21世紀初頭。人類は月面入植を果たし、新たな宇宙時代に突入するはずだった。しかし西暦2087年、月面開発技術を軍事に転用した月入植者が、人型兵器「メタルアーマー」を開発し、月を植民地としてしか見ていない地球人類に宣戦布告したために全面戦争が勃発。一部の月入植者たちは「統一帝国ギガノス」を建国し独立宣言をした。一方、メタルアーマーの威力と、マスドライバー攻撃で瞬く間に窮地に立たされた地球連合軍は、劣勢を挽回するべくギガノスからの亡命科学者、ラング・プラートの手引きでギガノスの最新鋭メタルアーマー「ドラグナー」シリーズ3機の奪取に成功する。だが難民輸送船に偽装し、地球までドラグナーを運ぶ任務にあった宇宙船アイダホは、宇宙コロニー「アルカード」に寄航したところで攻撃に遭ってしまった。 戦火に巻き込まれたアルカードでは、アストロノーツアカデミーの学生、ケーン、ライト、タップの3人が、負傷しすでに虫の息だったギガノスのスパイからドラグナーの起動ディスクを渡されていた。ギガノスの攻撃に怒っていたケーンたちは、もぐりこんだアイダホの格納庫でドラグナーを発見すると後先考えずに搭乗。ディスクを手渡した人物がスパイであったことすら知らずにギガノス軍を追い払おうとした。しかしアルカードはギガノスのマスドライバー攻撃を受けて大破。まだ母がアルカード内にいたケーンは母を助けようとするが、爆発の煽りで近付けなくなってしまう。
ケーン、タップ、ライトの3人は、偽装難民船アイダホにドラグナー3機と共に収容されていた。そこでドラグナーの入手経路について軍人から厳しく尋問されていたライトとタップは、ようやく戻された個室で、意識を取り戻したケーンに戦闘終了後からの経緯を話し始める。母の安否を気遣うケーンは即座にブリッジへと出向き、そこでアルカードが完全に破壊されたことを知らされた。母を捜すため、アルカードのあった場所に戻ると言って聞かないケーン。ライトやタップと共に再び電子ロック付きの部屋に閉じ込められるものの、自力で脱出して勝手にドラグナーでアルカードへと向かってしまう。 アルカードに到着し、その無残な破壊跡を驚愕の眼差しで見つめるケーンたち。そこへギガノスのドラグナー追撃部隊が襲撃して来た! 不本意ながら戦闘状態に入った3人は、互いをフォローすることでどうにか追っ手を撃退する。結局収穫を得られずにアイダホに戻ってみると、3人はドラグナーのパイロット登録が解除できないことを理由に三等空士として徴兵されてしまうのだった。
ケーンたちは不本意ながら徴兵されるが、グチを言う暇もなく、彼らの教育係に任じられたベン軍曹が現れて早くも訓練が開始される。 その頃、ドラグナー追撃部隊に新たな刺客が合流していた。その「ギガノスの蒼き鷹」と呼ばれる親衛隊のエースパイロット、マイヨ・プラートは、着艦したクラビウスで彼の直属の部下となる若きエリート「プラクティーズ」のカール、ウェルナー、ダンに迎えられる。そして挨拶もそこそこに、早速周辺宙域の下調べに取り掛かった。 一方ケーンたちは、もう一人の教育係で、本来ドラグナーに搭乗するはずだったパイロット、ダグラスの授業を受けていた。だが軍人としてのしがらみさえ知らないケーンたちは、ダグラスの授業などそっちのけで口論を始める始末。しかも緘口令を敷かれていたにも関らず、リンダ・プラートたち難民に船が軍艦であることを教えてしまった。 そして行われたドラグナーの飛行訓練。その最中、ケーンたちは現れたプラクティーズと交戦状態に入ってしまう。功を焦り、マイヨの命令を無視してケーンたちを翻弄するプラクティーズ。援軍のお陰でどうにかプラクティーズとマイヨから逃れられるものの、ケーンたちは圧倒的な腕の違いに愕然とする。
ケーンたちは兵士の手当てに忙しいリンダのご機嫌を取ろうと躍起になっていた。しかしリンダは「スペースパイロットは嫌い」だと言うばかりで相手にしない。そんなケーンたちにパイロットスーツが支給された。大喜びの一同だが、ケーンだけは自慢のリーゼントをベン軍曹に切られてしまい半分凹みぎみ。視察にやって来たホイットマン司令官との対面でも、階級を気にもせずグチる始末だった。 お調子者のケーンたちは、訓練前にパイロットスーツ姿でリンダの前に現れて再アタックを試みた。その軍人らしくない振る舞いと、彼らの明るさに少しだけ心を開くリンダ。 相変わらず「軍人」というものを理解していなかったケーンたちは、妹へのプレゼントだという人形をケーンに託して出撃していったギニール少尉が、彼のピンチを救うために戦死したことを受け、強い虚脱感に襲われる。
地球へと急ぐアイダホの中では物資不足で難民たちが苦しんでいた。その実情をリンダたちから聞かされたケーンとタップは早速行動を開始する。軍人たちの目を盗み、倉庫への侵入を図るケーンとタップ。彼らは火災報知器を誤作動させ、その混乱に乗じて物資の持ち出しを成功させた。 その頃、ギガノスではプラートたちが着々とアイダホ攻撃作戦を進めていた。その動きを偵察任務に就いていたライトの報告で知ったアイダホは、護衛艦のパイロットたちとの共同攻撃任務をケーンとタップに命じる。そしてライトと合流させ、入れ違いで出撃したマイヨの乗艦クラビウスに攻撃を仕掛けた。一方、アイダホに奇襲をかけていたマイヨは、クラビウスがドラグナーの攻撃を受けていると知らされ慌てて引き返す。しかし一歩間に合わず、命令を無視し先走ったケーン、ライト、タップによって轟沈。爆発に巻き込まれたドラグナー3機は消息を断ってしまうのだった。
爆発に巻き込まれたケーン、タップ、ライトの3人は、宇宙空間を漂流した末に一基の宇宙ステーションを発見した。酸素の残りも少なく、ドラグナーのダメージも大きかったため、3人は進路をステーションに向けた直後に深い眠りに落ちてしまった。 気が付くと、3人はギガノスの兵士、チェホフの捕虜になっていた。ステーションにたどり着いたものの、眠っていたケーンたちはそのまま捕らわれてしまったのだった。ステーションにいたのは彼らを捕らえたチェホフのみ。彼はかつての上司に失敗の責任を押し付けられ、以来逃亡生活を強いられていたという。そして修理のために立ち寄ったこのステーションで、ドラグナーを捕獲したと言うのだ。 手柄を立てる事で原隊への復帰を考えていたチェホフは、ケーンたちに銃を向けてドラグナーの整備をさせる。そして隙を見て脱出を試みたケーンたちを、その経験の豊富さから翻弄し、戦術のイロハを説きながら裏をかいていくのだった。しかしケーンたちのしぶとさに根負けし、一時休戦を申し出る。
ケーンたちとチェホフは休戦のおかげで互いに親近感を覚えていた。だがそこへプラクティーズが現れて事態は一変する。 上官であるはずのチェホフをあからさまに見下し、ケーンたちの引き渡しを要求するプラクティーズ。その横柄な態度に反感を抱いたチェホフは、自身の手柄を主張して彼らの申し出を拒否。それが引き金となり、プラクティーズの凶弾に倒れてしまった。味方すら裏切るプラクティーズに怒り心頭のケーンたちは、チェホフに解放されると反撃を試みる。 亡きチェホフの教えを胸に、次々とプラクティーズを罠にかけるドラグナーチーム。プラクティーズが本気になった時には既に遅く、センサーを潰された彼らはケーンたちに翻弄された挙句、情けをかけられ解放される。 そしてチェホフに敬意を表したケーンたちは、彼を宇宙葬にするとギガノスに捕らわれているらしいアイダホの救出に向かうのだった。
アイダホを救うためにチェホフの輸送船でギガノスの中継基地へと向かうケーンたち。連合軍の高速艇に発見されたことを逆手に取り、混乱に乗じて中継基地に逃げ込むことに成功した。折りしも基地内では集会が行われており、所属不明の輸送艦がドックに入っていても誰も気にしない好都合な状況。ケーンとタップは監視役としてライトをD-3に残らせ、難民たちの救出に向かうことにする。 その頃、アイダホの乗員をひとりずつ検査していたマイヨは、難民の中にリンダを発見していた。彼女を自室に呼び込んだマイヨは密かに兄妹の再会を果たす。しかし妹を気遣うマイヨとは反対に、リンダは戦闘行為を続けるマイヨに敵意をむき出しにした。 その様子を部屋の外から目撃したケーンとタップは、マイヨに悟られないようリンダに合図を送り、別室に連行されようとしていた彼女と合流する。そして乗員が無事であること、強制収容所に連行されようとしていることを聞かされて行動を起こした。
騒ぎを起こしてアイダホ乗員の強制収容所送りを阻止したものの、難民の中に隠れていたケーンとタップは不審人物として捕らわれてしまった。ケーンがリンダのアクセサリーを持っていたことから、尋問に立ち会っていたマイヨはその間柄を兄として不快に感じる。 2人を尋問から解放したマイヨは、リンダを再び呼び出した。しかしリンダに銃を奪われた挙句、自室に閉じ込められてしまう。 リンダの奪った銃のおかげで脱出に成功するケーンたち。ベンに難民を任せると、自らはドラグナーへと向かい、ライトの偽情報ですべての戦力が出払った中継ステーションの破壊を開始した。それによりアイダホは無事に脱出し、中継基地はタップのCDプレイヤーで作った時限爆弾で爆破。ファルゲンで追撃にかかったマイヨはその爆発に巻き込まれて断念を余儀なくされる。そしてアイダホは全員無事に逃亡に成功したのだった。
アイダホを救助した英雄として難民たちからも称えられたケーンたちは、いよいよ自覚を持って戦闘訓練を受けたいと感じ始めていた。その一方で、戦火に巻き込まれた両親を心配するあまりローズが病床に倒れてしまうと、タップは彼女につききりの看病を始める。一緒に訓練をしようと言うケーンに対して、戦闘のしわ寄せが自分たちに来ることへの不満をブチまけるタップ。そこでケーンとライトは、ローズのことで心身不安定になっていたタップを気遣い、2人だけでダグラスの訓練を受けることにした。 そこへマイヨたちの攻撃部隊が接近してきた。タップを残し、出撃するケーンとライト。2人はダグラスのレクチャー通りキャバリアーを犠牲にする事でマイヨに一矢報いる。 その頃、ローズが意識を取り戻した事で平静を取り戻したタップも、アイダホに接近するギガノスの別働隊をたったひとりで迎撃しようと出撃していた。
眼前に地球を据え、いよいよアイダホに大気圏突入の瞬間が迫っていた。タップと、彼に合流したケーンたちがとりあえずギガノスの衛星軌道軍を退くものの、これからが正念場である。船体とタンクを分離しなければ大気圏への突入ができないが、人手が足りないこともあり、軍人たちは不本意ながら難民への協力を呼びかけた。最初は巻き込まれることに抵抗していた難民たちだったが、タイムリミットも迫っているとあり、リンダの立候補を皮切りに一丸となって作業を進めることにした。 大気圏突入まで迫るタイムリミット。それに対してギガノスも阻止攻撃を仕掛けてくる。難民たちが軍人と共に作業を進める中、ケーンたちは唯一の防衛線として反撃を試みた。そして最後まで手間取ったタンクの接合部分を破壊して強引に切り離し、半ば逃込むようにして大気圏に突入。ドラグナーもむき出しのままコンテナに取り付いて大西洋上に落下したのだった。
ケーンたちは連合軍の空母アクアポリスに回収された。アイダホの乗員も無事で、リンダやベンとも再会する。ヒーローとして歓迎される一方、もう戦闘はコリゴリだと申し出たケーンたちは、ベルンゲンの司令部に到着し次第パイロット登録が解除されると約束された。難民たちも司令部到着後は難民センターで保護されることになるのだが、一部の家族はそれを拒否。一刻も早く戦闘から遠ざかりたいと即時上陸を希望する。 ローズの従兄弟にあたるマーチン一家も上陸を希望する家族のひとつだった。彼らはオーレンスの港に降ろされると、ようやく目にした地球の大地、そして風景に深く感激する。しかしその感動を打ち消すように、ギガノスの攻撃部隊が現れた。 アクアポリスに残っていたケーンは、上陸したマーチン一家やリンダを守るために出撃。カタパルトを使い、一気に陸まで飛び上がった! そして瞬く間にギガノス軍を撃退すると、立ち去るマーチンたちの新たな一歩を見送るのだった。
ベルンゲンの連合軍司令部に到着した。ケーンたちはパイロット登録が解除され、除隊できるとあって有頂天。ドラグナーが報道陣に公開されると、ヒーローパイロットとして大騒ぎする。そしてこのままリンダたちと別れるのは惜しいと、お別れの思い出にリンダ、ローズ、ダイアンと3対3の合コンパーティーを開くことにした。だがどこで間違ったのか、アイダホ乗員とのバーベキューパーティーとなってしまう。 やや趣旨はずれてしまったものの、苦楽を共にした軍人たちとのパーティーを楽しむケーンたち。艦長やソウル女史、ベン軍曹らと共にひとしきり騒いだ後は、彼らに持ち上げられてケーンが歌を披露することになる。ケーンの独唱にタップのハーモニカが加わり、そして一人、また一人と歌声を乗せていく。だが平穏な時間は突然の攻撃で中断させられてしまった。なんと、マスドライバー攻撃によって司令部は一瞬で壊滅、周辺地域まで巻き込む大惨事に発展してしまったのだ!
マスドライバー攻撃で周辺地域は大混乱だった。人々は負傷し、手当てに当たるリンダたちの気持ちも荒む。 一方、司令部が壊滅したせいで、ドラグナーのパイロット登録解除も不可能になっていた。ケーンたちも再び軍部に呼び出され、引き続きドラグナーの移送任務に就くよう指示される。次の目標はアメリカ、ケーンたちの階級も准尉まで昇格された。 その頃、医療活動に従事していたリンダが、一般市民を装ったギガノスのスパイに連れ去られてしまっていた。スパイから呼び出されたケーンは、誰にも告げず単身救助に急行。そこでリンダを無事に助け出すと、時を同じくして攻撃して来たギガノス軍にドラグナーで応戦する。そして戦闘が終了すると、リンダたちとの別れを惜しみつつ、タップやライト、ベン軍曹やダグラス中尉と共にアメリカへの航海につくのだった。
重力下で自由な活動ができるよう、ドラグナー用のフライトユニットが開発されることになった。それに合わせ、ケーンたちにも空中戦を想定した訓練が、戦闘機で行われることになる。その頃、ドラグナー奪取のために友軍が出撃すると聞いたマイヨとプラクティーズは色めき立っていた。しかし彼らへの出撃許可が下りることはなく、一同は蚊帳の外にされた屈辱感をただ噛み締めるしかなかった。 一方、模擬戦でドックファイトを展開していたケーンたちは、ギガノスの動きを感知したアクアポリスに戻されていた。しかし防衛線は易々と突破され、艦も大ダメージを負ってしまう。そこで待機していたケーンたちは、黙って見ていることはできないと命令もないのに発進を決意した。 傾き、戦闘機の破片が散乱するカタパルトから、試作型のフライトユニットを装着したドラグナーで大空に飛び立つケーン。その決意と勇気が仲間たちを救い、ギガノス軍の撃退にも成功するのだった。
ケーンたちはアストロノーツアカデミー時代の同級生、ビル・ブライアンを意外な姿で発見した。ビルがギガノス兵として働いている戦場写真が雑誌に載っていたのだ。ビルらしからぬ姿に当惑するケーンたち。 その頃、ビルは上官のホルツと共に偵察任務に就いていた。しかし何も知らず迎撃に出たドラグナーの攻撃を受けて搭乗機は墜落。ビルもホルツ共々捕虜としてアクアポリスに連行され、そこで思わぬ再会を果たす。最初は成り行きの説明を拒んでいたビルも、ケーンたちが学生時代同様の態度で接したため次第に心を開くようになる。そして、たまたま通信技術をかじっていたため強引に徴兵されたことを吐露したのだった。 ホルツが脱走を試みたのはそんな時だった。ホルツは射殺、恐怖に駆られたビルは逃亡し、時を同じくしてプラクティーズも襲撃を仕掛けてくる。 出撃したドラグナーチームはプラクティーズに翻弄され、誘い込まれた補給基地でピンチに陥る。そこに居合わせたビルがケーンのピンチを救うものの、彼はファルゲンの攻撃で命を落としてしまうのだった。
ケーンたちはついにアメリカ・ノーラッドの司令部に到着した。これでパイロット登録が解除され、ケーンたちはお役御免になるはずだったのだが、解除すると蓄積されたデータも消えてしまうため、今度は中国・重慶までの移送任務を引き続きすることになってしまう。しかし悪いことばかりでもなく、リンダ、ローズ、ダイアンが謎の召集でケーンたちに合流、共に重慶に赴くことになった。しかもドラグナーにはフライトユニットが装備され、これまで以上の戦果が見込まれるのだった。 リンダたちがノーラッドに到着したのと時を同じくして、連合軍兵士に変装したマイヨとダンも司令部への潜入に成功していた。しかし内部からの破壊工作は、リンダが逸早くマイヨに気が付き、彼女の表情の変化から異常を察したダイアンによって阻止される。何とダイアンは、連合軍の情報部員だったのだ。 連合軍に包囲されながら、マイヨとダンはどうにか脱出に成功。ケーンたちはリンダ本人からマイヨが実の兄であることを聞かされる。
ドラグナーを重慶まで移送するため、とりあえずバンクーバーを目差すことになったケーンたち。ギガノスの攻撃を考慮して囮部隊を出すことにするが、それにはもうひとつの目的があった。囮部隊に敵の主力を引き付け、一気に叩こうという意図も含まれていたのだ。 早速ジープで出発する一同。しかしリンダだけは、身内が敵のエースパイロットであることが明るみになった事で負い目を感じ、ダイアンの説得でも立ち直れないほど塞ぎこんでいた。そして作戦行動中であるにも関らず、ジープから飛び降りてしまう。 ケーンがリンダを追い、さらに続くダイアン。ケーンはリンダに追いつくものの、雨でゆるんだ地面に足を取られ、2人は一緒に転落する。そこへマイヨのファルゲンが現れた。囮部隊を追撃部隊本体に任せ、自らドラグナーを奪うべくやって来たのだ。 混乱し、ランチャーでファルゲンを攻撃しようとするリンダ。それを止めるケーン。マイヨもリンダとケーンに気付き、プラクティーズに攻撃をやめさせた。そしてリンダとケーンが親しくしていることに不快感を露わにしながら、囮部隊への襲撃に向かうのだった。
度重なる失敗で、マイヨは最悪の戦地と評される南部戦線に左遷されることになった。苦渋をかみ締めつつ、心酔するギルトール総帥の命令とありおとなしく従うマイヨ。泣きすがるプラクティーズと別れ、ひとり寂しく出発するのだった。 その頃、ケーンたちはいつものペースでベン軍曹の訓練につき合わされていた。そこでベンのダイアンに対する恋心も発覚し、一同ははしゃぎ回る。一方、リンダとローズには招集された理由がダイアンから語られていた。ローズは月で行方不明になっていた両親を探すため、またリンダは父でありギガノスから亡命した科学者でもあるラング・プラート博士が中国にいるための召集だった。 ベンとダイアンの仲が急速に接近する中、ついにフライトユニットのテストが行われた。調子に乗ってマッハを叩き出すケーン。そして無防備な3人の通信から、ベンのダイアンに対する想いが艦内中の知るところとなる。まんざらでもないダイアン、照れるベン、リンダも父に対するわだかまりを解消するためにも中国で逢う決意をするなど、それぞれの穏やかなひと時が過ぎていくのだった。
軍隊生活も慣れ、常にヒーローとして期待されているケーンたちはいつの間にか慢心するようになっていた。上層部から“参謀閣下”が視察に来る事になったのはそんな時である。 ライトやタップと共に迎えに出たケーン。彼は最初はその“参謀閣下”が何者か知らなかったのだが、アクアポリスで会うなり突然強張った表情を見せた。“参謀閣下”ことジム・オースチンは、ずっと恨んできた彼の実の父親だったのだ。 ケーンの両親、ジムとアオイは昔は仲の良い夫婦で、幼いケーンを連れてよく旅行などをしていた。しかし軍務に我が身を捧げていたジムは、生き方の違いでアオイと離婚。以来ケーンは父を憎むようになっていたのである。 ジムに反発し、自室にこもるケーン。リンダの説得でも本心を表すことなく、笑ってごまかすばかりだった。そんなケーンに対し、ジムは離婚前と変わらぬ態度でケーンに接して、アオイに生存の可能性があることを伝える。そして再びアクアポリスを離れた。ギガノスの襲撃でようやく素直になったケーンは、ベンの叱咤もありジムを助けるために出撃したのだった。
D-3がギガノスの補給基地を発見した。本来なら中国の重慶に向かうのが最重要任務なのだが、例外的に基地の壊滅と敵メタルアーマーの奪取計画が立案される。そしてその任務にドラグナーチーム、ベン、ダグラスが当たることになった。 夜闇に乗じて作戦を決行する潜入部隊。しかし作戦行動に慣れていないドラグナーチームは蚊帳の外。ベンとダグラスによって後方に回されてしまう。タップが侵入口を発見したのはその時だった。 ベンやダグラスに無断で先行するケーンたち。彼らは独断先行でベンたち本体から離れると、勝手に地下空洞を使って基地内部への侵入に成功する。そしてギガノス兵に変装し、一歩遅れてやって来たベンとダグラスをギガノス兵に発見させる事でメタルアーマー奪取の隙を作ろうと試みた。だがギガノス側の攻撃とベンたちの抵抗で戦闘は激化。結果、ケーンたちも脱出するのが精一杯で、基地の破壊には成功するものの奪取した戦利品は操縦レバーひとつだけという散々な結果に終わってしまうのだった。
アクアポリスは日本近海まで接近していた。祖母の住む青森が目と鼻の先にあるため、ケーンの感慨も深い。そんな時、ドラグナーチームにギガノスの占領下にある青森の要塞を破壊するよう命令が下った。特にケーンは地形に詳しい事もあり、作戦の柱として活躍を期待される。 そんなケーンがまず向かったのは、祖母、若葉ミツの住む小さな村だった。最初はギガノス兵に間違われて危うく襲われそうになるものの、ミツの孫ということが知れると村人も協力的になる。 ミツの案内で要塞につながるというトンネルまでやって来たケーンたちは、さっそくアクアポリスに連絡し出撃要請を入れた。兵器庫のちょうど真下に爆弾を仕掛け、村の若者が修理したドラグナーに搭乗するケーンたち。彼らは村からギガノスを追い出すため、ドラグナーで出撃すると見事勝利を収めてアクアポリスに帰還するのだった。
南部戦線に左遷されたマイヨの元に、情報部のエージェントが接触した。どうやら月面で反乱の動きがあり、そのメンバーがマイヨに心酔する若い兵士だということで、マイヨに黒幕の嫌疑がかかっているらしいのだ。月への召還を命じられたマイヨは、それと引き換えにD-1のパイロット、ケーン・ワカバとの密会を申し出る。 一方、ギガノスからの極秘通信を受けたアクアポリスでは、ドラグナーの貴重なパイロットを危険な目にあわせる事はできないと握りつぶされようとしていた。しかしライトがD-3で通信を傍受したことから発覚。ケーンとリンダが密会場所である、ギガノスの占領地・京都に向かうことになった。 京都では密会の手はずが極秘裏に進められていた。そのためケーンとリンダは旅行者を装い、人目を忍んでひとつの寺へと案内される。そこで生身のマイヨと初めて対面するケーン。しかし密会はギガノスの情報部の裏切りで中断され、危うくケーンとリンダが捕まりそうになる。だがライトとタップがドラグナーで駆け付けたため、京都からの脱出に成功したのだった。
アクアポリスが上海に入港した。父・ラング・プラート博士が近くに潜伏しているとあり、父の兵器開発に良い感情を抱いていないリンダの心境は複雑だ。一方、ドラグナーチームとローズは、お目付け役のベン軍曹と共に上陸。そこでパンダが見たいと言うローズやベンたちと別れて中華料理を堪能していた。そこへ老人と彼を追撃する諜報員たちがなだれ込んでくる。なぜか老人に気に入られ、つきまとわれたケーンたちは、諜報員たちの攻撃をかいくぐってアクアポリスに逃込むことに成功。そこで諜報員たちは最後の手段とばかりにメタルアーマーを差し向けてきた。 老人がリンダの父、ラング・プラート博士だとケーンたちが知ったのは戦闘終了直後だった。リンダはまだ父が許せないのか、博士の見送りに顔を出す様子はない。しかし博士のリンダに対する愛情が少しも衰えていないことに気付き、最後の最後で見送りに現れたのだった。
ついに中国・重慶に到着し、ケーンたちドラグナーチームは手厚い歓迎を受けた。すでに除隊も決まっていたケーンたちは、最後のお仕事として歓迎レセプションに出席する。そこでドラグナーの量産機「ドラグーン」部隊のパイロット、ヤムたちを紹介された。 ドラグーン部隊も編成され、いよいよ自分たちの役目もここまでと少し寂しい気分になるケーンたち。そしてベンにもダイアンとの別れがやって来る。 基地司令官に2つの選択肢を与えられたのはそんな時だった。ひとつは報奨金を受け取って除隊する道、もうひとつは報奨金の代わりとして勲章を授与され軍に残ること。 最初は褒賞金に釣られ除隊を希望したケーンたちだったが、ドラグナーが研究のために分解されると知らされ事態は一変する。義に厚いケーンは苦楽を共にしたD-1を分解させるくらいならと軍への残留を決意。ギガノス軍の囮部隊にヤムたちドラグーン部隊が乗せられ、基地の防衛がガラ空きになると分解途中のD-1で出撃した。それを目の当たりにしたライトとタップも次々と復帰。また3人一丸となり、基地を守り抜くのだった。
重慶の連合軍司令部の動きを察知しつつ、なかなか腰を上げなかったギガノス上層部に対して、グン・ジェム大佐は苛立っていた。彼は「ギガノスの汚物」と蔑まれ、恐れられる凶悪な部隊の隊長として、独断で重慶への攻撃作戦を実行しようとついに動き出す。 一方、重慶ではプラート博士の指揮の元、リンダとローズもスタッフに加え、ドラグナーの徹底リチューンが行われていた。もはや新造メタルアーマーと言ってもおかしくないほどの徹底改造を施され、ドラグナー3機は大きく生まれ変わる。しかし格段にアップされたスペックに、ケーン、タップ、ライトは振り回されるだけだった。ドラグーン部隊との模擬演習対決でまだ自分たちがドラグナーのカスタム機をうまく扱えていないことを痛感させられたケーンたちは、その一方でライバル視していたドラグーン隊の働きを見て素直にその実力を認める。 そこへグン・ジェムの部隊が攻撃に現れた。出撃したドラグーン隊はセオリーを無視するグン・ジェムの戦いに手も足も出ない状態。ケーンたちも出撃するが、敵の圧倒的な戦闘力の前に彼が撤退するのを待つしかなかった。 一同は新たな敵を脅威に思いつつ、自分たちが独立部隊「ドラグナー遊撃隊」に任命されると知り新たな闘志をみなぎらせる。
対グン・ジェムのために特訓を続けていたドラグナーチーム。そこへ緊急招集がかかった。いよいよ独立作戦部隊「ドラグナー遊撃隊」が発足されることになったのだ。メンバーは、パイロットにケーン、ライト、タップ、オペレーターにリンダとローズ、隊長にはダグラス、その補佐にベン軍曹が抜擢された。彼らには重慶防衛任務が課せられる。 その頃、ヤムたちは特殊工作部隊を編成してグン・ジェム隊のカスタムタイプ・メタルアーマーの破壊作戦にかかっていた。しかし生身でメタルアーマーにとりつくのは容易ではなく、次々と工作員たちはガンドーラの車輪に巻き込まれるなどして果てていく。ただひとり生き残ったヤム少佐がどうにか作戦を続行させるが、それがむしろ裏目に出る事となってしまった。 出撃したどのガンドーラにヤム少佐が取り付いているか分からず、迫る部隊を眼前に何もできないケーンたち。一時はピンチに陥るものの、ヤム少佐の働きでガンドーラ部隊に隙が生じるとケーンたちはようやく攻撃を開始。見事、基地防衛に成功するのだった。そしてケーンたちにグン・ジェムの秘密工場破壊任務が新たに下るのだった。
マイヨが月のギガノス司令部に召還された。彼の処遇に不満を持った若い兵士に反乱傾向があり、それを説得するために呼ばれたのだ。あくまで帝国の行く末を案じ、自分たちの指導者になって欲しいと嘆願する兵士たち。マイヨは真摯に説得を続けるものの、頑強な兵士たちの主張に、今度は上層部に猶予が欲しいと掛け合う。 そこへ怒鳴り込んできたのは、強硬派のドルチェノフだった。彼はギルトールに反逆者の排除を強く主張する。 一方、グン・ジェムの秘密工場撃破のために派遣されたケーンたちは、その動きを察していたグン・ジェム隊の待ち伏せを受けていた。小さな村で捕虜にされてしまうリンダ、そしてローズ。ドラグナー3機もグン・ジェム隊四天王、ミン大尉、ゴル大尉、ガナン大尉のメタルアーマーの強襲に遭ってしまう。ケーンたちの善戦でどうにかローズの奪還には成功するものの、リンダだけは依然、捕虜としてグン・ジェムの前線基地に監禁されてしまうのだった。
リンダが連れ去られ、タップとライトはベンとローズの元に戻ってくるが、ケーンだけはそのままリンダを探してひとり追いかけて行ってしまう。 その頃、グン・ジェムはリンダがマイヨの妹だと知り、金を稼ぐいいチャンスだと思っていた。そのため、最初はジン中尉にくれてやるはずだったリンダを司令部に売り渡そうと考える。しかし司令部が身代金の要求を蹴ったため、今度は父親であるプラート博士に身代金を要求したのだった。 一方、身代金の要求をプラート博士が断ったことをダグラスから聞かされたライトたちは、独自にリンダの救出を決意。対グン・ジェムでダメージを負っていたドラグナーの修理を急がせる。その間にグン・ジェムたちのキャンプを突き止めていたケーンはリンダと合流。リンダに心を寄せていたゴル大尉を利用し脱出していた。 彼らは追撃にかかったグン・ジェム隊をかわし、ドラグーンで出撃したライトとタップに助けられ無事生還を果たす。
新たな配属先であるビルマ戦線に向かっていたプラクティーズは、補給のためにグン・ジェムのキャンプに立ち寄った。しかしグン・ジェムは燃料と弾薬をただで渡すつもりはなく、3人に売りつけようとする。どうすることもできず、途方に暮れるプラクティーズ。ミン大尉はそんな彼らに接触すると、無償提供と引き換えにドラグナーの追撃を手助けさせようとした。むろんプラクティーズを頼りにしていたわけではなく、彼らを盾に使おうと密かに企んでいたのである。 接近する敵影を発見したケーンたちは、ドラグナーで出撃してミン大尉やプラクティーズと交戦状態に入った。ミン大尉の、センサーを潰してからメタルアーマーのチェーンソーで切り裂く戦法に翻弄されるケーンたち。巻き込まれたプラクティーズも危うく同士討ちしそうになる。しかし最初はケーンたちを圧倒していたミン大尉だったが、D-3のレーダーが生きていたせいで敗退。プラクティーズも自分たちが囮に使われていたのだと知り、憤慨しつつビルマ戦線へと向かうのだった。
グン・ジェム隊に月からの援軍、ゲルポック隊の3人が合流した。彼らは隊長のゲルポックが攻撃を、アデン中尉がD-3のようなセンサー役を、チェンドル特務少尉が武器弾薬の運搬といったように、3体で役割分担をしてそれぞれがゲルポックの攻撃活動をフォローするようフォーメーションを取っていたのだった。それで数々の戦果を上げてきたゲルポック隊に対してグン・ジェム隊は鼻で笑い、ゲルポックたちはグン・ジェムたちを警戒する有様。互いに緊張状態を保ちつつ、ゲルポック隊はドラグナー遊撃隊の撃滅に向かう。 名誉を傷つけられたとゲルポック隊に戦いを挑んだゴル大尉を、コーキングガンで瞬く間に沈黙させたゲルポック隊は、さらにドラグーン隊を同じように撃滅していく。コーキング弾とは、トリモチの要領で発射し、瞬時に硬質化させて関節などを固定してしまう特殊弾のこと。それ自体に殺傷能力はないものの、厄介な武器であることには間違いなかった。出撃したドラグナーも苦戦を強いられ、D-2が捕らわれてしまうもののアデンを撃破しタップを取り戻すことに成功する。
ゲルポックはアデンの仇を取るために、ホログラム投影装置備えたメタルアーマーを駆るジン中尉に一時的なチーム入りを申し入れた。しかし当のジンには協力するつもりなど一切なく、チーム入りを受け入れるものの裏切り瞬間を虎視眈々と狙う。 ケーンたちはゲルポック隊の策略通り、ジン中尉のホログラムに翻弄されD-3のアンテナを狙撃されてしまった。ホログラムを見破るにはアンテナの修理が必要だったため一時撤退を決意。そして砂漠で戦災孤児の集団に出くわす。 戦争をする大人を信じられず、心を閉ざす子供たち。しかしゲルポック隊と戦うケーンたちが味方であることを確信すると、拾ったメタルアーマーのアンテナをD-3の修理に転用することを許して協力してくれた。 そのお陰で逆転したケーンたちはゲルポック隊の撃墜に成功する。そしていけすかないと感じていたゲルポックとチェンドルの死を確認したジン中尉も満足げに撤退したのだった。
月のギガノス司令部は、未だに若い兵士たちの反乱を鎮圧できずにいた。それはマイヨの進言を聞き入れ、若い兵に情けをかけたギルトールがなかなか決断しないことにも原因があった。その一方でギルトールはもうひとつの難題を抱えていた。強硬派の筆頭、ドルチェノフが地球に対してマスドライバーの全面攻撃を申し入れていたからだった。しかし地球の美しさをこよなく愛するギルトールはそれを許さず、ドルチェノフの不満を爆発寸前まで抑圧していたのである。 そして異変は起こった。ギルトールとマイヨが接見していたところへドルチェノフとその部下が割って入り、他の目撃者がいないのをいいことにギルトールを射殺してしまったのだ。そしてギルトール暗殺の罪をマイヨに着せ、一気に反乱兵の鎮圧に乗り出す。これによりギガノスの実権をかすめとったドルチェノフは新たな総帥の座に座り、マイヨは尋ね者として逃亡。ギルトールの仇を討つべく潜伏生活を余儀なくされてしまう。
マイヨはマスドライバーを破壊した後、行方不明になっていた。それはグン・ジェムだけではなく、連合軍のプラート博士の耳まで届き、博士を心配させてしまう。 不時着した飛行物体がマイヨのものらしいとの情報を掴んだグン・ジェムは、ドラグナー遊撃隊を誘い出すためにその情報を連合軍に流した。そうとは知らないケーンたちは、リンダを気遣い情報の真偽を確かめることにする。そしてリンダをベン軍曹に託し、前線の向こうにあるという落下地点へと彼女を向かわせたのだった。 落下地点にはゴル大尉が待ち受けており、好意を寄せるリンダを捕獲しようと、彼女とベンを追いかけ始めた。そしてピンチを察して駆け付けたケーンたちドラグナーチームとも戦闘を開始。マイヨ追撃の任を与えられたプラクティーズも含めて、三つ巴の乱戦を展開する。しかしゴル大尉はメタルアーマーをケーンたちに撃破され、プラクティーズも消耗が激しく撤退を余儀なくされる。一方のリンダたちもマイヨの消息を掴むことはできなかった。
ゴル大尉の部隊が彼一人を除いて壊滅した。怒り心頭のグン・ジェムは劣勢を打破するべく、未完成の超兵器「無限機動砲」の投入を決意。一発ごとにエネルギーチャージが必要な弱点を抱えたまま、不安を訴える工場長を押し切り秘密工場から持ち出してしまう。 秘密工場の探索をしていたドラグナー遊撃隊は、無限機動砲の攻撃を受けた。離脱を図るもののゴル大尉の襲撃や2度目の無限機動砲の攻撃でドラグナーのダメージが重なり窮地に陥る。しかし発炎筒の煙で大きなダメージを食らったとゴル大尉に思わせ、油断していた隙に姿をくらませることに成功した。そして密かに無限砲の近くまで忍び寄ると、攻撃の機会を伺うのだった。 無限砲を守っていたグン・ジェムたちがゴル大尉と入れ違いで出撃した隙を狙い、一気に攻撃を仕掛けるケーンたち。彼らは多大なダメージを負うものの、どうにか機動砲の破壊に成功する。一方、ひとりで無限砲を守ろうとしたゴル大尉は戦死。戻ってきたグン・ジェムたちに看取られ事切れる。
ゴル大尉の戦死はグン・ジェムに予想以上の精神的ダメージを与えていた。しかし同時に、激しい復讐の炎を灯すことにもなったのである。 その頃、ギガノス軍が使用する周波数を拾ったケーンたちは、正体を探るべく罠を警戒しながら周波数の発信地点へと向かっていた。しかし到着した施設内には、案の定ミン大尉、ガナン大尉、ジン中尉が潜んでおり、3人は待ち伏せを食らってしまう。怒りに狂ったグン・ジェムの猛攻に、ケーンたちは逃げ出すだけで精一杯だった。 基地に戻ったケーンたちは、グン・ジェムの青竜刀に対抗するべくヤム少佐にヒントをもらおうと考えた。しかしグン・ジェムたちが追い討ちの攻撃を仕掛けていたため、ケーンたちはまだダメージの残るドラグナーでの出撃を余儀なくされる。ケーンたちは圧倒されるものの、ようやくリンダが突き止めた青竜刀の弱点を突いて撤退させることに成功するのだった。
ケーンはグン・ジェムの燃えるような執念の前に、悪夢さえ見るようになっていた。そこで、かつて父親がグン・ジェムと戦った経験のあるヤム少佐に、逆転の方法を聞き出そうと考える。そんなケーンに対し、ヤム少佐は対決を申し出てケーンの熱意を確認。父親に直接会えばいいと紹介状をケーンのために書いた。 ヤム・ラオチュン元大佐は修験道場で修業をしていた。3日で対グン・ジェムの秘策を授け欲しいと頭を下げるケーンに対し、ラオチュンは命を賭けて修行に挑むよう言い渡す。 3日後、最後の最後で光明を見出したケーンは、痺れを切らしたグン・ジェムと再戦を果たした。ラオチュンとの真剣を使った修行の成果で、相手の太刀筋を見切るケーン。グン・ジェムが彼の成長を確信した時には既に遅く、ガナンは撃破されグン・ジェム、ミン大尉、ジン中尉は撤退を余儀なくされる。
ゴルとガナンを失い、平静を失っていたグン・ジェム大佐は秘密工場で開発中の新型メタルアーマーを使うことにした。しかしその新型メタルアーマー、ギルガザムネは考えるだけで驚異的な戦闘力を発揮する「思考コントロールシステム」を搭載した驚異的な機体である反面、まだただのひとりも乗りこなした事のない厄介な代物だった。それを承知でギルガザムネを持ち出したグン・ジェムは、ミン大尉とジン中尉を伴って出撃する。 その頃、ケーンはグン・ジェムに一矢報いたとは言え、もう前回のような戦法も通用しないだろう事に焦りを感じ弱気になっていた。しかしタップやライトが支えてくれたおかげでどうにか気持ちを取り戻す。そこへグン・ジェムたちが攻撃を仕掛けてきた。 ギルガザムネの戦闘力はドラグナーチームをはるかに凌駕していた。一時は完全に押し切られ、死を間近に感じるケーンたち。しかし不完全なギルガザムネはグン・ジェムの脳に予想以上の負担を強いて、冷静な判断力を奪ってしまう。そして危険を察知し、半狂乱のグン・ジェムを制止しようとしたジン中尉まで自らの手で撃墜してしまったのだった。
ついに始まる秘密工場攻撃作戦。ケーンたちの強い味方となる光子バズーカが輸送されることとなり、一度はミン大尉に襲撃されるものの、彼女を撃退し一気に攻略に取り掛かる。 輸送船襲撃時にミン大尉がメタルアーマーを失っていたため、防衛に当たるのはギルガザムネを駆るグン・ジェム大佐のみだった。復讐に燃えるグン・ジェムの猛攻に晒されつつも、工場破壊のために内部に侵入したケーン、ライト、タップはメイン動力炉を破壊し脱出を試みる。しかしケーンだけがグン・ジェムの追撃に遭い脱出を阻止されてしまった。思考コントロールシステムの影響でもはや平静を失っていたグン・ジェムは、このまま基地内にとどまれば動力炉の爆破に巻き込まれるとケーンに言われても聞く耳を持たない。それでもどうにか振り切り、脱出に成功したケーンは、倒しても倒しても何度でも立ち上がるグン・ジェムの執念に圧倒されつつ、やがて自滅していくギルガザムネに攻撃を続け、ついに宿敵を倒すことに成功する。
主なきグン・ジェム隊はもはや崩壊の道を辿っていた。部隊を見限り、ミン大尉の見ている前で物資を略奪して出て行く部下たち。しかしその光景を嘆いていたミン大尉の前に、もう一体のギルガザムネが現れた。それは新たにドラグナー討伐任務を与えられた、ハイデルネッケン少佐のものだった。裏切り者の脱走兵を一掃したハイデルネッケン少佐は、ドラグナー撃破をチラつかせることでミン大尉に協力させることに成功する。 ミン大尉にとっては仲間たちの仇が取れる絶好のチャンスだったのだが、ハイデルネッケンはそれを許さなかった。ギルガザムネの改修機には脳を休めるためのインターバルが設定されており、その時に時間稼ぎをさせるためだけにミンを利用しようと考えていたからだ。しかしハイデルネッケンの目論みはドラグナーチームに打ち砕かれ、ミン大尉は情けなくも助けを求める彼のためにドラグナー追撃を諦めざるを得なくなる。
連合軍はギガノス最後の砦とも言える機動要塞の撃滅に手を焼いていた。月付近に集合していた本体と合流したドラグナー遊撃隊は、要塞の思考コントロールシステムの弱点を見抜いたプラート博士の立案で作戦行動に入る。それは、膨大なエネルギーを要塞に注入する事で思考コントロールシステム要員にオーバーヒートを引き起こさせ、通常システムに切り替えた隙を狙うというものだった。そのために、まず要塞付近に位置する太陽発電衛星の奪取作戦が遂行される。 一方、プラクティーズと合流し、隠遁生活を強いられていたマイヨもついに行動を開始していた。彼らはミン大尉とハイデルネッケン少佐を乗せて月に向かっていたギガノス輸送船を占拠。ミン大尉を利用し、逃亡を試みたハイデルネッケンを一度は見逃すものの、去り際に攻撃を加えるなど、あまりにも卑劣な手段を使ったため、ハイデルネッケンを猛追撃しその手で葬るのだった。
ドラグーン開発以降、進撃に弾みをつけた連合軍はギガノス軍を圧倒していた。地球上のギガノス軍は次々と敗走し、もはや月の司令部と機動要塞を残すのみとなる。 しかし思考コントロールシステムで連合軍艦隊を瞬く間に壊滅させた機動要塞の戦闘力はケーンたちでも戦慄するものがあり、一刻も早い対処が望まれた。そのため、プラート博士の立案した作戦に沿って太陽発電衛星の奪取作戦が開始される。 その一方でひとり思い悩むケーン。どうやら行方不明だった彼の母、アオイ・ワカバが機動要塞に捕らわれているらしく、ギガノスからの極秘通信でそのことを知らされ投降を要求されていたからだ。そしてライトやタップたちが太陽発電衛星を奪取し、機動要塞にぶつけようとしたまさにその時、ついにギガノスへの投降を決意してしまう! 太陽発電衛星が直撃したにも関らず機動要塞は健在、ケーンもギガノスに投降、2重の衝撃が連合軍に走る・・・
ケーンの裏切りで連合軍は混乱していた。特にドラグナー遊撃隊のショックは図り知れない。あくまでケーンを信じ抜こうとするベン軍曹らは、ライトとタップの証言からケーンが母親を救出するために偽装投降したのだと推理する。 その頃、ギガノスに捕らわれたケーンは、手柄を立てるまでは母に会うこともできないと知らされ苦汁の決断をさせられていた。そしてドルチェノフを討つためにファルゲンで出撃したマイヨを迎撃せよと命じられ、不本意ながらD-1での出撃を余儀なくされる。 もはや敵はドルチェノフだけだと、ケーンとの対決を拒むマイヨ。しかしケーンには選択の余地がない。 その頃、機動要塞への電磁波攻撃を準備していたライトとタップは、その攻撃でマイヨとケーンが巻き添えになることを心配し、作戦の延期を願い出ていた。しかしそれが聞き入れられるはずもなく、ケーンとマイヨは電磁波攻撃に飲み込まれてしまうのだった。
プラート博士の作戦は成功し、機動要塞の思考コントロールは通常システムに切り替えられた。しかし予定されていた総攻撃はギガノスに投降したケーンによって阻まれてしまう。 その頃、満身創痍のファルゲンを回収したミン大尉とプラクティーズは、彼の無事を確認していた。そこでミンは、改めてマイヨの指揮下に入ることを宣言する。 一方、あくまでもケーンを信じ続けたいリンダ、ローズ、ベンは、やはりケーンを信じつつ出撃を余儀なくされたライトとタップにその想いを託していた。混戦状態の戦場でケーンを発見したライトとタップは、彼が投降して以来初めてケーンと対面する。 しかしライトとタップを前にしてもケーンは投降した本当の理由、その真意を語ることはなった。そしてドルチェノフの作戦通り囮役を全うすると、ギガノスの別動隊が太陽発電衛星を破壊したことを確認し、機動要塞へと戻って行ってしまった。終始ケーンの説得を試みていたライトとタップは、そんなケーンの後ろ姿を見送りながら、母親を取り戻したら戻って来いと必死な呼びかけをするしかなかった。
いよいよ機動要塞のダメージも極限に達し、ギガノスの兵士たちは混乱していた。そんな中、母・アオイとの面会の約束を守らないドルチェノフに対し、ついにケーンの怒りが爆発。自らの手で探すのだと、要塞内の混乱に乗じ行動を開始した。しかしようやく母を発見したにも関らず、ケーンは再び目の前で引き離されてしまうのだった。 その頃、ドルチェノフに鉄槌を下すべく出撃したマイヨ、ミン大尉、プラクティーズも機動要塞に取り付いていた。侵入路の確保を命じられたプラクティーズは、無防備な外部ハッチを確認する。だがそれは罠だとミン大尉は主張。マイヨにプラクティーズを託されていたこともあり、罠であることを見せ付けるために単身切り込んだ。そこで自分の正しさを証明したミン大尉は、ようやくプラクティーズにも信頼される上官として認められる。 しかし先行して乗り込んだ要塞内では苦戦を強いられ、ちょっとした判断ミスからさらなる窮地に陥ってしまった。センサーが不能になった一同は、唯一センサーが生きていたダンのお陰で窮地を脱するものの、ダンはその犠牲となりマイヨの腕の中で果ててしまうのだった。
もはや崩壊も目前の機動要塞。しかし諦めの悪いドルチェノフは、連合軍の総攻撃に対してケーンを再度防衛線に回そうと考える。 かつての仲間たちを目の前に、少しだけ攻撃を待って欲しいと涙声で訴えるケーン。それに対し、すでに彼を完全な裏切り者として認識していた上層部はケーンの排除を検討する。しかしケーンを信じていたベン軍曹たち元ドラグナー遊撃隊の面々は、彼の投降は母親が人質になっているのが原因だと説得し、アオイ・ワカバ救出作戦を承認させた。 機動要塞に侵入したベンとリンダはギガノス兵の抵抗に遭うものの、そこへ偶然現れたマイヨたちのお陰で難を逃れる。そして兄妹の僅かな再会を経てアオイの救出に成功したのだった。 そのことをライトとタップから知らされたケーンは、喜びでうち震えた。そしてこれまでの屈辱を晴らすべく、要塞内に殴りこんだ!
ケーンとベンがアオイとリンダの脱出作業を進めていた一方、マイヨたちと共に要塞内に乗り込んだミン大尉はドルチェノフを目前まで追いつめていた。要塞も司令部もすでに陥落しているにも関らず、ドルチェノフは抵抗し白兵戦で挑むミン大尉と激しい取っ組み合いを展開する。その中でギルトール暗殺の真相を聞きだそうとしたミン大尉は、自分がドルチェノフに追いつめられたことを演出し、見事に彼自身の口から引き出すことに成功した。しかもドルチェノフの言葉はたまたまスイッチが入った艦内放送ですべての兵士の知るところとなってしまうのだった。 もはや部下たちにも見限られたドルチェノフは、ミン大尉から逃れるとダインに搭乗しマイヨのファルゲンに挑戦。ただひとり自分の悪行がバレたことを知らないドルチェノフは、SPが自分の命令に従わないことに苛立ちつつ、マイヨのファルゲンに対抗する。しかしメタルアーマーの技量の差に圧倒され、撤退したのだった。
ケーンがリンダ、ベン、アオイを脱出させようとしていたまさにその時、ライトとタップが合流した。すでに要塞の制御は失われ、ギガノス軍にも戦う意思はなかったのだが、ドルチェノフに対して激しい怒りを抱いていたケーンは、一発殴らないと気がすまないからと要塞内に引き返すことを一同に告げる。もちろんリンダの兄・マイヨがドルチェノフを追ってまだ要塞内にいることも気にかけていたのだ。 リンダの願いで同行を許したケーンは、ベンとアオイをライトとタップに任せ、自らは要塞内に引き返した。そこでドルチェノフのギルガザムネと対決していたマイヨたちと合流。 ケーンとマイヨは力を合わせ、ドルチェノフに一矢報いることに成功する。 戦いは終わり、プラクティーズとミンを先に脱出させるマイヨ。後で脱出すると約束する彼だが、ギガノスなき後の世界に自分は必要ないと、実は密かに要塞と運命を共にしようと考えていた。しかしケーン、リンダ、そしてドラグーンで現れたプラート博士の説得で決意を改め、一同は無事に要塞からの脱出に成功する。 こうして、長く続いた戦争は終結したのだった。