30歳、独身のサラリーマン河地大吉は、祖父・宋一の葬儀で見知らぬ女の子・りんと出会う。 その6歳の少女は、なんと祖父の隠し子だった。子供が苦手な大吉だったが、親戚たちの、りんへのよそよそしい態度に違和感を募らせていく。そしてとうとう、りんの引き取り先を決める親戚会議が始まって…。
何を着せれば?食事は?保育園はどうする?6歳の女の子との二人暮らしに戸惑いの連続の大吉。 保育園初日、不安な顔をするりんに、なるべく早く迎えに来るとゆび切りをする大吉だったが…。りんとの生活に自信の持てない大吉は、りんの母親に会うこと考え始める。
小学生になったりん。大吉は、記念樹を植えることを提案する。りんは持っていたびわの種を庭に植えるが、果たして芽が出るかどうかもわからない。もしかしたら、宗一もりんの誕生記念に何か植えているのではと、大吉が正子を訪ねたところ…。
大吉のいとこの春子が、娘の麗奈と大吉の家に家出してくる。春子の覚悟をはかりかねて、ひとりヤキモキする大吉。そしてその気持ちを知り、母として強くなった春子に少なからず驚く。結婚とは何か、家族とは何かを改めて考える大吉であった。
りんの夏休みが始まった。大吉とりんは宗一のお墓参りに行くことに。そして、宗一の墓石にはインク瓶に差したりんどうが。りんの母親・正子がついさっきまで来ていたのだ。走り出す大吉。正子に追いついた大吉はある意外なことを提案する。
大型台風が接近。大吉がお迎えに行くと、学童に残っていたのはりんとコウキの二人だけ。嵐の中を帰ってきた3人は、おおはしゃぎ。そこへ、コウキを迎えにきたコウキママも加わって、一緒にご飯を作って食べることに。それは、まるでひとつの家族のようで…。
文化祭の帰り道、りんに熱があることが発覚する。コウキママに励まされながら必死に介護する大吉だが、食事もとれず飲み物すら飲むことができないりんに、不安と焦りはつのるばかり。あらためて、りんがかけがえのない存在であることに気付くのだった。
りんと出会って1年。自分にとって子育てって……公園で遊ぶりんたちを見ながら漠然と考える大吉。歯がぐらぐらのりんにオロオロとうろたえながらも、またひとつりんの成長に立ち会った夜、誰かと一緒に生きていくことの素敵をかみしめる大吉だった。