横浜ベイゴールズのスカウト郷原眼力(ムロツヨシ)は独善的だが自他ともに認めるすご腕スカウト。新人スカウトの神木(宮沢氷魚)が期待の剛腕・東条(増永樹)に注目する一方、郷原は目立たない控え投手の桂木(生田俊平)を獲得すべきだと主張。郷原の進言に、部長の下辺(でんでん)をはじめ、スカウト部の面々も首を傾げるが……。選手の完成形を予見することが重要だと説く郷原の眼には、一体何が映っているのか?
桂木は監督の佐々木(大鷹明良)のエゴに殺されかけている――。郷原が語った言葉の真意が分からない神木に、ライターの美嶋(藤間爽子)は「郷原のようなスカウトにはなるな」と忠告する。そして県大会が始まり、大活躍する東条に他球団スカウトからも注目が集まる。先発の桂木に目立った見せ場はなかったが、ドラフト会議直前のプレゼンでも桂木を推す郷原。そこにはスカウト部の誰もが見落としていた意外な理由があった。
奄美の大魔神、トニー・田所(佳久耀)を追って奄美大島へと渡った郷原は、空港でライバル球団のスカウト毒島(伊武雅刀)と遭遇する。一方、社会人野球で活躍する阿比留(町田啓太)に注目した神木は、獲得に向けて動き始める。しかし、監督の猪俣(田中要次)は「阿比留はプロには行かない」と断言。そこには何やら郷原との因縁が見え隠れする。神木は当時のことをよく知るという美嶋に話を聞くことにするが……。
阿比留のドラフト指名に際し、郷原が使ったという汚い手口。美嶋が2年前に著した記事について聞かされた神木だが、阿比留の獲得が諦め切れない。美嶋とともに彼の元を再訪するが、そこには既に郷原の姿があった。郷原の目の前で熱い想いをぶつけ、もう一度、阿比留をスカウトしようとする神木。しかし、阿比留は一同の前で意外な真実を語り始める……。2年前のドラフト会議の裏側で、郷原と阿比留の間に何が起こったのか?
ドラフト1位指名で入団した横浜ベイゴールズの投手・真田丸(中山翔貴)がスランプに陥った。2軍ヘッドコーチの宗野(高橋努)もため息を漏らし、見兼ねた郷原は「キャンプインまでに真田丸を元の姿に戻せ」と神木に無理難題を突き付ける。そんな中、神木は毒島の口車に乗せられて、担当エリアではない大阪に向かう。時を同じくして、郷原も期待の中学生投手・北畠(木戸大聖)に会うために大阪へと向かっていた――。
真田丸が寮を抜け出した上に事故に遭ったと聞き、病院に駆け付ける神木。真田丸の担当スカウトは飯塚(平山祐介)だったが、入団してからはほとんど面倒を見ていなかった。神木は飯塚に怒りをぶつけるが、飯塚は「スカウトは取るまでが仕事だ」とまるで取り合わない。その後、大津(上地雄輔)からアドバイスをもらい、神木は真田丸のもとに足しげく通い始めるが……。果たして神木は、真田丸の輝きを取り戻すことができるのか?
3月の穏やかな日差しの中、郷原は石垣島を訪れた。その目当ては石垣商工の投手・仲眞大海(兵頭功海)。郷原が発掘した期待の新星だ。同じ頃、神木も石垣島にやって来る。目当ては名門・明英大学の内野手、東海林。くしくも石垣商工と明英大は練習試合を行なうことになっていた。郷原と神木は2人で試合を観戦するが、郷原は最後まで観ることなく、失望した様子で席を立ってしまう。郷原の眼には一体、何が映っていたのか?
仲眞が肘の故障を抱えているとは知らず、明英大の山城監督(モロ師岡)は、石垣商工の比嘉監督(きたろう)に仲眞を明英大で預かりたいと申し出る。偶然その話を聞いた神木は、「選手の将来を密談で決めるのはおかしい」と口を挟む。挙げ句の果てに仲眞の故障についても言及するが、怒った2人は神木を出入り禁止にする。比嘉のもとを訪ねて平謝りする神木だったが、そこに仲眞の診断書を持った郷原が現われて……。
東京でのリハビリを経て、仲眞が石垣商工に帰還した。そして始まる、沖縄県予選。弟・拓海の遺影を手に両親が見守る中、仲眞は圧巻のピッチングで勝利を積み重ねていく。一方、下辺たちは、獲得できる見込みがないにもかかわらず、仲眞に投資し続ける郷原を問い詰める。郷原は仲眞の指名を諦めていないと言うが、一体どんな算段があるのか? そして後日、石垣商工は毒島の息のかかった興章実業との決勝戦を迎える。
白熱する石垣商工と興章実業の決勝戦。パーフェクトピッチングを続けてきた仲眞が突然、肘の痛みに苦しみ始め、石垣商工は一転して窮地に立たされる。しかし、キャプテンの照屋(福松凜)が絶体絶命のピンチを救い、仲眞はその後も痛みに耐えながら諦めずに投げ続ける。果たして勝負の行方は? 仲眞はどんな進路を選択するのか……? そして迎えるドラフト会議。郷原らはドラフトキングを獲得することができるのか――。