初音島全域で、原因不明の火事や事故などが起きるようになった。 義之は、そのことに妙な胸騒ぎを覚えた音姫とともに原因を突き止めようと、冬休みを利用して図書館で詳しく調べることに。 だが結局判明したことは、事件は毎日のように多発しているにも関わらず、まだ死者が一人も出ていないことだけ。 とはいえ、これも偶然では片付けられない事実であることは間違いない。 ますます事件の関連性が気になった義之は、不思議な現象の調査を得意とする杉並に協力をあおぎ、彼の自慢の情報網・非公式新聞部の資料を借りて目を通した。 初音島における過去半世紀以上に渡る数々の出来事が収められた極秘資料。 そこには事件ではなく不思議な噂がまとめられていたが、それらはすべて50年前に集中していたため、不思議に思った義之と音姫は純一に当時の話を聞いてみることに。
2人を前にして、純一は昔を懐かしみながら話しはじめた。 その中で、歌が得意で人の心が読める少女や、猫から人間になった料理好きの少女の話が出てきたときには、さすがの音姫も冗談かと思ったが、初音島名物である枯れない桜が彼女たちの願いを叶えたのだという。 今でも、その桜に恋愛成就の噂はある。しかし、自身の努力では決して成し得ない願いさえも本当に叶えられるとしたら……? にわかには信じられない話だが、念のため枯れない桜を調べはじめた義之たちは、やがてある人物から衝撃の事実を告げられる……。