1人暮らしの会社員・タクマの部屋には、料理を作ってくれる家電の家事ロボット・ミーナがいる。だがミーナに心惹かれたタクマはある日、意を決して思いを告げる。「一番好き。お嫁さんになって」と。その日の夕飯 ―― オムライスにはケチャップでハートが描かれていた……。タクマと家電のミーナは「夫婦」になったのだ。
日曜日。タクマはミーナと共に「夫婦になって初めて」2人で地元の公園へピクニックに出かける。公園でサンドイッチを作り、自分の機能を生かしてその場で温泉卵を作ってくれるミーナ。2人の時間の幸せをかみしめるタクマだが、雨が降り始めた上にミーナはバッテリー残量が少なくなって動けなくなってしまう……。
タクマの妹・あかりは兄に内緒で内縁の妻状態の彼女がいると知ってアパートを訪ねてくる。同居している女性・ミーナが家事ロボットであること、そして2人が夫婦であることの事情を知ったあかり。「最っ高じゃあぁぁん!」と『異種間恋愛フェチ』の血が騒ぐ。妻であるミーナに様々な質問を繰り出してくるあかりだが……。
タクマはミーナとあかりと共に海水浴にやってくる。水着に着替えて2人を待っていると、ミーナが水着姿で現れる。しかし、どこか雰囲気が違う――それは、ミーナの上位モデルの家事ロボット・スーパーミーナだったのだ。自分の主人を見失って困っているスーパーミーナをほうっておけず、一緒に探すことになるのだが……。
ある朝、タクマは額に何か硬いものがぶつかる感触を覚える。その後も同じようなことが続き、それはミーナのやっていることと気づく。ミーナに叩かれているのか?自分は何か怒らせるようなことでもしたのか?と思い悩むタクマだがやがて、そのミーナの行動は「キス」なのだということが分かる……。
ミーナがグレードアップのために工場へ行く日が近づいた。サポートのためにメーカーからタクマの元を訪れた社員・飯田とパートナーのロボット・センジュ。2人はミーナがタクマの「妻」となってオムライスにハートマークまで描いたことに驚き、ミーナの頭部を開いて検査しようとするが、ミーナはこれを強く拒絶する……。
ミーナが工場へ行ってから3日が過ぎた。寂しい中、タクマはミーナが自分の不在の間の食事を用意していってくれたにもかかわらず、日頃ミーナに止められているカップ麺や菓子、ビールと「独身生活」の中でハメを外す。そこに工場から届いた荷物――中にはミーナが注文した小型の見守り型ロボットが入っていた……。
ミーナは「子供」となったマモルを教育していく。カレンダーとお湯を使って「タクマの体温を測る」こと、それが「タクマの健康状態の把握にもつながること」などを教える。理解しているマモルの進歩に驚いたタクマはマモルを誉める。だが、タクマがマモルを誉めることについてはミーナの反応がなぜか微妙なようで……。
ミーナとスーパーミーナの記憶が混同してしまい、そのことでタクマ以前のミーナの所有者が「大谷富一」というプログラマーだとわかる。ところがスーパーミーナが住所を訪ねてみたところ、その「大谷」なる人物は存在しなかった。スーパーミーナがミーナの記憶をたどるうちに、「大谷」とはミーナシリーズの開発者だということが判明する。
先輩後輩であり、母子でもあるミーナとマモル。2人は一緒にスーパーへ買い物に出かけることにする。「先輩」として「母として」張り切っているミーナは常にスーパーまでの道順、帰るための目印を記憶しながら進む。だが目印にしたネコが元いた場所から移動してしまい、2人は道に迷ってしまう……。
タクマの叔父・康史郎がアパートを訪ねてきた。タクマがロボットであるミーナのことを「お嫁さん」にしていることを聞かされ驚く康史郎。そしてタクマに「ゲーム感覚だったり自分を慰めるためにしてるならやめてくれないか」と意見する。この康史郎の言葉を受けてタクマは、大きな決断を下す……。
実家に連れていくまでは緊張していたタクマだが、両親は拍子抜けするほどあっさりと、ミーナのことを「嫁」として迎え入れてくれる。しかも母はタクマにミーナの所有者を自分に変えることができないかと申し出て、タクマを戸惑わせる。そこには「家族は持ち物ではない」という母の思いがあった。それを知ったミーナが下した決断は――。