あの北斎の娘、葛飾応為が描いた異色作が、今回の作品「吉原格子先之図」。華やかな吉原の情景が、光と影の強烈な対比によって描かれています。浮世絵に精通した彼女は、独自の技法を駆使し、様々な光と影を描き分けています。そんなこの絵には、ある謎が。 居並ぶ花魁の表情はなぜか隠され、全身が黒く塗りつぶされた者までいます。自ら北斎の影として生きた女性絵師、葛飾応為は、この光と影の中に、吉原の何を描こうとしたのでしょう? <Art Traveler>高島礼子 <ナレーター>磯村勇斗