ひとりばたらきの老盗賊・鷺原の九平(米倉斉加年)は、四十年ぶりに故郷である加賀の国、金沢近くの田近谷村に帰ってきた。死ぬ前に一度だけ故郷を見たいという望郷の念にかられてのことだった。今は赤の他人が暮らしているかつての家で、水を一杯だけ馳走になり、かわらぬ村の景色を一目見て満足し、その日のうちに故郷をあとにした。江戸に戻る途中、加賀越中の国境、倶利伽羅峠で、九平は、ふたりの男が長谷川平蔵(中村吉右衛門)暗殺の密談をしているのを聞いてしまう。その男たちは、大盗賊・網切の甚五郎(青木義朗)と、その片腕・文挾の友吉(江幡高志)だった。江戸に戻った九平は、表の商売である居酒屋「加賀や」の店主として店に出る。そこへ、店の芋酒の評判を聞きつけ、着流し姿の平蔵が訪れた。九平は、平蔵の温かな人柄にすっかり惚れ込んでしまった。その後、平蔵の素性を知った九平は、偶然、友吉の姿を見かける。九平は甚五郎一味の隠れ家を探り、見張ることに。平蔵暗殺の企ては目前に迫っていた。
Name | Type | Role | |
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Hideo Ando | Writer | ||
Yoshiki Onoda | Director |