偽装事故の手口をつかんだ一係は、マークしていたハイパー・トランスポート社の役員である与根原を追い廃棄区画を訪れる。スラム街出身の入江のツテで逃亡先を探り当てるも、到着時、既に与根原は死亡していた。主犯である同社顧問・些々河を追うため、霜月の命令を無視して有明空港に駆けつけた灼と炯だが、見知らぬ男たちに行く手を阻まれる。彼らは外務省行動課・狡噛慎也と宜野座伸元。些々河を逃したわけではない――灼が彼らの目的に気づいたその頃、機内では些々河が行動課により確保されていた。 事件解決後、某日。ホテルで転落死体が発見された。現場に急行した一係は、不具合の連鎖という点で、輸送機事故と似ていることに気づく。自殺か、それとも事故か。捜査のため、被害者の関係者であるアイドル政治家・小宮カリナに会いに行くが――。
転落死した土谷博士は、都知事選に立候補したアイドル政治家・小宮カリナのメンタルケア・スタッフだった。カリナに面会した灼は、彼女から底知れぬ何かを感じ取るも事件の手がかりはつかめない。捜査を進めていくと、ホテルの防犯データに、もうひとりの都知事候補である薬師寺・ヘラクレス・康介の第一秘書、リー・アキが映っていた。調査のためリーのもとを訪れた一係だが、そこで突如襲撃に遭い、リーは殺害されてしまう。 移民肯定派の薬師寺に対抗する小宮カリナ支持者の犯行なのか? 確保した襲撃犯の背景から、入江は犯人の拠点を茗荷谷に絞る。そこはかつて入江が縄張りにしていた廃棄区画だった。裏社会を取り仕切るブローカー・榎宮春木に会いに行った灼たちは容疑者濃厚と推測するが、肝心の犯行動機と手段の確証がつかめない。 襲撃者と襲撃された側、二手に分かれて捜査をすることにした一係だが――。
停職処分になった炯の穴埋めとして、公安局と捜査コンサルタント契約を結ぶフリージャーナリストの六合塚弥生が加わった。リー殺害の襲撃犯が仮死状態で運搬されたと推理した灼たちは、六合塚の調査により、ある運送業者と榎宮との接点を見つける。一方、入江がつかんだ情報から秋葉原廃棄区画にある土谷博士の隠しラボを訪れた一係は、博士が作り出した新世代人工知能――マスコントロール・カリナ、〈マカリナ〉の事を知る。新種のメンタル誘導装置である〈マカリナ〉は、小宮カリナの重大な秘密に繋がっていた。犯人の狙いはカリナの秘密の暴露、そしてその先にある選挙そのものの操作…事件計画の目的に気付いた灼たちは、都知事選公開討論会の会場・ギガアリーナに急行するが――。
天馬から渡された名刺には、狐のマークと「梓澤廣一」の名前があった。一係前任監視官・来良と面会するため潜在犯隔離施設を訪れた炯は、もう一人の前任監視官・伏瀬の事故死に〈狐〉が関与していると聞く。色相を保ったまま犯罪を行う組織〈狐〉は公安局にもいる――灼と炯は、〈狐〉に繋がる梓澤という男を調べ始める。 後日、東京・三郷ニュータウン。入国者の宗教活動が全面解禁となる信仰特区が誕生した。特区では宗教関係者が集うPRイベントが開催されていたが、その会場を狙い、腹に爆弾を埋め込んだ男の自爆テロが発生する。状況から、事件は信仰特区絡みであり首謀者は別にいると推測した一係は、特区反対派の重要人物から調査を始める。 対象は難民弁護官のテレーザ陵駕、ニュータウン工場労働者の顔役であるジョセフ・アウマ上人、そして自爆犯も信者だった公認宗教団体〈ヘヴンズリープ〉教祖代行であるトーリ・アッシェンバッハ。それぞれに引っかかる点はあるものの、色相はクリアで事件関与の証拠までは得られない。一方、イベントに出席していた、特区賛成派唯一の生き残りである入国管理局オブザーバー、久利須=矜冶・オブライエンの病室で、二度目の爆破事件が発生する。
連続爆破テロの手掛かりを得るため、公認宗教団体〈ヘヴンズリープ〉への潜入捜査を開始した炯と如月。一方、灼たちは、テレーザ陵駕と久利須が共同保有していた貸し倉庫を調査し、残る痕跡から爆弾人間があと三人いる事を突き止める。だが糸口をつかんだと思ったその矢先、ニュータウン工場地帯で第三の自爆テロが発生。重要参考人であるアウマ上人が死亡する。アウマは売春組織から逃げ出した入国者たちをかばって犠牲となったが、彼らがいた倉庫の奥には銃の部品パーツを作る工場が隠されていた。強制売春の被害者を助けながら密売をおこなっていたことに違和感を覚えた灼たちは、銃の流通ルートを調べ始める。そのころ炯と如月は教祖代行であるトーリが爆破事件に関与した証拠にたどり着くが、トーリに潜入捜査を見破られ拘束の身となる――。
コングレスマン、インスペクター、狐。三層構造でシビュラシステムの盲点をつく存在であるビフロスト――ドミノ倒しのように起きる事件の全体像をつかみ始めた一係は、外務省行動課と捜査協力を結び調査を続行する。事件には、行動課が追っているピースブレイカーの残党、パスファインダーも絡んでいた。行動課は彼らを追い、灼たちはまた標的になるであろう都知事の護衛任務につくこととなる。一方、如月を囮として仕込んだ餌に反応があった。食いついてきた相手に会うため指定場所を訪れた炯だが、そこに現れたのは〈狐〉ではなくコングレスマンの一人、法斑静火だった。命を狙われていると語る静火は、炯に取引を持ちかける。そのころ、都知事周辺のドローンの解析情報からクラッカーを捜索していた灼たちは小畑と接触し、任意同行で取り調べを行うが…。
舞台は第三期の最終回直後。六合塚を襲撃して公安局ビルへの入館パスを手に入れた梓澤は、単身公安局ビルへ。先に逮捕・拘留されていた小畑と共に公安局ビルを完全占拠し、小宮知事の辞任を要求するのだった。灼や炯、刑事課1係は梓澤を逮捕し公安局ビルを取り戻すために行動を開始する。
2118年1月。公安局統括監視官として会議に出席していた常守朱のもとへ、外国船舶で事件が起きたと一報が入った。同じ会議に出席していた厚生省統計本部長・慎導篤志とともに現場に急行する朱だったが、なぜか捜査権は外務省海外調整局行動課に委ねられていた。船からは、篤志が会議のゲストとして呼んだミリシア・ストロンスカヤ博士が遺体となって発見される。事件の背後には、行動課がずっと追っていた〈ピースブレイカー〉の存在があった。博士が確立した研究…通称〈ストロンスカヤ文書〉を狙い、〈ピースブレイカー〉の起こした事件だと知った刑事課一係は、行動課との共同捜査としてチームを編成する。そこには、かつて公安局から逃亡した、狡噛慎也の姿があった――。博士が最後に通信した雑賀譲二の協力を得て、文書を手に入れるべく出島へ向かった一係だったが…。 〈ストロンスカヤ文書〉を巡り、予想を超えた大きな事件に立ち向かっていくこととなる朱と狡噛。その先には、日本政府、そしてシビュラシステムをも揺るがす、ある真実が隠されていた。ミッシングリンクをつなぐ〈語られなかった物語〉が、ついに明らかになる――。