女性のみで構成された唯一無二の劇団「紅歌劇団」。その養成機関である「紅歌劇音楽学校」の入学試験が今年も行われている。受験生の中で一際目を引くのは、元アイドルの奈良田愛。男性のいない世界を求めて紅華の門をくぐった愛が桜の下で出会ったのは、オスカル様を夢見る少女・渡辺さらさだった。
入学式が終わり、いよいよ授業が始まる予科生たち。そんな予科生の生活を指導するために、先輩である本科生が1人1人担当につくことに。新たな日々への期待に胸を膨らませるさらさだが、指導担当を務めることになった中山リサに「あんたはオスカルに絶対なれない」と言われ……
新入生たちが徐々に学校生活に慣れつつある中、いまだ周囲に溶け込めずにいる愛。特に、自分と仲良くなりたいと願うさらさに対し、うまく距離感が掴めず苛立ちを募らせる。人との関わり合いを拒絶し殻に閉じこもる愛には、どうしても忘れられない幼少期の記憶があった。
愛を追いかけ神戸までやってきた男に立ち向かうさらさだったが、彼の口から語られたのはアイドル時代の愛との意外なエピソードだった。愛はさらさを置いて逃げてしまった責任を感じ、意を決して現場へと戻る。しかしそこには驚きの光景が広がっていて……
さらさに「大嫌い」と言ってしまったことを謝りたい愛。そんな時、紅華歌劇団の公演「ロミオとジュリエット」を観賞したことをきっかけに、愛の心境は変化していく。一方、前期試験で成績最下位だった山田は、同期たちとの差を目の当たりにして自信を失ってしまい……
さらさたち予科生は座学ばかりの演劇の授業に物足りなさを感じ、”表現力”を磨くために実践的な演技のレッスンを望んでいた。生徒の申し出を受け、実技を行うことを決めた講師の安道が選んだ演目は「ロミオとジュリエット」。2週間後の発表会に向け、猛練習の日々が始まる。
音楽学校は夏休みに入り、予科生一同も故郷へ帰省。寮に残るつもりでいた愛は、さらさに誘われ彼女の実家・浅草を訪れる。初めての友達とのお泊まりに舞い上がる愛だが、そこにはさらさの恋人だという歌舞伎役者の白川暁也が待っていた。幼馴染みのさらさと暁也、気になる2人の過去とは……
夏休みが終わりに近づき、予科生たちは新学期への備えを始める。各々が夏の思い出を共有する中、星野は1年前の出来事を思い出していた。音楽学校を受験できる最後のチャンスである高校3年生の夏、周囲からのプレッシャーや焦りを抱える彼女は1人の少年に出会う。
紅華設立100周年の今年、10年に一度の大イベント「紅華歌劇大運動会」が開催される。音楽学校生は、どこの組にも属さないベテラン劇団員・専科のメンバーと合同で準備に参加することになる。憧れの娘役に会えて喜ぶ双子の千秋と千夏だったが、2人はあることをきっかけにすれ違ってしまい……
「紅華歌劇大運動会」にケガで出場できなくなった夏組団員の代わりとして急遽出場することになったさらさ。イレギュラーな人選に納得のいかない本科生や予科生から批判的な目を向けられる中、100期生代表としての出場に不安と緊張を抱えたまま、遂に運動会当日を迎える。
本科生にとって、紅華での音楽学校生活の総決算となる文化祭。その舞台で、今年は予科生による寸劇が行われることになった。異例の出来事に浮き足立つ予科生だったが、与えられた10分間の寸劇「ロミオとジュリエット」でステージに立てるのはたったの4名。予科生40名による熾烈なオーディションが始まる。
さらさとの関わりをきっかけとして自らの殻を破った愛の演技に圧倒される予科生一同。次に出番を控える山田も例に漏れず不安を募らせ、自身と全く異なる性質を持ったジュリエットという役を演じることに未だ自信を持てずにいた。そんな山田に同組でティボルトを演じる杉本が声を掛け……
遂にさらさのオーディションがスタート。容赦無く実力を発揮してロミオを演じる安藤のカリスマに飲まれ、思うような演技ができない同組の生徒たち。同じく気圧され息を呑むさらさは、目を閉じて幼い頃のある出来事を思い出していた。予科生全員が持てる力を尽くして臨んだオーディションの結末は……!!