家族から勘当され、金も行く当てもない千紘はある夜、行きつけのバーで超タイプの男ケイトと出会い、一目惚れをしてしまう。好感触に喜んだ千紘は一緒にホテルに向かうが、抱き合っていると不意にケイトに電マで激しく殴られ意識を失ってしまう。翌朝、ゴミ捨て場で目覚めた千紘の前にケイトが立っており、あることについて聞かれるが…。
帰る家のない千紘は、成り行きでケイトの家に居候することに。ある日、飲み屋街でケイトが派手な姿の女性に現金を渡しているところを目撃する。ケイトの飲み仲間である加治はケイトの母親だと説明するが、本当かどうかは分からないと言う。初めて見る幸せそうなケイトに見入る千紘だが、自分がケイトについて何も知らないことに気づいて…。
誕生日プレゼントとしてケイト――浩然(ハオレン)のパソコンを自由に使えることになった千紘。SNSを通じて元カレで妻帯者の駿一から連絡を受けて戸惑うが、何度かやり取りをするうちに未練のある千紘は会うことにする。駿一と千紘のやり取りを見てしまった浩然は、2人が会う当日、千紘に知られずにその場に向かうことに…。
浩然は、幼い頃母親と過ごした幸せな時間を思い出していた。だが、幸せだった日々もある日突然母親に捨てられたことで一変する。居場所を失った浩然は加治の紹介でマヤのもとで働き始めるが、そこは居場所のない人間を集めた違法なSMクラブだった。暴力と理不尽にまみれた地獄のような場所で、浩然は心身ともに追い詰められていき…。
母親の死を目撃して以来、浩然は家に引きこもり、食事もろくに取らずに塞ぎ込んでいた。千紘の呼び掛けにもまともに応えようとしない。見かねた千紘は加治に頼んでバイト先を紹介してもらうが、加治から次のヒモ先を見つけないのかと聞かれ、返答に詰まってしまう。そして、千紘は浩然との出会いから今までの日々を思い出していく――。
中華料理屋で加治と3人で食事をしていると、浩然は唐突に千紘と付き合っている発言をして場を驚かせる。店を出た千紘は、はぐらかす浩然に先ほどの発言の真意を問い、2人は互いの気持ちを“確認”し合って晴れて恋人同士となった。その後、気恥ずかしい気持ちのまま仲良くお参りをして帰宅するが、ふとしたことで喧嘩をしてしまい…。
バイト先をつけてきたマヤに驚く千紘だったが、マヤの尋常でない様子に気圧されて、要求通り車に乗り込んでしまう。マヤがSMクラブで働かせていたときの浩然について語りだすのを最初は聞いていた千紘だったが、浩然を人とも思っていない口ぶりに思わず反発すると、千紘はマヤの怒りを買って理不尽な暴力を浴びせられてしまう。
マヤが千紘を拉致し大けがを負わせたことを知った浩然は、マヤを刺し殺そうとするが、とどめを刺す前にその場から逃げ去ってしまう。帰宅後、青ざめた浩然から事情を聞いた千紘は、一緒に逃げようと提案する。浩然の希望で海へ向かった2人は、しらす丼を食べ、水族館へ行き、普通の恋人らしいデートのような時間を過ごすが…。