新島圭介は恋をした。相手は取引先の会社員、古賀貴恵。貴恵をデートに誘い、告白し、結婚して、娘の麻衣が生まれた。しかし、幸せな日々は貴恵の死によって終わりを告げる。最愛の妻を亡くし、生きる気力を失う圭介。それから十年。妻の死から立ち直れずにいる圭介の前に、ひとりの小学生が現れる。「私は新島貴恵! あんたの妻、麻衣の母親!」彼女は貴恵の生まれ変わりだと言うが……?
貴恵が小学生の姿ながらも帰ってきてくれたことを喜ぶ圭介と麻衣。十年ぶりに一緒に出かけ、その奇跡に圭介は感涙してしまい、貴恵と麻衣に呆れられる。共に過ごせなかった時間を取り戻そうと圭介ははりきる。一方で白石万理華として小学四年生の生活をおくる貴恵は人知れず悩みを抱えていた……。
転職活動に成功し、新しい仕事をはじめる麻衣。だが、はじめての客先で相手とコミュニケーションがうまく取れず、落ち込んでしまう。貴恵は麻衣を励まし、花火大会へ誘う。同じ頃、会社帰りの圭介は花火大会に立ち寄っていた。そこで会った会社の後輩社員、守屋と一緒に花火を見ることになって……。
麻衣は同じ失敗をしないようにと、客先の相手・愛川蓮司に真心を持って話しかける。その想いは通じ、蓮司は己の過去を話すなどして少しずつ心の距離を縮めていく。そして偶然再会してしまった貴恵と守屋も、友人としての距離を縮めていて……。
貴恵は、母・千嘉の再婚のために引っ越すことになる。そのせいで圭介たちと離れてしまうことを心配する貴恵だが、圭介たちは「一生会えなくなるわけではない」と心配する様子はない。育児放棄をする千嘉ではあるが、彼女の幸せも願う貴恵は再婚を前向きにとらえ、千嘉の再婚相手とも仲良くしたいと思う。
娘である万理華(貴恵)が圭介たちと仲よさげにしているところを目撃した千嘉は、貴恵に詰め寄る。真実を話せない貴恵は黙るしかなく、それはますます千嘉を怒らせる。千嘉の激昂を目撃した圭介は、貴恵の複雑な家庭環境をはじめて知る。たとえ妻でも、いまは無関係の人間同士であることを痛感する圭介だが、貴恵を救いたいと願う。血のつながりよりも大切なものがあると信じて。
貴恵と千嘉の問題はひとまずの解決をみせ、ほっとする圭介たち。そんなときに、麻衣のもとを蓮司がおとずれる。蓮司が麻衣の恋人であると知った圭介は衝撃をうけ、動揺する。それは守屋に心配されるほどのダメージだったが、そんなときに何気なく言った言葉が守屋へひとつのきっかけを与える。