ついにクリスマスパーティー当日。人形劇のほかに予定が決まっていなかった義之は、由夢とともに学校へ向かう途中、彼女に「一緒に校内の出し物を見て回ろう」と誘う。 由夢は密かに彼と行くことを望んでいたため、その嬉しさを悟られないよう誘いを受けるのだった。 そして学校到着後、クラスで人形劇の通し稽古を終えた義之は由夢のクラスに出向き、彼女と2人でパーティーを楽しむ。 幸せそうな表情を浮かべながら、義之と腕を組みながら歩く由夢はまるで恋人のようだった。
そんな楽しい時も束の間、義之は人形劇の本番に備えクラスに戻ることに。 だが、そこには緊張とは異なる重い空気が漂っていた。 なんと、今まで風邪を引きながらも練習に参加していた小恋が、ついに倒れてしまったというのだ。 代役を立てようにも、今から多くの台詞を覚えるのは到底無理。 杏や麻耶も諦めの声を漏らすが、そのとき義之が起死回生の解決策を思いつく。 自分の練習に何度も付き合い、すでにヒロインの台詞を完璧に覚えている音姫なら代役にふさわしい、と。 ちょうど劇を見ようと義之のクラスを訪れていた音姫は、彼らから突然の頼みを受けて困惑するも、真剣な思いに心を動かされ出演を決める。 とはいえ、彼女は人前で演技することが恥ずかしいらしく、普段の毅然とした姿とはほど遠い緊張ぶりを見せていた。 そんな音姫を励まし、落ち着かせる義之。ほどなくして人形劇の幕が上がった。 はたして、義之と音姫は劇を成功させることができるのか……!?