上杉謙信(阿部寛)に蟄居(ちっきょ)を命じられた兼続(妻夫木聡)は、故郷・上田庄の雲洞庵にこもり、自らを見つめていた。そこに弟の与七(小泉孝太郎)が訪ねて来て、母・お藤(田中美佐子)の容態がよくないことを伝える。家に帰るよう説得する与七に、兼続は勝手な真似はできないと拒む。 その頃、北条氏政(画面には登場せず)が関東の上杉方の諸城の攻略を再開。上杉軍は七尾城攻めを中止し、春日山へ取って返す。直江景綱(宍戸錠)は戦に参加できないことを謙信にわびるが、謙信は景綱こそ第一の家臣とねぎらう。三日後、景綱が亡くなる。 北条を抑えた謙信は、再び七尾城を攻め、お船(常盤貴子)の夫で直江家の跡取りとなった直江信綱(山下真司)も参戦する。 一方、兼続のもとに、母の危篤の知らせが届く。意地を張り帰ろうとしない兼続に、北高全祝(加藤武)は「己の真を見つめ、それに従え」と叱咤(しった)。急ぎ家へ戻る兼続。兼続の顔を見たお藤は静かに息を引き取る。自らの親不孝を責める兼続に、全祝は強くなれと諭す。そして、お藤の四十九日法要の日、参列したお船を送った兼続は、紅葉の木を見て、「紅葉のように(人のために尽くす)家臣になりなさい」という母の言葉を思い出し、二度と涙は見せまいと心に誓うのだった。