参勤交代で江戸にやってきた高野藩士・酒田伴四郎は、正体不明の中間に出会う。天真らんまんで思ったことをすぐ口にする伴四郎は、その中間を怒らせてしまう。一方、常に出世をする機会をうかがっている叔父の平三が、藩主・松平茂照に干物を献上したことで家中に騒動が勃発。その事態収拾のため、なぜか伴四郎は殿のために料理を作ることに。しかし伴四郎は、料理はずぶの素人だった!
伴四郎が町で無礼を働いた中間の正体が、実は殿・茂照であったことが判明!茂照は許す代わりに、最近塞ぎがちで元気のない正室・千代を元気づけるための“気が晴れる料理”作りを命じる。そんなことできるわけない!と江戸の町から逃げ出そうとする伴四郎だが、その道すがら、寺を参拝中の千代を見かける。そこで伴四郎が見た真実とは…?そして、伴四郎はすずの指南書から、千代のために、ある料理を振る舞う…!
ある日、伴四郎は茂照から立石藩への遣いを頼まれる。近々、藩対抗の相撲大会が行われるため、相手藩の力士を偵察に行って欲しいというのだった。偵察先で伴四郎は、非力な力士・小車と出会う。自分が藩の代表力士になる!と、言い張る小車だが、どう考えても無謀に思える。しかし、彼が代表にこだわるのには、ある理由が隠されていた。その理由を知った伴四郎は、相手藩の力士だと分かりながらも小車を応援したい、と思うが…。
近ごろ、真面目で勤勉な同僚・矢沢五郎右衛門の様子がおかしい。その原因は鶏鍋「きじや」の娘・お羽への恋心。店主が亡くなってから、店の料理の味が落ちたと悩むお羽を助けるため、勉学もそっちのけで一緒に料理開発に取り組む五郎右衛門。しかし、同じタイミングで以前、藩に提出した建白書が認められ、修正を命じられる。自分の野望も捨てられない五郎右衛門は、伴四郎にお羽といっしょに料理を作ってくれるよう頼むのだった。
江戸の町を騒がせている茂照の隠し子騒動。瓦版がでっち上げたでたらめかと思いきや、真実だった!しかし、子どもに対して「二度と会いたくない」と語る茂照に、伴四郎は怒りをあらわにする。どんな状況で別れたにしろ、親が子どもに愛情を持たないなんて信じられないのだった。そのころ、茂照を快く思っていない藩の重役衆が消す目的で本格的に隠し子を亡き者にしようと探し始めていた。そんな中、伴四郎はひょんなことから、殿の隠し子の正体を知る。 思いもよらないその驚きの人物とは...。
不景気のあおりを受け、仕出し「川原屋」のお菊は、掛け金の回収もままならず、高野藩との取引も打ち切られる。その上、亡き夫の親戚からは、商売を存続させるため、料理人・京一との縁談を強いられる。そこでお菊は苦し紛れに「伴四郎と恋仲だ」と嘘をつき、伴四郎&お菊VS京一の料理勝負に発展!伴四郎はしり込みするが、ある日、お菊の、亡き夫が残した「川原屋」への想いを知り...。
伴四郎が惨助に妻・すずののろけ話をしていると、平三が飛び込んでくる。故郷にいるはずのすずが、五郎右衛門とあいびきをしているというのだ!あわてて確かめにいくと、本当に二人が怪しげな茶屋から出てきた。そしてすずは笑顔で五郎右衛門を見送る。すずは私を裏切ったのか、このままでは愛する妻を奪われる。思い余った伴四郎は、五郎右衛門に果たし合いを挑む...。
脱藩を企てた五郎右衛門。しかし、伴四郎の目の前で捕縛され、牢に入れられる。伴四郎は、五郎右衛門に面会を求めるがかなわない。その上、彼がもう生きることを諦めていることを知る。なんとか五郎右衛門を救いたい伴四郎は、彼を脱藩に誘ったお松に会いに行くが、彼女もまた、人生に絶望していた。そこで伴四郎は生きる気力を失った彼らのために、魂をこめた料理を作ることを決意する...。
高野藩士・酒田伴四郎(瀬戸康史) は、相変わらず江戸勤番生活。しかし最近は江戸料理のご意見番などと調子に乗っていた。正月に藩主・茂照(草刈正雄) から直々に褒美をもらったのを皮切りに、跡継ぎ・清之助(若山耀人) の側役を仰せつかる大出世! ウハウハの伴四郎であったがこの清之助、どうも今で言う反抗期のようで、血のつながらない殿とうまくいっていない。二人は殿から英国公使の接待を仰せつかるが、伴四郎の安易な振る舞いにより失敗に終わる。清之助の次期藩主襲名にも暗雲が立ち込める。そんな逆境の中、伴四郎は形勢逆転の料理に挑む…!
殿の衣裳に不備があり、伴四郎は藩から追われる身に。ふと目を覚ますと、勤皇派の急先ぽう、南海藩の屋敷にいた。中間・惨助になった殿から南海藩に奪われた書状を取り戻すために人足として五両で売ったと告げられる。納得できない伴四郎であったが、藩内の人足衆の粗末な食生活に思わず目を奪われる。南海藩は英国公使を厚遇するあまり、極度の財政難に陥っていた。伴四郎は妻・すず(三吉彩花) からもらった調味料を使ったある料理を思いつく。果たして伴四郎は飢えに苦しむ人足衆を救えるのか?
人足衆の窮地を料理で解決した伴四郎は、書状が勘定方の新八(桐山漣) から藩の御用商人・桔梗屋(国広富之) に渡ったことを知る。その書状は清之助の出自にまつわる門外不出のものであることを惨助から聞く。伴四郎は桔梗屋の隙を見て書状を奪うが、それは英語で書かれた西洋料理のレシピであった。それをもとに英国公使に料理を振舞うため、伴四郎と新八は食材集めに奔走する。藩邸に戻り、これから取りかかろうとした矢先、貴重な食材を駄目にしてしまう。伴四郎は公使をうならせる料理を作ることができるのか?
料理の腕を認められ、伴四郎は賄方に昇格する。そんなやさき、南海藩では「召し放ち総入れ札」が行われることになった。財政難のため、不要な人材をやめさせるというのだ。しかし裏では、桔梗屋の陰謀が画策されていた。のんきな伴四郎はわざと失敗をして、召し放たれようとするが、殿から叱責される。総入れ札の結果、伴四郎と賄方の下働き・お常(萩原みのり) が同票となり、どちらが藩を去るか、決戦の料理対決に発展する。伴四郎に促され、殿も料理を始める意外な展開に。勝負の行方は? 書状の奪還は?
原田宗太郎(笠原秀幸)に闇討ちされた惨助は、命からがら川原屋に助けを求める。与一(クロちゃん)から知らせを受けた伴四郎は、殿の容体を危惧する。翌日、エゲレス公使・アボット(厚切りジェイソン)の新しい妾となったお常(萩原みのり)が藩邸に現れる。お常は自暴自棄となり、無理難題を投げつけ伴四郎たちを困惑させる。伴四郎はお常を不憫に思い、少しでも願いを叶えようと大食い試合を提案する。その矢先、お徳の不手際で例の書状がお常の手に渡る。そこでお常は書状を大食いの一等の褒美にすると宣言。桔梗屋が仕組んだ罠をかいくぐり、伴四郎は見事勝利となるか!
ようやく書状を取り返した伴四郎だったが、今度は妻・すずの行方が分からなくなってしまう。夜の町を探し回る伴四郎は、お羽を襲う黒マントの大男に遭遇する。同じ頃、江戸の町では若い女をさらう”吸血鬼”の噂で持ちきりだった。伴四郎は犯人を誘き出すため、「お江戸美人比べ」を催すことを思いつく。川原屋のお菊(酒井若菜)やお千代の方(戸田恵子)までもが緊急参戦し、美人比べは大盛り上がりを見せる。その夜、優勝したお菊が自ら囮になることを買って出る。伴四郎は力添えにと吸血鬼の弱点であるニンニク料理を作る。果たして伴四郎はすずを見つけ出せるのか!
南海藩邸に移されたすずは、あと数日で船に乗せられることに。伴四郎は藩邸への侵入を試みるが、頼みの綱でもある新八にすら追い返されてしまう。だが宗太郎の口利きにより、伴四郎と惨助は侵入に成功する。二人はくまなく藩邸内を探し回るが、すずは見当たらない。お徳とじゃれ合う平三と問答しているうちに新八らに見つかり、捕縛されてしまう。伴四郎は懸命に新八たちを説得するが思いは届かない。そこで、せめて最後に一品、料理を作らせて欲しいと懇願する。出来上がった「魂のブシメシ」を食べ、新八たちは次第に目を覚ましていく。伴四郎は無事にすずを助けることができるのか!