殺し屋専用のホテル、「ホテル・イン・ヒューマンズ」へ傷を負った一人の男が逃げ込んでくる。雇い主に裏切られ追われている殺し屋、シャオ。ホテルのコンシェルジュ生朗と沙羅は、シャオの生き別れの妹の捜索を依頼される。雇い主に唯一の肉親である妹を人質に取られたシャオは、妹が成人するまでの身の安全と引き換えに殺し屋となっていた。シャオに迫る追手を迎え撃つべく、生朗と沙羅はおもてなし<戦闘>の準備を始める。
求めるのは完璧な殺し、それはさながら寸分の狂いもないオーケストラ。「ホテル・イン・ヒューマンズ」のVIP、変装を得意とする一流の殺し屋、加瀬。殺しの仕事を知らない妻あさみを欺くため偽の出張のアリバイ工作をサポートする生朗は、「妻だけは読めない。」と、唯一加瀬が敵わない相手があさみだと知らされる。ある日、加瀬は完璧なプランニングの殺しを完遂したはずが、不測の事態で重症を負ってしまう。
完璧な変装が仇となり、重傷を負ってしまった加瀬。薄れ行く意識の中で、10年前の妻あさみと出会った頃の記憶を思い出す。加瀬の最後の依頼、それは自分が殺し屋であった証拠の抹消と、大切なあさみを組織の追っ手から守ることである。加瀬の葬儀の中、偶然にも事態に巻き込まれてしまったあさみを陰ながら守る沙羅。加瀬の最期の日の様子を尋ねるあさみに、生朗は一つの封筒を差し出す。
殺しの道具として育てられた少女、ニナ。与えられた任務は人気絶頂のアイドルグループ<ブレインストーミング>のセンター、るーちゃんの華々しいステージ上での死。その10日前、夜の「ホテル・イン・ヒューマンズ」のバーには、ニナと沙羅の姿があった。隣に座る沙羅に、付けていたイヤホンの片方を差し出すニナ。そのイヤホンから流れていたのは、ブレストのファンクラブ限定で先行配信されている新曲だった。
「ホテル・イン・ヒューマンズ」に生朗がやってきてから一年が過ぎようとしていたある日、白紙の招待状を持った若いカップル、伊織と梨果がホテルを訪れる。そんな二人に、いつも通り武器を預かろうとする生朗。しかし沙羅は、二人は「表のお客様」だと制止する。6年前の交通事故以来、それ以前の記憶がないという伊織は、差出人不明の招待状に記憶を取り戻すきっかけを求めて梨果と共にホテルを訪ねたのだった。
フランス育ちのキュートな殺し屋、リンゴ。秘密のバカンスでホテルへとやってきた彼女は生朗と沙羅に、マスターとの思い出のミソスープをオーダーする。病で先が短いリンゴは親代わりの殺し屋、マスターが作ってくれたミソスープを最後の晩餐に選んだ。しかしそのレシピをリンゴは知らない。リンゴはマスターのくれた名前<リンゴ>が唯一のヒントだと告げる。ミソスープの完成に生朗と沙羅は奮闘する。
リンゴを追ってホテルへと侵入してきた殺し屋たちを、次々と迎え撃った沙羅。その前に立ちはだかったのは最後の刺客、二刀流で名高い殺し屋ダブルファングだった。一方で、レシピのヒント<リンゴ>の謎に何か閃いた生朗はマスターのミソスープを作るため、厨房へと急ぐ。大切な客人リンゴのために、二人それぞれの戦いに挑む沙羅と生朗。そんな中、最後の晩餐を待つリンゴの容体は段々と悪化の一途をたどる。