ペッポとの一夜の恋に身を任せようとしたアルベールは、その油断をつかれて凶悪な盗賊ルイジ・ヴァンパ一味に誘拐されてしまった。連れて行かれた先は、ルナの地下に広がるカタコンベ…かつて月世界を開拓した移民たちの墓地だった。ホテルに戻っていたフランツは、盗賊一味からの脅迫を受けて驚愕する。アルベールはフランツにとって父の死後、心を開いて素直に話せるようになった無二の親友なのだ。ルナ中を金策に走るフランツだったが、どうしても身代金の工面ができない。弱りはてたフランツは、胡散くさいと思っていたはずのモンテ・クリスト伯爵にすがりついた。伯爵の馬車が未明の街を走る。だが、刻限の夜明けはすでに目前に迫ろうとしていた…。
パリへ戻ったアルベールは、貴族の友人たちと戯れて無為の時間を過ごしていた。城壁に囲われた世界の中で、高価なスポーツカーやクラシックカーを飛ばして遊ぶ青年たち。外の世界に触れたアルベールは、親の決めた婚約者であるユージェニーとの仲もぎくしゃくしがちであった。月でアルベールの命の恩人となったモンテ・クリスト伯爵は、アルベールの自宅・モルセール将軍邸へと招待されており、来訪の時刻が迫っていた。友人たちは、正体のつかめない伯爵を怪人扱いして盛り上がるが、伯爵のことを信奉し始めているアルベールはおもしろくない。だが、雷鳴の轟く中で鋭い眼光をたたえて出現した伯爵の言動は、ますます謎を深めさせていくのであった…。
晩餐に招かれたモンテ・クリスト伯爵は料理に手をつけなかったが、アルベールの母・メルセデスが作ったスープだけは美味しそうに口へと運んだ。「マルセイユの懐かしい味がする」と、謎の言葉を添えて…。テラスで伯爵と2人きりになったメルセデスは、『ひとつ屋根の下でパンを分け合ったものは、永遠の友となる』と東方宇宙の言葉をつげて微笑むが、伯爵は謎めいた言葉を返すばかりだった。伯爵はお礼にアルベールを自分の屋敷へ招待しようと告げ、帰宅する。着々と計画を進める伯爵を、謎の美少女エデが静かに見守っていた。意気込んでシャンゼリゼの伯爵邸を訪れたアルベールであったが、複雑な仕掛けと黄金の装飾に充ちた異様な雰囲気が彼を圧倒する…。
オペラ会場で失神したエデと父・フェルナンの関連に悩むアルベール。マクシミリアンの一連の貴族への糾弾は、フランツの許嫁ヴァランティーヌへの想いに基づくものだと判明し、アルベールはフランツの気持ちを確かめた上でその恋を応援しようと動き始める。だが、ヴァランティーヌの家庭内の立場は、父・ヴィルフォール首席判事と後妻のエロイーズ、腹違いの弟・エドワールとの間で微妙に揺れていた。いきなり愛を告白したマクシミリアンに、ヴァランティーヌは困惑を隠せない。一方、モンテ・クリスト伯爵はエクリプスの暴走をきっかけにエロイーズに接近していた。温室で彼女の育てる毒の花を前に、伯爵は意味ありげに毒殺談義をささやき始める…。
不審をつのらせたヴィルフォールは、ついに伯爵へ銃を向けた。だがダングラール男爵が駆けつけたことで、その詰問は曖昧になってしまう。一方、アルベールは美青年公爵のカヴァルカンティに謎めいた微笑とともに伯爵との関係を強調される。また、フランツは伯爵の額に浮かぶ紋章を目撃し、「巌窟王」という謎の言葉を偶然耳にしていた。そんなとき突然の嘔吐をもよおして倒れてしまうアルベール。彼を救った伯爵の言によれば、それは水差しに盛ってあった毒物のせいだという。このままだとヴァランティーヌが危ないと、ヴィルフォールの屋敷へ急ぐアルベールたちだったが、すでに屋敷では執事のバロアとヴァランティーヌに毒の魔手が忍び寄っていた…。
マクシミリアンは、愛するヴァランティーヌを迫る危機から遠ざけるため自分の実家へかくまおうと考えた。だが、彼女の父・ヴィルフォール主席判事はすさまじい剣幕でそれを拒絶した。そんなとき、ヴィルフォールとダングラール、モルセールのもとにエドモン・ダンテスの名を記した葬儀案内状が届く。その名に血相を変えた両親に疑問を抱いたアルベールは、父のあとをつけていく。古びた教会のダンテスの棺の前に、ついに問題の3人が集められた。そこへ4人目の当事者、カドルッスが現れる。棺のフタが、いま開かれようとしていた。一方、マクシミリアンと友人たちは、ヴァランティーヌの救出を実行に移すべく、ヴィルフォールの屋敷へと忍び込んでいたが
深宇宙へと一路進むモンテ・クリスト伯の宇宙船。アルベールに向かって、伯爵は古いマルセイユの友人の身の上を語り始めた。親友に裏切られ投獄された上に、婚約者を取られてしまったその男の話を聞いて、アルベールはなぜか涙を止めることができない。そのころフランツは、「巌窟王」の秘密を知るヴァランティーヌの祖父ノワルティエと会見し、真実に到達しようとしていた。そして、パリの大統領選挙演説会場に現れたエデは、驚くべき事実を大衆に告白した。フェルナン・モルセール将軍こそは、かつてエデが王女として暮らした星ジャニナで裏切り行為を働き、その金で貴族の家名を買った男だというのだ。騒然となる場内。ついに復讐の幕は切って落とされた…。
早朝のブローニュの森を目ざして、白銀の甲冑が迫るその時、伯爵との再会を果たすべく、メルセデスも森に向かっていた。一方、ユージェニーは、今日16歳になるアルベールの誕生日のために、夜通し作曲に励んでいた。最後の一章説を書き終え、フランツから預かったバースデイカードに目をやるユージェニー。そして伯爵との約束の時刻が訪れた。メルセデスは伯爵に告げられた"かつてあなたの想い人で会ったその人は・・・もはや死んだという証拠をお目にかけましょう・・・"との言葉に不安を抱きながら、朝霧が立ち込める森の奥へと到着した。しかし、待っていたのは、甲冑に身を包んだ2人の男が双方の剣の切っ先を激しく攻めるその姿だった…。
伯爵は復讐の手を緩めようとせず、次の目標ダングラール銀行へと辛辣な打撃を与え始めた。エデの嘆願にも耳を貸さず、株価を操作してダングラールを破滅へ導こうとする伯爵。一方、アルベールは、故郷に帰ろうという母メルセデスの申し出を頭ごなしに拒絶した。喪ったものの大きさから自暴自棄になりかけた息子を、自分を大事にするよう厳しく諫める母。そのころ、孤独に耐えかねたヴィクトリアはアンドレアの毒牙にかかろうとしていた。アルベールは市街をさまようが、父の失脚から門番たちに暴行を受けて悪夢の中をさまよっていた。ついにダングラール家の資産は大暴落を開始し、進退窮まったダングラールはユージェニーとアンドレアの結婚を急ごうとする…。