世界遺産に認定された熊野古道———— 玉倉山にひっそりと建つ玉倉神社。そこで宮司の祖父に育てられた鈴原泉水子は、 外の世界をほとんど知らずに暮らしていた。中学3年生になり、引っ込み思案な自分を変えたいと思った泉水子は、ある朝思い立って前髪を切る。 そんな時、泉水子の両親の友人である相楽雪政が学校へ現れる。泉水子は、雪政の息子で幼なじみの深行と再会することになるが…。
泉水子のクラスに転校してきた深行。二人は雪政から、一緒に東京の鳳城学園へ進学するように言われ、落ち着かない日々を過ごしていた。やがて東京への修学旅行が近づき、泉水子はその機会に東京にいる母親・紫子と会い、進学の件を断ってもらおうと深行に相談する。修学旅行当日、二人は紫子と落ち合う予定の都庁展望室へ向かうが、泉水子は何かに付け狙われているのを感じていて……。