幼い頃、白バイでマラソンの伴走をする警察官だった父の姿を見て育った志村徹平(藤ヶ谷太輔)は、“マラソンランナー”になる事が夢だった。しかし、父親の失職・失踪と自身のケガをきっかけに、自堕落な生活の一途をたどり、地元では名の知れた不良になってしまう。 そんな徹平が幼馴染の雄一の強い誘いも影響して、高校卒業後、なんと警察官になる道を選ぶ。奇跡的に採用試験に合格した徹平はこの夏、警察学校に入校することに。 ところが、徹平は入校初日からいきなり寝坊して遅刻してしまう。なんとか自分が籍を置くSクラスへと向かうが、その場所は何故か屋上隅のプレハブ小屋。教室には生徒が8人おり、その中には裕福な家庭で育ち、真面目でいかにも徹平とは真逆な性格の立花団司(北山宏光)や、公務員になるのが一番堅実だという理由だけで警察官の道を選んだ桃江比呂(剛力彩芽)、そして幼馴染の雄一もいた。 徹平が着席するとすぐに担当教官の桜庭直樹と助教の竜崎美咲が姿を現すが、徹平は美咲から名前を呼ばれたかと思うと皆の前でいきなり強烈なビンタを喰らい、遅刻を叱責される! 美人ながら鬼のように怖い美咲の態度に早くも恐れおののく徹平たち。Sクラスの面々は初日から美咲に一日中校内の草むしりを命じ られるが、それはまだ美咲の容赦ない指導の序の口に過ぎなかった! 入校以来、来る日も来る日も美咲から校内の掃除ばかりを命じられるSクラス。徹平はそんな美咲の指導についに不満を爆発させるが、美咲から実は徹平らSクラスが本当は合格基準を満たしていない“補欠”採用の人間が集められた“補欠クラス”だということを突き付けられ愕然となる。 かくして補欠のSクラス=“桜庭教場”に集められた徹平たち出来損ないの過酷な全寮制警察学校の生活が始まる!
徹平(藤ヶ谷太輔)の親友、雄一(森廉)が仮入校で離脱するとこになったものの、徹平ら残りの桜庭クラス8人はなんとか無事本入校となり、警察官になるための本格的な訓練が始まった。 ホームルームでは桜庭(杉本哲太)から各自クラスでの係を割り当てられ、徹平は何故か一番不釣合いな役目に見える桜庭教場のリーダーである場長に任命される。そんな矢先、桜庭教場の面々は海難救助の授業として水泳の訓練を受けるが、なんと徹平と山根(柄本時生)の二人が泳げないことが判明する。 水泳の指導を行った教官からの報告で、徹平と山根が泳げないと知った助教の美咲(石田ひかり)は二人に一週間後に25メートルきちんと泳ぎ切れるかのテストを行うと告げ、二人は泳ぎ切れなかった場合は辞表を出せと美咲から命じられる。 ほどなく、徹平と山根はそれぞれテストに向けて自主練習を行うが、ある夜、一人で練習を行っていた山根は溺れてしまい、山根を助けようとした徹平も溺れかける。そんな二人を比呂(剛力彩芽)から助けを求められた団司(北山宏光)が救助するのだが、団司は助け出した二人にさっさと諦めて辞表を出すよう言い放つ。団司の冷徹な言葉に怒った徹平と山根は、団司に負けた方が辞表を出すという条件で水泳の勝負を挑む。二人は比呂、杉山(小柳友)、石岡(石井智也)たちに練習の手助けを受けながら勝負の日を迎えるが…。
2年前に団司(北山宏光)にカツアゲをされたという山根(柄本時生)の訴えに、Sクラスの面々は半信半疑。徹平(藤ヶ谷太輔)が団司に詰め寄るも、案の定相手にすらされない。それでも山根は納得がいかない様子だ。 彼らが警察学校に入学してから1ヶ月が経ち、はじめて「外出許可」の下りる日が近づいてきた。なにも予定のない徹平とは対照的に、石岡(石井智也)はネットで知り合った女の子に会うのだとうかれている。2人対2人の合コンと聞いて行きたがる徹平だが、石岡は同伴者に山根を選択。徹平が千晶(岡本あずさ)を気にかけていると気付いていた石岡は、映画にでも誘ってみたら? と徹平をけしかける。 翌日、徹平は意を決して千晶を呼び出す。比呂(剛力彩芽)たちがこっそり覗き見する中、ガチガチに緊張しながらも、千晶を映画に誘う徹平。だが千晶の口からは「彼氏と会うことになって」というまさかの返事が…。途方に暮れる徹平を不憫に思った石岡のやさしさで、結局徹平も合コンに参加することになる。 そしてやってきた外出の日。実家に帰ったり、自主トレーニングに励んだりと、思い思いに過ごすSクラスの面々。徹平は傷心を引きずりながらも、流行の服を新調し、いざ合コンへ! 2人対3人の合コンの行方は? 一方、千晶は久々に再会した恋人から、予想外の思いを告げられ…。
柔道場で逮捕術の授業を受けるSクラス。犯人役の石岡(石井智也)が美咲(石田ひかり)に襲いかかるが、あっという間に押さえ込まれる。比呂(剛力彩芽)や千晶(岡本あずさ)も挑戦するが、あわてるばかりで対処出来ない。そんな中、陽子(水沢エレナ)だけは犯人役の山根(柄本時生)を見事制圧する。しかし美咲からは「全然ダメ」と評価され、陽子は釈然としない。 ほどなく、これまでの訓練成果が試される中間試験の日が近づいてきた。他の教場に退職者が出たため、高村校長(鹿賀丈史)の意向で、試験結果が優秀なSクラスの上位2名は通常教場に編入出来ることに! 団司(北山宏光)と陽子は気を引き締める。一方、徹平(藤ヶ谷太輔)たちは今より厳しい環境に移ることに気が進まない。 そんな様子を見た団司は、外出中に会った雄一(森廉)のことを徹平に話す。あいつをがっかりさせるな、と団司に言われ…徹平は奮起! 通常教場への編入を目指し、勉強にも訓練にも真剣に取り組みはじめる。 一方の陽子は、自分がなぜ補欠なのか理解できないと美咲に話す。前職の自衛官時代は、男性同等の能力があるにも関わらず、女性だからと差別的な扱いを受けていた陽子。警察官も男性と女性で役割は分かれるのかと問う陽子に、美咲は「役割なんてあんたが決めることじゃない」と冷たく告げる。 そして試験が終わり、やってきた編入者発表の日。美咲から発表された結果は…!?
桜庭教場(Sクラス)から通常教場へ編入となった徹平(藤ヶ谷太輔)と団司(北山宏光)。新しい環境に意気揚々と臨む徹平だが、教場に入って早々、背後から教科書を投げつけられる。徹平は教科書の持ち主である生徒・鈴木(松居大悟)に詰め寄るが、実際に教科書を投げたのは場長の浜野(渋谷謙人)だった。それに気付かない徹平は、おろおろする鈴木に首をひねる。 一方、徹平と団司の抜けたSクラスには、すっかり活気がなくなっていた。2人がいなくなったことを寂しがる比呂(剛力彩芽)たち。しかし山根(柄本時生)だけは、団司がいなくなって清々すると言い放つ。山根は2年前に自分を襲ったカツアゲ犯が団司だと確信していた。 そして団司の過去は、通常教場の教官である五十嵐(松尾諭)にも知られていた。反省していると懸命に訴える団司に、五十嵐は「俺はお前を警察官にはしない」と告げる。一方、なにかと団司のことが気に食わない浜野もまた、団司を追い込もうとたくらみはじめる。 そんなある夜、模擬交番で警備訓練中の団司は、校内を巡回しているはずの鈴木に無線連絡を取ろうとするが、応答がない。異常を察した団司が校内を探すと、鈴木は傷だらけの姿で倒れていた。そして翌日、鈴木はなんと、自分を襲った犯人は団司だと証言。訳がわからないまま必死に否定する団司だが、団司が暴行事件を起こしたという噂は学校中に広まっていき…!?
いよいよ桜庭教官(杉本哲太)による厳しい訓練に突入したSクラス。疲れ果てながらも、体力の向上を感じ盛り上がる徹平(藤ヶ谷太輔)たち。ただひとり比呂(剛力彩芽)だけは、次第に距離が近づいていく徹平と千晶(岡本あずさ)を眺め、浮かない顔をしていた。 そんなある日、徹平宛に真夏(森高愛)から電話が。なんと、何年も行方不明だった父親・恭一郎(国広富之)が突然、現れたというのだ。次の週末に徹平が帰ってくると伝えたという真夏に、戸惑いを隠せない徹平は、週末には帰らない意思を告げる。 それからというもの、徹平はやたらとイライラしたり、かと思えばぼんやりしたりと様子がおかしい。心配した比呂が声をかけるが、徹平は何かをゴミ箱へ投げ捨てて立ち去ってしまう。比呂が拾うと、それは白バイに乗る恭一郎が写った思い出の写真だった。 翌日、徹平に写真を渡した比呂は、徹平が抱える事情を知る。いつになく落ち込む徹平に心配を募らせるSクラスの面々は、徹平に秘密で何かを計画しはじめ…。 そしてやってきた週末、比呂は徹平を寮から強引に連れ出した。渋々付き合う徹平だが、初めての東京見物にはしゃぐ比呂の姿に、張り詰めていた気持ちが和らいでいく。そして2人はひょんな事から徹平の家に行くことに。徹平の部屋に通された比呂は、そこで徹平が小学生のころに書いた作文を見つける。そこには、父親に憧れて警察官を夢見る、幼い徹平の思いがつづられていた……。
教場と教場が一騎打ちで勝負する「教場対抗体育大会」の日が近づいてきた。「柔道」「剣道」「3千メートルリレー」の3種目に、それぞれ精鋭が3人ずつ出場して戦う大会なのだが、総勢たった8人のSクラスは弱い教場と当たることを祈るばかり。そんな中、徹平(藤ヶ谷太輔)に至っては、あの花火の夜以来、比呂(剛力彩芽)を意識してしまい大会どころではない。 ところがそんなSクラスをよそに、桜庭(杉本哲太)は高村校長(鹿賀丈史)とある約束を取り付けてきてしまう。それは、Sクラスが教場対抗戦で勝利すれば補欠扱いを解かれ、通常教場として承認されるが、敗退した場合は全員退学というものだった。また、対戦相手は、最も優秀な鬼塚教場に決まっていた。 さっそく鬼塚教場の偵察に向かった一同は、自分たちとのレベルの差に愕然とする。徹平や団司(北山宏光)は意気込むが、運動の苦手な比呂たちはすっかり萎縮してしまう。結局、徹平は剣道とリレーに、杉山(小柳友)が柔道に選出され、残りの席は全て団司と陽子(水沢エレナ)で埋めることに。比呂、山根(柄本時生)、石岡(石井智也)、千晶(岡本あずさ)は「補欠の補欠」に甘んじる。偏った選出にどこか釈然としない徹平は、自分には無理だからと言う比呂の姿勢を指摘する。しかし運動に苦手意識を持つ比呂とはわかりあえず…やがて2人は険悪な雰囲気に。 そんなある日、山根と石岡が柔道場を覗くと、そこにはひとり練習に打ち込む杉山の姿があり…。
Sクラスにいよいよ「実地訓練」と呼ばれる現場研修の日が近づいてきた。通常は県内の警察署で勤務にあたるが、桜庭(杉本哲太)は、とある離島での特別コースも設けたという。わざわざ田舎での研修を希望する者などいないだろうと思われたが、ただひとり比呂(剛力彩芽)だけが「離島研修」に手を上げる。もともと安定志向から警察官の道を選び、「警察官になりたい」という強い意志を持たない比呂は、未だ警察官になる実感が湧かず、職務に消極的になっていた。結局、比呂と徹平(藤ヶ谷太輔)、石岡(石井智也)、千晶(岡本あずさ)の4人が離島研修に赴くことに。 離島に降り立った一行は、さっそく巡回へ向かう。しかしそこは事件とは縁の無さそうな、のどかな島だった。島でただ一人の警察官・栗谷に「お年寄りの一人暮らし」の巡視は重要な職務だと言われ、一行は老婦・清子の家を訪ねる。すると、清子は自ら荒らした部屋の中で「空き巣が入った」とおろおろしていた。居合わせた弁当屋の福子によれば、清子は認知症とのこと。しかし実際に、空き巣の被害は増えているのだという。徹平たちは空き巣を捕まえて手柄をあげようと意気込み、翌日から家々を回って注意喚起を始める。しかし、比呂だけはそれに乗らず、控えめに電話番を担当する。 そんな中、比呂の待機する警察署に清子から電話が。比呂は再び清子宅を訪ね、そして清子の意外な過去を知る。一方の徹平は、清子宅に出入りする福子に疑いの目を向けるようになり…。
杉山(小柳友)のもとに一本の電話が。それは故郷で醤油蔵を営む父親が倒れたとの連絡だった。母親によると、命に別状はないものの、入院しているという。休暇を取って実家に帰った杉山は、病床に伏せる父親の姿と、無人の醤油蔵を目にする。一人息子である杉山が跡を継がなければ、父親が長年守り続けた醤油蔵は潰れてしまうかもしれない。蔵を心配する親戚に「このまま警察官になるつもりか」と問われ、杉山は思い悩む。 ほどなく、学校に戻った杉山は、授業中も終始うわの空。一方の徹平(藤ヶ谷太輔)も、かつて自分の父親が起こした発砲事件が、本当は指示を出した上官側の過失だったと知って以来、何に対しても身が入らない。 その夜、杉山はこっそりと徹平を呼び出し、警察を辞めるかもしれないと打ち明ける。仕方ないといった口振りの杉山。しかし徹平に責め立てられ、思わず、自分だって辞めたくないのだと叫ぶ。杉山の内に秘めた苦しさを知った徹平だが、心のどこかに芽生えた警察への不信感から、彼を引き止めきれない。そしてついに杉山は学校を去ってしまう。Sクラスの面々はその背中を見送るが、誰も引き止める声をかけることが出来ず…。 そんな中、なんと徹平に県警の陸上部からスカウトの声がかかる。来週行われるマラソン大会で入賞すれば、長距離走の選手として入部が認められるというのだ。父親を陥れた上官が高村校長(鹿賀丈史)だと知った徹平は、警察官として高村の下で働くか、陸上部で長距離ランナーとしての活躍を目指すか、人生の選択を迫られる。
かつて、警察の失態により起きた一般市民への発砲事件。その責任の全てを徹平(藤ヶ谷太輔)の父親・恭一郎(国広富之)に擦り付けた上官は、他でもない高村校長(鹿賀丈史)だった。それを知った徹平は警察組織に不信感を抱く。そんな折、徹平に県警陸上部からスカウトの声がかかる。入部の条件は、次のマラソン大会での入賞。長距離ランナーとして活躍を目指すか、高村の下で警察官として働くか…2つの道が徹平の前に示される。そして徹平は、マラソン大会に向けて練習を始めた。 Sクラスから離れ、黙々と練習に打ち込む徹平。美咲(石田ひかり)は桜庭(杉本哲太)に、これで納得しているのかと問うが、徹平の葛藤を知る桜庭の心中は複雑だった。そして事情を知らないSクラスの面々は、徹平の突然の心変わりが理解出来ず戸惑っていた。徹平が辞めてしまうかもしれない…そんな不安と寂しさが教場に満ちているのを感じ、団司(北山宏光)は何か考えこむ。その夜、団司は練習から戻った徹平と対峙し…。 運命の日はどんどんと近づき、訪れた大会前夜。比呂(剛力彩芽)は屋上で徹平と再会する。徹平と話して、その気持ちを知りたい比呂。しかし徹平は押し黙り…ただ一言「勝つと思う」と謝る。それ聞いた比呂は、自らその場を立ち去る。 そしてついに、様々な思いを乗せたマラソン大会が始まる…。