東京の異変から10年。疎開先の中学校に通う五十嵐丸太(ガンタ)は、友人達と平凡だが楽しい日々を送っていた。 だがある日、謎の「赤い男」によってクラスメイトが惨殺され、平和な日々は突如終わりを告げる。事件の犯人として無実の罪で死刑を宣告され、 完全民営化刑務所「デッドマン・ワンダーランド」に収監されてしまうガンタ。 失意と絶望の中、 ガンタの新たな運命が動き始める――!
作業場の大事故、そして玉木の言葉から、看守長のマキナは死刑囚であるガンタに不審な思いを募らせる。 一方、事故でケガを負ったガンタは、治療のために訪れた医務室で、鷹見羊と再会する。羊との会話から「ドッグレースショウ」の存在を知ったガンタは、お腹を空かせたシロと共にエントリーするが……
「デッドマン・ワンダーランド」を支配する狂気と不条理。だがそれが現実。自分の命のリミットが間近に迫っているのになすすべもないガンタは、明るく笑うシロに、笑顔で言葉を返すことができないでいた。だが、そんなガンタの目の前に、事件の真犯人「赤い男」が、突如姿を現して――!?
絶体絶命の危機に陥ったガンタ、シロ、羊を救ったのは、右眉の上にタトゥーのある長身の男だった。その男は、赤い男と同じように血の帯を操り、異能の力を発現。彼が赤い男だと思い込んだガンタは復讐を果たすため、自身にも目覚めた血を操る能力“罪の枝”を発動させる。
G棟で、自身が能力者「デッドマン」であること、そして「デッドマン・ワンダーランド」に収監された本当の理由を知ったガンタ。だが恐怖の連鎖は止まらず、ガンタは、デッドマン同士が殺し合うショー「死肉祭(カーニバル・コープス)」への参戦を余儀なくされる。しかも最初の対戦相手は、G棟入口での激しい戦いの記憶も生々しい“クロウ”こと千地清正であることがわかり……。
何もかもが狂っている――。死肉祭の初戦後、希望もないままに意気消沈していたガンタは、G棟で可憐な美少女、水名月と出会う。涙をこぼしながら自らの境遇を語る、水名月のか弱い姿に心打たれたガンタは、ある決心をする。一方、惨劇の恐怖に苦しみつつも、目的のために再び動き出していた羊だが――!?
医務室で手当てを受けていたガンタは、突然胸の痛みを覚える。とほぼ同時に、大きな揺れがG棟を襲う。胸の痛みが続くなか、忘れていた幼い頃の大切な記憶を思い出すガンタだったが……。そして、その揺れの裏で進行する、デッドマン・ワンダーランド所長とシロの謎の会話……。全ては「子守唄」を中心に動き出す――!
シロとの再会、そして、剣ヶ峰凪や輿緒唐子を中核メンバーとする反体制組織「自由の鎖(スカーチェイン)」との出会いにより、微かな希望を見出すガンタ。しかし、そんなガンタと「自由の鎖(スカーチェイン)」の前に、玉木によって差し向けられた対デッドマン部隊「墓守(アンダーテイカー)」が立ち塞がる。
デッドマン・ワンダーランドの不条理を世に暴くための計画――急襲破獄計画。二手に別れて行動を開始した「自由の鎖(スカーチェイン)」のうち、唐子たちと共に計画に参加したガンタだったが、その行く手にはネクロ・マクロが立ちはだかる。一方、別行動を取っていた凪とロクロは、たどり着いた制御室で、大きなバックを背負った小さな女の子に出会う。
弦角を筆頭とする「墓守(アンダーテイカー)」との激しい戦いで徐々に疲弊していく「自由の鎖(スカーチェイン)」メンバーたち。だが、戦いの最中、「墓守(アンダーテイカー)」たちが撤退してしまう。訝しむガンタたちの前に、突然シロが現れる。だが、シロが取った行動、そして引き起こされた目の前の光景は、「自由の鎖(スカーチェイン)」をさらに絶望の底に突き落とす。失意と怒りのあまり、ガンタは……。
仲間を助けることができないのも、シロを傷つけてしまうのも、すべては自分が弱いから――。 「自由の鎖(スカーチェイン)」と「墓守(アンダーテイカー)」の戦いで、何もできなかったガンタは、自分の弱さに打ちひしがれながらも、強くなることを胸に誓う。そして、「戦い方を教えて欲しい」と意気込むガンタに、千地は、改めて強さを求める覚悟を問う……。 一方、唐子は、アジトに残っているメンバーに、破獄計画続行を宣言する。
「墓守(アンダーテイカー)」に捕らわれたシロと唐子を救出するため駆けつけたガンタが見たのは、修羅と化し、手当たり次第に罪の枝を振るう凪の姿だった……。凪の振るう拳の前に立ちふさがり、身を挺してシロをかばうガンタ。ガンタが傷つく度に響く、シロの悲痛な叫び。 そして、唐子の涙。狂うか黙るかしかない、このデッドマン・ワンダーランドで、己の信じる「救済」を与えるべく狂気の武器を取る弦角を前に、ガンタが選ぶ運命は――!?