声が出なくなった壱晴(藤ヶ谷太輔)を心配し工房を訪れた桜子(奈緒)だったが、声が出るようになった壱晴の様子に安堵する。二人は、壱晴の師匠、佐藤哲(火野正平)の計らいにより、一緒に昼食を食べることに。そこで桜子は、思い切って壱晴を自宅に誘う。桜子の家にやってきた壱晴。家に招き入れ、浮かれ気分の桜子だったが、そこに仕事に出かけていたはずの父・本橋勝己(遠山俊也)が帰って来て…。
壱晴(藤ヶ谷太輔)の過去を知った桜子(奈緒)は、表情を曇らせる。桜子は亡くなった真織(中井友望)と自分を比較し、卑屈になってしまうが、彩芽(金澤美穂)らに背中を押され壱晴と向き合うことを決意する。しかし、寝言で真織の名前を呼ぶ壱晴を前にした桜子は、ショックを受け部屋を飛び出してしまう。
壱晴(藤ヶ谷太輔)は桜子(奈緒)に、一緒に松江に行かないかと提案するが、断られてしまう。「前に進みたい」と口にしながらも、過去を拭い去れない様子の壱晴。そんな心情を理解できない桜子だったが、あることをきっかけに壱晴と共に松江へ行く決意をする。そこで壱晴は、自分の本当の思いに気付く。
桜子(奈緒)は、後悔はしていないと強がりながら、前に進もうとする。また壱晴(藤ヶ谷太輔)は、覚悟を持って自分と向き合ってくれる桜子のため、必ずいすを完成させると宣言。そんな中、哲(火野正平)は苦戦する壱晴をある場所へ連れていく。そこで、壱晴は哲の代表作に込められた意味を知る。
桜子(奈緒)は、自分を認められるようになりたいと、全力で仕事に取り組む。壱晴(藤ヶ谷太輔)は、「桜子のいす」作りを諦めていたが、師匠・哲(火野正平)の作品に込められた思いを知り、桜子への気持ちを募らせる。そして再びいす作りに取り掛かる。数カ月後、いすを完成させた壱晴は、個展の開催を決意する。
壱晴(藤ヶ谷太輔)は、スピーチの途中で突然声が出なくなり、人々の中で立ち尽くしてしまう。一方、桜子(奈緒)は、個展の案内に手紙が添えられていたことに気付く。そこには、完成した「桜子のいす」に込めた壱晴の思いがつづられていた。壱晴は、やりきれない思いといら立ちを抱え、街をさまよう。