生きることに絶望していた少年・架橋明日は、中学校卒業の日に自ら死を選ぶ。だが天使ナッセが突如現れ、明日の命を救った。ナッセはさらに「生きる希望」として、天使のアイテム「翼と矢」を授ける。明日は最初ナッセを拒絶していたが、翼を得たことで、生きる希望を少しずつ取り戻し始めた。しかしナッセによってもたらされる衝撃の情報……真実を確かめるために明日は、育ての親である叔母との対決に赴く。
明日(ミライ)は自分が「神候補」に選ばれたことを、ナッセに知らされる。13人の神候補の中からたった1人だけが、次の代の新たな神に選ばれるらしい。すぐには信じられずにいる明日だが、幸せに生きるための一歩を踏み出そうとする。しかしある日、別の神候補が不審な死を遂げたことを知ってしまう。さらに銀行強盗の事件現場では、「メトロポリマン」と名乗る新たな神候補がTVカメラの前に姿を現す。
4月になり、高校生となった明日(ミライ)。入学式当日に高校へ向かうと、頭上に天使の姿が……さらに幼なじみの少女・花籠咲(はなかごさき)に、キューピットの矢である「赤の矢」を刺されてしまう。天使ルベルの策略にはまった明日は、咲を守るためなら、自らの命を投げ出しても構わないという状態に。他の神候補と刺し違える覚悟をするが……。一方、覆面神候補・メトロポリマンが動き出し、事態は新たな局面を迎える。
TV中継を通じて、メトロポリマンは他の神候補たちに呼びかけた。皆で集結し、話し合いで次の神を決めようというのだ。しかし現れた神候補・メトロブルーとメトロイエローは、メトロポリマンを信じようとしなかった。神保球場で繰り広げられる二転三転の戦い。自分たちはどうすべきか?客席で激しく葛藤する明日と咲……さらに絶体絶命の状況となり、2人は究極の決断を迫られる。
「何も出来なかった……」。その無力感だけを噛みしめ、明日(ミライ)と咲は神保球場を後にする。圧倒的な力を持つ策略家・メトロポリマンを相手に、自分たち2人だけで戦いを挑めるとは思えない……しかしそんな明日と咲に、新たな別の神候補が接触してくる。六階堂七斗(むかいどうななと)という神候補だ。「メトロポリマンを次の神にしてはならない」と、六階堂は明日たちに言う。そのために共闘関係を結ばないか?と二人に提案してくる。
連続女子中学生殺人犯・少女Aが、収監先から脱走した。メトロポリマンが他の神候補を誘い出すため、翼と矢を与えて脱走させたのだと、明日(ミライ)たちは推測する。次の神となるために手段を選ばぬメトロポリマンの卑劣さを、嫌う明日。やがて最初の犠牲者が都内のグランタワーで発見され、事態は目まぐるしく悪化していく。少女Aの凶行を止めるため、明日たちはある手段に出る。
翼で駆けつける明日(ミライ)と六階堂。グランタワーには邪悪な罠が仕掛けられていた。立ち込める爆煙の中から現れる宿敵メトロポリマン。ついに直接対峙した明日を、「戦う勇気の持てない小者(こもの)」とメトロポリマンは侮っている。しかし追い詰められた明日が、予想外の行動に出る。明日が命がけで放った一矢は…?
グランタワーでの初の直接対決は、明日たちに様々な影を落とした。戦いに1人だけ参加できなかった咲は、何か思いつめているよう。そして明日に「私を殺して」と訴える。平凡で心優しい少女・咲が、なぜ神候補に選ばれたのか?その真相を知った明日は、咲にある選択を迫る。一方、メトロポリマンの正体であるエリート高校生・生流奏も、次の攻勢に出ようとしていた。
新たな神候補が、明日たちに罠を仕掛けてきた。長髪イケメン、翼と矢の他に刀を武器として使う神候補、その名は底谷一(そこたにはじめ)。今まで悲惨な人生を歩んできたハジメは、自分とは正反対のメトロポリマンこと奏を崇拝し、忠実なしもべとなることを望んでいた。そのために明日たちを狙い、ある場所へと向かう。
ハジメによって妻と娘を人質にされた六階堂は、2人を助けたい一心で脱出不能の罠に閉じ込められてしまう。彼らを救うため明日もあえて罠に飛び込む。一方、「赤の矢」しか持たない咲は、戦力にならないと家に1人残されていた。翼なしでは戦うことはできないが、それでも明日たちを助けに向かおうとする咲。そんな咲を見て、己の無力さを噛みしめる天使ルベル……その頬を初めて涙がつたう…!
ルベルが1級天使に昇格し、咲は翼を得た。戦いの場に急行し、ハジメに赤の矢を刺すことに成功する。赤の矢の力で初めて愛を知ったハジメが、激しい葛藤の末、選んだ答えは……。だが一方、奏もとっておきの切り札を隠し持っていた。それにより戦いは混迷、一進一退の攻防が繰り広げられる。
奏の部下の1人・冬子は、殺人ウィルスの研究者。冬子は「殺人ウィルスをばらまいて無差別テロを行う」と明日たちを脅迫する。そして「テロを防ぎたければ、代わりに明日たちが新薬の実験台になれ」と要求してくる。最初の実験台に明日を指名する奏。六階堂や咲は必死に止めるが、犠牲を出したくない明日は聞き入れず、冬子と1対1で対峙する。迫る注射針。果たして明日の命運は……。
遊園地廃墟での戦いにより、敵味方双方のメンバーが次々倒れていく。ついに明日の「赤の矢」と奏の「白の矢」の戦いが始まる。死力を尽くした緊迫の攻防が繰り広げられる中、奏の秘められた想いが次第に明らかとなる。奏は自分の「理想の世界」について、明日へと語り始める。
明日と奏の1対1での決闘は、本人たちも察知しない間に、何者かによってネット生配信されていた。日本中の人々、そして警視庁までもが注目して動き出す中、二人の決闘は最終局面を迎える。 幸せを望む「赤の矢」と、願いを叶えるための「白の矢」。命を懸けて戦う者たちの結末とは……。
命と引き換えの六階堂の行動により、メトロポリマンこと奏との長きにわたる戦いにはようやく終止符が打たれた。だが明日だけは気付いていた。奏は何者かによって密かに、赤の矢を刺されていたのだ…… いったい誰が奏を操っていたのか? 警視庁も神候補たちの正体を突き止めるべく本格的に動き出し、事態は次なる局面に入る。そしてまた新たな神候補が動き始める。
神候補・小学生の向が「神選び」についての情報をTV中継で大々的に明かしてしまった。その事によって世界中の人々が神候補を捜し始めてしまう。緊迫を高める明日と咲。二人はもはや世界中に追われる身、万が一にも正体がバレてはならない…… だが、ある日の下校中。星と名乗る警視庁の刑事が、明日に接触を図ってくる。
警視庁の星と弓木の協力を得て、明日と咲は他の神候補たちを捜し始める。 周りの人間が立て続けに死んでいる中学生の中海兄弟、そのどちらか一方が神候補だと推測した明日たちは、中海家に向かう。そこで目撃する意外な光景…… 弟・中海修滋の説得を明日は試みるが、中海の心は頑なで、容易には応じようとしない。 幸せとは何か? の問いに明日は改めて向き合う。
明日・咲・向・中海……これまでに意思を確認し合えた神候補は4人。残るは2人。そのうちの1人、手毬由理は警察に捕らえられて軟禁状態にある。手毬の救出に動き出す明日たち…… 明日たちは、現在まだ残っている6人の神候補たち全員での話し合いで、誰が神になるかを決定したいと望んでいる。だが、いまだ正体の判明していない最後の神候補の思惑は未知のままで……。
最後の神候補を話し合いのテーブルにつかせるため、明日たち5人はTV中継を通じて堂々呼びかける。 自衛隊の攻撃ヘリも現れて事態が緊迫する中、最後の神候補がついに姿を現わす。 その名は米田我工。世界最高峰の頭脳とも称される、ノーベル賞受賞者の大学教授だ。 米田の参戦で、世の大衆たちは一気に沸き立つ。そして米田は、神に関する持論を明日たちへと語り始める。
神候補が初めて全員集まっての会談は、最悪の形で終わる。 そして神候補たちは二つの派閥に分裂する。 一方のリーダー格は明日。対するもう一方は、破壊の天使ムニをパートナーとする米田。 学生時代に米田と同級生だった星は、当時の米田とのエピソードを明日に語る。 米田の人物像が次第に明らかとなる一方…… 天界では異変が起こり、タイムリミットが近付き始める。
来たる対決に向け、明日たちと米田はそれぞれ秘密裏に準備を進める。 機は熟し、先手に打って出る米田。マスコミを通じて明日たちに、米田は最終対決の日時と場所を通告する。 覚悟を決めるため、二人きりでの時間を過ごす明日と咲。 そしてついに神候補たちの最終対決が始まる。米田の目論見とは…?
最終対決の場は新国立競技場。米田は明日たちに、人類の辿る運命についての持論を披露し、明日と二人きりでの対話を要求する。要求に応じ、その場をいったん離れる咲や手毬、中海、弓木……明日と米田、そして見届け人の星だけが残される。 米田は、彼の思い描く人類の未来のため、次の神の誕生を阻止しようとしている。 米田に打ち勝つため、明日は全世界が注目する中、ある覚悟を見せる。
白の矢が今にも明日を射ようとした時、パートナーのナッセにも、ある決定的な変化が訪れる。 それは戦いの行方を左右しかねない変化だった。 事態がさらに二転三転の展開を見せる中…… 長きにわたった神候補同士の争いに、決着の時がついに訪れる。
次の神の座についた神候補は、天使たちと共に天界にやって来る。 人間だった頃には知る由もなかった、天界の様々な秘密を目の当たりにして驚く。 一方、神を決める争いから解放された明日や咲、他の生き残った者たちは、それぞれの道を歩み始めていた。 幸せをひたすら追い求めてきた明日の人生も、ようやく一つの達成を迎えるかに見えたが……。