オオトリサッコは、優秀な生徒が集められ、英才教育を施される〈私立江ノ島学園〉中等科の2年生。怖いもの知らずの性格で、クラスでもつまはじきにされている。そんなサッコが心を開ける幼馴染、イチキサヨが死んでしまった。彼女の葬儀で、なでしこの花を手向けたはずのサッコだが、ある日、登校してみると、サヨが現れ、神話のこと、1万2千年前のことを語りかけてきて……。
ベクターマシンが合体し、出現した機械天翅アクエリオン。神話獣を追い返したサッコたちは、敵は神話宇宙から攻めてくる堕天翅族であり、エレメントとは、堕天翅族に対抗しうる最終兵器・アクエリオンの搭乗者として選ばれた生徒なのだと明かされる。大人の押しつけに反発するサッコだが、幼いころ、江の島の洞窟で、サヨやモモヒメとロボットを作ったときのことを思い出し……。
サヨの葬儀が前倒しで行われたのは、宇宙の修正能力のせいだった。サヨがエレメントクラスにいたことを覚えているのはアクエリオンに乗った3人だけかと思われたが、モモヒメはそのことに勘づき、サッコたちを問いただす。エレメントクラスのことは口外するなと言われたサッコたちがなんとも答えられずにいると、その場にいた全員が、翅の生えた人々が暮らす超文明世界の幻を見て……。
サヨの死の真相を知りながら、アクエリオンに乗ることを決めたモモヒメ。彼女に憧れとも恋ともつかない想いを抱くリミヤだが、そのせいで感情のバランスが乱れ、絶不調に陥ってしまう。そんな中、モモヒメに誘い出されたリミヤは、「恋愛したことがない」と言う彼女がリミヤだけに対して持っているという「好き」の意味をたしかめるため、ふたりでデートに出かけることに。
江ノ島学園に伝わる「江ノ学七不思議」は、4時44分に覗くと引きずり込まれる大鏡、嗤う人体標本などお決まりの怪談ばかりだが、7つめの怪異を知る者はいない。転校生にまつわる怪奇だ、誰もいないエントランスホールに響くピアノの音だと生徒たちが噂をする中、季節外れの転校生がやってくることに。その転校生は、美少年だとも、死んだサヨの姿をしているとも言われていて……。
不思議な美少年・サンと、サヨの妹・ハナをエレメント候補生として迎えた江ノ島学園。だが、サンはモモヒメに「ひとつになる約束を果たそう」と言いだすし、ハナはモモヒメを殺そうとするし、サッコたちは心中おだやかではない。モモヒメを連れ回すサンに業を煮やしたサッコたちは、彼と直接対峙する。が、サンが詠うように口にしたのは、学園や彼らの敵についての核心に触れる問いかけだった。
サンの微笑みに魅入られたのは、モモヒメばかりではなかった。学外の謎の団体に狙われるほどの影響力を持つ彼は、学園の生徒たちをも心酔させて、神秘的な集会を行うようになる。腑抜けになった生徒らに危機感を覚え、集会に乗り込んだサッコは、いつのまにか、サンの不思議な力で迷宮化した学園に迷い込んでいた。一方、戦闘中のハナは、神話獣を「意思あるヒト」だと認識してしまい……。
神話獣にも感情があると認識したハナは戦闘を放棄、アクエリオンを降りることになる。一方のサッコは、迷宮化した学園で見た謎のヴィジョンのせいか、サンのことが気になってしかたがない。それを察したモモヒメは、なんとかサッコとサンを近づけようと奮闘する。そのころ、学園ではサンを中心に集っていた生徒たちが暴走しだし、世界は神話宇宙の勝利に向けて修正されはじめていた。
神話獣を追って亀裂を越えたサッコたちは、地獄のような光景の神話宇宙へと降り立った。なぜか見覚えがあるその宇宙では、欠けていた感情が埋まるようだ。そこで出会った堕天翅族は、感情だけの思念体として存在し、〈肉体の宇宙〉との合体を望んでいるが、それは〈聖なるたまごの子〉の意思であると言う。堕天翅族から戦いの真実を聞いたサッコたちは、元の宇宙に戻ろうとするが……。
サッコたちが神話宇宙から戻ってくると、世界は様変わりしていた。江の島の空には地獄のような神話宇宙の光景が迫り、合体は間近であると知らせている。過去の因縁が明らかになる中、サッコたちは宇宙の合体と消滅を阻止するため、エレメント学園総生徒会長となった〈聖なるたまごの子〉サンを探すが、生徒会副会長となり学園の権力を握ったトシは、彼らの面会を阻むのだった。
太陽と月と火星が接近し、最終決戦となる宇宙合体のときが迫る。モモヒメを失い、戦闘への意欲も失くしていたサッコだが、とあるできごとをきっかけに、まだ宇宙を救う手立てがあるのではないかと奮起。その直後、世界覚醒会議とトシの思惑により、基地に幽閉されてしまう。ところが、そんなサッコたちに、思わぬ助っ人が現れて……。
超神話獣に呑み込まれたベクターフェオー。サッコたちが超神話獣と死闘を繰り広げているうちに、ついに宇宙は合体をはじめてしまう。世界覚醒会議は、自分たちの勝利を確定させてデータだけの世界を実現するべく、衛星軌道上から超神話獣に向かって、地上を滅ぼしかねない攻撃を放つ。そのとき、過去と現在、想いと想いが重なり合って、新たな神話が響きはじめ──。