伊藤若冲の世紀の大発見は、長さ3メートル余りの絵巻『果蔬図巻(かそずかん)』。52種類の野菜と果物が楽しそうにパレードでもしているかのような作品。二百数十年前の作品とは思えない、鮮やかな色彩を残し、様々な技法を用いて描かれています。大の若冲ファン・渡辺いっけいさんも大興奮。実はこの作品によく似た若冲の絵巻があります。 果蔬図巻の一年あとに描かれた重要文化財『菜蟲譜』。その絵にも同じように野菜や果物の姿が。両者を比較すると興味深い若冲のこだわりが示されていました。彼は何故、野菜や果物を描いたのか、その謎を紐解いていくと、天才芸術家の知られざる姿と、波瀾の人生が見えてきます。若冲が野菜や果物に込めた思いとは。 <Art Traveler>渡辺いっけい <ナレーター>磯村勇斗
旅の舞台は、新潟県上越市。玉井の生まれ故郷であり創作の拠点であったこの地に、表紙絵の原画が保存されています。今も鮮やかな色彩を放ち、体温すら感じるとってもリアルな子どもたちの笑顔が、髪の毛の一本一本、瞳の輝きまでも丁寧に描写されています。 どのように描いたのか。早熟の天才、玉井が21歳で描いた戦艦「三笠艦橋の図」は、かの東郷平八郎が絶賛し、自ら揮毫(きごう)するほどの出来栄え。表紙絵は時代を映す鏡です。東京オリンピック、日本万国博覧会、アポロロケット…昭和の子どもたちの黄金時代、その満面の笑みを見ながら、あの日に思いを馳せて。 かつて、こんな凄い画家がいたと。 <Art Traveler>渡辺いっけい <ナレーター>上野樹里
尾崎豊の鮮烈なデビューアルバム「十七歳の地図」(1983年12月リリース)。壁から飛び降りる姿が印象的なジャケットは、如何にして生まれたのか? そんな尾崎をデビューから亡くなるまでの9年間、様々な表情を撮影し、すべてのジャケットデザインを手掛けたグラフィックデザイナー・田島照久。 現在も浜田省吾をはじめ数多くのミュージシャンのジャケットデザインなどを手掛けている田島のアートワークの魅力に迫ります。 さらに、テレビ初公開「十七歳の地図」の貴重資料が登場!乞うご期待!! <Art Traveler>辛島美登里 <ナレーター>磯村勇斗
東京六本木の真ん中にある名建築・国際文化会館。昭和を代表する建築界のビッグスリー、前川國男、坂倉準三、吉村順三の共同設計で誕生した。この三人が一緒に仕事をするのは前代未聞。 ライバル同士の個性が見事に調和して奇跡的に美しい建物となった。だが三人の誰がどこを担当したのか、詳しい資料はいっさい残されていない。建築大好きな田中卓志さんが、建物に残る痕跡を辿りながら誕生の秘密を解き明かす。 <Art Traveler>田中卓志 <ナレーター>上野樹里
雑誌の常識を覆した日本初の女性向けファッション誌「anan」を生んだ伝説のアートディレクター・堀内誠一。「BRUTUS」や「POPEYE」など数々の雑誌も手がけて時代のトレンドを作りあげてきた。 実はその裏で100冊近くの絵本や本の挿絵を描き「絵本作家の道こそ運命が決めた本命」と語っていた。250万部のベストセラーとなった代表作「ぐるんぱのようちえん」はデザインを極めたからこその表現が随所に見られる。堀内が絵本に託した想いに俳優の小雪さんが迫る。 <Art Traveler>小雪 <ナレーター>磯村勇斗
浮世絵美人画の名手、喜多川歌麿と、天才版元、蔦屋重三郎。二人が奇跡的に出会い、生まれたのが、「美人大首絵」の数々です。日常の一コマを、上半身アップで描く、女心を覗くように…。それは、かつて誰も描いたことのない美人画でした。 女を描いて天下一、歌麿の類稀な能力とは?それを引き出した、蔦重の眼力とは?まさに蔦重なくして、歌麿なし…だったはずが。出会いから蜜月、そして疎遠へ。二人のべらぼうな人生を辿りながら、美人大首絵の秘密に、高島礼子さんが迫ります。 <Art Traveler>高島礼子 <ナレーター>上野樹里
輝く未来都市。波を砕いて進む軍艦。手に取るだけでワクワクしたプラモデルのボックスアート。膨大なジャンルの絵を手掛け、暴れる空想力で少年の心を鷲掴みにした男がいました。名を、小松崎茂。 彼の人生の軌跡は、まさに「昭和」とシンクロします。キラキラとしたあの時代に思いを馳せるとき、誰もが思い出すのは、彼の絵。子どもたちの夢と希望を紡いだ“異能の画家”。希少プラモデルを作りながら、その魅力に迫る! <Art Traveler>加藤夏希 <ナレーター>磯村勇斗
誕生から100年、様々なバージョンが生み出されてきたデンマークの傑作照明「PHシリーズ」。手掛けたのは、生涯200種類以上もの照明を手がけたポール・ヘニングセン。複数のシェードが重ねられた美しいフォルムは、眩しさを嫌ったヘニングセンが、明かりを徹底的に計算して辿り着いた究極のかたち。 それが一体なぜ、日本の伝統家屋にも調和するのか?そこには北欧と日本の意外な関係が。さらに、俳優の田辺誠一さんが、北欧の名作照明を使って心地よい空間づくりに挑戦! 灯りを変えると暮らしが変わる? <Art Traveler>田辺誠一 <ナレーター>磯村勇斗
春の上野公園でアート旅!なぜ上野はアートの発信地となったのか?その秘密を400年前に誕生した巨大寺院から地下空間の巨大オブジェまで時代を象徴する作品を楽しみながら探っていく。広重の浮世絵に描かれた情緒ある上野のお山。 明治以降は公園に生まれ変わり日本の近代化の舞台となった。日本初の動物園や音楽ホール、美術館が次々と誕生して上野は文字通り文化の中心となっていく。そんな上野公園の華麗な美の歴史を俳優の本仮屋ユイカさんが辿る。 <Art Traveler>本仮屋ユイカ <ナレーター>上野樹里
石川雲蝶は、幕末から明治初期にかけて新潟県で活躍した天才彫刻師です。県内の寺社仏閣などに色鮮やかで躍動感溢れる木彫刻を数々残しました。その力量は、襖絵や鏝絵・書院障子の組子細工など多種多様で、現在も県内には、1000点以上の作品が現存しています。 中でも畢生の大作と言われているのが、魚沼市の西福寺・開山堂にある天井彫刻『道元禅師猛虎調伏の図』。畳18畳分の広さの彫刻は、まさに息をのむ迫力です。そんな神業とも言える恐るべき超絶技巧にシシド・カフカが迫ります。 <Art Traveler>シシド・カフカ <ナレーター>磯村勇斗
岡山後楽園は1687年、岡山藩主・池田綱政によって造営開始された大名庭園です。広々とした芝生に工夫を凝らした橋や庭石、一年中絶えることのない季節の花など散策すると様々な景色を楽しめます。特に「曲水」という曲がりくねった水路は庭園全体を駆け巡り風情を醸し出しています。 さらに殿様の居間「延養亭」からの歴代藩主が最も愛した眺めを体験! 築庭から300年以上が経った今もなお美しい、岡山後楽園の秘密に山崎怜奈が迫ります。 <Art Traveler>山崎怜奈 <ナレーター>上野樹里
ユネスコで「世界で最も美しい美術館」に選ばれた広島の下瀬美術館。瀬戸内の美しい小島の風景をイメージして2023年に開館。展示室が水に浮かんで動くオンリーワンの仕掛けを作り出したのが建築家の坂茂だ。 フランス印象派のルノワールやガラス工芸作家のガレなど展示されている銘品はもちろん、敷地内には坂茂が考案した紙管のヴィラ、季節の味を楽しめるレストランも併設されて、これまでにないアート体験ができる場所になった。そんな美術館を一級建築士の試験に合格した俳優の田中道子が訪ねる。 <Art Traveler>田中道子 <ナレーター>磯村勇斗
15世紀イタリア・ルネサンスの傑作がなんと日本に!巨匠ボッティチェリが実在したひとりの女性の横顔を描いた「美しきシモネッタ」。後に数々のヴィーナス像を生むきっかけになったと言われる肖像画を巡るミステリー。いったいどんな女性だったのか。 ルネサンスの栄華の終わりと共に忘れ去られてしまったその絵に再び光が当てられた奇跡とは。そんな貴重な絵がなぜ日本にあるのだろうか。俳優の咲妃みゆがいくつもの謎に挑む。 <Art Traveler>咲妃みゆ <ナレーター>上野樹里
番組史上初めてのアートです。だって素材は「ねじ」!作ったのは町工場のオジサン!でも、ホッコリ癒されるのです。無機質の金属なのに美しく輝いて。なぜ生まれたのか?どうやって作るのか? 町工場から生まれた唯一無二の美「ネジマル」の超絶技巧に迫ります。さらに今回、新作を依頼。発想から製作工程まで、“新種”の誕生をじっくりとお見せします!さあ、どんな「ネジマル」が仲間入りするのか?乞うご期待! <Art Traveler>緒形直人 <ナレーター>磯村勇斗
十勝平野の北西部・鹿追町は、終戦の年に東京から開拓農民として神田一家が入植した土地です。その時日勝7歳。ここに神田日勝記念美術館があります。「馬(絶筆・未完)」は館内の一番奥に。後ろ脚の無い馬がすっくと佇んで。馬の毛並みが、実に精緻に描かれて。しかしこの絵は筆で描いたのではありません。しかもキャンバスではなくベニヤ板に。それは何故か? 19歳で画家デビュー。作品は開拓民に欠かせない農耕馬の姿。短い画家人生の中で苛烈な開拓の姿を描き、表現を模索し、時には爆発するような色彩の絵を描きます。ところが突然病に冒され、残されたのが黒い馬です。しかしその毛並みの中に画家の次なる表現方法が隠されていました。 <Art Traveler>八木亜希子 <ナレーター>上野樹里
初来日!西洋絵画の一大ジャンル静物画のスペイン最古にして最高傑作、コターン「マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物」。不安定な構図に不自然に大きな黒い背景…見れば見るほど違和感を覚える理由を探るため絵の世界を立体で再現。 すると…実は見たままを描いていないという意外な事実が明らかに。読み解きのキーワードは「サスペンス」。すべての細部にピントを当てた普通ではない描き方に答えがあった。西洋絵画を学んだ和田彩花さんが静物画の歴史を辿りながら謎多き絵の正体に迫る。 <Art Traveler>和田彩花 <ナレーター>磯村勇斗