指圧師の中村宗仙(芦屋雁之助)は、当代きっての腕を持つが、治療代もピカ一と言われる男。その治療代は五十両とも百両とも言われていたが、平蔵(中村吉右衛門)からは一両もとろうとしなかった。平蔵と妻の久栄(多岐川裕美)は、宗仙の素顔は、純な心根の持ち主であると見ていた。そんなある日、同心・沢田小平治(真田健一郎)が、宗仙の家に浪人・石島精之進(中原丈雄)が出入りしているのを見かける。だが、沢田は石島のことを宗仙のところに出入りするには、場違いな風体であると感じる。そこで密偵・相模の彦十(江戸家猫八)、おまさ(梶芽衣子)に調べさせると、石島は大坂の香具師の元締・白子の菊右衛門(田中弘史)の連絡役として宗仙のもとを訪ねていることがわかった。宗仙は、菊右衛門の女・お八重(速水典子)と男女の仲になってしまい、菊右衛門から三年の間に五百両を払えば、お八重をくれてやると言われ、せっせと金を工面し、大坂に送っていたのだった。
Name | Type | Role | |
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Yasuhiro Sakurai | Writer | ||
Yoshiki Onoda | Director |