天才棋士・彰一(中村獅童)を父に持つ飛鳥(のん)。 母・桂子(奥貫薫)と三人で仲睦まじく暮らしていたが、やがて彰一は「勝利」への執着に囚われ、家族を捨てて家を出て行ってしまう。 それから23年。桂子は病に倒れ、飛鳥は貧困のなかで孤独に生きていた。 そんな彼女の目に映ったのは、将棋界で華々しく活躍する父・彰一の姿。 捨てられた過去、叶わなかった日常、募る憎しみ――。 抑えきれない感情が限界を迎えたとき、飛鳥は衝撃の行動に出る――。
母を失い、飛鳥(のん)はますます孤独な日々を送っていた。そんなある日、飛鳥の勤める職場で窃盗事件が発生。その容疑者として疑いをかけられ、飛鳥は警察に拘束されてしまう。絶望の中、警察署に現れたのは、飛鳥の異母弟・龍也(森愁斗)だった。龍也の口添えによって、飛鳥はある条件のもとで釈放される。だがそれは、龍也が仕掛けた、巧妙な罠だった。