ひとりで宿泊している季世子は、客室係の亜里沙がフロントクラークとして以前勤めていたホテルの先輩だった。そのホテルであった盗難事件の犯人の疑いが亜里沙にかかって、亜里沙は辞職したのだった。のちに真犯人が見つかり季世子は亜里沙をかばってやれなかったことをずっと後悔していた。亜里沙が笑顔をなくしているのはそのせいかと思った。その頃、3人で宿泊している鈴香が部屋に置いていたサファイアの指輪が外出中に無くなり、清掃担当の客室係・亜里沙が盗んだと疑いをかけ、警察沙汰になった。その最中、季世子は完遂したエンディングノートを残して部屋から姿を消した。自殺を心配した亜里沙が屋上で見つけると、季世子は「子供が産めない体だとわかって姑に離婚を突き付けられて、絶望して死のうと思ったが死ぬ勇気もない」と語り、自殺を思いとどまった。それに対して亜里沙は「以前笑顔だったのは、周りに好かれようと演技していたのであって、窃盗事件で、実は嫌われていたのに気づき自己嫌悪に陥って死のうと思ったが死ねなかった。今が自然体でいるのだ。」と語った。一方、盗まれたと思った指輪は鈴香とともに宿泊していた典枝が無断ではめてみたら抜けなくなり、言い出せなかっただけだった。塔子と施設係の西崎にはずしてもらった指輪を体を小さくして返した典枝を鈴香は笑い飛ばして許し、ホテルスタッフに騒動を詫びた。