妖魔の国・ユグヴァルランドの王女アスタロッテは、男の精を吸って生きるサキュバスという種族。自らの生命維持のためにも後宮を作らなければならない年頃になってきたが、ロッテは極度の男嫌い。口うるさい女官長のユーディットに後宮作りをあきらめさせようと「人間の男を連れてこい」と無理難題を押しつける。ところがユーディットは世界樹の扉を開き、本当に人間界へと旅立ってしまった。そこで彼女が出会った人間とは?
ユーディットが人間界から連れてきたのは塔原直哉という青年だった。自分で人間の男を連れて来いと言い出した手前もあって、ロッテは直哉に夜伽の相手を申し付ける。ところが、直哉はロッテの部屋のドアを開ける祭に、ピッチャーのミルクをこぼしてしまった。すぐに新しいミルクを用意しろというロッテだが、直哉は同じ味のミルクをなかなか見つけられず途方に暮れる。実は直哉に難癖をつけて追い返そうとするロッテの作戦だったのだが……。
正式な後宮候補としてロッテの屋敷で暮らすことになった直哉が、人間界から娘の明日葉を連れてきた。まだ若い直哉に娘がいてショックを受けたロッテは、思わずきつい言葉を浴びせてしまう。一方で父親を悪く言われた明日葉もおもしろくない様子。そんな明日葉に、ロッテと仲よくしてほしいと優しく諭す直哉。明日葉は仲直りをしようとロッテを探すが、既に学校に行った後。すると明日葉は、自分も学校に行きたいと言い出して……。
ロッテたちの学校で保護者参観の社交パーティーが開催されることになった。「絶対に来てね!」とうれしそうに直哉へ案内状を渡す明日葉の横で、ロッテは浮かない表情。父親は他界しており、国王である母・メルチェリーダも多忙のため、なかなか保護者参観には来られないのだ。そんなロッテに、案内状を直接渡しに行きなよという明日葉。戸惑いながらも勇気を出したロッテは、次の日さっそくメルチェリーダの城に向かうのだが……。
ロッテの寝顔を見ようと屋敷に忍び込んできたメルチェリーダと出くわした直哉は、ある重大な事実を知ってしまう。直哉と明日葉にとって、メルチェリーダは深い関係のある人物だったのだ。メルチェリーダに「絶対に伝えたい一言」があるという直哉は、明日葉を連れて会いに行こうと決意する。しかし、国王の城に潜入するのは容易なことではない。そこでユーディットに相談するのだが、なぜかメイド服を渡されるのだった。
遊園地の優待券を手に入れたロッテは直哉を誘おうとするが、なかなか直哉に話しかけられない。というのも、直哉の優しい人柄に甘えた屋敷の者たちが何かと直哉に仕事を手伝わせていたからだ。「おもちゃ」である直哉が好き勝手に使われていることにヘソを曲げたロッテはついに家出。みんなが必死にロッテを探す中、直哉は世界樹の下でロッテを見つける。だが安心したのも束の間、ロッテの体は光に包まれ目の前から消えてしまった!
世界樹の扉が開き、ロッテは人間界へ。直哉の家でひとり過ごすロッテは、魔力が不足しているため自力で帰ることができないでいた。そこで、直哉が人間界まで助けに行くことに。さっそく自宅へ向かった直哉だったが、ロッテは「おもちゃ失格だ!」と直哉を追い返そうとする。直哉は一瞬ショックを受けるも「ごめんなさい」とロッテに謝り、2人は無事に仲直り。するとロッテは仲直りのしるしとして、直哉に“あること”を要求する。
スヴァルトヘイズという国から王子のシグルドが留学してくることになった。しかし、シグルドは留学初日から盛り場で美女をはべらせて遊んだりするような、かなり問題の多そうな人物。そんなシグルドが、街で偶然ぶつかったロッテに一目惚れ。ロッテにもう一度会おうと王立学園に編入するも、男女別々の校舎という壁に阻まれる。あらゆる手段を駆使して女子校舎に潜入しようとするシグルド。彼の想いはロッテに届くのだろうか……?
王室専用のプライベートビーチへやってきたロッテたち一行。スタイル抜群な女子たちの水着姿は、直哉にとって少々刺激が強すぎる様子。スイカ割りをしたり、ボートで遊んだりと思い思いに夏の海を楽しむ中、ロッテは直哉に泳ぎを教えてもらい、なかなかいい雰囲気だ。ロッテを追ってきたシグルドや、お忍び休暇を満喫中のメルチェも現れ、ビーチはさらににぎやかに。だが突然、直哉の具合が悪くなり、そのまま倒れ込んでしまった!
年に一度の「創世祭」の日が近づいてきた。この世界を支える世界樹に感謝をささげるのが趣旨のこの祭では代々の王族が歌舞音曲を披露するのが習わしとなっていた。その舞台へ向けての準備を進めるロッテ。今年は特に世界樹に対して思うところがある様子だ。しかし、練習の段階から緊張でガチガチのロッテは、歌もダンスも本来の力を出せないでいた。そこで、明日葉、ミスト、ユナ、リュッカの4人でロッテの特訓に協力することに。
ある朝、目を覚ましたロッテは背中に違和感を覚える。ロッテの背中には赤いアザができていて、それは成体になった証である翼が生える前兆だった。つまり大人の体になるということで、ユーディットはさっそく直哉に本来の役目であるハーレム候補としての仕事を命じる。突然の展開に慌てる直哉だったが、そんな彼の体にも異変が起こっていた。イニによると、世界樹から放出されている魔力が、直哉の異変と関連しているらしいが……。
世界樹の魔力を安定させるため、妖魔界から去らなければならなくなってしまった直哉と明日葉。せめて思い出だけでも持ち帰ってもらおうと、ロッテは直哉をデートに誘う。夜の遊園地で過ごす最後の時間を心ゆくまで楽しむ2人。既に言葉は通じなくなってしまっていたが、気持ちは通い合い、お互いを想う心はひとつになっていた。いつか必ず再会することをロッテと約束し、直哉は明日葉と共に人間界へと帰還。そして時は流れて……。