平蔵(中村吉右衛門)は、寺の境内で子供に読み書きなどを教えている浪人・原口新五郎(滝田裕介)を訪ねた。新五郎は、高杉道場で同門だった平蔵の恩人である。血生臭い日々を送る平蔵にとって、新五郎との時間は息抜きとなっていた。その帰り、平蔵は二十数年ぶりに、おかね(南田洋子)という女を見かけた。おかねは、若いころ流しの女郎をやっており、平蔵や密偵・相模の彦十(江戸家猫八)とも旧知であった。おかねは、片目の男を包丁で切りつけようとしていた。聞けば、片目の男は弥助(山田吾一)といい、かつて、おかねは言い寄ってきた弥助の目をかんざしで刺した。それを恨んだ弥助が、おかねの娘を殺したのだという。その娘は、新五郎との間に授かった子だった。おかねは新五郎を慕い、新五郎もまたおかねと所帯を持つつもりだったが、新五郎の士官の妨げになると、おかねは自ら身を引き、ひとりで子供を産み育てていたのだ。平蔵は、おかねの仇討ちに手を貸すことにする。
Name | Type | Role | |
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Narito Kaneko | Writer | ||
Masahiro Takase | Director |