義之と付き合うことで、彼との距離を少しずつ近付けていく小恋。しかし彼女は、義之とさらに接近する機会……すなわちデートを、まだ一度もしたことがなかった。普段の授業や勉強はもちろん、義之が加入したことで勢いづいている、バンドの練習にも時間を割いているからだ。デートはしてみたいが時間がない。そんな小恋の悩みを聞いた杏、茜、ななかは、親友である彼女を助けようと決意。小恋が好きな映画のチケットを2枚渡し、ななかと渉の協力でバンドの練習も休みとして、当人たちに気付かれないよう休日のデートをセッティングするのだった。
当日、お互いに照れながらも初デートを始めた義之と小恋は、映画鑑賞、喫茶店で食事と、楽しい時間を過ごしていく。彼らの様子を隠れて見守っていた渉たち4人も、当人たちがいい雰囲気になっているのを見て、満足げな笑顔を浮かべた。ところが4人は、その後の展開を想像して勝手に盛り上がった拍子に、義之と小恋に見つかってしまう。驚く2人に対し、「全ては自分たちが計画したことだ」と謝る彼らだったが、義之は小恋の手をつかみ、その場から逃げるように走り去った。真実を知って怒りを感じたわけではない。自分たちのことを考えてくれた4人の気持ちがうれしかったのだ。そして彼らの気遣いを無駄にしないためにも、義之は、これから2人きりで充実した本当のデートを始めることに。一方、小恋はデート中にあることを達成させようと密かに願っていた。はたして、小恋が密かに抱く“夢”とは……。