1994年夏。夢が嫌いな小学5年生の津村希(松本来夢)は、家族で夜逃げ同然に能登半島の小さな漁村に越してきた。ところが村役場に頼んだ空き家は大家の事情で貸せなくなったと告げられる。父・徹(大泉洋)、母・藍子(常盤貴子)は説得を試みるが、訳あり風情の一家に部屋を貸す人間はいないと言われる。そこにかつて民宿を営んでいた桶作文(田中裕子)が現れ、希の必死の願いにより数日泊めさせてもらえることになる。
塩田を営む桶作元治(田中泯)、文(田中裕子)夫婦と出会った翌朝、希(松本来夢)は近所の子どもたちに強引に誘われ、子ども相撲の練習に参加する。藍子(常盤貴子)は、ご近所さんが集まる美容室に赴き、土地になじむための手がかりを探る。一方、徹(大泉洋)は、黙々と塩づくりをする元治に大量生産でもうけようと持ちかけ、文の怒りを買ってしまう。希は能登に来ても変わらぬ父の姿に失望し、厳しい言葉を投げつけてしまう。
テレビ対決の本番直前、大悟(小日向文世)は出場を決め、スタジオに飛び込んでいく。フランス菓子の巨匠・大悟と若きスターパティシエの対決を、観覧席から見つめる希(土屋太鳳)たち。見事な手さばきで次々とケーキを仕上げて行く大悟は、最後の一品を仕上げると、予定にはないもう一品の作成に取りかかる。ざわつくスタジオをよそに大悟は、観覧席にいる希にスタジオのちゅう房に下りてくるよう命じる。
能登での成人式に参加し、圭太(山崎賢人)にときめきを感じてしまった希(土屋太鳳)は、横浜に帰ってからも心ここにあらずの状態。大輔とつきあおうと決めた矢先の感情に、自分でもどうすればいいのかわからず、高志(渡辺大知)に悩みを打ち明ける。そのころ能登では、東京で行う輪島塗の漆器展の準備が進んでいた。圭太は自分の修理した輪島塗を一緒に出してもらえないかと弥太郎(中村敦夫)に頼むが…。
展示会場から漆器展の中止を申し入れられた弥太郎(中村敦夫)。急きょ、展示会を横浜で開催すると決め、圭太(山崎賢人)や文(田中裕子)と共に、希(土屋太鳳)の働く「マ・シェリ・シュ・シュ」にやってきた。来店早々自由にふるまう文たちに一度は怒りを爆発させる大悟(小日向文世)だったが、弥太郎が輪島塗を見せると態度が一変。漆塗りとケーキのコラボレーション企画を弥太郎に提案する。
展示会の最終日に、輪島塗とケーキのコラボレーション企画を行うことが決まった。希(土屋太鳳)は圭太(山崎賢人)とともに、イベントで使用する漆器の選定を任される。翌日、能登からやってきた輪島塗職人たちが合流し、職人とパティシエがコンビを組み、それぞれの漆器にあったケーキを創作することになる。希は、圭太とペアになりケーキの創作に当たるが、与えられた漆器はとても地味で…。
半年前、希(土屋太鳳)に告白し、帰ってきたときに答えを聞かせてほしいと海外に飛び立った大輔(柳楽優弥)が帰国した。今でも気持ちは変わらないかと問う大輔に、希は変わっていない、と答える。数日後、大阪から一子(清水富美加)が突然現れる。圭太(山崎賢人)との関係を心配する希に対し、一子は希のことが時々嫌になる、だったら希が圭太と付き合えばいい、と言い放つ。
一子(清水富美加)との会話を聞かれ、大輔(柳楽優弥)となぜ付き合ったのか美南(中村ゆりか)に問い詰められた希(土屋太鳳)。希自身も、大輔がいるにも関わらず圭太(山崎賢人)が心の中にいる自分を許せずに落ち込む。その夜アパートに帰った希は、誰にでも心には隠したい気持ちがあるが、自分に隠しては駄目だと文(田中裕子)に諭される。希は自分の気持ちに正直になろうと、ある行動に出る。
輪島塗とケーキのコラボレーションイベント当日。直前になって希(土屋太鳳)の作ったケーキが、浅井(鈴木拓)の不注意で壊れてしまう。作り直そうにも材料のカカオは使いきっていた。別のカカオを組み合わせて同じ味を見つけようとする希と陶子(柊子)たち。圭太(山崎賢人)も駆けつけ、皆で必死になって作る。ついにケーキは完成。漆塗りとケーキのコラボレーションイベントは成功し、笑顔の圭太だが、希の心は晴れず…。