朝になるまで誰も気付かないまま、薬種問屋「山城屋」で金七百八十両が盗まれた。本格の盗賊・一文字の弥太郎(三ツ木清隆)一味の仕業だった。その弥太郎のもとに、名古屋の大盗・鳴海の繁蔵(寺田 農)から書状が届く。それは、弥太郎が繁蔵の娘・お糸(田中由美子)と夫婦になるという、双方の親同士が交わした取り決めを確認するためのものだった。鳴海一味は、繁蔵の代になってから急ぎばたらきをするようになっており、江戸に出て盗みを働く際に弥太郎を利用しようとしているのは明らかだった。弥太郎は、結婚の約束は守るが、稼業での付き合いはしないとの旨を伝える。そのころ、平蔵(中村吉右衛門)のもとに、十年前まで弥太郎の配下だった長島の久五郎(中村橋之助)を見かけたとの報せが入る。久五郎は、繁蔵の配下となっており、結婚の取り決めに関して弥太郎一味とのつなぎ役を務めていた。平蔵は、その線から弥太郎、鳴海一味の行方を追う。
Name | Type | Role | |
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Masato Ide | Writer | ||
Yoshiki Onoda | Director |