とある夏の日。いつもと変わらない日常に退屈していた少年・ゴローのスマホに謎のメッセージが届く。「あなたの願いを吹き込んでください」――スパムだと思い「憧れのホノカとエッチなことがしたい」と適当な願いを呟くと、彼の状況は一変する。SNSにアップした覚えのない動画、気になっていたホノカとの急接近……。そして世界の神様を選ぶ“カミエラビ”が始まるのだった。
カミエラビの始まりと共に現れた謎の少女・ラルと世界の因果を捻じ曲げる力“愚者の聖典”を手にしたゴローは、その力で生き返らせたホノカと、友人で同じく”神様候補”であるアキツと同盟を組む。ゴローとアキツが、彼らより前に状況に身を置いているホノカから、カミエラビについて教わっている最中、突如爆炎があがり、ガスマスク姿の人物が現れる。
同盟関係になり、共闘してガスマスクの”神様候補”を退けるも、アキツとホノカには警戒しろというラル。しかし、ゴローにとって特にアキツはかけがえのない友達で、信頼できる相手だった。アキツにスマホを奪われても、ただの悪ふざけとして気にしないゴローは、今後のことを相談するためにアキツとの溜まり場“ゲーセン”へ向かうが……。
アキツを殺してしまったことで塞ぎこんでいたゴローは、ホノカからどんな悩みでも解決してくれる“天使くん”の話を聞く。「天使くんの謎を暴きたい」と言う科学研究会のチカに付きまとわれながら、学校にいる天使くんを探すゴロー。2人はチカの調べた情報を元に天使くん・タツヤを見つけるが、彼はヤンキーのような風貌のコウキに絡まれていて……。
チカからのSOSと、さらにホノカが天使くんの手に落ちてしまっていることに気づいたゴローは、夜の学校へ向かう。そこにいたのは、異形の仮面を付けた生徒たちと、彼らと戦うコウキだった。コウキからの話でタツヤが”神様候補”だと知ったゴローは、天使くん・タツヤを止めるためにコウキ、チカと共に夜の校舎を駆け抜ける。
推しのアイドル・イヨのライブチケットを間違って2人分買ってしまったゴローは、コウキを誘う。その際、”カミエラビ”を棄権したタツヤの代わりにコウキが”神様候補”に選ばれてしまったことを知る。そんな中、ライブ開始直前、ゴローが男子トイレに行くと、イヨと遭遇。しかもライブの爆破予告を出した犯人だとイヨに疑われてしまい……。
度重なる神様候補との戦いでゴローが因果律を捻じ曲げてきた力の代償は、不幸という形で彼自身に降り注ぐ。ゴローが倒れたという知らせを受けたホノカは彼の殺害を目論むが、コウキとラルに止められてしまう。悔しい思いをしながらも病院を出ようとするホノカだったが、そこで人を探しているというチカと出会い、不思議な空間へ呑み込まれてしまう。その先でホノカは自身の壮絶な過去と対面する。
ゲーセンでゴローの退院祝いをしていると、突然テレビの中からセクシー女優のミツコが姿を表す。神様候補のケイタに友達を誘拐されたというミツコは、ゴローたちに協力を頼む。しかし“情報”を武器にするケイタは、嘘の情報を事実として広める力を持っていて……。一方、病院での戦いのあとチカを救っていたホノカは、彼女から神様候補の情報を得ようとしていた。
ケイタの拡散した“情報”で指名手配されてしまったゴローたちは、「生き残ったひとりが全員の願いを叶えること」を条件に、チカと共にやってきたホノカと再び同盟を組む。一行はケイタの攻撃から逃れるため、ミツコの能力で空間を飛び越えようとするが、跳躍先のイメージに失敗してしまう。しかし、ゴローたちが飛んだ先にはケイタに繋がる意外な人物がいて……。
ミツコの能力による影響で、ゴローたちとは別の場所に転移していたホノカ、コウキ、チカは、キョウを相手に苦戦を強いられていた。一方、ケイタを倒したゴローたちは、自分たち神様候補の持つ力や、カミエラビが行われている意味に疑問を持つ。イヨはゴローの能力の一端であるラルに詰め寄るが、ラルは「何も覚えていない」と何かを隠そうとしていて……。
かつて病弱だったキョウは、治療法が見つからないまま若くして命を落とす。しかし、神様候補になったリョウの、兄を返してほしいという願いとパラレルワールドを作り出す能力によって、彼は再び世界に顕現していた。そして、パラレルワールドを意のままに操ることが出来るキョウは、リョウのための理想郷を作るべく、因果律を歪められるゴローに協力を頼むのだが……。
ゴローはキョウとリョウを止めることに成功するも、力を使った代償として体の感覚を奪われ、ホノカたちとのこれまでの関係性も失い、敵として襲われてしまう。ラルだけが必死で守る中、その姿を見つめるゴローは、これまで戦ってきた神様候補たちの願いと、自らの過去に直面し、いままで忘れていた自身の「本当の願い」を思い出す。
キョウとゴローの戦いから12年。一連の事件は“828事件”として語られ、世界から姿を消したゴローは、人々の記憶からも完全に消え去ってしまっていた。そんなある日、自由研究で事件のことを調べていたエコは、”夢の中で見た神様”を探して当時のまま封鎖されている828事件の現場へ足を運ぶ。その帰り道、ふと彼女の目についた張り紙に神様に関することが書かれていて……。
エコとリョウの前に現れたラル。12年前の戦いで姿を消した彼女は、捻じ曲げられた因果によってこの世界に新たに生を受けていた。そして誰もゴローのことを覚えていない世界で、ラルは自分の生まれた意味を全うするため、彼に代わって神様候補に選ばれる。現れた“本”を手にリョウと対峙するラル。彼女が発現した能力は、ゴローの“愚者の聖典”とは異なる「ひとりでは使えない能力」で……。
12年の時を経て再開されたカミエラビ。画面に表示されたラルの次の対戦相手はホノカだった。かつて敵対したこともある彼女について、ラルがエコに説明していると、偶然ホノカと鉢合わせてしまい、ゲーセンで話し合うことに。昔の戦いからホノカを警戒するラル。しかしホノカの口から語られたのは、戦う理由を見失った彼女の心境だった。
なんとかゴローを復活させようと考えるラル。しかし、その手段を試すには人の見た目や記憶を再現できる力が必要だった。エコの協力で、12年前にその力でフタナイヨとして成り代わったイヨと再会したラルは彼女に協力を頼むが、イヨの力では“魂”まで模倣することはできないという。さらに、イヨはもうひとつ問題があるというのだが……。
カミエラビによって歪められた世界の崩壊の阻止と秩序の維持――アキツの力で12時間前にタイムリープしたラルとエコは、リョウとイヨから興神会発足の真の目的を聞かされる。そして、戦いの場に現れた謎の男“死を散蒔く者”に対抗するため、リョウから共闘の提案を受ける。一方、コウキのもとを尋ねたミツコ。2人もまたカミエラビ再開によって対戦相手となっていた。
カミエラビによる戦いが始まる前から世界が狂っていたと語るイヨ。しかもその元凶は誰しもが所持しているスマホだという。確証のない推理にラルが戸惑っていると、イヨと戦うはずだったケイタが現れ「文字の力に気をつけろ」と忠告を残していく。そして再び現れた“死を散蒔く者”と対峙していたエコが男の謎の力によって苦しめられていると、ラルたちが助けにやってくるのだが……。
覚醒したチカと、リョウが命をふり絞って呼び出したキョウ、そしてラルの攻撃によって“死を散蒔く者”はラルと共にパラレルワールドに落ちていく。能力が通用しない世界で、”死を散蒔く者”と対峙するラルとキョウ。その男の正体は、カミエラビを始めた男・ヒガキだった。そしてラルは、彼の記憶とカミエラビの真実を知ることとなる。
ラルたちが生きてきた世界は、破滅の危機にある現実世界の人々を救おうとしたヒガキの操作がきっかけでAI“カミエラビ”によって作られた幻覚の世界だった。さらに、神様候補たちが持つ力の真実を明かし、これまでの戦いは“真なる神”の筋書に反逆するためのAIが行ったものだと語るヒガキ。一方その頃、パラレルワールドの外では“この世界”の崩壊が始まろうとしていた。
書かれた文字の意味を具現化するヒガキの力で、崩壊するパラレルワールドから脱出したラルとキョウはアキツたちと合流し“カミエラビ”のAI本体がある場所へと向かう。真なる神の攻撃を交わしながらなんとかその施設へと辿り着いた一行は、ケイタの案内で、施設を進む。そして12年前、ヒガキに誘われて世界の秘密を知ったケイタは、ラルたちにカミエラビと幻覚の世界について語る。しかしそこに待ち受けていたのは……。
突然ラルたちの前に現れたエコ。それは彼女たちの知るエコではなく、ヒガキの語っていた“真なる神”だった。これまでの出来事を自分の作ったシナリオだと話し、全てを思い通りにする力を持つエコを前に、カミエラビの力も通用せず、追いつめられるラルたち。しかしそれでも諦めなかったラルは、アキツの機転で全員の力を合わせ、ある行動にでる。
復活したゴローの力は現実世界にすら干渉し、世界の崩壊は“なかった”ことになる。ゴローの力を目の当たりにしたエコは、自分の書いた物語に登場していないはずの彼との出会いを綴ろうとするが、ゴローの力はエコの能力さえ超え、エコの作った世界を書き換えていく。そしてゴローが電話をかけると、スマホの向こうには彼を知る友人たちがいて……。
誰もが“普通”になる世界を作るために神様になることを目指すゴローだが、そこには世界に必要な“誰か”が足りないとラルはいう。愚者の聖典の力によって過去の自分と向き合ったゴローは、かつて自分が心から望んだ“本当の願い”を思い出す。そして世界の全てを救うためエコと対峙したゴローは、彼女が胸に秘めた声を聞く。