア。そんなアステリアに、ようこは地球に残るウォクスの伝承の話をする。そして、最後に付け加えた。「ジャージ部は3人でひとつなんだ。あいつらを信じてやってくれないか?」 ようこの言葉を受け止めたアステリアは、アウラの封印を解除する。待ってましたと勢いよく発進したまどかは、ヴィラジュリオ率いるオービッド部隊をなぎ倒していく!さらなる飛躍をみせるウォクスのパワーに、さすがのヴィラジュリオも焦りを隠せない。 だがそのとき、キッスの戦艦から強力なビームが放たれた。ビームは、まっすぐに鴨川の街へ伸びていく……!
キッスの猛攻は、鴨川に思わぬ被害者を出してしまう。「ひどいことするなら、わたしにでいいじゃん…!」ウォクス・アウラのコクピットで絶叫するまどか。その叫びに呼応するように、アウラはまばゆい光を発しはじめた!アウラに続いて、リンファとイグニスも光に包まれ、キッスのオービッド部隊と艦隊は戦闘不能に陥っていく。ヴィラジュリオは、異変を起こしたウォクスを止めようとビーム砲で狙撃するが、まったく歯が立たない。 ラグランジェの花が、鴨川いっぱいに降りつづく。拡大していく異変の中、見覚えの無い場所で目を覚ましたまどかは、そこで不思議な女性と出会う。彼女の言葉で迷いが晴れ、ランとムギナミの名前を呼ぶまどか。リンファとイグニスの手をとったアウラは、大空を目指す。「私に出来るのなんて、こうして思いきり飛ぶことくらい!」 まどかの決意は、鴨川を中心に拡大を続ける異変をくいとめることが出来るのだろうか……?
鴨川で、まどか、ラン、ムギナミが別れて数ヵ月後。レ・ガリテの王女に戻ったランは、兄のディセルマインが進める秘密の実験に参加していた。その実験施設を襲うのは、デ・メトリオのオービッド部隊! その中には、ムギナミの乗るウォクス・イグニスの姿もあった……。 一方、ふたたび夏を迎えた鴨川。高校三年生に進級したまどかだが、いまだ自分の進路を決められず、ジャージ部の同志、ランとムギナミと離れて暮らす日々に寂しさを感じていた。そんなある朝、何の前触れもなくランが鴨川の浜辺に現れた。再会を喜ぶまどかに、ランは真剣な表情で「もう一度アウラに乗って欲しい」と告げる。 宇宙規模の国際会議のために鴨川に戻ってきたファロスへとまどかを連れて行くラン。そのとき、所属不明のオービッドがファロス上空にあらわれた。ウォクス・イグニス……ムギナミだ! 「ムギナミも帰ってきた!」と喜ぶまどかだったが……
「私に無断で、ケンカするな!」 突如として動き出したウォクス・アウラに乗って、飛び出すまどか。「友達と戦いたくない!」というランとムギナミの心の声をはっきりと聞いたまどかは、二人の間に割って入り、戦いを止めようとするが、ウォクス・イグニスを攻撃しようとするレ・ガリテ駐留軍の介入によって、再び3人は離ればなれになってしまう。 ランとムギナミの行方を探すまどかは、ヴィラジュリオに連絡をとろうとする。まどかにとっては、ヴィラジュリオがレ・ガリテの敵であろうが味方であろうが、まるで関係ない。ただ、ジャージ部の仲間の行方を知りたいことで、頭がいっぱいだ。 二人が鴨川から出ていないことを確信したまどかは、思い出いっぱいのジャージ部の部室へと向かう。そこには、激しく言い争うランとムギナミがいた。「やっぱり、ここだった!」 自分を守るために争う二人にまどかのとった行動とは?いま、ジャージ部の絆が試されようとしている!
本格的に夏! B.W.Hでは、ランとムギナミも元気に店を手伝っている。しかし、実はランもムギナミもディセルマインとヴィラジュリオのことを気にしていた。まどかは、2人の役に立つなら一肌も二肌も脱ぐ、と力強く宣言する。 そんな折、アステリア会長代理は、ディセルマインがランに施していた実験をまどかにも試すと提案する。ウォクスを軍事目的ではなく平和利用に使えると証明してしまえば、レ・ガリテもデ・メトリオも手出しできなくなるというのだ。「分かった、私、やるよ!」と、立ち上がるまどか。そして、ランとムギナミも、まどかを争いに巻き込まないですむなら……と、実験に賛成した。 鴨川上空で実験がスタート。まどかとウォクス・アウラはこれといった反応を示さなかったが、アステリアがまどかの羞恥心を刺激すると、ウォクス粒子の数値が跳ね上がった! さらに、アウラのコクピットでは更なる異変が起きはじめる……。
まどかは、実験中に出会った少女のことに思いをめぐらせていた。そのかたわらのランは、兄のディセルマインに地球への亡命を許してもらえないのでは、と浮かない顔。ムギナミは、意気消沈したランを元気づける。 そんな彼女たちの思いとは関係なく、レ・ガリテとデ・メトリオ、両国家首脳会談の日がやってきた。側近たちを連れて、ファロスに降り立つディセルマインとヴィラジュリオだったが、アステリア会長の策略によってエレベータに二人きりにされてしまう。二人の本心を掴もうと会話をモニターするアステリアたちは、ディセルマインが、どうやら、まどかの存在を重要視しているらしいことを知る。その時、正体不明のオービッドが鴨川沖に出現し、海岸に不時着したことで、エレベーターでの会話は中断させられてしまう。 海の家からその様子を目撃したキリウスたちは現場へと急行するが、驚きの光景を目にする。コクピットから出てきたのは……
ユリカノに会いたい一心で、ディセルマインの戦艦に乗り込んだまどかたち。てっきり地球に送り返されるのかと思いきや、まどかとムギナミにはパーティドレスが渡され、ディセルマインは豪華な晩餐会を開いて歓迎してくれた。 ランの友達になってくれたことを感謝するディセルマインに対し、まどかは「ユリカノさんに会わせてもらえませんか?」と単刀直入に切り出す。ディセルマインは、ミリティア・ゾデアの惨劇から奇跡的にユリカノを救い出したものの、彼女は過去の記憶を忘れ、別人のようになっていると語る。そして、秘密にしていたことを素直に謝罪するのだった。そんなディセルマインの紳士的な態度を、すっかり気に入ったまどか。もしかすると、ユリカノに会わせてもらえるかも知れない……! ところが、まどかは艦の中で迷子になってしまう。やっとたどり着いたのは、ラグランジェの花の咲き乱れる庭園だった。庭園にいたディセルマインは、まどかに言う。「ユリカノに会わせてあげよう」。艦の最深部に招かれたまどかの見たものとは?
ディセルマインとモイドの実験によって、戦艦には大異変が起きてしまい、艦内はパニック状態に! そして、実験台にされたまどかとユリカノにも、思いもよらないアクシデントが起きていた……そんな事情も知らず、ムギナミはまどかを連れ出す。そして、ユリカノもディセルマインの命令で脱出ポッドに乗せられてしまう。 戦艦の周囲では、ユリカノを取り返そうとするイゾたちのオービッドが、レ・ガリテ軍と戦いはじめた。大乱戦の中、意志を持ったかのようにランを救い出すウォクス・リンファ、ムギナミのもとへ駆けつけるウォクス・イグニス! しかし、ウォクス・アウラだけはまどかの身に起きた異変を察知し、その場から去ってしまうのだった。 戦場を遠く離れたまどかは、ユリカノの心に想いをめぐらせる。そして彼女は、ディセルマインへ寄せるユリカノの想いに気がついてしまう。しかし、誰もまどかの助けには現われてくれない……その時!
ユリカノ消滅という事態に茫然となるディセルマインとヴィラジュリオに「歯ぁ、くいしばれ!」と鴨川ダイナマイト・ボンバーをぶっ飛ばすまどか。ユリカノの想いを知り、心を打たれたディセルマインとヴィラジュリオは、共にポリへドロンのために歩むことを誓い、国際会議でレ・ガリテとデ・メトリオが友好関係を築くことを宣伝する。 会議の後、まどかの強引な後押しもあって、ディセルマインは妹のランに初めて「すまなかった」と優しい言葉をかける――感激して、涙を浮かべてしまうラン。ムギナミもヴィラジュリオから「俺は死ぬまで、お前のお兄ちゃんだ」と言われ、喜びをかみしめる。そして、まどか、ラン、ムギナミは“誓いの丘”へと向かう。思い出の場所で、まどかは新しい誓いを立てようとランとムギナミにもちかける。それは「ウォクスでは戦わない」こと――。だが同じ頃、ファロスでは意外な事実が明らかになっていた。
ここのところ、背後から誰かの視線を感じているまどか。ランやムギナミも、同じように「誰かに狙われている」と感じていた。3人を物陰から見ていたのは、一年生の三木れい子。れい子はまどかの手をつかんで、「私をジャージ部に入れてください!」と熱烈にアピールする。予想もしない展開に呆然としてしまうまどか。しかし、学校から部活動と認められず、廃部寸前だったジャージ部にとっては渡りに船。4人そろえば、正式な部活として承認してもらえるかも知れない! さっそくジャージ部活動に張り切るまどか、ラン、ムギナミ、そして、れい子。ところが、れい子がジャージ部に入った動機を聞いて、まどかたちは困惑してしまう。 その頃、アステリアはレ・ガリテとデ・メトリオの友好の象徴として、鴨川の棚田祭を宇宙中継しようと提案する。棚田祭への参加を決めたまどかたちは、れい子の誤解をとくためにサプライズを用意するのだが…。
2学期が終わったというのに、いまだ自分の進路を決められないでいるまどか。周囲の心配をよそに、まどかの頭の中はクリスマスに宇宙へ帰ることになったキリウスとアレイの送迎パーティのことでいっぱいだ。 一方、アステリアはファロスで緊急会議を開いていた。モイドが行方不明になり、レ・ガリテにも帰っていないことが分かったからだ。そして、アステリアは初めて、自分の正体をファロスのクルーたちに明かす――田所たちは驚きこそしたが、一致団結してモイドの行方を探しはじめるのだった。 キリウスたちの送迎パーティが近づくが、その準備中、まどかは風邪で倒れてしまった。まどかを看病するランとムギナミは、それぞれの将来を語り合う。もし3人の進路がばらばらになっても、心はひとつ――ランとムギナミはお互いの絆を確かめ合うのだった。 その頃、平和な鴨川から遠く離れた宇宙では、モイドがある計画を実行に移していた……。
突然、ポリヘドロン全体に攻撃をしかけはじめたディセルマイン。彼の本意を確かめるために出撃したヴィラジュリオを、ディセルマインは新型オービッドで迎え撃つ。 ファロスでも、レ・ガリテが総攻撃を始めた理由がわからず、誰もが不安そうにしていた。ランとムギナミは、故郷のポリヘドロンがどうなってしまうのか、いてもたってもいられない。ウォクスで戦場へ向かおうとした2人を待っていたのは、まどかだった。一度は「もうウォクスでは戦わない」と誓いあったまどかたち。その誓いを破るなら、3人一緒でなければダメ、とまどかはランとムギナミに呼びかける。 ウォクスで出撃したまどかたちは、ディセルマインとヴィラジュリオの戦いに割って入る。なぜ友好関係を築くと誓ったのに戦いを始めたのか、疑問をぶつけるまどかに対し、ディセルマインはついに本心を吐露する「ヴィラジュリオさえ殺せればそれでいい!」と……。
ディセルマインのオービット“マグオルトル”の引き起こした異常気象は鴨川だけではなく、全世界へと広がっていく。それは2万年前の地球の惨劇と酷似していた。そんな中、鴨川の空に広がる不吉な暗雲を嬉しそうに見あげているのは、モイドだった。 まどか、ラン、ムギナミたちは輪廻の彼方に飛ばされていた。彼女たちの前に立ちはだかるのは、巨大化したマグオルトル。まどかは、何度となくマグオルトルに挑むものの、まったく歯が立たない。「こんなヤツも倒せないんじゃ、私なんてバツだ!」最後の力を振り絞って立ち向かうも、圧倒的な力の前に倒れたウォクス・アウラは輪廻の海の底へと沈んでいく――。あきらめかけたまどかの携帯に誰かからメールが入るとアウラの周りを光が包む。そして、まどかはディセルマインのヴィラジュリオに対する信頼と友情を知るのだった。 輪廻の海辺で再会したまどか、ラン、ムギナミの3人は今なすべきことを確認しあうと、ジャージをまとって最後の戦いに向かう――!
地球全体を覆う天変地異はおさまらず、地球軌道上のレ・ガリテ、デ・メトリオの艦隊も混乱したままだった。誰もがあきらめかけた中でようこは、いまだ輪廻の向こうから帰ってこないまどかのことを信じつづけていた。果たして、ジャージ部の3人は戻ってこられるのだろうか? 戦いを終えたまどか、ラン、ムギナミは、輪廻の海辺である人物と再会する。それは、傷ついたディセルマインを抱きかかえたユリカノだった。ユリカノは、ディセルマインの心を変えさせたのは、まどかたち3人の想いだという。一緒に戻ろうというまどかに、ユリカノは、罪の意識から輪廻の世界にディセルマインと共に残るという――。「そんなの、ダメだよ」と、まどかはユリカノに手を差しのべる。本当にけじめをつけたいのなら、ディセルマインも連れて現実世界へ帰るべき。自信満々のまどかの主張に、ユリカノは困惑する――。果たして、彼女たちの選択は?