ある日、義之は由夢から心配事を打ち明けられた。なんでも、美夏が学校のクラス内でまだ馴染めていないというのだ。それを聞いた彼は、自分がこれまで美夏の面倒をあまり見なかったため、学校に馴染ませることができなかったのだと感じ、改めて彼女の様子を探ることに。
翌朝の登校中、不意に美夏とぶつかってしまった義之は、その拍子に彼女が落とした一冊のノートに気付く。ところが、義之が好奇心からノートの中身を見た途端、美夏が慌てて「内緒にしてくれ」と懇願してきた。どうやらよほど見られたくない内容だったらしい。そこで義之は、内緒にする代わりとして、放課後に彼女を遊びに誘う。行き先は、ショッピングモール内の家電売り場。機械に興味を示す美夏が楽しめるようにと義之が連れていったところ、案の定、彼女は売り場に並ぶ商品の数々をもの珍しそうに見つめたり、実際に触れて驚く表情を見せたりした。
こうして、美夏と打ち解け合えたと思った義之は、彼女のことを改めて「友達」と呼ぶ。ロボットとはいえ、感情のある美夏は人間と同じ存在だと思っていたからだ。だが、彼は気付いていなかった。美夏だけでなく、μたちにも心があることを。その心を自分たちの都合で制限し、いいように扱う人間を、美夏がどのように見ていたかを。「人間が嫌い」と明言する彼女の心は、簡単には変わらない。そんな美夏に対し、義之がとった行動は……。