信州無宿の丈八は、誤って女の右腕を斬り落としてしまったことから、今度刃を抜いたら右腕を斬ると、自ら長脇差を封印する。それから3年、喧嘩を素手で収める「抜かずの丈八」は渡世内で名を呼んでいた。不運な巡り合わせから小伝馬町送りになった丈八は、牢を出るとそこで世話になった老人・鉄砲の吉兵衛が娘・お京に会うための旅に同道する。しかしそこで見たものは、嫁いで幸せになったはずのお京の、変わり果てた姿であった。娘の敵の悪人は牢内で丈八を半殺しにした男だった。丈八は死んでゆく老人の腕から右腕覚悟で刃をとって…。