1983年、異星起源種BETAの侵略を受けている東ドイツは絶望的な消耗戦を強いられていた。その状況下で”東ドイツ最強”と謳われる第666戦術機中隊「黒の宣告」に所属するテオドール・エーベルバッハは孤独に戦い続けていた。そんなある日、テオドールは戦場で孤立していた戦術機を救出する。その機体に乗っていたのは西ドイツからきた少女、カティア・ヴァルトハイムであった…。
救出した少女、カティア・ヴァルトハイムに東ドイツの現実を突きつけるテオドール。カティアはそんな彼に、ある目的があって東ドイツにきたと告げる。理解し難いカティアの行動に戸惑うテオドール。さらに中隊長アイリスディーナからカティアを監督するように命令される。そんな中、カティアを捕らえるため、国家保安省のハインツ・アクスマンがベーバーゼー基地に現れ…。
カティアを信頼できないまま出撃したテオドール。結果として、カティアと副隊長ファムがノイェンハーゲン要塞陣地に取り残されてしまう。生き残るために、己の行動は間違っていないと自分に言い聞かせるテオドール。一方、カティアは要塞陣地で戦場の現実を目のあたりにするのだった。
悪夢のようなノイェンハーゲン要塞防衛戦から帰投した第666戦術機中隊に補充衛士が送られてくる。それはテオドールの行方不明となっていた義妹リィズ・ホーエンシュタインだった。不自然な再会を警戒する中隊。そこに大規模国際合同作戦開始の号令が下る。
義妹リィズへの疑念を抱いたまま、海王星作戦に参加したテオドール。だが本来は敵同士である東西両陣営を結集した作戦は混迷を極めていた。お互いを信じられぬまま悪化していく戦場。第666中隊は味方の協力を得られぬまま、決死の光線級吶喊を開始するのだが…。
海王星作戦で得たものは大きく、そして失ったものも大きい。だが、テオドールはカティアとアイリスディーナの夢の欠片を確かに目撃したのだった。帰途についた第666戦術機中隊に、再び国家保安省の魔手が伸びる。テオドールは監視を振り切り、政治将校グレーテルと共にベルリンへと赴くのだが…。
東ドイツ戦史上、最大級のBETA侵攻が始まった。重光線級の出現によって防衛線は切り刻まれていく。窮地に追い込まれる国家人民軍。第666中隊は奮闘するものの、それは蟷螂の斧でしかなかった。そして中隊に仕掛けられていた最後の爆弾が破裂する。
国家保安省による東ドイツ支配が進んでいく。長官エーリッヒ・シュミットは東ドイツ総帥の地位を手に入れる。すべてを失ったテオドールはカティアと共に山中を彷徨う。後悔という泥濘に脚を取られ、前に進むことができなくなったテオドール。その横顔を見つめるカティアの心に火が灯る。
西方総軍と合流したテオドールとカティアの前に、権力争いに敗れた国家保安省ベルリン派のアクスマンが姿を現す。テオドールは仇敵アクスマンと協力して反攻作戦を開始する。奪われたものは必ず取り返す――血気に逸るテオドールの前に最狂の敵が立ち塞がった。
エーリヒ・シュミットが主導する新国家体制は着々と構築されつつあった。劣勢に立たされる革命軍に西ドイツから極秘裏に特使が派遣される。西側と連携できれば勝機はあるかもしれない。微かに点った希望に沸き返る革命軍。だが、その動きすらも国家保安省は読んでいたのだった。
なぜ、こうなったのか――血に塗れた己の手にテオドールは自問する。時間を巻き戻すことはできない。それならば流血の連鎖は俺が断ち切る。自分には、その義務があるのだから――。ついに首都ベルリンを舞台に第666中隊と人狼大隊の決戦が始まった。
ベアトリクス・ブレーメ率いる人狼大隊の手によって、次々と撃破される革命軍。散っていく仲間の思いを受け継ぎ、テオドールは戦い続ける。だが、人類同士の争いを他所に、BETAは最終防衛線を突破する。このまま東ドイツは滅んでしまうのか――最後の灯火だけは消させはしない。