世界大戦の影響によって人々から見捨てられた街「封印都市」。そこからまだ使える物を回収する「屑屋」と呼ばれる商売を生業としている一人の男が居た。彼はその探索の最中、屋上にレドームのような施設の付いた建物を発見し迷い込む。その建物は廃墟となったかつての商業施設であった。建物を探索する中、何故かまだ電気が通っている最上階の部屋を発見する。暗視カメラに突然入った光の中に映し出されたのは、少女の形をしたロボット「ほしのゆめみ」。彼女は彼を250万人目のお客様と称して、花束と称するガラクタを渡し、投影によって歓迎しようとする。その「少し壊れているロボット」を自称する彼女の話によれば、そこは商業施設の最上階にある「プラネタリウム」であり「星空」を見せてくれるのだという。しかしその装置は壊れており、直す者の居ない封印都市では投影できるはずもない。担当者によりじきに修理され投影出来るようになると引きとめる「ゆめみ」を後に「屑屋」は再びそこを去ろうとするが、気が変わり踵を返す……。
屑屋の修理は成功し、ゆめみによる投影が始まった。ゆめみと投影機「イエナさん」によって、夏から秋の星座の解説、それにまつわる神話が語られ、その様子に屑屋は心を動かされる。通常の投影が終わり、250万人来場記念の特別投影が始まったその時、プラネタリウムの電源が落ちてしまう。それは細々と続いていたプラネタリウムへの電力の供給が停止していたことが原因であった。投影を継続できないことに肩を落とすゆめみに屑屋は一つの提案を行う。それは、ゆめみによる解説のみでの投影の継続であった。機材が不完全な状態での投影を渋るゆめみに屑屋は「星のことは全て頭に入っている。だから解説だけでかまわない」と嘘をつき、ゆめみによる投影は再開された。翌日、プラネタリウムを後にしようとした屑屋にゆめみは帰路の距離を尋ねる。話を聞くと、帰りの車まで付き添うという申し出であった。
封鎖壁の外に戻る屑屋についていくことになったゆめみ。道すがら在りし日の花菱デパート周辺施設を案内する彼女を呆れながらも連れて歩く屑屋。その道中、屑屋は壊されたリカーショップの店内で一本だけ、無事な酒瓶を見つける。久々に手にする酒を飲みほしながらゆめみの今後に思いをめぐらせる中、屑屋はシオマネキの姿を目にする。ゆめみの機動性からすり抜けることは難しいと判断した屑屋は、ゆめみに今の状況を説明しそこに留まり屑屋が戻るのを待つこと、実際に見たものを頼りにこの先の事を決めておくことを指示し、一人シオマネキの撃破に向かう。ビルの物陰からシオマネキに攻撃を仕掛けた屑屋であったが攻撃は不発。シオマネキからの反撃のレールガンが屑屋に向けて放たれた……。
シオマネキへの奇襲に失敗した屑屋。シオマネキの反撃にもひるまず、屑屋は更に戦闘を継続する。第二発目の砲弾は、相手の脚部に当たり動きを封じることに成功するが、反撃で屑屋もまた、足を負傷してしまう。身動きがとれなくなった屑屋の目に、ゆっくりとシオマネキに歩み寄るゆめみの姿が映った。ゆめみに気をとられたシオマネキに屑屋はとどめの砲弾を打ち込むが、ゆめみは半身をシオマネキに破壊された姿となっていた。その行動を問いただす屑屋に、ゆめみは人間に危害を加えようとしている機体を暴走状態のロボットと認識したこと、ロボット工学三原則第一条に基づき停止させるべく行動を起こしたのだと答える。そして、命令に反したこと、そしてシオマネキの攻撃行為をシオマネキに代わって詫び、過去の映像を走馬灯の様に映し出す。バッテリの残量が減り機能停止が近づく中、「本当はゆめみを迎えに来ていて、壁の向こうにはお前の職場があり、また働けるのだ」と屑屋は嘘をつく。その言葉にゆめみは自分のメモリーカードを屑屋へ託し、屑屋はメモリーカードと交換に首から下げていたペンダントをゆめみにかけ、封印都市を後にする。