秋の文化祭シーズンが訪れ、逸剛たちの通う東統泉高校でも生徒たちが準備に大わらわになっていた。得に飲食物を扱う屋台での売り上げNo.1の出展者たちには、学食の食券1年分が副賞として贈られるとあって、ヤキソバ屋台を出店する逸剛たち1年B組の面々も俄然ヤル気に。しかし賽円寺一の頭脳プレイヤーさくらが率いる2年C組のセクシーコスチュームの前に苦戦を強いられる。逸剛たちに勝利宣言をするさくらの前に、カメラを抱えた《夢狩人》と名乗る男が現れる。彼はさくらが他の修行僧たちには内緒で運営するホームページのコテハンメンバーだった。しかし彼の正体が幽霊だと悟ったさくらは、彼を成仏させるために一日デートを承諾する…。
年の瀬も押し迫ったクリスマスイブ、賽円寺の修行僧たちは町へと托鉢に出かけて行く。この托鉢は、46年前の12月24日、旧一の橋駅で発生した車両横転事故によって、100名以上の死者が出てしまったため、毎年、命日にあたるクリスマスイブに事故の犠牲者を供養する事を目的として行われているのだ。読経だけで浮遊霊を成仏させていく春佳の霊力に驚くが、さくらはそんな逸剛が持つ、爆発的な霊力の発動を制御できないまま使っている事に不安を覚える。順調に除霊は進み、最後の仕上げに事故現場に集まった霊体を、バルーン人形のサンタに押し込めて一気に成仏させようとするが、意外なほどの力を増した霊たちによって、逸剛たちはピンチに陥ってしまう…。
深夜の賽円寺を訪れた二人の僧侶。彼らは浄徳に、逸剛の中に眠る賽禅上人の巨大な霊力は、逸剛が煩悩に打ち勝てない場合、逸剛は危険な存在になるのではないかと尋ねに来たのだ。彼らは偶然その会話を立ち聞きしていた千歳にも、同じ質問を投げかける…。翌日の除霊でも、簡単に上人の力を暴走させてしまう逸剛の前で、思わず涙を流してしまう千歳。大晦日を迎えたその日の夜。町中の煩悩を集めて一気に昇華させる「除夜の鐘」の鐘撞を逸剛が担当するが、逸剛が鳴らす鐘の音に尋常ではない数の俗霊が集まってきてしまう。その場にいた参拝客たちも俗霊や煩悩に影響され暴徒と化していく。果たして逸剛は覚醒(い)かずにこの騒ぎを収めることが出来るのか?
古墳の発掘現場で、不安定なまま「地獄道菩薩」の力を発動した陽。このままでは破滅の方向へ力を発揮しかねない。浄徳は陽に正しく六道の受明灌頂を修めさせるために、陽と同じく不安定な力を持つ逸剛のふたりを、賽洞宗門下 賽澄寺の住職 京(みやこ)の元へと向かわせる。陽と逸剛ふたりきりの修行と聞いて心中穏やかでないさくらと千歳は、結子を伴い賽澄寺までふたりを尾行するが、京に見つかってしまう。「陽は大丈夫」という京の言葉に、彼女たちは、今は陽の集中を乱さないためにも会うべきではないと黙って引き返す。その晩、「地獄菩薩本願経」の行を行なうとふたりに告げた京は、逸剛の前で法衣の帯を解き、逸剛の陰の力を解き放とうとする。