独特のハスキーヴォイスでファンを魅了するスーパースター、ロッド・スチュワート。
彼が79年にリリースした「アイム・セクシー」は、アメリカ、イギリスをはじめ、世界各地でNo.1に輝いた大ヒット曲。
しかし、古いファンの中からは、この曲でロッドが流行りの音楽に身を売ったとして、落胆する声も上がった。彼は本当に、“変節”したのか?
ロンドンの労働者階級の家に生まれたロッドは、10代でヨーロッパ各地を放浪。その後、フォーク、ブルース・ロック、モッズ・サウンドなど、さまざまな音楽を経て、自作「マギー・メイ」の大ヒットでソロとしての地位を確立。活動の場をアメリカに移してからは、一作ごとに人気を高め、ついにスーパースターとなった。
音楽的なスタイルは変化していても、彼の内面は、満たされぬ思いを抱え、迷いさすらう、瑞々しい少年のままだ。彼がいつも歌っているのは、自分や周りの人々の些細な夢、そして、挫折や喪失の痛手だ。だから、誰の心にも沁みる。
「アイム・セクシー」(原題:"Da Ya Think I'm Sexy?")も、タイトルの華やかさに反し、男女の愛のはかなさを歌ったものだった。
番組では、この曲をロッドとともに書き上げたカーマイン・アピスやデュエイン・ヒッチングス、そして、ロッドが音楽の師と仰ぐウイズ・ジョーンズなどを訪ね、名曲誕生の経緯を探っていく。